『狭い部屋』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
狭い部屋
それでも
あのときのふたりには
楽園のようだったんだ
空っぽの部屋にひとり
こんなに広かったっけ…?
どこにでも行ける。
どこまでも行ける。
限りない自由が怖い。
どこに行けばいいのか。
どこまで行けば許されるのか。
壁を立てる。
私を隔てる。
世界を隠す。
どこにも行かなくていい。
ここで蹲っていてもいい。
世界に果てがないことを知りたくない。
もう足が動かない。
もう息が続かない。
この狭い部屋で朽ちていく。
「狭い部屋」
私の心の中。
狭くて暗くて悲しい部屋。
誰かのノックを待ちながら、
部屋が明るくなるのを期待して。
でも本当はわかってる。
この部屋を広くできるのも、
明るくできるのも、
結局自分なんだって。
陳腐な事しか言えない私だけど。
それすらも愛せるようになれたらいい。
狭い場所は好きだ。カプセルホテルなんて、わくわくする。
しかしどうしてか。私の部屋は狭いが、窮屈で嫌だ。この差は何だろう。
わたくしが選択し、わたくしが塗り替え、わたくしが電気屋に並び、わたくしがエアコンを購入した、わたくしが電灯を取り付けたこの部屋。
人形箪笥一竿、PCデスク一対、仕事書類一式、文房具ラックひとつ、レコードプレーヤー一式、CDセット各種、etc etc…
最近来たリフォーム屋が言いました。
「いいえ六畳ではありません、四畳半ですね。」
狭い部屋
狭くて暖かい部屋がある。
それは家族がいる部屋
狭いけど心が温まる
憩の場所
敷きっぱなしの布団
寝ても取れる場所にあるスマホ
脱ぎっぱなしの仕事着
疲れて1歩も歩けない自分
仕事は辞めたいけど辞めたいと言える勇気もない
苦々しい笑顔で毎日を過ごす
やめたら楽なんだろうけどやめて何が残る
どっちに転んでも自分を殺しにかかってるんだと思う
いつかこの気持ちにも決着をつけたい
でも今は寝たい
朝なんか来なければいい
できることならずっと寝ていたい
この狭い部屋だけが私に安らぎをくれる
狭い部屋より広い部屋に憧れた。
でも今は狭い部屋で暮らした方が
なんだかんだ楽しかったなと思うときがある
広いからいいときも狭いからいいときも
いつしか わかること。
納得できました。狭いから。狭くても楽しかった
あの頃が恋しい。
大人になったからそう、思うのだろうか。
ここの部屋、こんなに狭かった?
そんな話題に 成長の記録。家族の行き来。
みんなの、いた青春時代。
あの頃が恋しい。
狭い狭い部屋
あなたとふたりのせまいへや
あなたは
「秘密基地みたいね?」
といった
そうさ
ここは僕たちの楽園
永遠に時間の止まった
子供だけの楽園さ
狭い部屋
狭い部屋というのは、窮屈だが、広い部屋というのも孤独感があって寂しくて嫌いである
狭い部屋
広い部屋の方が若干好き
狭いところも好きだけど
僕は外に出られない。
この狭い部屋ひとつが僕の居場所。
窓はいつも外から勝手にブラインドがおろされる。
壁は頑丈な割に薄いので騒音が素通しで辛い。
しかもここは屋上階らしく、暑さ寒さの差もひどい。
居心地最悪な空間に閉じ込められて、もう十数年。
初めは自分がここに居る理由が何も分からずに恐怖と苛立ちに駆られて泣き叫び、獣のように暴れていた。
けれど年月をかけ窓越しに学びを施された現在、諦念と怠惰によく馴らされ、日々静かに時間を喰んでいる。
今、僕が知ってるのは、この部屋が存在するこの世界と自分自身の運命とが完全にリンクしているってこと。
僕の死、イコール、世界の死。なんてこった。
だから僕は静かに、大人しく、できる限り密やかに生きることを決めた。勇壮な冒険者の気質なんて端から持ち合わせちゃいない。
何もしないことで世界が、そう、僕を受け入れてなお毎日を真剣に楽しく生きている君の命が救われるなら、僕は喜んでこの無為徒食の日々を受け入れる。
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狭い部屋
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所感:
ラノベでありがちなテンプレタイトルより。
「転生したら知らない奴の脳髄だった件」
子供の頃のおもちゃ達
棚の上のぬいぐるみ
中学校の教科書ノート
彼からもらった贈り物
部屋に染み付く記憶の跡で
ここは少し手狭になった
「またいつか」と呟きながら
記憶にそっと蓋をした
「狭い部屋」
狭い部屋
狭い部屋で私はのたうちまわった
この年で?!
