『涙の理由』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
涙の理由
貴女の
涙の理由など知らない
ただ その美しい横顔を
いつまでも眺めていたい
うなづくふりをして
慰める素振りをして
指で拭った涙を
結晶にして
いつまでも取っておきたい
美しい貴女だから
涙の理由
最後に泣いた日は覚えてる気がする
泣いてる理由も覚えてる
けど、あの時は今の自分とかけ離れた人間だった気がする
10/10「涙の理由」
城下は沸いていた。十年にわたり国を苦しめてきた魔物が、旅の若者に倒されたのだ。
「巫女様! この者が、見事に魔物を倒しましたぞ!」
臣下たちに押され前に進み出る若者。巫女はゆっくりと顔を上げる。
「よくぞ国を救ってくれました。貴方の勇気を讃えます」
その頬に、すっと涙が伝ったのを、若者だけが見た。
「…聞いてくれるのですか」
部屋を訪れた若者に、巫女は悲しげに微笑んで話し始めた。
「あの魔物は、九年前、魔物の討伐に出た姉の、呪われて変わり果てた姿―――」
(所要時間:9分)
あるには、あるんだろうけれど。
それを伝える術はもうないし、伝える気もない。
そう言ったら、気取ってる、とか、負け惜しみ、とか、言われるんだろうなぁ。
そう言うものかもしれない。
”涙の理由”なんて、存外自分勝手で、身勝手で、最低な理由かもしれない。
涙の理由
セックス・オン・ザ・ビーチ
ニューヨークからシカゴに私の一家が移り住んだのは、欧州での大戦が始まる前の年の元旦のことだった。父の職場がシカゴに移り、我々家族はそれぞれ新しい生活に慣れなければならなかった。まだ当時九つだった私は、当然新しい小学校に転校し、不安や希望の入り混じった形容し難い複雑な気持ちを抱えていたのを覚えている。
私が小学校を卒業する頃には、友人がたくさんできていた。特にソニーとアルフレッドは週末にはいつもゲートボールをして遊ぶくらい仲が良くなった。そのまま中学に進学する頃、シカゴの治安は最悪だった。そう、アル・カポネ率いるイタリアン・マフィアがこの都市を牛耳っていたからだ。
昼間でもマフィア同士の銃撃戦が繰り広げられた。だが警察はというと、あまり大事にしないように捜査は深入りしなかった。マフィアから賄賂を受け取った悪徳警官が溢れていたからだ。また、密造酒が出回り、故郷のニューヨークでもマフィアが幅を利かせていた。そのニュースは本当に悲しいものだった。なぜなら、父の会社はドイツのビールメーカーだったのだから。
禁酒法が解禁されるまで、父は国に会社を閉鎖され、仕方なくミシンを作る会社に就職した。だけどあまりいい生活は出来なかった。私は必死に勉強し、家族を安心させようとした。母は私をいつも誉めてくれるが、父はなかなか私を誉めない。それでも私は父に認められたく、シカゴでも名高い高校に進学した。
大学に進学すると、禁酒法が解禁され、父は再びビールメーカーに戻った。私はあの懐かしいソニーとアルフレッドと共に成人祝いにカクテルを飲んだものだ。その時初めて飲んだカクテルはずっと後に『セックス・オン・ザ・ビーチ』と呼ばれるものになるのだけれど、当時の私はシカゴで大人になれた喜びで満たされていたので、そんなことは考えもしなかったのである。
涙は牙の代替品
飛びかかることも、噛みつくことも出来ずに泣く。
ひとしきり泣くと
「なんか、どーでもいいや」
まるで何処かに全て置いてきたように
空っぽなのに満たされてしまう
理由は沢山あったんだろうね
苦しいし悲しいし息もしたくないくらい
でも....
【涙の理由】
✂ーーーー⚠ーーーー✂
貴方に結局何も言わなかったわね笑
いえ、言えなかった
私の涙の理由...
