『梅雨』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
梅雨はちょっぴり苦手
じめじめするし、気持ちも晴れない。
まるで天気に比例しているみたいで苦手。
でも、雨が降っている分君との帰り道が長く感じるから
梅雨もまぁ悪くないかも。
『梅雨』
しとしと、しとしと、雨が降る。
家路を急ぐ車の中で、ラジオが言った。
「梅雨入りですね、明日も雨になるでしょう」
ザーザー、ザーザー、雨が降る。
僕は小さくため息ついた。
まいったな。雨が降ると渋滞しちゃうんだ。
ポロポロ、ポロポロ、雨が降る。
「梅雨の空は泣いてるみたい。
泣いてるお空は悲しいの?」
チャイルドシートにちょこんと座る、幼い娘が問いかけた。
どうだろね。
存外、お空はうれしくて泣いてるかもよ。
僕は娘に語りかける。
ほら、幼稚園にあっただろ?
最近咲いた、ピンクのお花やチョウチョたち。
お空はもしか、「みんな立派に大きくなったなぁ。もっと大きくおなりよ」って泣いてるかもよ。
「うれしくっても泣いちゃうの?」
ルームミラーに映った娘は笑う。
そう言えば、娘は「幼稚園行きたくない」って泣かなくなったな。
しとしと、ポロポロ、雨が降る。
大きくなったな。うれしいよ。と雨が降る。
私は雨が好きで雨が嫌いだ、
なんでかって、それは
泣いた時に誰にもバレずに泣くことができるから、そして誰かが泣いていた時に気づいてあげられることが出来ないからだ
気づいてあげられない自分を許したくない、気づいてあげられない自分がすごく嫌で嫌いだ
だから私は雨が好きで雨が嫌いだ。
『梅雨』
梅の雨が降る季節があるらしいの。
どれかしら?
雨のように、
空からたくさんの梅の実が降ってくるのかしら?
それとも、
ひらひらと梅の花が舞い散る様子を雨に例えたのかしら?
はたまた、
梅の果汁が雨のように降り注いでいるのかしら?
「どれでもない」だなんて言わないでね。
これは空想上の『梅雨』の話。
雨だと遠出できず残念だった
今は、天気に関係なく
長年のパートナーがいなくなり
遠出はしなくなった
一緒に居た頃の梅雨は、うっとうしかった。
今は、雨だと安心…
どこか行かないとって考えなくていい。
雨だと行けないからと
自分を納得させる
舞
しとしと雨の降る夜道、会社からの帰り道。
湿った空気に混じって、甘酸っぱい香りが何処からか漂ってきた。
どこか懐かしいその香り、何の匂いだったかと記憶を辿る。
遠い昔、母が作っていた。
赤いホーロー鍋の中身を木べらでかき混ぜて、キッチンには、その甘酸っぱい匂いが充満していた。
トロリとした琥珀色、口いっぱいに広がる甘酸っぱい味にほっぺたがキュンとした。
ああ、あんずジャムか。
もう随分と食べていない、杏の時期はほんの一瞬だから。
もうすぐ暇な時間も増えることだし、こんど作ってみようかな。
玄関のドアをガチャりと開けると、ふんわりと甘酸っぱい香りがした。
テーマ「梅雨」
梅雨に入って、雨ばかりになった
でも、今年の梅雨は一味違った
何せ本物のアメが降ってきたんだ
赤色のイチゴ味、黄色のレモン味、緑色のミント味…
毎日毎日、空から色とりどりの甘いキャンディーが降ってくる
神様からのプレゼントだとか、宇宙の因果律が狂ったのだとかいろいろいわれているけど、何が原因なのかは分からない
そして梅雨が明け、
燦々と太陽が輝く夏が来た
梅雨ですね
雨が嫌いな訳じゃないけど
濡れるのが嫌
そう言っていた君
梅雨になると
会えなくなる
だけど
そんな君が好きなんです
『梅雨』
雨は気分が落ちる。
髪の毛は膨れ上がって
湿って気持ち悪いし
匂いも悪い。
偏頭痛で体調までも最悪。
だけれど
雨はなんでか
気持ちが楽になる。
体にうちつける雫が
