エグチーセット

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永遠など望んでいません。
友達の遺書はそんな短い一文から始まっていた。
白い、友達の顔にかけられた布のように白い便箋にはさらに続きがあった。
強い目眩のなか、私は読み進めていく。
こうやって書き残したのだ。誰かに読まれたいと言う強い意志が残っている。
だから読めねばならない。
短く息を吐き出し涙を堪える。友人は、幼少期から強い作曲の才があった。友達もまた、作曲を楽しんでいた。
だが両親は更なる高みを強制したのだ。時に感情に、暴力に、友好関係まで把握され、徐々に衰弱していく。
水をあげすぎた植物が如く弱っていく友人。
私たちは如何することも出来ずただ遠巻きに見守っているしかない。

永遠。永遠への執着はない。
過去の偉大な作曲家は尊敬に値する。
だが私は私の作品が永遠になることを恐れ呪っている。
私を愛しく思ってくれるなら、どうかどれもを廃棄して欲しいのです。

友人の言葉だ。そして助けることのできなかった罪を償う時だ。
私はスマホを取り出した。

永遠に

11/1/2023, 2:41:05 PM