『澄んだ瞳』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
澄んだ瞳に見つめられるは、罪悪。
潤んだ瞳に蔑まれるは、嬉々。
私の正は、冒涜。
私の生は、規律。
下品な口に問われるは、嫌悪。
濁りし瞳に映るは、私。
澄んだ瞳に見つめられるは、罪悪。
濁りし瞳に映るは、私。
─── 澄んだ瞳 ───
天気がいいから外へ行こうと誘われて
君の後ろをゆっくり歩くいつもの散歩道
変わらぬ日常
ずっと続けばいいのに
ふと気配を感じた
どうしたのかと尋ねる
答えはこうだ
君を見てるんだよ
君の瞳をね
いつ見ても美しい色彩だ
こう言われるのは何回目だろう
初めは恥ずかしかったが今は慣れた
それなら君も同じになるかと
意地悪っぽく言ってやった
返事は返ってこない
答える代わりにまだ君は見つめているんだね
光を失って久しいこの瞳を
初めて見たのは電子書籍の雑誌の表紙だった。
磨かれた宝石のように透き通った榛色。
光の虹彩で金色にも薄緑にも光る瞳が美しい。
世界中、どこを探してもこんなに綺麗な眼は彼女だけのものだろう。
そして今、まさにその眼に下から見上げられている。
─────彼女が誰かなんて、名前を聞かなくても判るだろ。
先輩と後輩。
へらず口憎まれ口は変わらずにあれど、互いに尊重し合っている関係。
今もそう。
恋人というにはまだ青くて、友人と呼ぶには熟れた時間。
かち合った視線が間を置かずにからみ合うようになって。
『澄んだ瞳』からじわりじわりと欲が滲みだして、とろりととけ始めたあたりが食べごろの合図。
「おいしくたべてね」
なんて不敵に笑ってみせるその虚勢もただのスパイス。
両手におさまる距離の贅沢さに今も眩暈を起こすほど、慣れちゃいない。
ぐらりぐらり、こちらの欲が溢れて。
いくら愛を告げても枯れやしない。
「こちらこそ、おいしくたべてね」
ふはりと笑って額を合わせて、いただきます。
「にーたんこれなにー?」
「これはオオイヌノフグリだよ」
「にーたんこれはー?」
「これはシロツメクサ」
色んなものに興味津々な妹は、ガラス玉のような目をキラキラさせて僕に質問してくる。
小さな足でひょこひょこと僕のあとをついてくるのは、少し鬱陶しい時もあるけど可愛らしい。
こうやって僕を必死で追いかけてくれるのは少しの間だけなんだろうなと考えると、今の時間を大切にしようと思った。
お題:澄んだ瞳
澄んだ瞳でこちらを見ないで下さい。
その目に心奪われ貴女に恋をしてしまった事を
許してください。
貴女は私よりも違ってとても綺麗な色の目をして
可愛らしい仕草、話し口調、勉学、部活、バイト
何もかも完璧で完全体である貴女は憧れでした。
でも、いつしかそれが違う気がしました。
そして、今の恋だと思いました。
貴女の周りにはセコムが多くてビックリです。
そんなにも貴女が愛されていることを
嬉しく思っています。壁はデカイですが…。
私は必ずそれを超えて貴女を捕まえます。
私という、甘い甘い罠に落として、
余裕のない顔を見して潤んだ瞳で睨んで下さい。
可愛い声で鳴いてください。
恥ずかしがって隠す仕草も見せて下さい。
全ての初めてが私であるように。
そう毎日願ってしまう私がいる。
今日も私は隣で貴女と話します。
ドロドロとした感情を押し殺して、
バレないように見透かされないように。
"どうかしたの?"
あぁ、心配もしてくれるなんて優しいな…。
沸々と沸き上がる感情を抑えながら今日も過ごす
"平気だから心配しないでね。"
そう答えてまた、この一日が始まる。
"どうしたものかな、変なのに好かれやすいな。"
え?
何で、バレてしまったの?
まさか……。
見透かされていた?
やはり、貴女らしい。
私はそれでもめげずに貴女を狙っています。
澄んだ瞳、柔らかな手、透き通る白肌
純粋無垢で何も知らない君
奸佞邪知で全てが穢れた僕
綺麗な君のその手で、瞳で、言葉で
汚れた僕を浄化してくれ
いいこ、いいこ
いたいのいたいのとんでいけ
澄んだ瞳
いつから私の瞳は濁ったのか。
気がつけば、世間を真っ直ぐ見れなくなっている。
僻み、妬み、自己顕示欲、憎悪、苛立、、
それらが街中に溢れかえっているように見えるのだ。
友人の褒め言葉すら、まっすぐ受け止められずに、
どうせそんな事思ってもないんでしょ?
って思ってしまう。
だけど、仕事帰りに見た夕焼け。
あれを目に捉えた瞬間、
この世の中は思ったより綺麗なのかもしれないと
感じることができた。
きっと、その瞬間、私の目は澄んでいた。
澄んだ瞳
最近目が濁ってるって言われたから実は今日、眼科行ってきたんだ〜
「精神科に受診することを勧めますね〜」
とりあえず市販の洗浄液とハンケチ買ってきたから早速洗おう!
