『永遠に』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
永遠に伝わるものはなんだろう
たとえ昔から伝統はあっても、根元は変わらずとも
時代に合わせて少しずつ意味も価値も形も内容も
変わってゆく。
それは果たして永遠と言えるのだろうか。
地球だって、永遠に有るとは思えない。
何億年か先にはなるだろうが、いずれは宇宙の彼方に散るのかもしれない。
だから私は永遠というのはあまり意味を為さない。
何事にも有限があるからこそ、今を生きることが大事だと思う。
病める時も
健やかなる時も
富める時も
貧しき時も
愛し
敬い
慈しむことを
誓いますか?
そう
誓ったって
途中で
別れる人たちも
いる。
わたしたちは
どうだろう?
まだ
誓いはしてないけど
どんな時も
愛して
敬って
慈しむこと
なんて
出来るのかな?
#永遠に
人間は寿命が短い。俺のと比べればほんの僅かだ。
だからこそ懸命に生きている様は、見るに耐え難くなる。
そこにいる彼女もそうだ。短い一生の中、誰かのためにと一生懸命になっている。何をそんなに他人に尽くし、奉仕するのか未だに分からない。
だが何故が、その姿に惹かれてしまう自分がいる。
弱音事も吐かず、いつも笑っていて眩しいくらいに輝く様は、俺がいた場所では到底考えられなかった光景だった。
だからなのだろうか..彼女の寿命が尽きるまで、その姿を傍で見守っていたい。人間相手に永遠はないが、そう思ってしまう。我ながら滑稽な姿だが、彼女の為ならばそんなのは関係ない。
「なに物思いにふけてるの?」
「..なんでもない、昔のことだ。そろそろ帰るぞ」
はいっと返事とともに出された手を握り、いつもの道を歩き出す。この変わらない温もりを、いつまで感じていられるのだろうか。守っていられるのだろうか。
そう思いながら見上げた空には、大きな満月が自分たちを照らしていた。まるで2人を見守っているように...
永遠など望んでいません。
友達の遺書はそんな短い一文から始まっていた。
白い、友達の顔にかけられた布のように白い便箋にはさらに続きがあった。
強い目眩のなか、私は読み進めていく。
こうやって書き残したのだ。誰かに読まれたいと言う強い意志が残っている。
だから読めねばならない。
短く息を吐き出し涙を堪える。友人は、幼少期から強い作曲の才があった。友達もまた、作曲を楽しんでいた。
だが両親は更なる高みを強制したのだ。時に感情に、暴力に、友好関係まで把握され、徐々に衰弱していく。
水をあげすぎた植物が如く弱っていく友人。
私たちは如何することも出来ずただ遠巻きに見守っているしかない。
永遠。永遠への執着はない。
過去の偉大な作曲家は尊敬に値する。
だが私は私の作品が永遠になることを恐れ呪っている。
私を愛しく思ってくれるなら、どうかどれもを廃棄して欲しいのです。
友人の言葉だ。そして助けることのできなかった罪を償う時だ。
私はスマホを取り出した。
永遠に
あなたが笑顔で
ちいさく拍手して 祝ってくれた
わたしのバースデー
二十数年生きてて あんなに
自分のことのように嬉しそうに
祝ってもらったの、初めてだった
あのとき本当は
うれしくて泣きそうだったの 知ってた?
今でも思い出せる
わたしの幸せだった 瞬間のひとつ
宝物なの
◇永遠に◇
「永遠に」
永遠に
あしたがやってくるのは
私が
「今日もありがとう。
またあした」
と 別れ際にあなたに言うからだと
かつてあなたは言った。
だから私は
星空の中の
一番私をみている星に向かって
今日もありがとう。
またあした
と言うのよ。
みえてるのよね? あなた。
「永遠に」
恋(鯉)が叶う池とか
絆が深まるベンチとか
そんなものに頼らなくても
私達は大丈夫だと思ってた。
だからちょっと小馬鹿にしていた。
罰があたったのかもしれない。
「永遠に」
なんて甘いセリフを言って
2人で鐘をついていたら、
君はまだ隣にいたのかな。
#永遠に
孤独を感じなくなることは永遠にないだろう。
きっといつまでも、心の空虚を満たそうともがき続けるのだろう。
空虚さに潰されそうになって外に発散出来るうちはいいが、内省してばかりでは心が痛むばかりで、立ち上がる気力も無くなってしまう。
ある文豪が述べたように、孤独とは、幻を求めて満たされない、渇きのことなのである。
生涯忘れてはならないものはなんだろう
好きなもの
嫌いなもの
嬉しいこと
悲しいこと
楽しいこと
苦しいこと
得意なこと
苦手なこと
どれかひとつを選ぶ事はきっと誰もできない
ぜんぶを覚えたまま生きることもきっと誰もできない
お題:永遠に
命も地球も世界も宇宙も
永遠なんてないけど
明日死ぬかのように生きよ
永遠に生きるかのように学べ
という誰かの名言があったな
そんなふうに生きたい
あんたの好きな
永遠とか運命とか
ガラでもなけりゃあピンともこないけど
私の心はいつでも素直だよ
それこそ永遠に
惚れるならそこだけに惚れて
ばーか
(永遠に)
ある学者がいた。
専門分野などはなく、気まぐれで好きなものを研究するだけ。
だが、その学者は人々から愛されていた。だが、貴族からは好かれていなかった。
右から声援が聞こえればそちらに行き、左から愛の言葉を囁かれれば、またそちらに行く。
まさにみんなのアイドルだった。
その学者には妹がいた。
またその妹も学者であったが、兄のように専門分野がない訳ではなかった。鉱石の研究をしていたが、それも気まぐれでやっていた。
この学者は人々には愛されていなかったが、貴族には愛されていた。
右から貴族に話しかけられれば、そちらに相談をしに、
左から話しかけられれば、そちらに行っていた。
その兄妹は性格が似ていたわけでは無いが、よく同じ台詞を言っていた。
「永遠に。など無くとも、私が作ってやろう!」と。
この台詞を馬鹿にされても学者兄妹は動じなかった。
学者兄妹は何年生きているのだろうか。
@永遠に
永遠に
永遠に、何時迄も、未来永劫とか、子供の頃は、そんな未来を信じてた…いつしか、そんな言葉が陳腐に感じ始めて、今だけが全てだと思っていた…それがまた、何となく遠い未来を想うようになった…
こんな馬鹿な日々が続けばよかった
"先生!''