いい年して!?
一目惚れ!?と
一目惚れって生まれて初めてだと思う
私の視界に入った瞬間から、格好良い‼︎
横顔(横顔しか知らんw)も座ってる姿も、
話してる感じも、
服装も、
全てに目を奪われた
きっと一目惚れ
一目惚れした事ないから分からないけど
これが一目惚れってヤツなんだと思う
「全然、片付いていませんが……」
本と書類とペン類と、それからマグカップ、たまにお箸。物にあふれた、お世辞にも綺麗とは言えない部屋に人を入れるのは久しぶりだ。
「こちらこそ、突然無理言っちゃってごめんね」
長居はしないから安心してよと続いた相手の言葉に本当に少しほっとしながら、目的の本を探す。
昼休み、ただの雑談だった。最近読んだ本が面白くて、それほどボリュームがあるわけでもないのに没入感がすごいんだと。もし嫌でなければ、機会があればぜひ読んでほしいと。
「じゃあ、その本、借りてもいい?」
そんな話をしていたら、無邪気な笑顔で返された。興味を持ってくれたのが嬉しくて、「もちろん!」なんて即答。夕方に約束して、部屋まで来てもらった。のが、今。
「うわあ、たくさんあるね……ジャンルも色々、勉強家だね」
「いやぁ、そんなことは……少しでも気になると手を伸ばして、それでどんどん増えていってしまうんです」
紙に埋もれるようにして置いてある机に狙いを定めて、貸すための本を探しながら答える。言葉にすると改めて、心から反省の念が湧いてくる。せめて整理整頓くらいすれば、もっとスマートな部屋になるだろうに、自分の体たらくにがっかりしてしまう。
待たせている相手はというと、あちこちに散らばる本や書類を手に取っては興味深そうに眺めている。時折小さく「次はこれ」「その次はこれ」と聞こえてくる。ひょっとして、次やその次の機会、またこの部屋に来るのだろうか。来てくれるのだろうか。絶対に片付けておこうと思った。
「あ、ありましたぁ。お待たせしました、どうぞ」
「ううん、そんなに待ってないよ。どうもありがとう」
思ってもいないところでそれを見つけ、その場で手渡す。眩しい笑顔を見てこちらまで表情がゆるむ。気付けば自分の根城に好きな人を招いたというのに、緊急やときめきを感じている暇なんてなかった。
「急がなくていいですからね、なんならずっと持っていてくれても」
「そんなことしないよ! 次に借りる本、さっき決めておいたから」
親指を立てた姿が余計に眩しい。恋心のせいだろうか。少しくらりとしながらも、渡した本が返ってくるまでにせめて食器くらいは片付けようと固く決心した。
【狭い部屋】
お金が貯まれば幸せになれると思っていた。だから私は狭い部屋で必死に仕事を続けた。イラストレーターとして成功するまでは、1DKのこの部屋で我慢すると決めていた。ベッドと作業用の机、冷蔵庫に電子レンジしか置いていない。好きなデザインのソファや大きな本棚が欲しくても、断念していた。
そんな生活を続けて数年。周囲から現実みて正社員として働いた方がいいという注意すらされなくなった頃、やっと大きな仕事をもらえた。とある小説が映画化するから、登場人物のキャラクターデザインをしてほしいというものだった。これが成功すればすべてうまくいくと信じた私は必死に頭を使って、作品との解釈違いが起きないよう。それでいて個性的なキャラクターになるよう頑張って描いた。
見事、その映画は大ヒットして、私の名前も少しは知られるようになった。それをきっかけに仕事を増えて、お金もたくさん貯まった。
理想の家に引っ越しして、理想のインテリアを揃えようと決めた。新築で建ててもらったその家は私の理想通りだった。新調した家具も、庭に咲く花だって。なに一つ文句なかった。
そんな広い部屋で再び仕事を始めた。はじめは人生における一つの目標を達成したせいか、あまりやる気が出なかった。だが、どれだけ長くこの家で仕事をしてもその状態は続いた。
そして私は気づいた。成功するまで一人で頑張り続けたあの部屋が、家が恋しいのだと。あの部屋に詰まっていた努力した時間を無くしたように感じた。
結局、お金が貯まっても私は幸せにはなれなかった。お金がなくても、幸せを感じられていたあの頃に戻りたくても、もう戻れない。自分が履き違えていた価値観に一人、虚しさを覚えるのであった。
「狭い部屋」
「こんなところに居たんだね。」
君は汗びっしょりで、息が切れている。
だけど、とても嬉しそうな笑顔で僕の頭を優しく撫でる。
「もっとそっちに行って。」
えっ?一緒に入るの?
