『梅雨』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
朝、寝ぼけ眼は雨音で開いた。
世界がまだモノクロ世界に沈んで見える。いつもより幾分色づきの悪い朝は、しっとりと湿って街を揺蕩っていた。
この後の自転車登校を思ってげんなりしつつ、息を吸い込むと身体中に満ち溢れる雨の香りに心を少し踊らせる。
梅雨前線が日本に影を落とし、寝転んだ日だった。
初夏はいつも、梅雨をお土産にやって来る。
杪夏を目指して雫の梅は枝を伸ばす。
梅の花が散るように涙を溢す梅は、私たちが思う以上に泣き虫だから。
せめて、笑って迎えてあげればいいと思う。
独白 2024/6/1
溜めてた洗い物を一掃できると、
まだ大丈夫。って思える。
ジメジメ蒸し暑いでも梅雨は、嫌いじゃない。
そのぶん、晴れの日が愛おしいから。
雨が降っていても、その空の下で笑うあなたが
愛おしいから。
あたしは、梅雨が好きだ。
梅雨というか低気圧
あいつら許さない
頭痛で体力ゲージがいつもの4割減ってると思う
かと言って薬飲むのかとか思っちゃう
低気圧のせいで頭痛が酷いんだって思うと
なおのこと痛くなるの
マイナシーボ効果って言うらしいよ
プラシーボ効果の逆的なこと
「梅雨」
静かに降る雨。葉についた雫がキラキラと光り、歩道には傘の花が咲き乱れる。人々の歩く速さも心なしか緩やかになるなか、子供達は嬉しそうに水溜りの上を跳ねる。太陽の光は届かなくとも、紫陽花が景色に色をつけてくれる。雨の匂いを感じながら、私は、夏を待ち侘びる。今日も傘越しに空を見上げながら。
詩乃
空が曇る
わたしの心も曇る
低い天
閉塞的な空気
大きくて重たい雨粒が
日々、わたしを叩きのめす
さあ、今こそ傘を開いて
わたしの色で、夢で
鈍色の世界を彩ろう
澄み渡った空を
思い切り羽ばたける
その日まで
「梅雨」 by 翠蘭
長雨の季節になった。ベランダで鉢植えの手入れをしていたステラは、ふと目に入った自分の髪が湿気でうねっているのを見て、溜息をついた。元々癖っ毛で、あちこち髪の毛が跳ねてしまうが、髪を伸ばすことでそれを目立たなくさせていた。それでも、このような雨が降りしきる日には、その苦肉の策も意味を為さない。
彼女はせめてもの抵抗とばかりに、髪を一つに結わえた。動くたびに尻尾が首筋を撫でて、若干くすぐったい。
(髪を結うのも久しぶりだわ)
ステラは少しだけ口許を綻ばせると、ポプリを作るために、ラベンダーの花を摘み始めた。他にもローズマリーを摘むつもりだ。
充分な量を摘み終えた頃だ。
「ステラ」
すぐ傍で声をかけられて、思わず彼女は持っていた鋏を落としそうになった。細く長くゆっくりと深呼吸をして、早鐘を打つ心臓を何とか宥めようとする。ぎこちない動作でステラは声を方へと振り向いた。
「……ラインハルト」
背後に佇んでいた人物の姿を認めて、彼女は溜息をついた。じろりと睨みつけると、彼はにこりと微笑んだ。
「いつからそこにいたの?」
彼女の言葉に、彼は微笑んだまま、小首を傾げると口を開いた。
「あなたが髪を結う辺りから」
ステラは再び深々と溜息をついた。
「ほぼ最初からいたってことじゃない……」
「珍しいですね。あなたが髪を結うなんて」
自分の憎まれ口をあっさりと流され、彼女は頬を膨らませて、そっぽを向いた。
「雨の日だと、髪がうねっちゃうの」
「どんな髪型でもお似合いですよ」
彼はそう言いながら、彼女の毛束を手に取った。
「そういうことじゃないのよね……」
全く乙女心のわからない人だこと。ステラは肩を竦めると、振り向いた。艶のあるさらさらとした彼女の髪が、するりと彼の手から逃げていく。
