『海の底』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
愛してる。そう伝えたのはいつの日だっただろう。
こんなにも君を愛していたのに
今となっては君の姿かたちさえ思い出せない。
君が僕を置いて海に身を投げ出してしまったから。
思い出せないのなら
僕は君と同じ場所で海の底へ沈んでしまいたい。
朝だと朝日が
昼間だと日光が差し込む
でも逆に、よるになると真っ黒に
波の音しか聞こえない、時々聞こえるとりのおとも波の音にかきけされてどこかへ流れてしまうから
時間がたつにつれ深く深く沈んでいく
もうなんにも光もないところへと
僕らはここからどこへ進めばいいのだろう
「海の底」
ってなんだか人生みたいじゃない?
静かな世界。
過ぎる生き物は僅かで
光が届かない暗い棲家。
光を浴びに行くときは気をつけて。
ゆっくりゆっくり向かわないと破裂してしまう。
慎重に慎重に。
そうすれば何があっても大丈夫。
昔から、家族、友人、先生、と、周囲の人間の事が全く理解できませんでした。
上手く、周りの気持ちとか考えとかを取り込むことが出来ませんでしたので、それはそれは生きづらい淡白な毎日を送ってきました。
言葉の裏が全て透けて見える。しかし人間の怖いところというのは、見えるもの以上に、一人一人の個体の中に海の底のように黒く深い感情の渦を巻かせ、それをあえて主張せず、嘘をつく。更にはその行為を当然当たり前に正義だと言わんばかりの雰囲気で、この世の大半の人間がやってのけているというところです。
みんな本音は、海にゴミを投げ海の底まで沈めるように、こうも軽々と嘘をつくのかと不思議でなりませんでした。
このハテナが解消されることは今の今まで1度もなく、
結局私は薄っぺらい人間になってしまったと、少し悲しくもあり、どうでもよくもあります。
お題『海の底』
海の底
誰からも忘れられて
時間さえもわからなくて
黒いまま重みは忘れてる
何も知らないが許される場所
そこに光は届かないから
光なんて誰も知らないから
海水が空気のように
風になって揺らいでるだけ
前も後ろも見なくていい
北とか南とか知らなくていい
誰かより偉くなったり
優れたりしなくていい
私とかすら存在しない場所
そこに束縛は必要ないから
限られたものもないから
自由の空気のように
命のままに揺らいでるだけ
右も左も知らなくていい
綺麗とか汚いとか知らなくていい
あなたはあなたのもので
あなたのままでいい
何かの強制すら存在しない場所
それは必然の必要だから
果てしないが続くから
永遠の空気のように
命のままに揺らいでるだけ
誰も気づかない場所にしか
存在出来ないネバーランド
感覚なんてなくなって
全てから解放されている
「海の底」
パニック映画の影響でどうも海の底というのは、
得体の知れない巨大生物がいる怖い世界、
というイメージしかない。
実際はどんな所なんだろう?
太陽の光が届かなくて、とても静かな世界というのは
どこかで聞いた事はある。
神秘的なんだろうな。
そんな世界に人間が足を踏み入れてはいけないと思う。
ずっとそのままでいてほしい。
どこまで沈めば楽になるだろうか
どこまで沈めば救われるのだろう
行き先もわからずただ溺れてゆく
『海の底』
海の底には墓標がある。誰の目にも触れられず、ひっそりと彼らは眠っている。
昔祖母に聞いたことがある。戦争で亡くなった人が海の底にいるなら、拾い上げて遺族に返してやればいいじゃない、と。彼女は、悲しそうな顔をして首を横に振った。
「沈んだ船舶自体が亡くなった人の墓標なんだよ。それをむやみやたらに弄るというのは墓荒らしとおんなじさ。そこはもう神聖な場所なのさ。彼らは海に出て、勇敢に戦って、死んだ。あすこに眠っているというのは誇り高いことでもあるんだよ」
今の世代の感覚じゃ分からないだろうけどね、そう言って彼女は胸元のペンダントの蓋を開けた。中には写真が嵌められていて、若かりし頃の祖父と祖母の姿だった。
私の祖父も、静かな水底の何処かで眠っている。
私は何となく察していた。祖母は諦めたようなことを口では言うけれど、心の内ではまだ彼のことを諦めていないということを。どこかで、別の誰かとしてでもいいから、生きていてほしい。そんな淡い期待を胸に持ち続けているということを。