僕ひとりでぴったりの場所なのに、君が入ってくるとぎゅうぎゅうだよ。
「ここはおひさまの匂いでいっぱいだね。」
気が付いた?
ここは最高に幸せになれる場所なんだ。
「それに大好きな君の匂いがたくさんする。」
そう言ってまた君は僕の頭を撫でる。
だから
ここは最高に幸せになれる場所なんだ。
倒壊した研究所に黙って立ち尽くしたアカルは、ただ一点を見つめていた。
横に並ぶと、足元を指し示して口を開く。
「ここ、だ。」
その意味はすぐにわかった。
研究所にいた頃の、アカルの部屋。
部屋の輪郭はかろうじて残っていた。
人が一人暮らすには狭すぎる部屋だった。
この独房で過ごしていたと言うだけで、そこでの扱いが十分に知れる。
「ここに、机があって。」
部屋の半分ほどの空間を大きく囲う。
それだけでも、人がまともに生活できるような設計じゃない。
「ここにトイレがあって、ここから食事が出てきて」
細い指が、対角の隅を順に指す。
「それで、毎日、毎日、」
はぁっ、と浅く息を吸う音で、部屋の跡から隣に視線を移して。
焦点の合わない瞳に、思わず抱き寄せていた。
途切れた言葉の先なんて、聞かなくてもわかっていたから。
毎日、毎日、被検体として虐待紛いの実験を受けていた。
半ば無理矢理肩にもたせ掛けた頭は、初め戸惑うように、遠慮がちに浮いていたが、やがて確かな重みを預ける。
触れるところから伝わる震えを宥めるように、しばらく2人でそうしていた。
「ごめん、俺、話を、」
「いい」
詳しい内情を説明しに行かないといけない、と腕の中から抜けようとするアカルを閉じ込めるようにして止める。
「でも、他の子たちに話をさせるわけにいかない」
「お前だって、今話ができるような状態じゃねぇよ」
アカルの言う“他の子たち”、今回の作戦で保護された被検体の子供たちは二十数人に及ぶ。
前線で作戦の戦闘部分を担っていた立場ではちらっと見かけた程度だったが、どの子供たちも言葉では表せないほど、身体的にも精神的にも酷く傷ついていた。
清潔感のある被検体服でいっそう際立つ痩せこけた手足、一切の光がない表情。
その様子は、出会った頃のアカルを思わせた。
今、その子供たちが集まる本部へ、アカルを行かせたくなかった。
これ以上、痛みを負ってほしくない。
そういう、ただの、わがままだった。
「あー、座るか、ほら」
こっち、とさりげなく部屋の跡の内側へアカルを導く。
なんとなく、ここをこのままにしておきたくなくて。
アカルの「部屋」がまだ、鮮明にここにあるような気がして。
だから、足を踏み入れる一瞬、わずかにアカルが躊躇ったのには気づかないふりをした。
アカルが「机があった」と話した空間の右端あたり、ちょうど良い高さで残っていた外壁に座る。
所在なげに立ち尽くすアカルを見上げて、固さを感じる眼差しに目を合わせ、安心させるように少し笑って隣を示す。
また一瞬の逡巡の後、アカルは浅く腰掛けた。
「いやー、やっと、終わったな」
大袈裟な程に息を吐き、両手を後ろについて軽く伸びをする。
うん、と頷いたアカルがつられて、体の両脇に手をつき顔を上げる。
「あ…」
小さく、そう呟くのが聞こえた。
どことなく強ばっていた隣の気配がふっ、と緩む。
何を見たのか、何に気づいたのか。
