『泣かないで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「これが最後」
貴方と会うのはこれが最後。
そう思いながら過ごす一日は、何もかもが輝いて見えた。
最後なのに、また会うみたいな挨拶をして、背を向け歩く。
振り向かない。
絶対に、振り向かない。
名を呼ばれても、肩を掴まれても。
泣き顔なんて、絶対に見せたくないのに。
いつも貴方は私のみっともない姿を見ようとする。
そのくせ私には格好悪いところを一切見せてくれない。
言わないで。
何も言わないで。
貴方にとっては慰める言葉かもしれない。
でも私にとっては、なによりも残酷な言葉。
貴方と私は今日が最後。
そのはずなのに……
一番綺麗に終わりたい。
そんなささやかな願いすら、貴方は叶えてくれない。
────泣かないで
泣かないで。あなたに涙は似合わない。
泣かないで。堂々としていればいい。
泣かないで。今のあなたが一番素敵だから。
“泣かないで”
泣かないでアナスタシア。
少なくとも僕は君の味方だよ。
不条理で理不尽なこの世の中だけど君のためなら犯罪だってなんだって厭わないさ。
泣かないで
「あたしは人様に『泣かないで』ってはあんまり言いたくないかな。悲しい時だってあるじゃん」
「まあな。TPOをわきまえなきゃいけない時もあるから、いまはこの場で泣くなって意味で言いたくなる気持ちはわかるけど」
「泣いていい場所だったらいいってことでしょ。涙活って本で読んだよ。人間いくつになったって泣くのも大事なんじゃないの?」
こういうお題、本当に私たちは向いてないなと思うけれど、まあお気持ち表明的な短話をば。
そりゃあ、時と場合によっては泣けない時だってあるけどさ、別にいいじゃん。泣いたって。人間だもの。
取り返しがつかなくなるぐらい壊れてしまうよりだったら、情けなくても声を上げて泣けるほうがよっぽどいい。
もっと言わせてもらえるなら、あなたが泣いていてもずっとそばにいてくれる人が、泣き終わるのを待ってくれる人が、「スッキリした?」ってあとはなんでもないふうに微笑んでくれる人が、ひとりでもいたらそれ以上の幸せってないと思う。
「後輩が泣くとこはあんまり想像つかないけど……」
「奇遇だね。オレも」
「自分で言うなや」
「弟や姐さんだって泣くとこある?」
「「あるよ」」
「たとえば?」
「「推しが死んだ時」」
「それはしょうがないね……」
(いつもの3人シリーズ)
やわらかな日差しが差し込む部屋にあるベッド
その上には人が寝ていて、周りを大勢が取り囲む
手を握ったり感謝などの言葉を伝えたり…
アーレントはその中で浮いていた
戦死する者を見送ることが多く、このように面と向かって
火が消えていく瞬間に立ち会うことがなかったからだ
「おいで、私の友…アーレント。」
この子の声はここまで弱々しかっただろうか、
伸ばされた手はこんなにも皺ができていたのか
流れる時の違いをあまり気にした事がなかった
だってどうせみんなすぐに死んでしまう
なんて声をかければいいんだろう
どうしよう、と手を握り立ち尽くす
“……ぁ、………。”
ぱくぱくと口を開いては閉じて言葉を探す
「泣かないで、アーレント。君を置いて行ってすまない。
我が孫たちとも仲良くしてやってくれ。
今まで本当にありがとう。」
困って泣き出しそうな表情だったアーレントを見て、
金髪の前王は話す
今にも消えそうな声でゆっくりと
“…僕は今まで涙が出て泣く、という経験をした事がない。
でも、君が言うなら…そうなのかもねぇ。
君と過ごした約80年はとても楽しかったよ、クランツ。
よくここまで生きてくれた。僕が飽きるまではこの国に
いるから安心するといい。”
ふわ、口角をあげ王は頷く
「良い、人生だった。グランローヴァ様と友人になれただけ
でなく良き妻と賢い子供達ができた…ありがとう…」
そう 言って
彼の瞼が下りた
皆が涙を流し、別れを惜しんでいる
“…ゆっくりおやすみ、クランツ。またいつか、どこかで。”
寂しげに微笑むアーレントは幼子をあやすように頭を撫でた
その数年後、彼の孫娘のデビュタントのお相手はクランツ王と揃いの礼服を来た淡い青や紫がかった銀髪の人物だったそうな……
お願いだから泣かないでほしい。
目の前で泣かれたって、どうしたらいいか分からないんだ。
そりゃ、慰めるなり話を聞くなりするのが正しいことはわかってる。
でも、周りの人はすぐに駆け寄って、あなたの心に寄り添っているのに対して、自分は一歩離れて見ている。
物理的な距離は変わらなくても、心が寄り添えない。
私って薄情者かな。
なんて声をかけるのが正解なのか、
頭を撫でてやるのが正解なのか、
分からない。
心配はもちろんしてるし、何かしてあげたいとは思う。
でも、相手はそれを求めてるのか、どうなのか。
大切な人がつらそうにしてても、私はきっと見守っているだけで、何もしないのかもしれない。
そんな自分が嫌で、でも他の人みたいにできなくて、
他の人みたいに動いたら、まるで演じているみたいで、
気持ちが悪い。
私が私じゃない。
私がたいして声をかけていないことに周りは気づいたのかな。
陰口言われたらどうしよう。
事実だからなにも言えない。
だれか、同じ人いませんか?
