『泣かないで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
おチビちゃん、きみは笑ったほうが
かわいいよ
辛く悲しい思いをした時、
涙をこぼしている時に、
このセリフを思い出す。
大丈夫、未来はもう動き出している
選択が正しかったかどうか不安になる時、
自分に自信が持てない時には、
このセリフがリフレインする。
私は割と多くの物語やアニメに、
教えられている。
助けられている。
ーーー泣かないでーーー
お題 「あの日の自分へ」
やぁ こんばんは
ん?誰って?
僕は10年後の君だよ
信じられないって顔してるね
まぁ、信じられなくて当然だよね
あの頃の僕は
皆から裏切られて
「誰も信じない!」って
なってたからね
それで 自分の事傷付けて
死のうとも考えてた
でもね 1つ言わせてくれるかな
大丈夫だよ
君の未来は 暖かく愛された世界になってる
それを君に伝えに来たんだ
だから 君のもがき続けた日々は
無駄なんかじゃない
君には 僕達がついてるから
未来で君の事 待ってるからね
その時まで 「またね」
『泣かないで』2023.11.30
「泣かないで、プリンセス。お星さまがこぼれてしまうよ」
いまどきホストも言わないような、そんな甘い言葉が聞こえてきた。
仲間の奥さんが、かつて女性を魅了する役者であったことは知っていたし、五歳になる一人娘とお姫様ごっこをしていることは聞いてはいたが、こうして実際に現場を見ると気恥ずかしくなってしまう。
対する彼はいつものことのように、しれっとしていて酒を注いでくれた。
「俺の奥さんは王子様やけんね」
ヘラヘラ笑って彼は焼酎を飲んだ。
「キザなんてもんじゃないですね」
これが男役の本気か、と痛感し注いでもらった酒を飲んだ。
おでこをぶつけて泣いていた「プリンセス」は、カッコイイ「王子様」になぐさめられて、すっかり笑顔になった。彼女が泣き止んだことを確認すると、とたんに「ママ」の顔になり、ぶつけて少し赤くなったおでこを撫でている。
「お姫様ごっこ見てる分には楽しいっちゃけど、王子様みたいなセリフは俺には言えん」
などと彼は照れたように言っているが、舞台上ではその整った顔で観客を魅了している。
「自分が泣いたら、どっちがなぐさめてくれるんでしょうね」
なんとなしにそう呟けば、彼はしばらく考えて、
「そりゃお前、うちのプリンセスに決まっとろうが」
と当たり前のように言った。
「もう泣かないで。」
触れるあなたの手はいつも優しかった。
私もあなたのような人になれたら
「もう泣かないで。」
触れるあなたの手はいつも優しかった。
私もあなたのような人になれたら
「∮泣かないで」と
優しい笑顔を向けるから
君が泣くときは私が笑うよ
(お約ネバ)
泣いた。ずっと泣いていた。
もうどうしようもない。
なんとかして。
どうしよう。
誰にも伝わらない。
無駄な泣き声だ。
泣きたいだけ泣いたら…
赤ん坊のように泣いたら…
飽き飽きするほど泣いたら…
そうしたら、
その寝顔に、泣かないでとささやいてあげる
どうか、そのまま素直に。
違う形にならないように。
自分を曲げないで。
曲げて泣くなんて、違うはず。
大丈夫。
涙が止まらなくて、辛すぎて伏せっていた時に
「泣かないで、おれがそばにいるよ」
なんて声をかけられたあの日のことを
私は忘れることはないだろう。
【泣かないで】
泣かないで。ぐっと堪えて。唇を噛んで。
この姿は見せたらいけない。
だってそれは皆んなの〝わたし〟じゃないから。
ーーー
骨に染みるような寒さの日。びゅうびゅうと風が遠慮なく体当たりしてくる。
がちで寒い。そうだね。
そんな会話も今日のうちで何回か行われた。
