『海へ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
“海へ”
君が突然、海へ行こうと言うから私はとてつもなく渋い顔を作って立ち止まってやった。君はそれも想定していたのだろう。立ち止まった私の二歩くらい前からヘラヘラした顔で振り向いた。
「いいだろ、行こうぜ。最後の夏なんだから」
「……最後かどうか、まだわからないだろ」
誰かさんが受験に失敗するかもしれないからな、と思ってもない憎まれ口を叩く私を見て、やっぱり彼はヘラヘラ笑って髪をかきあげた。
よく晴れた真夏の太陽の光を浴びて、彼のご自慢の金髪がキラキラと輝いている。中学卒業と同時に黒髪って似合わないんだよねオレ、なんてドラッグストアで買ったらしいブリーチ剤で脱色したっきりずっと金髪だったその髪もきっとそろそろ黒く染めてしまうのだろう。
もしかしたらもう金髪の彼は見納めなのかもしれない。一足先に推薦で進路の決まった私と違い、彼はこれから暫く試験勉強だったり面接だったりときっと忙しくなる。そして受験が終われば卒業がやってきて、私と彼は離れ離れになる。
「最後じゃなくてもさ、今お前と海がみてぇの」
いいだろ、私が断るなんて微塵も思ってないって顔をした彼が自転車にまたがった。夏の生温い風に、金髪が揺れている。大学に行ったら、彼はまた髪を染めるのだろうか。もう、会えなくなるんだろうか。
私が後ろに乗ることを少しも疑っていないどっしり構えた広い背中が無性にムカついた。
「仕方ないから、付き合ってあげる」
「最初っから断るつもりなかったくせに」
行ったり来たりの波の間を
ずっと眺めている
この海の向こうにも
知らない誰かが
こちらを眺めてたり
海へ
思いを馳せる
「海へ」
前は海へ行くってとなると嬉しかった。
キャッキャッ言って楽しく遊んだし、
日焼けのことは気にしなかった。
塗ったところですぐ落ちるし、
なんて思ってた気がする。
とにかく、楽しかった。
今は逆だ。
もちろん海を見ると気分は上がるし、
浜辺を歩くのは好き。
でも海に入りたいと思わないかな。
日差し、日焼けが気になり、
心から楽しめない気がする。
それだけ、歳をとったということかな?
私にとって、図書館という本の海は新たな生き甲斐になった。
広くて綺麗だが長い歴史を感じ、かつ新しい感動をもたらし探究心をあおる海。その広さの中に一人乗りのボートで漕ぎ出せば冒険の始まりだ。足がつくかつかないかの浅いところにいるいきものたちの場所はいつも通り。次のいきものに一匹ついてきてもらう。たまに次の一匹が見当たらない時もあるけど、私は出てくるのを待つのも好きだ。海底が急に遠くなった。いつも訪れないゾーンだ。私は好奇の目で海をよく覗き込む。新しいいきものがいた。そっと手に取って見る。新しい世界だった。そうやって時間を気にせず海の冒険を楽しんで、陸に上がり、手続きを終えた。海から出ると急に現実が訪れる。図書館を出て横長のトートバッグの中のたくさんの本を見つめる。この本たちが私のライフラインだ。そしてこれらを読み終わる1週間後には。私はまた、本の海へ。
『海へ』
海へようこそ。
怖い事もあるけど、この夏の最高の思い出を作ってね( ^∀^)
みんなで、1人で、
海へ行ってみてね。
終
━━━━━━━━━━━海へ━━━━━━━━━━━
※死ネタです。苦手な方は読まないことをオススメします
ザザーン・・・ ザザーン・・・
「………」
オレは今海に来ている。なんで海に来ているのかというと…
この人生を終わらせに来たからだ
オレはある奴が好きだった。因みにソイツの性別は男で、オレも男。
オレは同性愛者なんだ。
ずっと隠してきた。親にこの事を知られたら顔向け出来ないし。きっと失望されるからずっと言わなかった。
