『物憂げな空』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
物憂げな空と物憂げな僕
似た者同士仲良くできそうだ
私の心を見透かす様な
物憂げな空
あと一歩が踏み出せない
何かが大きく変わる気がして
ギリギリで形を保っている
心が壊れる
音がした
物憂げな空から
降ってくるのは
無音の細い雨
しっとりと
わたしの哀しみを
包み込み
我慢しないで
泣いていいよと
降り続く
# 物憂げな空
気持ちを晴らしたくて
空を見上げたのに
空もなんだか物憂げで
それでもうつむかないように
空を見上げたままでいよう
-物憂げな空-
天気で言うなら空は晴れているのに雨が降るあのなんとも言えない空。そんな気持ちを心のどこかに抱えてしまっている自分がいる。
人から見れば、ただの晴れ模様、でも本心には曇天雨模様、そんなことは他人はしらず、自分すらも気づけず、それが当たり前のような日々を送っている。
晴れば良いなと思いもなく、雨のあたる冷たさも心地よいと感じた時もあった。実際はちがうのに...
心があるから辛い思いをする?心がないなら孤独を感じない?心があるから喜びを感じる?心がないなら悲しみを感じない?
今の私は物憂げな空、晴れることのない空模様をただ見つめる。
それでも晴れをのぞみ空を見上げ目を閉じる..
[完]
スプレーで死なない虫のいることが購入理由である指輪たち
物憂げな空がいつかは晴れるように、私たちの沈んだ気持ちにも必ず太陽の暖かな光が射すだろう。空同様、太陽はいつも私たちの心の中にある。
物憂げな空
私、雨雲が一番好きなの
物思いに沈む時、彼も一緒に沈んでくれるから
泣きたい時、彼も一緒に泣いてくれるから
だから私、雨雲に住みたいの
自由に空を闊歩して
やりたいように行動して
あ、風に流されているんでしたっけ
自由ってわけでもないのね
あと、ちょっとだけ可哀想
皆から顔色伺われてるから
でも、ちょっとだけ羨ましいかも
皆から見られているのですから
今日もなんとなく空を見て
今日もなんとなく気分を知って
今日もなんとなく傘を持つ
なんとなく嫌な気分だけど
でもどうしてだろ。なんでか好きなの
泣きそうな空 無理してまた笑うけど
たまに堪えきれず 涙を溢す時もある
幾つか落ちた雫の その一つさえ
理由を 未来永劫 知る事はない
だって 濡れないように 傘を刺すと思うから
そもそも 濡れたくないから 外に出ないかも
曇った空の下。私は彼に愛を囁いた。彼は微笑んだ。
淀んだ空の下。私は彼に愛を囁いた。彼は眉尻を下げて笑った。
茜色の空の下。私は彼に愛を囁いた。彼は困ったような表情をして口元を綻ばせた。
暗くなった空の下。彼は私に想い人ができたと教えてくれた。私は微笑んだ。
澄んだ空の下。彼は想い人の名前を教えてくれた。私は眉尻を下げて笑った。
物憂げな空の下。彼は恋人ができたと教えてくれた。私は困ったような表情をして口元を綻ばせた。
分かっていたのに。
お題「物憂げな空」
物憂げな空。
それは空自体が物憂げに揺れているのか。
あるいは空を見上げる自分の視界が揺れているのか。
多分、後者だ。
空はいつも同じ。
晴れとか曇りとか、雨とかはあるけれど、基本的に同じ。
物憂げに見えるのは自分がそういう気分だから。
それをそのまま、空は反射しているのだ。
見上げない方が、自覚しなくて済んだのかもしれないなぁ。
私は音もなく流れる雲を一瞥し、そう、ぽつりと呟いた。
週明けの空へ
思いを投げると手を広げて
新しい橋を渡る
そこに憂いはなく
ただ笑顔だけが目に映る
こころの空が、もう長いこと晴れない。物憂げに曇ったかと思うと、しとしとと静かに雨が降り出した。肌にまとわりつくような湿気を含み、どんなに拭っても重苦しく、次第に息まで苦しくなってくる。