いつも悩んでる。
今日も泣いてる友達になにもしてやれなかった。
吾思い泣かないでぞと願いおり
今日の夕暮れ奥山里で。
氷雪。
是の歌の釈文。
吾が思う事に於いて泣いてくれるなと願う事を今日の夕暮れの奥山里で願い思う有様を詠んだ歌。
福田氷雪。
泣くなよと吾願いおる奥山の
高き集落陽も落ち行きて。
氷雪。
是の歌の釈文。
泣く事は、止めてくれと願う吾は、高い集落で願い其の日も早夕陽は、落行く有様を詠んだ歌。
福田氷雪。
此の思い届けよと吾丘の村
泣くなよと吾願う事成り。
氷雪。
是に於ける歌の釈文。
毎日が泣いていると連絡が来る事に吾が丘の村寄り泣く事は、止めろと吾が願う事の有様を詠んだ歌。
福田氷雪。
吾願い海辺島住む子らに言う
人苦しきの時非ずして。
氷雪。
是に於ける歌の釈文。
島に住む子らに吾が遥か遠く山奥に住みながらにして人と言う者は、苦しみばかりでは、無く時に其の様な苦しみも長い人生に於いては、有りうると言う有様を詠んだ歌。
血管に廻る毒
神経は鋭い刃
涙の石が墜る
泣かないでと
言われたって
しかたないよ
こんな日も
あったって
いいのです
つらいのはお前だけじゃないんだぞって言う、そのお前の心の中に向き合ってみろよ
まずお前の涙拭けよ
「どんなにおおきくなっても みんなのなかに ちいさなこどもがいて そのこがなきたいのをがまんしているとき だれかをきずつけてしまいがちなんだ」
やだ!恥ずかしい…
歳とるといろんな人格が自分の中に増えてくのよ
きっとそのうちわかるわよ(ハート
泣かないでわたし
前のスマホでやってたこのアプリのデータ
消え失せようとも
完
泣かないで
れいかちゃんが泣いていたから、ぼくは頭をなでなでして「泣かないで」って言ってあげた。けいこ先生が来て「泣かせたのるいくん?」と言うから「違うよ!」って言った。
「じゃぁ、なんでれいかちゃん泣いてるの?」「わかんない。泣いてたから頭なでなでしてあげてたの」「そうなのね」
でも、他の子がいっぱい来て「るいくん、泣かせた、れいかちゃん泣かせた」と騒がれて、今度はぼくが泣いちゃった。
そしたらあいちゃんがぼくに「泣かないで」って言ってくれた。れいかちゃんもまだ泣いてるけど、ぼくだってそう簡単に泣くのは止めらんない。止まらないんだね。
こんどはさおり先生がぼくたちのところに来て、「るいくん、どうして泣いちゃったの?」とあいちゃんに聞いた。あいちゃんは「わかんない」って言いながら、なんだか悲しくなっちゃったのかな、泣いちゃった。しょうがないから、ぼくは涙をスモックの袖でげしげし拭いて、あいちゃんに「泣かないで」って言ってあげた。
後ろを見たら、みんなで泣いてた。けいこ先生とさおり先生が、みんなに「泣かないで」って言ってたけど、みんな泣いてた。
これって、パニックって言うんだよね。
もう随分と長い間
貴女を想って生きてきた
いつかこうなることはわかっていた
だって貴女は人間で
私は悠久の時を生きる種族で
貴女は私の人生のほんのひと時しか
この世界に存在していなかった
それでも私の心には
貴女の存在は大きすぎたよ
ずっと貴女の言葉に縋って生きているんだ
それが嘘だとわかっているのに
約束など果たせないとわかっているのに
貴女の声を、姿を、優しさを忘れても
最期の記憶だけは失くさないように
「泣かないで、大丈夫。きっとまたいつか」
と繰り返して
その日、学校で嫌なことがあって私は泣いて帰った。
家の玄関の前で必死になって
溢れる涙を止めようとしたけど、止まらない。
声を殺して流れる涙をただ、ただ袖でぬぐった。
「どうしたの?」
お母さんの不安を乗せた声が家の中から聞こえる。
私は精一杯の明るい声で「大丈夫、ただいま」と
元気よく答えた。
玄関の扉がゆっくり開いた時には
私は涙を抑えられていた。
でも、お母さんの顔を見た瞬間。