ダチにも隠してきた。キモがられたくなくて…嫌われたくなくて…ずっと隠してきた。
だけど、高校に入って同じクラスの奴にオレは恋に落ちちまった。
ソイツは暖かくてなんでも包み込んでくれてまるで
太陽みたいなやつだった。そのおかげかクラスの奴らにも好かれてた。もちろん告白してる奴も居た。
だがアイツは断ってたんだ。理由は
「将来を誓い合った彼女がいるんだ」
そうアイツは言ってた
オレは早くも失恋した。でも、それで良いと思った。そっちの方が早く諦めがつくと思ったから。
だけど、人の心は簡単にはいかないらしい。
オレは今でもずっとアイツの事が好きだ。きっとこれからもオレはアイツの事を思い続けるんだろうな。
そんな気持ちをずっと心に秘めながら残りの人生を
生きるんだろう。
自分が同性愛者だということを隠し好きでもないヤツと結婚する。ずっと自分や家族、周りに嘘をつきながら死ぬまで生きていく。
だがオレはそんなクソみたいな人生、まっぴらゴメンだ。
……だから今日ここで全てを終わらせに来た
同性愛者だってことも、アイツのことが今でも好きなことも、今までのオレの気持ちも全部
全部全部全部全部全部全部全部ぜーーーー〜んぶ
ここに捨てに来た。
今思へばずっと息苦しい人生だったな。本当の気持ちもオレも全部。皆が思い浮かべる"オレ"を演じる為に隠してたからな。
………せめて来世は自由に生きよう。好きな物を好きと言って、好きな相手に告白する。
あぁいいな、そうしよう。
あっ、そういえばアイツ結婚したらしい。高校の時言ってた彼女とそのままゴールイン。オレのとこにも結婚式の招待状が来たけど断った。
ただただ悲しいだけだからな…
……………そろそろ終わらせよう。
オレは、服にありったけの石を詰め込んで海に歩いて行った。
来世への期待と………アイツへの恋心を持って…
…………あぁ……
海は綺麗だなぁ……
海にいって、磯の匂いを鼻いっぱい吸い込むと、ちくわの磯辺揚げが食べたくなる。
海へ
この 小さな世界では
あなたとは一緒になれないんだよ。
だからさ
この広い海では
一つになろうよ。
二人一緒に抱き合って
海の中で一つになるの。
───やっと幸せになれる
痛みで◯ねる3つの方法
なんで見てるの?辛いことでもあった?
疲れたよねぇ
うちも疲れた
でもさ、人生こんなもんやと思うよ。
友達になろ。
悩み事聞くけんさ!
やからさうちの悩み事も聞いて!
引用スポーツカー&チョッパーちゃんねる
この人はとても感動的だから調べてみてねホントに聞くよー
「海、行きませんか」
「え?」
先輩は暫く目を丸くしていた。
夏休みだから、折角だし先輩とどこかに行って思い出を作りたいと思ったのだが。
俺の発言がそんなにおかしかったか、或いは予想外だったのか。
それとも海に対して何か特別な想いがあるのか。
「…先輩、海、嫌いでしたか?」
「いや、そういう訳じゃないんだけど…」
言葉を濁しながら先輩は俺からの問いに答える。
歯切れの悪い返事を疑問に思いつつ、俺はいつ行くだとかどこの海だとかそもそも海じゃなくて良いんじゃないかとか言った。
「君、勉強大丈夫なの?まだ1年生だからって油断してたら終わりだよ」
「大丈夫です。それに夏休みのうちのたった1日ぐらい、先輩と居させてくださいよ」
「……誤解を生むような発言は控えて欲しいんだけど」
俺が柄にもなく甘えた声でお願いすると、先輩は押しに負けたようで、了承してくれた。
割と満更でも無さそうだったが、伝えたら海の約束を取り消されそうなので黙っておいた。
「言っておくけど、海の中には入らないよ。君すぐ溺れそうだし」
「えっ、溺れませんよ、俺高1ですよ」
「君はそう言って厄介事を引き起こすから心配なんだよ…本当は君と遊んだせいで留年しないかとか不安だ」
先輩は俺に対して過保護すぎる。
そんなに俺は子供に見えるのだろうか…?