学校終わりで一緒に帰っている親友も、マフラーに顔の半分を埋めている。
「私もマフラー持ってきたらよかった…」
思わずそんな言葉が口から出てくる。
だね、と寒がりな親友は短く返事を返してくれた。
なんとなくちらりと横を見ると、マフラーをしても尚自分より寒そうにしている彼女。かなり厚着なはずなのに、寒そうなその姿がなんだか可笑しくて口角が上がる。
「もっこもこなマフラー、プレゼントしてあげようか?」
吹き付けてくる風に、隠せていない耳を赤くしているのを見かねて言った。
前を向いていた目線が自分に注がれる。
真正面から見た、隠れていない上半分の顔を眺めて、ん?と思った。
「…耳当てがいい」
「んふふ、それが良い。サービスでカイロもくれてやろう」
「あんがと」
なんの違和感もなく続けられた会話に、一瞬気のせいかなと思う。
…思うが、一回気付いたことは結構頭に居座るものだ。
一瞬騙されかけたが、多分。気のせいではないんだろうな。
「今日うちで映画とか見ない?」
「…急やね」
「今思ったもんだから」
別にいいけども、と地面に視線を落としながらの了承が出る。
こつ、と足元にあったらしい小石が蹴られてどこかに消えた。
「あれだな、感動系の映画見よう。部屋あったかくして」
「感動系…それまたなんで。部屋あったかいのは有り難いけど」
「んー………
泣きたい気分でしょ。今日は」
ね?と彼女の方を見ると、下をぼんやりと見つめていた顔が、なんとも微妙な表情に変わってこっちに向いた。
こっちの含みに目ざとく気が付いたらしい。鋭いものだ。
「…さいですか」
「うん。あ、あとこれはとんでもなく大きな独り言なんだけど、」
親友舐めんなよ?
明後日の方向を向いてまあまあな大きな声で、まるで聞かせるような感じで言った言葉。
少々経ってから「…独り言大きすぎるでしょ」という小さな声と、ぐす、と寒さからなのか何なのか、鼻を鳴らす音が聞こえた。
ーーー
泣いてくれ。声を出して。涙を流して。
私にだけでいい。その姿を見せて。
だってそれも〝あなた〟の一部なんだから。
隣の病室の女の子が今日は泣いていた
泣いてるの初めてみたなぁ。
そのくらいしか思ってなかったんだ。
でもね、あまりにもずっと泣いているから
どうしても気になってどうしたの?って声をかけにいったの。
そうしたら、
今度するはずだった退院が延びたって
そういえば僕ももう3回くらい延長されてるよ。
少し経って泣いていたのごめんね。って謝ってくれた。
僕もよく泣くから大丈夫だよ。泣いていいんだよ。って返したんだ。
その時ふふって笑った顔がかわいくて
やっぱり君は泣かないで。笑った顔の方がかわいいよって言ったんだ。
お友達が増えた。
僕は強いから退院するまで泣かないんだ。
『泣かないで』
"泣かないで"
「悪ぃな、こんな時間に行っちまって。しかも荷物持ちまでさせちまって……」
今日は物資を取りに行く日で、今朝『夕方頃に行く』と連絡していたが、業務を終えてそろそろ向かおうと支度を始めた時に急患の対応に追われ、着いたのは約束の五十分過ぎ。その上物資が以前より多く、手伝ってもらったが持ち帰るのに一苦労で、帰ってきて診察室に入り、時計を見たら午後八時過ぎだった。
「構わん。今日は業務が早く終わった上、今回は物が多いから俺がかってでる当然の事だ」
と、涼しい顔で言うと「ここでいいか?」とデスクの向かいにある棚の前に立って聞いてきて、俺が「あぁ」と頷くと、持っていた物資を棚の前の床にゆっくり置く。すると両手を差し出してきて『持つか?』とジェスチャーをしてきた。
「いい」
首を横に振って、自分が持っていた物資をデスクの上に置く。息を吐いて飛彩を見る。
──こいつ、俺より多く持ってたってのに、なんでこんな余裕なんだよ……。体力勝負の外科医だからか?
