梅雨
「ただでさえ雨はジメジメして過ごしにくいのに…梅雨っておま…ほんと…あーあ…」
「語彙力なくなってんね」
「全ては梅雨のせい…」
「梅雨関係ないだろ。とばっちりすぎて梅雨が不憫になってくるわ。」
雨の為外には出られない。のでこうして部屋の中でゴロついている。相変わらず窓の外の雨は止みそうにない。
「部活もしばらくは無さそうだね。こんな雨だし。」
「だよなぁ…。あでも…雨でも少しはいい事あるかも…」
「いい事?こんな雨で?」
さっきまで嫌嫌言ってたくせに今度は何を言うんだ、と思った矢先、唇に柔らかいものが当たった。
「…こうして部屋でお前と2人でいられるからさ。いやぁ、梅雨でも役に立つ時があるんだなぁ」
「…あっそう」
「あれ、照れてる?」
「…少しね。…ねぇ、もっかい」
「ん。ほら、もっとこっち寄ってよ。」
こんな風に、2人でいれる時間が長く続く。
これならジメジメとしたような雨も梅雨も、悪くは無いものだな、なんて思った。
6/1/2024, 2:50:58 PM