「……あの、今年は海」「行かない」
2年後、先輩は大学生になり、さぞ素敵なキャンパスライフを送っている事だろう。
中学時代からの趣味らしかった百人一首を極める為に百人一首サークルに入ったらしく、充実した日々を過ごされているようで何よりだ。
俺はと言えば成績が絶望的で、再び高校2年生をやる事になった。
それに関してはまぁ色々あったのだが、ここでは割愛する。
そして今、また夏休みが来たので先輩を海に誘ったのだが、ご覧の通りこのザマだ。
「すみません、留年の事は本当に申し訳無かったです。じゃ、じゃあ先輩、海以外だったら検討してくれます?海以外だったら」
「駄目、今年は僕の家で勉強会だから」
「勉強………え、先輩の家!?先輩の家ですか!?ねぇ、今」
俺が吃驚して聞き返すと、既に電話は切られていた。
「でも来年は、海へ……行ける、かな……」
将来へのまだまだ不安は拭えない。
でも先輩が俺を気にかけてくれるうちは、努力を怠らない優秀な後輩になっていよう。
・以前執筆した『さよならを言う前に』の先輩と後輩
・一応両方男性ですが、どう解釈しても良いです。感じ取った事が正解
・先輩の方は「後輩(主人公)くんは僕の事恋愛的に好きなのか……??」と思っているが、後輩の方は普通に先輩として慕っているだけ
玄関の呼び鈴が鳴るのはいつだって突然だ。
カツカツと鳴るそれを聞いて、何をするでもなくぼんやり椅子に座っていたイルはのろのろと魔法陣を開いた。薄暗い部屋に赤紫の光が灯り、玄関の声と彼の音声が共有される。
「名前と用件は」
『ノエと。ノエ・レッドナイト。ベガの兄だ。以前手紙を出したのだけど、返事がもらえないから直接きた。妹の友人であり魔王を討ち倒した勇者の君にお願いが。1ヶ月後に大陸中を周る大規模な航海をする。1人で100人を薙ぎ払うとも言われる魔人たちと互角に戦い、そして勝利を納めた、そんな人が護衛にきてくれたら心強いと思ってね』
スラスラと話すノエに、
「……ワリィ、そういうのはやってねェ」
イルは机の一角を見ながらそう答えた。
そこには便箋が山となって積まれている。同じように護衛をしてくれだとか、剣の指導をしてほしいだとか、果ては娘と見合いしてくれないかとか。断りの連絡をするのも面倒で、すっかり放置してしまっている。近ごろは封を開けるのすら億劫だ。
(──別に、他にやることがあるわけでもねェンだけどな)
あの日以来、何をするにも身が入らない。
妹が毎日何か届けてくれるから、それでどうにか飯は食えてる。毎朝剣を振る習慣も抜けない。だからきっと、表面上は普通に暮らしているように見えている。
けれど──空恐ろしい予感がする。剣を振るのを1日でも怠れば、きっともう立ち上がることさえできなくなる。
そう思うから、今までの習慣は続けている。惰性で慣性だとしても、止まってしまえば再び動くだけの気力はもうないから。
ましてや、いつもと違うことをするなんて。
もう話すことはない。
イルが魔法陣を閉じようとしたとき、それがわかったかのようにノエは声を大きくした。
『わかってるのかい、君。航海だよ、航海。海へ、行くんだ。海へ。あの子の行きたがっていたっていう、海へ』
「! テメェ、なンでそれ知って──!?」
ノエの言う「あの子」は、ロキ呼ばれていた少年に他ならない。
かつてイルと旅をし、最後に海が見たかったと言いながら死んだ──イルが自らの手で殺した、魔王とも呼ばれていたただの少年。
彼の話題が出た途端に息巻くイルに「ベガに聞いた!」と簡単に答え、ノエは再びまくしたてた。
『彼は濃い肌の色に黒髪だったんだろう? 今回はそういう容姿の人が多い国からの出航だ。もう誰にもわからないけど、もしかしたら彼の生まれ故郷だったかもしれない。わかってるだろうけど、普通の人がこの国から出る機会なんてほとんどないよ。その国から出航することも滅多にない。君がそこへ行くのは、これが最初で最後のチャンスかもしれない。さあ、どうする!?』
「おれ、は──」
行って、いいのだろうか。
救えなかったくせに、彼の故郷へなんて、行っていいのだろうか。
誰よりもアイツが見たかったはずなのに、そのウミとやらを見るのは俺でいいのだろうか。
言葉に詰まるイルの鼻先を、窓から吹き込んだ風がかすめていく。
それは暖かくて、少しだけしょっぱい気がした。
出演:「ライラプス王国記」より イル、ノエ
20240823.NO.31.「海へ」
一緒に海へ行こう!