膝を抱えて雨ざらし。太陽のあたたかさを思い出しては、なれの果ての海に溺れていく。下から見上げた水面が揺れる。まだ届くのにと期待を持たせる。
どうせ届くことはない。太陽など二度と見られない。
そうして、また深く逃げていくのだ。
あたたかいと知りながら、その水面の向こう側へもがくことが、とても苦しいから。期待が潰えてしまうのが、とても怖いから。
岸への上がり方を、自ら忘れてしまったのだ。
物憂げな空
冷えた風が吹いている。向こうに見える木々の隙間から、笛の鳴るような音が聞こえた。防寒具を着込んでいても、冷風は外気に晒された僕の柔い頬をチクチクと刺してくる。やっぱり、今日はバルコニーでサボるのは止めにして、室内で隠れられる場所を探そうか。
手すりに上半身をうつ伏せて、ぼんやりと灰色の空を眺めていた視線を、ふと足元に寄せる。そこに、いつの間にやら現れたモコモコした白い塊が立っていた。よくよく見れば、それは僕が今着ているものと同じ、学校から支給された防寒用のジャケットのようだ。
「冷えるね……」
ジャケットが喋る。サボり仲間のシャルルの声に似ていた。彼は年齢にしても身長にしても小さいし、フードを深く被られると、僕の目には白い塊にしか見えない。だから、これがジャケットのお化けか、シャルルなのかは未だ謎のままだ。
「今日の空は不機嫌みたい。場所を移そうかと考えてたところだよ」
「オトは空が不機嫌な理由、知ってる?」
じっと外を見つめたまま、彼は僕の話を遮って、お得意の即興で作ったクイズを投げ掛けてきた。シャルルはこういうとき、わからないと答えるか、適当な答えを出すまで諦めてくれない。僕は、シャルルの知っている丁度いいサボり場所を教えてもらおうと思っていたのだけど。小さな子供にとって冷たい風なんてものは、取るに足らない些細なことなのかもしれない。
適当にわからないと答えると、風に紛れながらだろうねと得意げな笑い声が掠れて聞こえた。
「正解はぁ、オトがお仕事をサボってるから、だよ」
「それは君も……、」
今までで一番強く鳴った風が僕の言葉を遮った。強風は唸りを上げ、僕たちを吹き飛ばそうとしてくる。僕は必死に手すりにしがみつかなければ立つことも出来なかった。ちらりと盗み見たシャルルのフードはすでに吹き飛ばされている。彼は小さな身体を縮こませ、可哀想に両耳を手で塞いでいた。
数秒後、強い風がひとまずやんだのを感じ、そっと手すりから手を離した。シャルルの方を見れば、彼の髪はひどい形をしていた。僕はそれをからかう言葉を既のところで飲み込む。だって、乱れた前髪の下に隠れた大きな瞳が、ポロポロと涙を零しているのに気づいたから。
「どうしたの」
驚いて、彼のそばにしゃがんでその涙を拭ってやる。小さな子供はしばらく決まり悪そうに黙って、目線を少し彷徨わせてから告白するように呟いた。
「空が……、おれを怒ったのかと思った」
オト(10) シャルル(6)
空を覆う雲が物憂げな色に閉まっていく。
いよいよ泣き出すかと思た頃携帯に連絡が入った。
内容もまた、陰鬱な気分の沈みものだった。
もしかしてい空が物憂げであえうことさえ思た。
物憂げな空
今にも泣き出しそうなソライロ
今にも零れ落ちそうなミズイロ
雨が降る前は
いつもどこからか
君の匂いがする
「物憂げな空」
物憂げな空
あぁ、そらが気持ちを隠していくね。偶然っていつも不思議だな。思い切って泣けたらどれだけ救われるだろうか。愛されたいとか受け入れられたいとか、そんな感情も今日なら吐き出しても大丈夫な気がするな。
オリキャラ注意
ルニス▶︎口調は堅いが中身は軽め。サバサバした性格でバトルジャンキー。旅をしていたが、旅を終えて数ヶ月前に日本のある街へ引っ越しした。
アリス▶︎通称勇者くん。優しく、強く、頭がいい小学生。みんなから慕われているが、彼が殊更気にかけるのはサシャである。