なんとなくわかる気がしたから、聞かなかった。
雲ひとつない空は突き抜けるように高く、ただ遥かに青く、青く。
「部屋」はもう、どこにもなかった。
-狭い部屋-
①マイナスイメージ
貧乏、家賃高いから借りられない、駅近で選んだ、何も考えず借りた、自宅だが兄弟多いから自分の部屋は狭い、片付けられないから居場所は狭くなる、ゴミ屋敷である、他人に侵食されている、押し入れに閉じ込められている。
②ポジティブイメージ
そもそも1人だから広さはいらない、自分の城は全て手に届く、狭さが落ち着く、迷惑な人を呼ばなくてすむ一人暮らしの部屋が最適、狭いから大事な人との距離が近い、狭くても自分が好きにできる空間。
狭くてなんだかんだ言うやつは、親が金持ち
金もないのに広いへやが欲しければ、稼げばよいのでは?
【狭い部屋】
オレが暮らす部屋は、やたらと狭くてやたらとモノが多い。その部屋の中で見つからなくなるモノも多々あるのだが、大抵の場合は大捜索の末に無事発見されて一件落着となる。
ところが、今回はマズイ展開になった。失くしたのは、こともあろうにこの部屋の鍵だ。昨日、深夜に帰宅したときは自分で鍵を開けたのだから、この部屋のどこかにあるはずなのに見当たらない。着ていた洋服やカバンの中など、心当たりのあるところも全て探したがやはりどこにもない。
もう、新しい鍵を作るしかないか。結構イタイ出費だよなぁ…若干心が凹んだタイミングで玄関のチャイムが鳴った。
「先輩、ただいま帰りました〜」
目の前に現れたのは、大学の後輩で同居人の小谷だ。2泊3日の合宿から今日帰ってくることを、すっかり忘れていた。
「おかえり、小谷。合宿楽しかったか?」
「はい、それはもう!ってその話はとりあえず置いといて…これ、先輩のですよね?」
小谷がいきなりオレの目の前に突き出したのは、さっきまで血眼になって探していたこの部屋の鍵だ‼︎
「鍵穴に刺さったままでしたよ。持ってかれたらど〜するんですか!ここ、僕の部屋でもあるんですからね。セキュリティ、ちゃんとしてくださいよ‼︎」
だいたい、鍵がないなら何故真っ先に鍵穴を確認しないのかと、小谷は帰宅してからの小一時間をオレの説教に費やした。昨日は珍しく同居人が留守だからと外で飲み、玄関のドアを開けてから記憶がほとんど抜け落ちていたオレが全面的に悪い。
「小谷、ごめん。悪かった。もう2度とやらない。今度はちゃんと鍵穴も確認するし」
「それより先輩、いつになったら自分の部屋探すんですか?ここに転がり込んでから随分経ちますよ。もともとそんなに広くない部屋が、先輩が来てさらに狭くなってるんですからね!」
あ、そうだった。オレの方が間借りさせてもらってるんだっけ。ゆえに、本来なら部屋が狭いなどという権利はどこにもない。ないのだが、オレにとっては今の暮らしがどうにも居心地がいいのだ。部屋が狭かろうが、モノが多かろうが、小谷がいる、それだけで。
「じゃあさ、広いとこ引っ越すか。2人で」
「ど〜してそ〜いう話になるんですか⁈ だいたい先輩、自分の立場をわかって言ってます⁇」
しまった、説教話はまだ当分終わりそうにない。しばらく、この狭い部屋で素直に話を聞いておこう。いつか、新居に引っ越したときの良い思い出話になるだろうから。