別れたいって言ったのは、、
貴方は何も悪くないのよ
私が愛されているという現実と
元彼のトラウマから来る
男性恐怖症に耐えられなかった
ごめんね。
悲しい、辛い、しんどい
で、泣いていた頃が嘘みたいに泣かなくなった。
泣けなくなったのかもしれない。
泣いても解決しないってわかったからなのか。
泣いても誰も助けてくれない年齢になったからなのか。
歳を取ると、感動して涙もろくなるってきいて、
それを待っている。
泣きたいし、涙が出るほど心動かされたい。
悲しい、辛い、しんどいでもいい。
嬉しい、楽しいみたいな良い涙でもいい。
そんな私は更年期って言われる年齢。
能面で過ごした結婚生活。
能面な育児。
ココロからワラエナイ。
子供達が巣立つまで、自分の人生も感情も捨てた。
浮気相手と極上の笑顔で写真を撮る夫。
反抗期なのか家庭環境なのか、怒鳴る、無視する、都合の良く私を使う子供。
怒鳴り声は聞こえない振りしていたら、大音量の騒音ってしか認識できなくなった。
耳が悪いと家族に思われてるけど、心配はされない。
それならほっといてほしい。
病院に行って治療しないからだと文句を言われ、検査に行けば無駄遣いと言われる。
どうやっても、生きてるだけで怒られる。
反論する気はない。
結婚、出産みたいな人生を左右するような出来事に、周りの助言を聞かずに進んだのも私。
夫を浮気させたのも私のせいらしい。
子供が家でお利口さんにしないのも私のせいらしい。
成長期の子供にご飯を食べさせるべく出費が増えたのも私のせい。オカズ減らして米増やさないのは知恵が足りない私のせい。
家族の誰かが風邪をひいても私のせい。
朝ごはんが好みじゃなくて調子が良くなかったのも私のせい。
私は精神科に入院した。
夫から、保険がおりるから入院してくれてた方がお金かからなくて助かるって言われた。
子供から、ご飯ない。部屋汚い。パパが怒鳴るから早く退院してって言われた。
涙なんて出ない。
理由がないから。
辛くても、悲しくても。
君が全然泣かないから。
だから、代わりに。
泣いてあげてるんだ。
【涙の理由】
苦しそうな吐息が続く。
「ごめんな、メルルごめん。辛かったな」
腕を引き上げて抱き締める。
肌と肌がふれあい温かい。自分より遥かに高い体温の緊張がほどけ、ゆっくりと寄りかかってくる。
暴れ出しそうな熱を持て余していたが、ヒムはそのまま動かず耐える。ゆっくりと息を吐いた。黒髪が揺れて彼女の香りが立ち上る。
「ヒムさん…」
優しい声が聞こえ顔を伺うと理性が一気に消し飛んだ。
ぽろぽろと透明な涙がこぼれ、彼女のふっくらした頬を滑り落ちていく。
「メルル…!!どうした、痛いか」
「ち、違…」
メルルは涙の浮かんだ瞳のまま微笑む。
「嬉しくて…」
たくさんの遠回りをしたけれど、心から愛している人と一緒にいる。こんな幸せ誰もが味わえるはずがない。
白い細腕が逞しい身体をそっと抱き締める。
「私、幸せです」
ヒムも抱き締める。力を入れすぎぬよう気を遣いながら、それでも不安を一抹も抱かせぬよう。
「おう。幸せに、なろうな」
可愛らしい恋人の黒髪を撫でる。ここから始まるんだ。どんなことがあっても今日のこの瞬間を忘れまい。
信じられないことにそこで…目が覚めた。
※ ※ ※
かなり濁してますが こっち方面はダメでしたっけ?
コピーしてぽいぴくに移すのでちょっとご勘弁下さい…
追記
「露骨でないならOK」みたいな感じでした!
これは露骨じゃない!すごく雑&ゆるい&セコいから大丈夫!気分悪くなる人いたらごめんなさい!
これからもたまに欲望のままに書いていきます!
紅葉に染まった外の世界を窓越しに眺めていると、ふと自分の頬を暖かいものが伝うのが感じられた。何か哀しいわけでもないというのに、それは止めどなく流れ続ける。でも、その涙を止めたいという気持ちは何故か起こらなかった。たまには、理由が分からなくたって、その心が溢れ出したっていいじゃないか。
[涙の理由]
『涙の理由』
涙の理由は、夏が消え去ったから。
涙の理由は、枯草が音を立て始めたから。
涙の理由は、桜の葉が色付き始めたから。
涙の理由は、空にフィルターが掛かったから。
私の夏は、泣いてしまう程に美しいものだった。
例えば水草の揺らぐ水面を眺め歩いたあの日。