サシャ▶︎とある街に住む三姉妹の末の妹。姉2人に溺愛されている。あまり外出しないが、性格は優しくあまり暗いところはない。ほとんど出番なし。
空は沈んでいた。
対して深刻な感じではない。
灰色になった空は、雲に覆われ色彩に乏しいが、沈み込むというほどでもない。沈み込むというのは、なんというか雨が降って、もっとじめじめとした空気が漂うものだ。ルニスは、そう思っている。
ルニスは何事に対しても感覚で感じ取るような人間であった。彼女の言葉遣いや、口調やらは堅く、生真面目で理知的な印象さえ受けるが、実際の内情はそうではない。彼女は存外にフランクで、雑である。
この街に引っ越してきたのは数ヶ月前。まだ大したコネクションもなく、しかしながらコミュニケーション能力に苦労することのない彼女には親しいご近所さんはいた。いたが、それはやはり大したコネクションではない。彼女の友人というのは大方旅の途中で出会った、たまたま気が合う人物で、そのように気が合う人物を彼女はこの街で未だ見つけられていない。
旅は終わり、しばらくはこの町でゆっくり過ごそうと思っている彼女にとって、人間関係はいずれ解決する問題である。恐らく。
さて、彼女は足を組み直した。日が当たらないというのに日向ぼっこのように公園のベンチでくつろいでいるのだ。その心情はなんということもない、ただ暇だから散歩に出て、ベンチに腰掛けてみただけだ。
きゃいきゃい子供たちが遊び回っているが、曇天の中だとその笑顔も曇って見える。もったいない。
たまに数人、子供がこちらを向き、不安そうな顔をするので、その度にルニスはにこりとして手を振ってやるのだが、基本的には顔を背け逃げられてしまった。
「泣かれないだけマシか」
顔に圧があるらしい。笑っても圧が取れないなら諦めている。これでも、子供には優しい方だとは思うんだが。
公園に通る道の先の方から違う子供たちの声が聞こえ、なんとはなしにそちらを向く。大人が2人と、十数人ほどの子供たちが一列になって公園に来ている。年齢層の広さから見るに、保育園ではなく近くにある教会運営の児童養護施設の子供達だ。今日は休日であることにようやっと気づいた。無職のルニスには休日など関係がない。
休日なのでと、公園に小学生を連れてきたのだろう。大変だな、と他人事。実際他人事だけど。
「確か教会といえば、あそこの次女が働いてたか」
脳裏に三姉妹が浮かぶ。白い髪をした三姉妹。存在感は抜群で、特に姉2人はよく噂になっている。長女の方は自分と同じ無職なので変な噂、次女は教会でシスターをやっているので良い噂が多い。ただ、末の妹はあまり話を聞かない。というかあまり外に出ないので、噂にすらならないのだ。
実はルニスは過去何回もその三姉妹に出会っているので、引っ越し先に彼女達がいるのは一種運命的なものすら感じる。
正直あの三人が姉妹であるかを疑っているのだが、側から見れば姉妹でしかない。そこに生じる違和感は単なるルニスの勘である。ただ、姉2人の妹への溺愛は少々度を越しており、誰がみても少しはおかしいと感じる様子であることは言っておく。
しかしルニスもしっかり調べるほど三姉妹に興味がないので謎のまま。
やってきた子供たちは、引率の職員だろう2人に色々話をされてから、散開して遊び始めた。小学生といっても幅広いので、その遊び方も様々だ。しかし、高学年だろう子供たちは小さい子供たちに付いて色々教えてあげたりしているようだった。なんとも微笑ましい。
「……おお」
そしてその高学年の中に、眩い少年が1人いた。眩いというのは、なんというか全体的に眩いのである。どういう事情なのかそもそも日本籍ではないだろう彫り、曇り空の中でも何故か輝く金髪、その微笑みの優しさ。顔立ちは麗しく、絶世のと付いてもおかしくはない。
その上、その性格といえば!