楽しそうに話す君たちは
僕の若い頃を見ているようで
私たちの幸せな日々を覗くようで
"'あの子達の幸せを
奪って良いなんて権利は無いのにね'''
【永遠に】
永遠に
今日という日が続いて続いて
永遠になる
だから先のことというより
今この瞬間を
永遠に繋がっているこの瞬間の
想いを抱きしめて
君と生きていきたい
風のいろ
永遠に
永遠を求めるのには、訳がある。大切なものをずっと持ち続けたかったり、今の状態を維持したかったり。
仏教の大切な教え、色即是空。
全てのものが、虚ろってこと。すぐに変わってしまう。
永遠に続くなんて無いよ、と教えてくれてる。納得するしかない。
この生命も儚く終わってしまうから、今日より明日、マシになろうと努力もする。永遠に生命が続いたら、もっと堕落しそう。永遠に、なんて願わない方がまともに生きられると思う。
永遠は、宇宙の星たちに引き受けて貰う事にしよう。
永遠にこの時間が続けばいいのに
願ったってもう遅い。
だってあなたはここに居ないのだから。
「恋愛しない方がいいよ」
残酷なほどに淡々と告げられた言葉の意味が分からなかった。どこにでもある恋愛相談。笑うと目が細くなる彼女の可愛らしい表情が不気味で、背筋も凍りそうだ。
つい数分前まで一緒に笑っていた人の言うセリフにしては、いささか重い。冗談だとしても、私の心にダメージを負わせるのには十分なほどの威力を持っていた。
「というか、一生出来ないよ」
なぜ、彼女にそんなことが言えるのだろう。まるで、私の全てを知っているかのような口ぶり。断定的に宣言されても、決めるのは私のはずだ。
けれど、彼女の言葉を覆してまで反論できる気力も想いもなくて、当然のように受け入れていた。
「だって、今までだってそうだったでしょう」から始まる否定の矢が、彼女から飛ばされる。
さまざまな言葉を乗せて、まだ古傷が残る身体をザクザクと傷つけた。その傷口に触れると、手が真っ赤に染まる。
ザクザク。ザクザク。もう、どこが痛いのか分からない。
次第に、辺りは静かになって、嵐は過ぎていったかと息を吐く。顔を上げた先には、今日一番の笑顔で彼女が微笑んでいた。
あ、っと思う間もなく、無防備に立ち尽くした私の心臓を目掛けて、彼女がナイフを突き刺した。
「あなたは誰にも愛されないよ」
視界がぐにゃりとねじ曲がっって、可愛い彼女の顔が見えなくなった。ぐちゃぐちゃに薄れていく意識の果てに見えたのは、私の顔をした彼女だった。
「ああ、やっぱりね」
最後の力を振り絞って、彼女を見上げた。
表情を失ったもう一人の私が、満足げに歯をのぞかせていた。
「変わろうとするなんて許さない。ねぇ、あなたは永遠に私と一緒だよ。この孤独の沼でね」
#永遠に
うちの猫さん達
だいぶ年取ってきて
まだ元気ですが
先のことを考えると
あとどのくらい
そばにいてくれるのか
いや、そばにいられるのか
考えるだけで
胸の奥がギューッとなる
マジで猫又にでもなって欲しい
永遠にそばにいて
火に焚べ、荼毘に付す
沈丁花に似た香り漂うキッチンで
刹那、黒い煙を薫せ
永久に失われた貴方の言葉
そうして、私が手に入れたのは
秘密に昇華した思い出
2人だけのトコシエ
『永遠に』2023/11/02/150