目に染みるけどよく汚れが流れてきたね!
あ〜黒目が脱色されるー、白目で視野角360度になっちゃう〜
よく見えないけどまだ目の汚れは取れて無さそうだからブラシも使って磨いていこう!
ゴシゴシしたけどもう少し足りないかな。もっと綺麗にしないとね!だから目を外してアルコール液体で洗浄もしてみたよ。まだまだ汚れは消えないね。
澄んだ瞳って簡単には作れないな〜
貴方の瞳は
あの頃夢中で見ていたビー玉のような
日に照らされてキラキラしている海のような
真っ暗な夜に輝く星のような目をしてる
「澄んだ瞳」
#45『澄んだ瞳』
その瞳に映る世界が、未来が、いつまでも希望に満ちていますように。
抱きしめて骨の砕ける音の後もう動かない肉に口づけ
澄んだ瞳
今日幸せだったことを書く。
今日はお昼に大好きなスープカレーのレトルトを食べて幸せだった。買い置きしてくれたお母さん、ありがとう。
あとは、ドイツ語の過去問情報をわざわざ教えてくれた友達にも感謝!
お疲れ様会で一緒にクレープ食べてくれる友達の存在がとてもありがたくて幸せ。
これはいつも愚痴ばかりこぼして不幸せな私が幸せになるための物語。
ああ、こんなにも違うんだ
思い知らされてしまった
素直に生きた、自分らしくした
その姿勢が映る
私はいまからでも
綺麗さを取り戻せるだろうか
澄んだ瞳
「澄んだ瞳」
私の瞳はどんな感じ?
生まれてこの方、恋人はいないので、いろんなことを褒められたことはない。
その上、友達もいないので誰かの容姿を、褒めたこともない。
いや、昔はいたけど容姿よりも私は友の、人間性が好きだった。
君は君のままでいてほしい、君は君でしょう。
そういった時の君の顔は、どうだったかな。
瞳はどんなだっただろう、記憶がない。
ちょっともどかしく、残念だ。
澄んだ瞳
ラーメンズ。
イノセントな目で見るな!!
澄んだ瞳
真っ先に思い当たったのは姪っ子
この世の何もかもが新しく物珍しそうに
あの澄んだ瞳で見つめている
何時如何なる時も 全てを見通すような
透明で澄んだ ビー玉のように美しい瞳
その瞳に何を映し 何を思うのか
ネコになって 全ネコに聞いてみたい
#澄んだ瞳
最近、泣いている暇もなかった。学生なので社会で働く人と比べるとさほど忙しいわけでは無いのだろう。忙しいというより、何処へ言っても「受験」「進路」「勉強」と言う中高生の聞きたくないであろう言葉トップ3が付いてまとい、どちらかと言うとうんざりしていた。それだけならまだしも、猿山に入っても浮いてしまいそうなほどの、俗に言うキ○○イのような言動をとる輩がうじゃうじゃと周りに巣くっている。見たり聞いたりしてるだけでも、一言目に「あー、しんど」と漏れでてしまうし、ひどい時はとてつもない悪寒と嗚咽に襲われそうになる。だがそれをなくすには、そいつらに物凄い恐怖感を植え付けるか、殺すかどちらかしかない。だが今の世の中、中々そう言う訳にはいかないようで、教師陣も頑張ってはいるが甘過ぎるのでなくならない。と言うよりも連帯責任にすぐしてしまうことによって、逆に反発する生徒が増える他、「あいつが…」と生徒間での仲間割れや、いじめが起きてしまう。キ○○イ組の中には自分が嫌われていることや、浮いている事を逆に「注目を集めている」と認知し、興奮してまた狂行に出る変態も数多く存在する。社会のルールが一応定まった場所より、「子供だから」と言う甘さと面倒臭さの滲み出た場所の方が、そういった幼稚な問題が起きやすいようだ。そんな中で生きていくのは、社会に出たら遊びのような物なのだろうが、バカと行動力の無い大人の中で逃げ場がないと感じる事もある。正直言って優等生は優等生で、時代劇に出てくる悪者の下っぱのようだ。手を擦りながら下から下から良く見て貰おうとよいしょして、真面目そうで実は全く意味の無い政策を練り立てる。「あー気持ち悪い」。三角関係以上に執行部と教師の関係はどろどろしている。この時点でもう泣きたくなるのだが、まだ自分にはサッカー部であるという部活上最もしんどい欠点がある。「昔とは違って楽なんだから」と良くコーチに凄まれるがシンプルにきつい。ならやめればいいと思うかもしれないが、仲間達との交流が一気に途絶えてしまいそうで怖い。何とかその中で楽しい時をはいまわって捜すのは、最近の生きがいになってきた。だが、やはりしんどい。私は今、右足を痛めている。「大袈裟」「弱い」、他人事ならではの発言が頭上を飛び交っていく。何とか真に受けないように頭を下に向けるが、私の上で雲となり、言葉が固まって大きな粒の雹になり胸の奥深くに突き刺さって穴を空けていく。私は周りの子らと比べて経験が浅く、痛みにも弱い。