つーっと頬を伝う汗を拭い、ふと上を向き陽の光に目を細める。石塊を蹴飛ばし、アスファルトの上、小気味良い音と共に行く先を見守った。
例えば緊張と絆がブレンドされた空気を吸ったあの日。
熱気を放つ白い光の下、視界いっぱいに広がる観客の目線に高揚感。一心不乱に動く指、息遣いと共に流れ行く音に自然と顔が綻んだ。
例えば窓枠の向こうに茜から東雲を見たあの日。
麦茶を一口飲み込み、蝉と風の声、葉の騒めきなどを聴きながら一人言葉を紡ぐ。美しい言葉に絆され、夕陽と朝陽に捕らわれた。
私の夏は、笑ってしまう程に不粋な終わりを迎えた。
病葉。
涙の理由は、夏が消え去ったから。
涙の理由は、瑞々しさの終わりが見えたから。
涙の理由は、秋が見られないから。
涙の理由は、死にたくないと願うから。
#涙の理由
小さい頃から、君は泣き虫だった。
いつも僕の後ろに隠れていて、ぐすぐすと鼻を鳴らす音が聞こえていた。
それは、成長してからも変わらなかった。
虫が飛び出してきた時。
大事に育てていた花が枯れた時だって。
君は目いっぱいに涙を浮かべて、僕のところにやって来ていた。
何処ぞのかぐや姫のように、月を眺めて涙を浮かべたり、
夕焼け空に、その頬を濡らしたり。
未熟な僕には、なぜ君が泣いているのか、分からなかった。
だけど、これだけはわかる。
君はとても心が綺麗な人なんだってこと。
だから。ほら。
「ッ、いやだ、1人にしないでよぉ…っ、」
こうして僕の命の灯火が今にも消えそうな時ですら、僕のために涙を流してくれる。
ぽたぽたと落ちる雫が、まるで宝石みたいにきらめいて消えていく。それは僕への最期の贈り物のようだった。
君の涙の理由、今なら分かる。
もう、昔みたいに拭ってあげることはできないけれど。
どうか、その綺麗な心のまま、これからも生きて欲しい。
涙の理由が何かと言われても私には到底分からない。自分の涙だろうと言われたところで自分でもなんで泣いているのかが分からないのだ。人には軽卒に何故泣いているのかと聞くのにも関わらず自分には分からないなんて、むしのいい話だ。
涙のわけかー??
足の小指に聞いてほしい!
なんで、あなたはそんなに痛いのぉ??
まー
朝起きたら泣いていた
でも、何の夢を見たのかは思い出せない
いつも同じ夢で泣いている気がする
涙の理由を 知ってるか
俺には分からないが
濡れた頬の 温かさは
恐らく お前が くれたんだ
「なんでこんな所で歌ってるの?その歌、タイトル何だっけ?」
放課後の屋上は、教師や親の煩わしさから逃れられるサンクチュアリだ。
かつて在籍していた顔も知らない諸先輩の中にも、自分と同じ感覚の人がいたのだろう。
鍵がなければ開くはずのない扉は、ノブを反時計回りに2回、次いで1回半時計回りに回すと開く様に細工されていた。
その事実を知ったのはつい最近の事だ。
大抵どこの学校の屋上も、安全の為とやらで入れないのは馬鹿な俺でも知っている。
それでも、開かないかな?なんて、ガチャガチャ試したら開いてしまったのだ。
あまりに偶然だったから、ノブに施された仕掛けの解明には少し時間を要したが。
解明してからは手慣れたもので、放課後の度に一人屋上に忍び込むようになった。
馬鹿みたいにマジメに青春してる運動部の奴らを眺めたり、スマホにダウンロードした音楽を聴いたり、偶に歌ってみたり。
マジメに塾に行っていると思い込んでいる独善的で過干渉な親を欺いて、押し付けがましい教師たちが寄越す鬱陶しい青春を嘲笑って、不条理で掃き溜めのようなこの世界で、短い青春とやらを棒に振る。
最高にイカれている中で、放課後のこの時間だけは自分が自分たり得る時間だった。さっきまでは。
サンクチュアリの闖入者は、女子だ。
短めのスカートを履いているくせに、髪は肩にかからないボブカットで、地味なカーディガンとぶ厚い瓶底眼鏡を着用している。
化粧をしていない顔は、整っている方だが地味だ。
スカートの長さ以外ギャル要素がないので、クラスのカーストでどの位置の女子なのか分からない。
「あんた、どうやって入ってきたんだ?」
俺は相手の質問には答えず、この闖入者がどうやってここに来たのかを確認することにした。
俺は屋上に忍び込む時、必ず鍵を掛けたことを確認するようにしている。
今日もその事は抜かりなくしたので、鍵が開いていてたまたまという事はない。
俺と同じように偶然開いて入ってきたのだろうか?
こんな地味眼鏡女子が屋上に?