決して歳のせいではない──たったの五歳差だし──。
小さい頃から周りの同年代の同性より非力だった。だからあまり力を必要としない放射線科を選んだ。闇医者になってからも、肉体労働を課せられる場面が殆どなく──力仕事を求められる場面が出てくるかとずっと不安だったが──今に至っている。
だが、ここまで己の非力さに苛立ちを覚える事はなかった。学生の時に何度も受けた体力テスト以上の苛立ちだ。
「なんだ?」
「……別に?」
ふい、とそっぽを向く。本人は『分からない』と言うような顔を浮かべる。
すると廊下の方から声がした。暗い闇が降りている廊下から聞こえる声に肩を大きく跳ねらせ、飛彩の背に隠れる。
「っ……」
飛彩の肩に添えた手が震え、少しでも震えを止めようとして手に力を込める。俺の恐怖心をより強めるように声は絶えず闇の中から聞こえてくる。
「大丈夫だ。俺がいる」
柔らかな声色で俺に声をかける。すると強ばっていた心が弛緩するように少しの余裕が生まれ、手の震えも少し収まった。改めて声をよく聞く。方向は、居室がある方だ。
もう一度耳を傾けると、今度ははっきりと聞こえた。
「みゃあ、みゃあ」
声の主は子猫。大方お腹が空いたのだろう。
「……はぁーっ。…んだよ、脅せやがって……」
強ばっていた心と身体が一気に弛緩して床に座り込む。肉の薄い臀部が鈍い音を立てた。
「大丈夫か?」
急に座り込んだ俺に驚いて、しゃがんで俺と向かい合わせになり顔を覗き込む。
「あ、あぁ……」
緩慢な動きで顔を上げる。飛彩の顔がすぐ近くにあって、どきりと心臓が跳ねる。
すると、急に俺の目元に指を這わせてきた。頭に疑問符を浮かべながら無言になっていると、今度はふわりと優しく抱きしめられ、後頭部を撫でられる。
消毒液の匂いと、少しの汗の匂いが鼻腔をくすぐる。すんすんと鼻から息を吸って、匂いを嗅ぐ。
──俺の好きな匂い。
大きな手に撫でられている部分が暖かくなっていく。
──好きな、大きくて優しい手。
急な弛緩に動けなくなっていた身体が、少しずつ力を取り戻していくのを感じる。
「……動けるか?」
少し体を離して、心配そうに顔を覗き込んでくる。
「もう平気だ。……ありがと」
先に立ち上がると俺に手を差し出し、その手の上に乗せると支えとなって俺が立ち上がるのを手助けする。
「早く行って飯やらなきゃな」
俺がそう言うと、声の主が子猫であるのを察して「そうだな」と短く相槌を打つ。
「歩けるか?」
「平気。……と、言いたいところだが、まともに歩けそうにねぇ。その……悪い」
「謝るな。それより、対面して大丈夫なのか?」
「あぁ、それは心配ねぇ。この前の検査で正常値だったし。まだワクチンは打ち終わってねぇけど、少人数なら会わせても平気だってよ」
「そうか。今回も健康で良かった」
俺の言葉に、柔らかく暖かな微笑みを浮かべながら安堵する。
「飯があんのは台所だけど、皿はケージの中だ」
「分かった」
そう言って「行こう」と俺に声をかける。だが「ちょっと待て」と止める。一旦飛彩から離れ、少々ふらつきながらもデスクに手をつき、卓上の引き出しに手を伸ばして中から懐中電灯を取り出しスイッチを付けると、再び飛彩の肩に手を添える。支えられながら暗い廊下を歩き居室に向かった。
いつもなら懐中電灯を両手で握りしめ震えながら進む廊下なのに、今日は全く恐怖心も不安感も無かった。
泣かないでって言われて涙が止まるわけじゃないし、泣いて気がすむわけでもない
本当にほしいのは、私のためのあなたの言葉
それ以外に、この涙を止めるものはない
『走』
私たちは、走っている。とある存在から逃げるために。