「好きな人の前ではいつだって自分の一番可愛い姿を見てもらいたいものでしょ」
彼女の言葉に、ラインハルトは目を見開くとしばたたかせた。すぐに破顔すると、彼女を抱きしめた。ちょっと、危ないでしょ。そんなことをもごもごと言う彼女に向かって、彼は囁いた。
「あなたはいついかなるときでも、可愛らしいですよ」
「……ほんと、そういうことじゃないんだってば……」
そういう彼女の顔は耳の先まで赤く染まっていた。
梅雨の時期は外を歩くには傘が必要だし、ジメジメしてるし、空がどんよりしてるし、あまり好きではない。だけど唯一好きなのが、雨が降っているとき特有のあの匂いだ。いい匂いとは思わないが、風に乗ったあの匂いを嗅ぐと何か良くわからない気分になり、心地が良い。
梅雨の時期が続くとき私は雨は嫌いだけれど梅雨は好き!笑
【泣けない私の代替案】
この頃、泣きたくても泣けなくて。
関係性の紐を一旦解きたくて。
傘も持たず外を彷徨く。
車の音も、何かヒソヒソ言われているであろう言葉も今だけは気にせず何処かへ歩く。
「今日も雨やね。」
「風邪引いたらいかんから、傘とタオルはちゃんと持ってきなさい。」
きっとどこでも聞くであろう雨の日の会話。私にとっては
「まだ大丈夫やろ?泣いとったらいかんよ。」
と言われているようにしか聞こえなくて。
毎年丸12か月泣けない私の代替案。
それが、梅雨の中で濡れて歩くこと。
どう頑張っても泣けない私の代わりに雨雲が、空がないてくれる。
その時だけは自分に言い聞かせも思い込ませもしなくていい、素直になってもいいひとときだから。
梅雨
「ただでさえ雨はジメジメして過ごしにくいのに…梅雨っておま…ほんと…あーあ…」
「語彙力なくなってんね」
「全ては梅雨のせい…」
「梅雨関係ないだろ。とばっちりすぎて梅雨が不憫になってくるわ。」
雨の為外には出られない。のでこうして部屋の中でゴロついている。相変わらず窓の外の雨は止みそうにない。
「部活もしばらくは無さそうだね。こんな雨だし。」
「だよなぁ…。あでも…雨でも少しはいい事あるかも…」
「いい事?こんな雨で?」
さっきまで嫌嫌言ってたくせに今度は何を言うんだ、と思った矢先、唇に柔らかいものが当たった。
「…こうして部屋でお前と2人でいられるからさ。いやぁ、梅雨でも役に立つ時があるんだなぁ」
「…あっそう」
「あれ、照れてる?」
「…少しね。…ねぇ、もっかい」
「ん。ほら、もっとこっち寄ってよ。」
こんな風に、2人でいれる時間が長く続く。
これならジメジメとしたような雨も梅雨も、悪くは無いものだな、なんて思った。
梅雨
例年なら、そろそろ毎日雨になるのに…偶に雨になるけれど、この時季らしい雨にはならない…また、終わりに纏って降るのかな…
未だ、あの夏空みたいではないけれど、南の島が梅雨入りしたニュースが、それ以降の続きを傳えていない…毎日の雨には、うんざりだけれど、雨が降らないのも、何か落ち着かない…我儘だけれど、雨に濡れた紫陽花も見てみたい…土砂降りは御免被るけれど、しとしと降る雨は、風情があって好き…そして、雨に打たれて、緑も鮮やかになるのもいいと思う…
《梅雨》
梅雨は苦手だ。
思い出してしまうから。
あの雨の日、死んだあの人のことを。
でも、梅雨は嫌いじゃない。
あの人は、梅雨の時期だけ、私に会いに来てくれるから。
『梅雨』と聞いて思い出せる事もしくは思う事…ってないかもしれないです。、嫌,思う事って言えば普通に紫陽花が綺麗な季節だなって。本当にそんな事ぐらい。昔,神奈川に住んでいた頃の“紫陽花祭り”で見た綺麗な紫陽花が忘れられないかもです。丁度,この時期かあと少し先の時期ぐらいだったかな。見に行った紫陽花が本当に綺麗だった事をよく覚えています。でも,鎌倉に行った時に見た紫陽花も凄く綺麗でした。鎌倉で買った紫陽花の御守りのストラップ。もう壊れちゃったけど,そのストラップを見ていたら紫陽花の綺麗さを思い出せたから本当にお気に入りでした。