死体を探さないのは、きっと、そういう意味もあるんじゃないか。今となっては、もう本当のところは分からない。
彼女は、一月前、末期癌で息を引き取った。
彼女の寂しげな顔を今になって、ゆるゆると思い起こす。
死に別れてしまった二人。彼女はずっと、彼に会いたかったに違いない。彼のいない、長い人生、どれだけ心細く辛かっただろうか、考えるだけで胸が傷んだ。彼女も、彼の元に行かせてあげたい、そう思った。
彼女の遺灰を海に撒いた。海葬、というのだそうだ。彼女は大いなる海の一部となった。彼のいる海に解けた。静かな海の底でひとつになった彼らに、海上から祈りを捧げた。
ザ・ボトム・オブ・ジ・オーシャン
目を開けて ゆっくりとね
大丈夫 怖いものなんて何もないよ
ほら、見えてきたでしょ
この海の底は貴方の新しい世界
地上で力尽きた貴方はここに来たの
ここでなら思い切り泣いてもいいのよ
涙は光の泡となって昇っていくだけだから
安心してね 私は貴方の味方
大丈夫 悪いヤツはみんなやっつけたよ
ほら、誰もいないでしょ
この海の底は私と貴方だけの世界
私がここまで貴方を運んで来たの
ここでなら思い切り笑えるわ
どんな笑い声も霞んで消えていくだけだから
貴方と私だけ
ここは貴方が望んだ世界
もう後戻りは出来ないの
でも、残念に思うことはないわ
退屈はさせないから
さあ、王国を築き上げようよ 二人だけの
海の底
深く…潜在意識の
領域…
普通の状態では
辿り着けない…
それが…
海の底
海の底
この世界は私には眩しすぎる。
だからいっそのこと、光の届かない深海に行きたい。
真っ暗な海の底なら、汚いものも嫌なものも
見なくていい。
子供の頃は、鮮やかなものを見るとはしゃいでいたが、いま思えばあれらはもともと汚い物質で、
それを大人たちが塗り替えていただけだ。
こんな誤魔化しだらけで泥のような世界で
私は生きていたくない。
だから、誰にも釣られないように
深い深い海の底に沈みたい。
海の上にはどんな世界が広がっているんだろう
ずっと海の底で暮らしてきた私。
海底人として暮らして来た私は、海上に上がることはご法度だと知らされてきた。
でも、ずっと夢想してた。
もし、私が海上に行ったら。
そしたらどんな景色が広がっているんだろう。
どんな人が私を迎えてくれるんだろう。
そんな気持ちを夢想し続けるともう止まらなくなってきた。
地上の人と会いたい、会ってみたい。
私は、一年に一度、年号が変わる日を祝い、門の警備が緩んだ時を狙って地上の世界に向かってトレジャー号と呼ばれる潜水系の船を使って進んでいく。
ちなみに、海の凄く深い所に築いている私達の文明は、バリアを張っていて、パッと見ただけでは外から都市があることがわからないようになっている。
マジックミラーの原理で、こちらからは地上の様子は分かるので、もし何かが近寄ると、海流を起こして、他の場所に移動させたりする。
地上の人はパパとママいわく、恐い人達、だそうだ。
でも、私は、見てみたいという欲求に抗えなかった。
地上までの長い長い旅に出る。
地下深くに灯る人工太陽の光もなく、しばらく暗黒の世界だったのが、だんだん外が明るくなっていく。
そして、私は、夢にまで見た地上に出た。
眩しい。
人工太陽の比にならないほど眩しい。
私が目を手で隠しながら、トレジャー号にバリアを張って見えなくすると、海の中から泳いで、砂浜へと移動する。
寒い時期だからか、人があまりいないみたいで、私は太陽の眩しさに慣れるためにしばらくそこでジッと座って目を押さえていた。
「大丈夫?」
不意に男の人の声がする。
目を開けると、眼の前に、心配そうな男の人が私の顔を覗き込んでいた。
「目、痛いの?・・・っ、君、凄く肌が白くて綺麗だね・・・金髪だし・・・もしかして、外国の人?」
私は困っていた。
私達は思念で会話をする。地上の電波をキャッチして、見ることの出来るニュースなどの映像から流れてくる声はこの男の人の言語だから理解はできるものの、話したことはないので、発音がよくわからない。
「ち、じょ・・・みたくて・・・きた」
「あ、やっぱり、外国の人なんだね!美少女さんだなぁ。迷ったの?」
男の人は友好的な笑みを浮かべた。