だが、人一倍自分がどれだけ面倒臭さがられているか身に染みて感じる。「あーしんど」と口から漏れ出る言葉の色が段々と赤黒くなっていく。そんな風にして出来ていく穴を塞ぐため、私は音楽を聞き、歌う。今までの目的は鬱憤はらしだった。しかしこの間、一覧に「涙そうそう」が流れてきた。押してみる。しばらくは普通に聞いていた。今まではただ単に良い歌としか思ってなかったはずなのに、心の中の何かがすくいとられる気がした。(そう言えばお兄さんがなくなった時に作った詩なんだっけ…)。そう思った瞬間何か熱いものが久しぶりに込み上げてきた。なんだかその時なら泣いても良い気がして、止めどなく涙があふれでてきた。どのくらい泣いただろうか、ふと我に返り私は風呂場に駆け込んで水を浴びた。冷たくて、広いアルプスに広がる芝生の中に流れる川に仰向けになって寝転がっているような感覚に覆われた。母が呼んでいる。私はすっかり澄んだ目になって「あー、しんどっ!」と叫び一歩を踏み出した。
蝉の声が聞こえる。
白杖を持つ手の内が汗ばんでいる。
アスファルトからの熱気がジリジリと肌を撫でる。
この暑さだと盲導犬や介助犬も仕事にならないだろう。
彼らは私たちよりずっと地面に近くて、ずっとアスファルトの照り返しに晒されるのだから。
うっすらと伝う汗を拭う。
点字ブロックを頼りに歩く外出にもだいぶ慣れた。
信号機の音声に耳を澄ますのも。
手探りで家のドアノブを捻るのも。
世界がぼんやりと輪郭でしか捉えられなくなって、もう三年が経とうとしている。
彼女と出会ってからはもう五年が過ぎることになる。
あの日もちょうどこんな暑い日だった。
視界に異常を感じて掛かった目医者に紹介状を書かれて訪れた大学病院。
その日がたまたま彼女の通院日だった。
白杖を構えて、私の顔を覗き込むようにいた彼女の視線は、しかし私を捉えていなかった。
だけど私は、あの子の瞳を、今でもよく覚えている。
美しく澄んだ瞳だった。
吸い込まれそうに底無しの柔らかな瞳。
今までもこれからも何も写すことはないけれども、誰よりも、私の一生の記憶の中でも、一番澄んでいた。
「綺麗な眼ですね」
思わず出てしまったその言葉は、正しいものではなかったかもしれない。
彼女は虚をつかれたような顔をして、それからふんわりと笑って
「ありがとう!眼は初めて褒められた!」
と楽しそうに話した。
「眼のことはね、誰も話さないの」
一度で終わるはずだった大学病院への通院は、長引く一方だった。
私はいつの間にか、澄んだ瞳を持つ彼女と、顔見知りの友人になっていた。
通院がもはや日常と化した、肌寒い風が吹き付ける日に、彼女は言った。
「みんな腫れ物みたいに扱うの。…でも私にとっては生まれた時からの普通だから」
「…だから、眼を褒められた時、嬉しかったの」
私と彼女は、待合室でいろんな話をした。
色の話、匂いの話、空気の話、季節の話。
点字の話、本の話、イヤホンの話、音楽の話。
私の視界はぼやける一方で、彼女が病院にいることも増える一方だった。
気を晴らすように、私たちはいろんな話をした。
浮き上がる不安を押し込めるように。
何気ないこと。趣味のこと。海の音。眼のこと。
楽しかった。
すごく楽しい日々だった。
誰がなんと言おうと、私たちは幸せだった。
「手術を、勧められたんだ」
彼女が言った。
凍える風が吹き付ける日だった。
「…ドナーが、見つかったんだって。……もしかしたら見えるようになるかもしれないんだって」
その頃には私の視界は、もう霧が立ち込めていた。
私は…。
私は弱い人間だった。
私は彼女を憐んでいた、勝手に同じ悲劇仲間として見ていたのかもしれないと、その時になって初めて気づいた。
その言葉に初めて返答に詰まって。
彼女を素直に祝福できないと気づいて。
彼女の澄んだ瞳は、何かを写すのだろうか。
何かを写せるように、なるのだろうか。
彼女は、やっぱり見えるようになりたいのだろうか。
一つ確実なのは、その日から、私は視覚障害者として白杖と盲導犬に頼ることを決め、それを理由に彼女を避け始めたということだ。
蝉の鳴き声が左に偏ってきた。
病院が近い。
今日の音声メモは、彼女が手術後初めて眼を開くことを告げていた。
だから私は家を出た。
私の眼として共に歩いてくれるあの子に留守番させて、白杖だけを持って。
彼女に会いに。
蝉の声が降り注ぐ。
病院周りの街路樹の蝉たちだ。
風に微かに清潔の香りが混じる。
病院の入り口はもうすぐそこだ。
手に下げたお見舞いにそっと触れる。
彼女が大好きな桃と、スケッチブック。それからカメラ。
桃の、ひんやりと柔らかな産毛が指先を撫でる。
私はゆっくりと一歩を踏み締めた。