、本当の本当は,もう1回家族で見たいな、なんて。
叶わない夢を見ても,どうしようもないけど。ふとした瞬間…そんな時に「家族で行きたかった」って心の中でどうしても思ってしまう葵がいます。壊れた物だから今更そんなのに固執していたってどうにも出来ないとは頭で理解しています。少しでも壊れたと思った瞬間すぐに治すように少しでも努力をしていればもしかしたらまた違った何かがあったのかもしれない。でも,葵は壊れたと思った瞬間諦めた。すぐに治す努力さえしなかった。治す必要なんて無いと思った。
だから,自業自得。しょうがない。葵が選んでこうなっなんだから。
『梅雨』
私の苦手な梅雨の足音がする
じとじとジメジメ
髪はぺちゃんこ
嫌いな梅雨を乗り切るために
こちらも準備を始めるのだ
お気に入りの傘で気分上げて
ヘアアレンジなんてしちゃったりして
今年の梅雨は
ちょっとご機嫌なものにするの
・2『梅雨』
白無垢もカビるんじゃないかしら
衣装レンタル店で働くカヨは思った。
私には関係のないこと
しかし一人暮らしのアパートに内容証明証が送られてきたことの方が重大だ
別れた夫は死んだと思っていたからだ
【続く】
『今日、夕方から雨降りそうです』
起き抜けに見た画面がメッセージを伝えている。
どんなに離れていてもすぐに繋がれて。
『おはよ、めちゃくちゃ晴れてるけど??』
『傘、ちゃんと持って行ってくださいね』
簡潔過ぎて業務連絡すらある言葉に挨拶すらないのか、と思えば眠そうに目を擦るスタンプがおはようと告げた。
時期にしてみればそろそろ『梅雨』入りか。
朝にはあんなに夏の気配を宿していた太陽は雲の向こう。
どんよりと垂れ下がった幕に気持ちもめげてしまいそう。
ふわり鼻腔をくすぐる、湿った土と日に照らされたアスファルトが混ざる匂い。
あぁ、雨が降る。
「湿気で前髪がS字フックになって~」が
母の口癖だった
誤魔化して
その場をしのぐだけの
あなたのようになるまいと
縮毛矯正を当てはじめたのは
高校生のとき
あの頃の母と同い年になった今
年々強くなる癖毛と
母と同じ口癖を言いそうになる
自分に辟易する
お題:梅雨
子供の頃、雨降った次の日はナメクジをみつけていた。
梅雨の時期はよく見かけていた。
大人になった今は、ナメクジを見かけなくなった。
子供の頃と見る世界が変わったのかな?と 少し寂しい気持ちになった。
ナメクジみつけて、ゆっくり動くナメクジをただ見つめて観察していた日々が懐かしいな。
「梅雨」
雨、雨、雨。
やまない雨。
よく言うじゃん?
やまない雨はないよ。って言う綺麗事。
あーゆうの大っ嫌い。
やまない雨はないとかじゃないの。
今降ってる雨がもう耐えきれないの。
時間経過とかじゃない。いつかとかじゃない。
そんな曖昧で本当にやむのかも分からないのに。
だから"梅雨"は嫌いだし好き。
あんな綺麗事で済まされない、
ずっと雨が降るから光とか希望とか見えなくて
期待する事がないから。
でも、時々雨で濡れた土や道路を見てたら
うざったいな。とも思う。
足引っ張っられてる感覚って言うのかな、
そういうのが感じられるから。
でもまぁ、そんな愚痴吐いた所で何も変わらないしね。
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雨が良いなって思う時嫌って思う時結構分かれません?
雨音がうるさいなって思う時もあるし、
雨音が心地よく感じる時もある。
人間って本当自分勝手ですよね〜、
まぁ私も人間なんですけどね。