「…あの細工したの私だから」
「えっ」
サラリと爆弾発言を食らった俺は、鳩が豆鉄砲を食らった顔で眼鏡女子を見返した。
「だから逆に問うけど、どうやって細工を突破したわけ?あと、貴方以外知っている人はいる?…あぁ、あと、さっきのタイトル何?」
淡々と温度を感じない声で眼鏡女子が質問してきた。
かなりマイペースなのだろう。普通、質問は一個ずつだろう?コイツはきっと、いや、かなりの変わり者だ。
あの細工はてっきり先輩達が残したものだと思っていたが、こんな変わり者の女子がやっていたとは。
俺と同じ感覚の顔も知らない先輩という妄想が儚く消えた。意外とショックだ。
「私は質問に答えたのだから、貴方も答えるべきだと思うのだけど?」
僅かに苛立ちを含ませた声が妄想に沈みかけた俺の耳を打った。
眉を顰めてジーッとこちらを見ている。答えないと逆に面倒くさそうだ。
「たまたま鍵があいて、法則を見つけた。ここに人を呼んだことはないし、ここの話をしたこともない。さっきの歌はBUMP OF CHICKENのダンデライオン」
必要最低限で済ました俺を眼鏡女子がジッと見てくる。
なんか、この人を観察する目の感じ…ノラ猫みたいだ。
多分懐かないタイプの。
「もう少し細工しておけば良かったな…。でも、まあ曲のタイトルを知ることが出来たから、良いか」
俺に対してというより独り言のように呟く。
理不尽に怒られるかと思ったが、どうやらその気配はない。ちょっと安心した。怒るとヒステリーになる女子もいるからな。
この女子は変わっているところはあるけれど、話は出来そうだ。
「なんでタイトル知りたかったんだ?」
「たまたま有線かなんかで聴いて、物語調で面白いなって思っていて曲だけは覚えていたんだけど。タイトルは聞きそびれちゃったのよね」
確かに有線で聞く曲の多くは、タイトル部分を聞きそびれることがよくある。曲調が気に入っても、歌詞部分の記憶が曖昧になったり、聞き逃したりで探すのに苦労したことが俺もある。
「有線あるあるだな。この歌の物語、良いよな」
俺の何気ない一言に彼女は、ホロリと涙をこぼした。
思わずギョッとして固まる俺の前で、彼女は吐露し始めた。
「私は、孤独であることに苦痛はない。けれど、あの音楽の物語にある、自分を受け入れてくれるモノに出会う喜びは、痛いほど羨ましいと思ったよ」
だから一度聴いただけでも忘れられなかった。彼女はそう静かに呟いた。
あぁ、俺もあの歌のライオンが羨ましいと思っていた。
ありのままの自分を受け入れてくれる存在に出会うなんて、現実ではあり得ないと思っているから。
あの歌の物語はファンタジー。非現実的。
そう思ってもやっぱり、どこか羨ましかった。
「ライオンも、そして、ライオンを受け入れライオンに大切にされた花も得た、尊いものは、このちっぽけな作られた世界じゃ得られない」
ハラハラと流れる涙が儚くて綺麗だと思った。
「あんた、俺と似てるな」
性別も顔も違うのに。
今あったばかりで彼女が見てきた世界なんて知らない。俺にはわからない。
でも、心の何処かが共鳴している。
「あんたの名前を教えてくれ。あんたさえよければ、あんたの事も」
涙の理由を 知ってるか
俺には分からないが
この心の 温かさが
そのまま 答えで 良さそうだ
なんで君は泣いてるの?僕は今まで君のために尽くしてきたのに。一生懸命働いて、記念日は忘れずにお祝いして、君の喜ぶ言葉を沢山伝えて。君はいつも"ありがとう"とか、"嬉しい"なんて言ってたじゃないか。僕がする事全てに、感謝や喜びを表してたじゃないか。それに、僕がどんな風になっても、笑って受け入れるって言ったじゃないか、あぁ、彼女の声が聞こえない。もう僕の意識は真っ黒になってしまう。僕は君の笑顔が好きなんだ。だから、泣かないで。
笑って?僕は心のそこからの本音を呟く。すると彼女は、泣きながら笑った。もう、泣いてても、笑っているのは嬉しかった。だけど最後に、涙の理由くらいは知りたかったなぁ。
この人は、なんでもう死にそうで、とっても辛かった筈なのに……あなたのそんな姿を見て、笑えるわけがないでしょう。そう思った気持ちを奥へ消し、徐々にぬくもりを失うあなたを抱いた。
涙が嫌いだ。誰かが一粒涙を溢せば、他人の冷たい視線はこちらに集まる。逆に私が涙でも流せば、降り注ぐ視線、陰口の雨。そんなものに怯えている私は、弱くて崩れてしまう砂でできた城のようで、思わず乾いた笑いが出てしまう。涙は嫌いなのに、脆い自分が悔しくて涙が零れそうになる。それでも必死に堪えてしまうのは、涙のせいで私が作った砂上の楼閣が崩れるような気がするから。
涙の理由?
そんなものありません。
私が涙したのは大した理由ではなく、ただ泣きたかったからなのです。
貴方が今にも泣き出しそうな顔をしているものですから、私はその想いを糸で結んでたべてしまったのです。
貴方がどんなに辛いことがあろうと、涙を見せず強くあろうとするから、私は反対に気持ちに囚われ弱くなってしまうのです。
私は強い女でしたから、貴方はとても動揺するでしょうね。