涙はまた私の気持ちを表現する。
悲しみの涙を見られたくなくて、
嬉し涙と思わせて、お母さんな抱きついた。
涙声で「今日、いいことあった」と嘘をつく。
親は私の気持ちをすぐに察してくる。
「泣かないで。
あったかいココアを飲みながら話を聞くね」
お母さんはそう言って私のランドセルを下ろして
上着を脱がせた。
私は手を洗い、お母さんのいれてくれたココアを飲み
全てを話すことができた。
お母さんは丁寧なアドバイスをしてくれて
明日への恐怖心が少し和らいだ気がした。
目の前で泣かれたら
誰だって鬱陶しいよねって。
そうやって裏で泣く人が
増えていく一言。
(泣かないで)
乾燥してばさぱさに砕けたこころから
かぜがとおくからうたをはこんできて
急にじわっとこころのふかいところが
あふれてきてしまうことがある。
そんな時もあるよね。
こころってふしぎだね。
涙ってふしぎだね。
風って、歌ってふしぎだね。
泣いていいんだよ。泣けなくてもいいんだよ。
悔しくて、怒って、あるいは嬉しくて、悲しくても
あなたの瞳に映る世界が美しいものであるためなら
泣いてもいいんだよ。泣けなくてもいいんだよ。
ただその透き通った真心をたいせつに、
たいせつにしてね。
これは、はじめから決まっていたこと。
避けられない運命だったんだ。
だから、
君が悲しまなくてもいいんだよ。
僕のために、
涙を流さなくてもいいんだ。
ねえ、泣かないで。
僕の一番大切な人。
離れてしまっても、
僕はいつでも、君のことを想っているから。
抱きしめることしかできない身だけれど君の涙を拭わせてほしい
「泣かないで」
あぁもう本当にすごい、君っていう存在は。
私のことを誰よりも笑わせてくれて、
誰よりも泣かせてくるんだから。
胸騒ぎがして目を覚ます。携帯を見れば深夜2時を過ぎており、一緒に寝ていたはずの彼女は隣にいなかった。残る気怠さを無視して寝室を飛び出るも人気はなく、そのままの足で玄関に向かえば普段使っている彼女の靴だけなくなっていた。
外気温一桁の夜にどこへ向かったのかという気掛かりが次第に焦燥感へ変わる。寝巻きの上から上着を羽織り電話を掛けながら彼女を探す。数回のコール音の後、か細い彼女の声が聞こえる。
「今どこにいる?!」
「……近くの公園、だけど今から帰るから———」
「頼むから動かずにそこにいろ」
走って10分の距離にある公園のベンチにひとり彼女は座っていた。駆け寄り無事を確認した後言葉に出来ない衝動のまま力強く抱き締める。
「心配かけてごめん、私は平気だから」
「平気ならこんな時間に出歩かない」
「……そうだよね、ごめん」
「謝るのはもういい。何があった」
「私もあんまり分かってないの、ごめん」
腕の中の彼女は何を考えているか分からない。けれど頬には雫が伝った線がくっきりと残っていた。溢れて止まらないほどに言葉で表せない感情が溜まっていたのだろう。
「迎えにきてくれてありがとう。冷えちゃうから早く帰ろう?」
「……なら約束してくれ」
「ん……?」
「もうひとりで泣くな。泣くなら俺の側にしてくれ」
今の言葉がどれだけ彼女に伝わったかは分からない。けれどさっきよりも俺を抱き締める力が強くなり抑える事なく声を上げ涙を流す様子を見てもっと彼女を安心させられる男になりたいと思った———。
「泣かないで」
泣くことなんてない
ここで泣かなければ 可哀想な人にはならない
しゃんと背筋を伸ばしていれば
弱くて惨めな人にはならない
そして私は執念深いから
忘れてやらない
あと3年は 恨みがましく記憶の手帳に
残しておくよ
その頃には あなたは私の人生の中では
ほんの数行の価値すらない存在だ
お互い 何かしらの仮想敵が
ストレスのはけ口が 一人は居るのだ
だけど私は あなた以上に腹黒いから
誰にでも笑顔で本当の自分は見せないよ
だから泣く事なんかない
悲しくなんかない 多分