私は、とっさに海底都市の教えを思い出して警戒する。
もし、この人が悪い人だったら・・・。
「ほら、見てごらん、あっち」
不意に男の人が海の方を指す。
「夕日が沈む所。僕、この景色が好きで、この時間にいつも散歩に来るんだよ」
指差す方を見ると、太陽の光が薄れ見たこともない、優しい、オレンジ色の光が注がれていた。
「き・・・れい」
「そうでしょ?」
男の人は、嬉しそうに、夕日を眺めている。
「ここに来ると、辛いこととか、忘れられるんだ。君も何か辛いことがあったら、夕日を見るといいよ・・・あ、来日している間ね。あっでも、そっか、海外でも夕日は見られるよな・・・?」
頭をかいている男の人を見て、私は首を横にふる。
人工太陽には、夕日はないから・・・。
また見たいと思った。
この人とこの夕日を。
瞬間的に湧き上がる郷愁ともいえる感情。
ここが故郷じゃないのに、懐かしさが込み上げてくる。
「また・・・くう・・」
きっとまた来ると言いたかったけど、、発音がおぼつかない。
男の人は私をみてニコッと笑った。
「また、会えるといいね!じゃあね!」
次第に遠くなる姿。
私はもう一度夕日を目に焼き付けると、他の海底人に地上に行ったことがバレないように、急いでトレジャー号に乗り込んだのだった。
また・・・会いたいな。
私のこと、忘れないでいて欲しい・・・。
そんな抱いたことのない感情をお土産に私は地底世界に帰還する道を進んでいった。
深く深く沈んでいく
光が段々と消え
意識も段々と消えていく
全てが水に包まれ
終わりだと悟った時
君がきたんだ
海の底で
私たちは再開した
お題『海の底』
海の底
海の底には、何があるんだろう?
この世界の中に続く穴?海底にある伝説の都市?
私のことを、海のように深い愛で、大切にしてくれる人?
そこには、誰にも辿り着いていないため、何があるのかはわからない。だから、こうやって想像してる。
海の底には、何があるのかな?そこは、私の想像の、思うままの世界だ。みんなも想像してみなよ。楽しいよ?
海の底では雪が降る。灯火を燃やし尽くしたものたちの残骸が降り積もる。海の底は全ての始まり。役目を終えると皆そこへ回帰する。
かつて燃え尽きて雪となったものたちがいた。海の底に降り積もった雪の中で私は作られた。私もいずれは雪となって新たな芽生えの糧になる。その芽生えの中に君はいるだろうか。
もし君がいるならば、私の全てを君に捧げることを許してほしい。君のためであるならば、この不条理な荒波を耐え忍ぶことができるから。
遠い君へ
海の底
口にいれると、ジュワぁっと味が溢れてくる。
旨い。そうとしか言いようがないくらいに、旨い。
「お気に召されましたか?"王子"」
「ああ、毎日でも食べたいくらいだよ、この……」
『海の肉』
──────
確かに実在するもので
底知れず恐ろしく
とても興味深いもの
宇宙 と ”海の底”
戻って来れる確証があり
幽体離脱でもしていけるのであれば
行ってみたい。。。
深い海
交わりのない
生物か
大きなクジラと
小さき私
「海の底」
「海の底まで行ったら、永遠が手に入るのかな」
君が突拍子もないこと言う時は何か悩みがある時。それをわかっていても俺はぶっきらぼうに答える。
「人間は海の底なんて行けねーよ。機械つけても十数メートルだ」
「でもほら、人魚とかだったら」
「おまえは人魚じゃねーし。それに人魚だって王子に選ばれなかったら海の泡になるんだぜ」
有名なアニメはハッピーエンドだけど、実際はそうじゃない。
「永遠なんて…どこにもない。ないんだよ」
そっか。当たり前だよね。わかってる。俺だって。
ただ俺はね。
君は寂しくそう答えて、言葉を切った。
俺たちはどこにも行かない。ここにいる。だけど永遠はありえないことも、知っている…。
君はしばらく黙ったまま、ふいに小さく笑って言った。
「でも、俺は人魚姫より幸せだね。だって泡になることはないもの。王子に選ばれたもんね?」
「よせやい」
自分で言ったことだけど吹き出して、それに君ももう一度笑った。
▼海の底
海の底
誰にも聞こえない声
古ぼけた時計に
針はなく
人形の小さな
笑い声が聞こえる
人々は沈み
静寂の世
時の止まった
この世界で
人ならざるものが
必ず目を覚ます