低学年の子供に微笑みかけ、怪我をすれば逐一慰め、準備良く絆創膏を貼ってやる。道ゆく人々にも礼儀正しく、挨拶されれば優美な仕草で挨拶し返す。
「勇者って感じだな……」
いや、どちらかというと王子かなとも思ったのだが、どうやら彼は以前から話に聞いていた「勇者くん」らしい。
というのも、先ほども言ったように教会運営の児童養護施設であるから、もちろんそこでシスターを務める三姉妹の次女も時折施設まで赴くらしい。
そして、そこにはまるでそのままの「勇者くん」がいるのだと。これは三姉妹とお茶をした時に聞いた話なので間違いない。次女は彼が相当気に入らないらしく、末の妹がその名前を口に出す度に目が恐ろしい険をたたえていった。長女は朗らかなものだったが。末の妹はどうやら彼と親しいらしく、ニコニコと嬉しい様子であった。
なんという名前だったか。なんだか可愛らしい名前だった気がする。ただ、確かに目の前の彼にはお似合いの名前で……
「ああ、アリスか」
そう、アリス。不思議の国に迷い込みそうな、主人公らしい名前。ただ、勇者というよりは世界をかき乱すおてんばな少女の名前だ。
「あの……」
「ん」
そうだったと考えていると、気づけば件のアリス少年が目の前にいた。やはりその顔は全くもって美しいもので、神は二物を与えるものだなと考える。これで腕っぷしが強ければ最高だ。ルニスは稀代のバトルジャンキーなので、強いならなんでも好きだ。熊とか。
「なんで、僕の名前を……」
「ああ、知り合いが君のことを噂していてな」
ルニスからするとアリスは知り合いの知り合いだ。
「……もしかして、サシャさんですか?」
「早いな。そうだ。事前に話でも聞いてたか?」
その名前に行き着くまでがあまりに早いので、ルニスは少し笑ってしまった。サシャというのは三姉妹の末の妹の名前だ。
「ええ、ルニスさんですよね?サシャさんからは『口調が軍人みたいで美人だが雑な女の人』だと聞いてます」
「失礼だな、あいつも。だが美人とは嬉しいことを言う」
サシャは良識を兼ね備えるかと思えばそう言う遠慮のない部分もあるので面白い。くつくつと笑みをこぼすと、アリスは苦笑した。
「美人って言っても全く照れないって言ってたの、ほんとなんですね」
「何回も言われた言葉だ。美醜は正直どうでもいいんでな、照れも捨ててきたよ。ただ、子供に怯えられたりするんだ。その時は自分の容姿にため息をつきたくなる」
アリスは話に興が乗ってきたので、隣に腰掛けた。ルニスが稚児趣味だと勘違いされると困るのだが、彼はそう言うことを考えていないらしい。
アリスは苦笑したまま、ルニスの顔をじっと見つめる。
「多分、顔が怖いんだと思いますよ。美人だと思いますが」
「やはりそうか。なら仕方ない。最後のあがきで笑ってみるよ」
「にしてもまさに、勇者だな」
「?」
「知ってるか?お前は『勇者くん』だとか名前をつけられてここあたりじゃ有名だ」
アリスは「ああ……」と知った顔をして、顔を背ける。どうやらその評判は彼自身までしっかりと伝わってしまっているらしい。恥ずかしいのだろう、耳が少し赤かった。
「私は王子くんの方がいいんじゃないかと思ってたんだが、今ので少し思い直した」
「……その心は?」
「『美人だと思いますが』なんて、会話で自然に混ぜてくるなんて、正にヒロインの胸を高鳴らせる勇者そのものだという話だ」
「……」
もっと恥ずかしくなったらしく、顔が赤くなっている。これ以上からかうと色々、まあ児童への云々とかが怖いので、ルニスはそこあたりでやめておくことにした。何をも恐れぬ気概を持っているが、流石にこのような感じで世間から冷たい目で見られるのは勘弁だ。
「さて、子供なんだから遊びなさい。私はそろそろ帰るからな」
「……ええ」
「腕っぷしが強くなったら遊んでやろう」
「ありがとうございます」
ひらひらと手を振り、ルニスは公園を後にする。後にはため息を吐く少年が残された。
「腕っぷし……って、あの人ぐらい強くなるのは、流石に厳しいよね」
期待してそうだったけど……。
物憂げな空。
物憂げな空は
何を思うんだろう?
曇ってても
晴れても大好き。
空は、私の初恋で。何より魅力的な存在で、ころころと変わるその表情のような天気に目を惹かれて。晴天、雲一つ見つからない、屈託のない笑顔のような眩しさも。雷雨、がしゃんと鳴り響く怒声のような音と窓を叩きつける、劈くような悲鳴のような雨音の苦しさも。雨上がりの、雫が滴って微笑んでいるような虹の美しさも。全てが好きで、堪らなくて。その中でも、曇りの、黒い雲が空を覆って、暗く淀んだ、物憂げな、寂しさとやりきれなさを含んだ表情が、ずっと、ずっと、好きだ