その日、学校で嫌なことがあって私は泣いて帰った。
家の玄関の前で必死になって
溢れる涙を止めようとしたけど、止まらない。
声を殺して流れる涙をただ、ただ袖でぬぐった。
「どうしたの?」
お母さんの不安を乗せた声が家の中から聞こえる。
私は精一杯の明るい声で「大丈夫、ただいま」と
元気よく答えた。
玄関の扉がゆっくり開いた時には
私は涙を抑えられていた。
でも、お母さんの顔を見た瞬間。
涙はまた私の気持ちを表現する。
悲しみの涙を見られたくなくて、
嬉し涙と思わせて、お母さんな抱きついた。
涙声で「今日、いいことあった」と嘘をつく。
親は私の気持ちをすぐに察してくる。
「泣かないで。
あったかいココアを飲みながら話を聞くね」
お母さんはそう言って私のランドセルを下ろして
上着を脱がせた。
私は手を洗い、お母さんのいれてくれたココアを飲み
全てを話すことができた。
お母さんは丁寧なアドバイスをしてくれて
明日への恐怖心が少し和らいだ気がした。
12/1/2024, 6:27:16 AM