心地よい。
暗く泣く空までも
まるで自分を見ているようで
地にうちつける雨と
零れた涙が同化する。
雨音と私の恋が
弾けて消える。
空は笑っても
私の天気は雨模様。
梅雨の時期になって、彼女はなぜか楽しそう。
「こっちは雨ばっかでうんざりしてるけど、好きなの? 梅雨」
「うん。だってお気に入りの傘をたくさん使えるから」
日傘兼用じゃないの? と問いかけようとしたけれど、ちょうど教授がやってきて流れてしまった。
家に帰ってから、授業中にふと思い出した「モノ」を探す。私は昔から雨が嫌いだったが、いつからだったろう、と記憶をぼんやり辿って、ある出来事に着地した。
「あ、った」
ピンク色のてるてるぼうずだ。小学生のとき、雨ばかりで不機嫌になった私に母が作ってくれたものだった。
『ほら、かなこが好きな色のてるてるさんよ。これをつけていればきっと晴れるわ』
今なら迷信でしかないと笑うところだけれど、当時の私は素直に言うことを聞いていた。次の日晴れなければ「お願いの力が足りなかったんだ!」なんて真面目に反省して。
それに、手のひらいっぱいの上で笑っているてるてるぼうずが可愛くて、雨の日以外でもちょこちょこつけていた。
「いつからつけなくなったんだっけな」
たぶん中学生になってからかもしれない。単なる迷信だと気づいたのか、母親の手作りマスコットなんて恥ずかしいとか、思春期にありがちな理由だったんだろう。
改めて手のひらに乗せる。記憶のなかよりも色褪せて、取り付け用のゴムは伸びてしまっているけれど、笑顔は変わっていない。
「ゴム変えればつけられそう」
口元を緩めながら、顔の部分を軽く撫でる。
もしかしたら本当に雨が上がるかもしれないけれど、あの子には秘密にしておこう。
お題:梅雨
この時期特有のひんやりした雨の日が続くと、ルーカスは落ち着かない。自分ですらソワソワしていることを自覚しているのだ、領主様やベルンにも気づかれている。元々甘い領主様が更に甘やかしてくるし、いつもなら嗜めるベルンがそれを黙認しているのだ。
だからといってそれを全面的に受け入れられるほどルーカスは子供でなかった。もう再来月には10歳になる。以前はいつか屋敷を追い出されるんじゃないかとヒヤヒヤした時もあったが、2年近く過ごすうちにそんな不安は解消された。領主様は縁もゆかりもない孤児を背負って執事見習いに雇うようなお人好しだし、ミスをしても改善するまで横で見ているのがベルンだ。仮にルーカスが屋敷を離れようとしたら、彼らの方から呼び止められることは予想付く。
その日雨は一日中降り続いた。外で体を動かしてないせいか、夜ベッドに入ってもなかなか寝つけなかった。トイレにでも行こう、起き上がったルーカスは部屋を出て壁沿いを伝って廊下を歩く。昼間はなんとも思わないのに、人の気配がない廊下が、暗闇から浮き出て見える花瓶が、誰かわからない人物画が無性に恐ろしかった。
……肌寒いのは雨のせいだ。ルーカスはそそくさとトイレに行った。部屋までの帰り道、ふと階下を見るとほんのりした光が見えた。ごくりと唾を飲み込んで、恐る恐る階段を降りた。半分ほど降りて光の方に着目すると、それは台所のあたりだと気づいた。
エルンスト様だ!途端に肩の力が抜けたルーカスは、足取り軽く残りの階段を駆け降りて、明かりの付いている台所に顔を覗かせた。
「エルンスト様!」
「うわあっ!…………って何だルーカスかあ、驚かすなよ」
振り向いたエルンストは、どうしたの眠れないの?と言う。台所には、一つ大きなテーブルがあり、四脚の椅子が並んでいる。座りなよと席をすすめるエルンストに甘え、台所に入る。
「いい匂い……コンソメ?」
エルンストが火の元で何かを煮ている。
「そうだよ、具材は何もないけどね」