3日前、突然そいつは、現れた。そして、そいつは、私のクラスメイトを先生を襲っていった。好き放題に世界は、荒れていった。そいつは、ストレスを解消するかのように私たち人間を街を破壊していった。
2日前、学校内は、元の姿を取り戻すのは、不可能なくらい最悪な状態になった。血に塗れた部屋ばかりだ。武器もない、しかし、私は、生きるために逃げた。
3時間前、そいつは、また、現れた。
私たちは、走っている。とある存在からから逃げるために。一旦、撒けたようだ。空き教室があったため、入ることにした。そこには、同じクラスのAがいた。『〇〇生きてたんだ!?』彼は、驚いているようだ。制服もボロボロになっている。気のせいか、頬が痩けたり、クマができたりしている。束の間の休息として、寝たかったが、そのとき隣の教室から、音がした。音には、聞き覚えがあった。そいつが獲物を探して、ガラスや机を破壊している音だ。Aは言う。『窓から降りるぞ』と。私もあまり考えずに飛び込むことにした。着地には、成功したが、しばらく、動けない。しかし、私は、走った。
10分くらい、走り、私たちは、音楽準備室に入った。ここならしばらく過ごせそうだ。
2時間くらい話したり黙ったりしていたが、その時間は、まさに天国だった。
しかし、それも終わりのようだ。コンコンとノック音がする。私は、強烈な恐怖に怯えた。全身から生気がなくなっていった。Aが言う。『〇〇先に行け』と。私は、『嫌!』と言った。とうとう、そいつは、姿を現した。私は、動けなくなってしまった。襲われると覚悟を決めたとき、Aが私の前にいた。私を庇ったのだ。『A!』と涙声で言った。Aは、『走れ!、泣くな、また会おうな』と言って、そいつの方へ向かっていった。
そして、私は、また走った。
『泣かないで』
なんでそんな所で泣いてんのさ
今日は雨だから
君の涙は
雨に隠れちゃうね
拭いてあげることも
できないや
「泣かないで」
「泣くんじゃない」
何度自分に言い聞かせてきたか
そのたびに何度心が砕けてきたか
どんなに泣きたくても、自分なりに頑張ってきたんだ
辛くても頑張って笑ってきた
そのたびに、心がギリギリと擦り切れる音がしていたんだ
誰かにその頑張りを褒めてもらいたい訳じゃない
認めてもらえることを外部に求めたい訳じゃない
ならばせめてこれからは
自分だけは心の中だけでもツラいときは
「泣かないで」ではなく
「泣いても大丈夫なんだ」と伝えよう
泣かないで
ねぇ、いつになったら
君が笑える日が来るのかな
ねぇ、もっと早くに
会ってたら何か変わってたのかな
2人過ごした夏の夜
ベランダに君の横顔
どこか寂しそうで辛そうで
そこにあるのは不幸せ
手取り合って夜空の向こうへ
もう二度と置いてかないから
まだ暑い夏の夜に
魔法にかけられて
泣かないで
消えないで
一人にしないで
誰に気づかれなくとも
あなたが今日を
自分のできる限り頑張ったこと
私は知っています
優しい涙を流したこと
私は知っています
誰とも比べる必要なんてありません
誰一人 あなたの変わりなんていないのです
あなたがいいんです
諦めないでいてくれて ありがとう
生きていてくれて 本当に ありがとう
明日のあなたが
きっと幸せでありますように
~泣かないで~
笑ってなんとか楽しくやってます。でも、本当は辛いんだよ。みんなの知らないところで、悩んでいる。今はこうして隠して過ごしているけど、いつかは溢れちゃいそうで。壊れちゃいそうで。最近は流していない涙も、いつかは、止まらなくなるのかな。もしそうなってしまったら、寄り添ってほしいな。「泣かないで」って慰めてほしい。話を聞いてほしい。もし、わがままを言っていいなら、その時はあなたと一緒がいいな。