『澄んだ瞳』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
澄んだ瞳
「とっても綺麗な瞳。まるで、青く澄んだ空みたいな色」
そう言われた言葉。俺の両頬を優しく両手で包み込み、しっかりと俺の瞳を見て微笑む。
世界がキラキラと輝いて、眩しい。心の奥底から嬉しさが込み上げてきた。
瞳を褒められたことはあまりなかったと思う。どちらかと言うと姿の方が多い。
身長が高い、顔が良い。幾度も聞いてきた言葉。しっかりと見てくれる人なんていなかった。
「お前の瞳も澄んでいると思う」
お返しに両頬包んで、しっかりと見つめる。
星空のようにキラキラと輝いた瞳。どの世界でも美しく映るのだろう、きっと。
「えっ、そうかな?」
「ん、とても綺麗綺麗」
「わぁー、それは嬉しいなぁ」
えへへと照れる姿は、かわいいと思った。
柔らかい頬、ずっと触れていたくなる。透き通り、きめ細やかな肌。
「そろそろ、頬を離してほしいなぁ」
「俺も同じく思っている、いい加減離してほしい」
「えっ、離さないとダメ?離すとその青い瞳がよく見れないじゃん」
「いや、別に普通に見れるだろ」
「至近距離が一番拝める」
するりと頬から手が離れ、目の前で合掌のポーズをされた。
相変わらず、変わっていて面白い。思わず、笑ってしまった。
俺の笑っている姿をみて、向こうも笑う。
「あっ、笑うともっといい‼︎いつも怖い顔じゃなくて、笑えばいいと思う。そして、その瞳を広めていこう」
「やだ、別に広めなくていい」
「えっ、なんで、もったいない。推していこう、その瞳」
「やだよ」
なんでなんで攻撃が出てきたので、無視して、横を通り過ぎる。
置いていかれるのは嫌みたいで、後ろをちょこちょこついてきた。
俺は一人、クスリと笑う。この行動がかわいいから。
「俺だけが知っているモノをこの瞳に映せれば、それでいい」
深い深い森の中にある、穏やかな湖畔のいっとう澄んだところを切り取ったような瞳で、そのひとはいつだってやわらかに笑っていた。この世のすべてを許すような/この世のすべてを諦めたような不思議な瞳だった。
──消えてしまいそうなひとだ。率直に、そう思う。
桜に紛れながら、水飛沫をあげながら、紅葉に隠れながら、雪と混じりながら。私の手の届くまもなく、ソラに還ってしまうひと。白磁の背中に翼のなごりを残すひと。
ただのいっときでもこのひとが私のものであればなんて、そんな不相応なことを願う。私の意識がよそにあるのを感じ取ったのか、不服そうな顔で頬をつままれた。
「またなんか変なこと考えてる」
「……そんなこと、ないですよ」
「嘘。あなたがそういう目をしてるときはいつもひとりで悩んで苦しんでるでしょう。……私のことで」
「……」
「……私は、どこにも行きません。……ううん。行きたくない。あなたのそばにだけ居たいの。ねえ。信じて?」
そうして、その瞳が、懇願するように/祈るように/囚えるように/逃さないように私のことを見つめるから。
「──……うん」
私はいつだって肯くことしかできなくて、それを見た彼女は、いつだってとても満足そうに笑うのだった。
『澄んだ瞳』
透き通る瞳はまるで湖面。僕はあっさりと引き込まれ、そのまま深く沈んでいく。水の中でもがくように、鈍い抵抗もまったくの無駄。吐き出した最後の息は、宝石のように輝いて水面に消えて行く。
僕はもうすっかり、君の虜。
産まれてすぐの真っ直ぐな
キラキラとして
輝いて
いつから濁った瞳ばかり見るようになって
それに染った自分の瞳
「死んだ魚の目」
濁って見えたのは
自分の瞳が濁ってたから
いつからだろ
人のマイナスばかり見てしまうようになったのは
自分の評価ばかりで言いなりになった、
ならざるを得なくなったのは。
こんな体でも人目気にするとか
アホらしい。
自分の目が濁ったら
隅から隅まで洗ってスッキリしよ。
裏切ってきたヤツ気にするより
自分を高める。高める尽くす。
経験が雑魚を出汁として馬味出す手助けしてくれる。
次会う大人は動ける「目が澄んだ人」
澄んだ瞳にうつるのは
愛するあなた
夫の顔とまだ見ぬ子供の面影
早くあなたに抱かせたいと思う気持ちが高まる
澄んだ瞳にうつるあなたと子供
私は早くその夢を叶えたいと
ずっと思う
「3月14日付近に『安らかな瞳』があったわ」
当時も相当四苦八苦したわな。某所在住物書きは過去を思い出し、遠くを見た。
「あのときも、サッパリイメージ湧かなくてさ。そもそも『安らかな瞳』ってどんな瞳よって。鏡見てそれっぽい目しようとしたの。
バチクソなアホ面で無事轟沈したわな」
