「それな?」
「わかるー」
「ウケる」
がやがやと騒がしい教室、午後のある日。
あの頃は、何もかもが輝いて見えていた。
好きなアイドルが表紙の雑誌を買って、
紙パックジュースを気取って飲んで、
帰りは自転車で河川敷を走ったよね。
有線イヤホンを耳に突っ込みながら。
どうしようもなく、あの頃に戻りたい時がある。
どんな大人になるか、考えていたあの頃に。
画質が悪い写真。くぐもった音のイヤホン。
テレビは割と厚め。父親が野球をずっと見てたっけ。
まな板で何かを切る音がする台所が大好きだった。
あの頃。2階の自室から見る景色は、毎日代わり映えしなかったけどさ、今の、仕事帰りのアパートから見える景色よりは、何千倍もうつくしかったね。
ああ、雨音が強くて眠れない。
2/27/2026, 3:42:25 PM