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先輩と後輩。
へらず口憎まれ口は変わらずにあれど、互いに尊重し合っている関係。
今もそう。
恋人というにはまだ青くて、友人と呼ぶには熟れた時間。
かち合った視線が間を置かずにからみ合うようになって。
『澄んだ瞳』からじわりじわりと欲が滲みだして、とろりととけ始めたあたりが食べごろの合図。

「おいしくたべてね」

なんて不敵に笑ってみせるその虚勢もただのスパイス。
両手におさまる距離の贅沢さに今も眩暈を起こすほど、慣れちゃいない。
ぐらりぐらり、こちらの欲が溢れて。
いくら愛を告げても枯れやしない。

「こちらこそ、おいしくたべてね」

ふはりと笑って額を合わせて、いただきます。

7/30/2024, 2:12:47 PM