どうせ今回も爆笑して敗北して崩れるぜ。物書きはカードミラーを手繰り、『澄んだ瞳』を再現しようとして……
――――――
澄んだ瞳が虚ろに曇り、仲間の尽力で輝きを取り戻す。闇落ちからの光復帰がヘキな物書きが、ありふれた、こんなおはなしを閃いたようです。
年号がまだ、平成だった頃の都内某所。13年ほど前の春から始まるおはなしです。
このおはなしの主人公、宇曽野という名前ですが、某バスターミナルのあたりを散歩していたところ、高速バスから、自分より少し若いくらいの20代が降りてくるのを見かけました。
「来た、東京だ!暖かいなぁ!」
大きなキャリーケースと、小さな地図を片手に、少々残念な曇り空を見上げて、それはそれは澄んだ瞳を、綺麗な瞳を輝かせていました。
地方出身者だ。宇曽野はすぐ気が付きました。
「すいません!物を知らないので、聞くのですが、」
地図を見せて、宇曽野に道を聞く言い回しが、抑揚が、東京のそれと違ったからです。
「この地図の、ここに、行きたいんです。どこのどれに乗れば良いか、サッパリ分からなくて」
東京に出てきたばかりの、都会の人とシステムを知らぬ瞳のひとは、自分の新居たるアパートへの道が分からない様子。
宇曽野は興味半分親切四半分で、丁寧に案内してやりました。
数ヶ月後の晩夏、宇曽野は自分の職場の窓口で、再度その20代と出会いました。
「あなたは、あのときの」
20代は、ブシヤマ、「附子山」と名乗りました。
春にキラリ輝き澄んでいた瞳は、早速「東京」と「田舎」の違いに揉まれ、擦られ、疲れてしまったようで、ほんの少し、くすみ曇って見えました。
「ここに勤めてらしたんですね。あのときは、お世話になりました」
用事を済ませてすぐ帰ろうとする附子山に、宇曽野は「まぁ元気出せ」の意味で、ノベルティを2個ほどくれてやりました。
二度あることは三度ある、とはよく言ったもので、
数ヶ月後の冬の頃、宇曽野は自宅近くの喫茶店で附子山を見つけました。
「宇曽野さん……?」
テーブルの上には転職雑誌。附子山の瞳は最初に比べて、ずっと、ずっとくすんで曇ってしまって、光がわずかに残るばかり。
あぁ。「染まってきた」な。宇曽野は見頃過ぎた桜を眺める心地でした。
そして少し話を聞いてやり、ついでにほんのちょっとだけ、附子山を気にかけてやることにしました。
これが宇曽野と附子山の、友達としての最初の日となりました。
それから附子山は諸事情で「藤森」と名字を変え、なんやかんやで宇曽野の職場に転職し、
宇曽野はそんな「藤森」と、時に語り合い、時に笑い合い、時にたかが冷蔵庫のプリンひとつでポコポコ大喧嘩をしたりしました。
おかげで藤森、今では東京での生き方をよく覚え、曇った瞳が少しずつ、輝きを取り戻してきましたが、
要するに現在どんなことになっているかは、過去投稿分7月29日や同月15日、6日あたりを参照いただくということで、ひとつ。
おしまい、おしまい。
【2,お題:澄んだ瞳】
その瞳は、きっと私よりも多くのものを見ているのだろう。
彼の瞳は幼い頃に見た大きな湖を思い出させた。
パッと見は青色だが、よく見るとうっすらと入る緑色とほんの少しの黄色
光の当たり具合で絶妙に色を変えるその瞳は、まるでこの世のものではないかのような神秘的な輝きを放っている。
「やあ、久しぶりだね」
窓の淵に優雅にたたずむ彼に私はゆっくり声をかけた。
「最近は顔を見ないから心配していたんだよ」
私達の会話はいつも一方的だ
「外の様子はどうだい?ここからじゃ見えないんだ」
そう声をかけたとき、ようやく彼が振り返った。
細くてしなやかな体つき、全身を覆う真っ黒な毛皮は日の光を受けて七色に輝く
無駄な肉がついていない端正な顔立ち、そのなかでも一際目立つ澄んだ瞳。
彼は“にぅうう”と低く鳴いて、私のベットの上へ飛び乗った
頭を擦り寄せてくる友を撫でながら、私はふとその背に桃色小さなの花びらが乗っていることに気づく
「そうか、もうそんな季節なのか」
友が贈り物を受け取ったことを確認すると、黒い猫は音もなくベットから降り
開け放たれた窓から外へと飛び出した。
いつからか、病で寝床から動けない友の変わりに季節を贈るのが小さな黒い猫の使命となっていた
ある夏は黄色い太陽の花びらを、ある冬は頭に冷たい氷の粒をのせて
“明日は何を贈ろう”
黒い小さな友達は、桃色の花びらが舞う坂をゆうゆうと駆けおりた。
澄んだ瞳
「一緒に嵐に巻き込まれよう」
そんなこと言われたって、君を危険にさらすつもりはないよ。
雨に晒されるのも、雷に打たれるのも、転んで泥まみれになるのも、全部僕一人でいい。
君の澄んだ瞳を、曇らせたくないんだ。
分かってくれる?