こんなセリフが彼に言えてたら、関係が進展してたのかな…
海へ
ワイヤレスイヤホンはあまり好きじゃない。
耳につけている感覚が鈍くなるから。
だから、有線のイヤホンを使う。
スマホを開き、プレイリストを再生する。
曲が流れ、リズムをとる。
砂が足裏に触れて少しくすぐったい。
向こうを見ると、遠くから人影が見えてこちらに向かってくる。
... すれ違う瞬間
耳元で囁いた 君の声
波音が掻き消したの …
耳元に息が少しかかって、ほんのり赤くなる。
波音で何を言ってるかは聞こえない。
でも、自分の腕を掴み上げてそれに連れて自分は立ち上がる。
今なんて言ったの?
ねぇお願いよ、もう一度聞かせて。ホントは知ってるけど。
「このまま行こう。海へ。」
#25
僕たち広くておっきくて なんでも呑んできた
それにいっぱい食べ物も たくさん創り出してきた
大昔のそのまたむかしの昔昔の太古から
だからさ 甘え過ぎちゃったのかな 君たちは
もう面倒見きれないって
君たちのために汚れて 海に生きてるもの達が
たくさんたくさん苦しんでて嫌だって
一生懸命 育ててきたこの地球の生命が
全部全部 僕たちやってきたことなのに
掠め取って 根こそぎ奪って
到底消化もできないゴミを押し付けて
そんなの なんでそんな 平気な顔なの?
✼•┈┈海へ┈┈•✼
海へ行こう。
打ちよせる波を見つめ
さざ波の声を聞こう。
遠くの水平線を眺め
ぼんやりと
時を過ごそう。
青い海が心とひとつになったら
背伸びをして
さあ、
帰ろう!
海へ行こうと思う
あなたに会いに行こうと思う
あなたはもうそこにはいないけれど
ふるさとに帰ろうと思う
家に帰ろうと思う
帰る場所はもうないけれど
思い出をひとつひとつ集めようと思う
優しい世界で生きようと思う
まだ愛に気づけていないけれど
海へ、川へ、山へ! ほとばしる夏のエネルギーを満喫しよう! 生きる喜び、今ここに。
海へ
一人で、海にも山にも行った
だけど、川には行けなかった
楽しい記憶がたくさんあるからなのか
濁流に飲み込まれてしまいそうだからか
都会の川は汚くて見ても楽しくないし
郊外の川は一人で行くには寂しいし
田舎の川は一人で行くのはこわい
《海へ》
青い空と白い雲
そして目の前に広がる海
癒やしの場所
わかば
━━━
《海へ》
寄せては返す
波の音を聞きながら
あなたに逢いたい気持ちを
海へ流す
頭ではわかってる
もう、ね…
それでも、ね…
幸せを教えてくれた人
あおば
「海へ」
私の育った町は海も見えない山の中
海の見えるきれいな町に
将来住もうと彼が言ってくれた
そんな私のことばかり考えてくれる彼が私は…