ルーカスもいる?と尋ね、食い気味に欲しいと言うと笑われた。そこの棚のコンソメと後追加の水、という指示に従い自分の分のそれらをエルンストに渡す。
スープのぐつぐつした音と、ぼうとした火の音だけが台所を包み込む。
ねえ知ってる、静寂を破ったのはエルンストだった。
「夏が訪れる前のこう言う時期に降る雨のことを、とある外国では梅の雨と呼ぶんだよ」
「梅の雨?」
プルーン聞いて思い浮かんだのは、この前食べたお菓子だ。もちっとして、ちょっとカスタードの味に似ていたファ、ファー……
「ファーブルトンね」
「それだ!でも何でプルーンなの」
「えーっと……その地域でもプルーンに似た果実が収穫されるんだけど、その収穫時期がちょうど今みたいな雨が続く季節だからだよ」
「そうなんだ、雨じゃなくてプルーンならおいしいのに」
梅の雨にはもう一つ説があるのだが、母国語の読み書きを習い始めたばかりのルーカスに、表意文字と表音文字の違いや同音異義語をわかりやすく教えるのは難しかった。
そろそろか。エルンストは火を止めた。
ファーブルトンまた食べたいなあと呟くルーカスのために、明日料理人に頼んでみよう。
梅雨
たたたた たんたん たんたたん
白く煙った 空と街
霞がかった 山と塔
ゆううつそうな 人のため息
だだだだ ざんざん かんたたん
喜び満ちる かえるの歌と
濡れてつやつや 光る木々
雨音鳴らして 踊る傘
雨がしとしと降ってきた
いえ
サーサーかな
そう思っている間に
ざあざあ降ってきた
色鮮やかな紫陽花の上を
雨粒たちは
ぴょんぴょん飛び跳ねる
ぴょんぴょんぴょんぴょん
飛び跳ねる
紫陽花たちも嬉しそうに
器いっぱいに雨を抱き込んで
その色を一層輝かせている
『梅雨』より
湿気なのか気圧なのか、息が詰まる感覚が取れない。
まるで水中の中にいるように呼吸がしづらく、たくさんの錘を服につけているように身体が重い。
昔はそんな風に考えていなかったけど、今ならこれは気圧の影響だということはわかる。
だるく、重くて陰鬱。これが今の私が思う梅雨の印象だ。
あー、仕事帰りたいなぁ。
梅雨
学生の頃
♪風が吹いたら遅刻して
雨が降ったらお休みで
とハメハメハ大王のこどものように
雨降ったら 家から出たくない
と思ってた
社会人では そうはいかない
くせっ毛で前髪がうねるのやだな
学校が警報でなくなった。登校してわずか15分での下校。往復で2時間かかる登校。やめてくれよ。
息がしづらいか。空気がみんな水になってしまったものな。身体が重いな。お前は泳げないものな。
お題 梅雨
『梅雨』
長雨が続く
毎日毎日雨が降る
でも、僕は知っている
雨が止み、雲が晴れたとき
降り注ぐ太陽の光が
とても気持ちいいものだと
雨は憂鬱ですね。って言ってみた。
バイト帰り送ってくれたおばちゃんは
主婦もこなしてバリバリ働いてるおばちゃんは
車に落ちる雨粒の形が面白いから雨が好きって言った。
こんな余裕のある大人になりたい
#梅雨
『梅雨』
6月の代名詞でもある梅雨。
嫌な時期と言われている梅雨だけど、これから暑さに干上がる水不足問題に頭を抱えている人や、農家やアマガエル辺りには喜ばれる。
私は梅雨を嫌だと思うタイプだ。だって雨が降ると言うだけで通勤がひたすらに面倒くさい。自転車を使うから尚更だ。
カッパを着るという行為だけでもう面倒くさい。しかも、カッパを着ても太ももは濡れるし、フードは風で吹き飛んで意味ないから頭も濡れて結局イライラする。傘をさして運転なんて危ないことはチキって出来ないから、尚更カッパに頼るしか無くて結局イライラする。
しかも6月は私の誕生月なのだ。毎年誕生日にランドに遊びに行くのだが、案の定天気が優れなくて困ることなんていくらでもあった。
だから、私としては梅雨はそんなに好きでは無いのだ。