…絶対、君のところに戻るから。
だから、お願い。少し、待ってて。
「 澄んだ瞳 」No.25
貴方の瞳の中には私は映ってる?いま横で話していたのに、急に違う方向を向いた君。
その先には女の子がいた。
あの子が好きなんだ。澄んだ瞳の中にはあの子が映ってる。
私は映ってない。
死にたい。
んー、死にたい訳じゃない、消えたい。
この世から居なくなりたい。
誰からも必要とされない人なんていないとか言うけど、
されてないと感じるから、そう思うわけで。
人間むいてないなぁ。
キラキラで見つめては
素敵な言葉で会話する
その一言に
純粋だ なんて
あまりにも単純。
無垢だと思うな
無知だと思うな
澄んでいるが
綺麗事なんて
汚い部分が
よく見えてる事に
気が付かないなんて
よっぽど
お花畑なんだね。
–澄んだ瞳–
クリスタル
あなたの澄んだ瞳が
僕の濁った瞳からは見えない
あなたの光がわたしを照らしたとき
曇りは晴れに変わり
大事なものを見つけることができる
※澄んだ瞳
一度記憶を全て捨てて、何の悩みもなかった小さな頃に行きたい。自分の全てを受け入れてくれる環境に入れたら、どんなに幸せか。大人になるたびに、だんだんつらくなるんだ。いろんな痛みを、覚えてきたはずなのに。人をつい疑ってしまったり、知りたくないことを知ってしまう。仕方ないのかな。でも、もう嫌になったかな。疲れたな。小さい子供の澄んだ瞳に憧れている。
僕は猫の目ってすごくきれいだと思うな
瞳孔の大きさ云々とか虹彩の色とかじゃなくて、透明なところがね、ビー玉みたいですごくきれいで、ついじっとのぞき込んじゃう
猫ってあんまりまばたきしないんだよ
犬もそうかな
まばたきが多いのは人間だけかも
動物より目を酷使してるからかな
そこの君、スマホ見すぎじゃない?
「澄んだ瞳」
私の周りの人達はどこかしらに芯がある人が多い。自分を偽らずに振舞っているというのだろうか。いずれにせよ、好感とともにどこか劣等感を感じてしまう自分がいる。その澄んだ瞳で見つめられると。
「ちゃんと目ぇ見て話せよ」
怪訝そうに眉をひそめるきみ。
そんな澄んだ瞳で見つめられると僕の汚い腹の中が全て見透かされてるような気がして、変に気恥ずかしく、申し訳なくなってしまう。
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澄んだ瞳
そんなイノセントな目で見るな!
僕はある女の子に恋をしている。
その女の子は明るく、元気で、いつも真剣だ。
僕はその女の子の真剣な眼差しに恋をしたのかもしれない。
その目を見ていると飲み込まれていくような輝きがある。
しかし、辛いことがあるとその目の輝きが失ってしまう。
僕はその女の子の輝きが失われないように支えていきたいと心から思う。
#39【澄んだ瞳】
澄んだ瞳で見ないで
やっぱりこのまま逸らさないで
そんな繰り返し
それが私たちの関係