『梅雨』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ずうっと続く雨の音。あまり好きではない音だ。
僕の感性が死んでなければ、音から耽美を見出だせたのだろうか。平安貴族が羨ましい。
この時期になると、北からオホーツク海気団、南から小笠原気団が押し寄せます。
日本列島上空で両者の力は拮抗。
押し合いへし合いしして停滞前線ができ、梅雨になるわけです。
この仕組みは我が家にも適用されます。
北には家庭に興味がないパパ、南には理想の家庭にこだわるママがいます。
両者は定期的に衝突。
一度ぶつかると我が家は長期間にわたり暗雲につつまれ、彼らの真下にいる私は、長引く雨に根腐れることになるのです。
梅雨の時期の素敵な過ごし方、募集してます。
また今年も
新しいアレを揃えなくては
もう梅雨に入ったの?!
急げ急げ
毎年毎年
湿気取りが大活躍
何度も取り替えて
わたしの湿気も
吸ってくれよ
梅雨
夏に向けた水分補給
出掛けるのが面倒になる
割と嫌いではない
夏は暑くなるかなって考えたりもする
実りある全てのものに対する栄養素
それなりに雨が降ってくれないと
色々なものがバテちゃうから
本格的な夏への準備期間
雨がしとしとと、降り続いている。
この喫茶店に入って数時間。雨は降り止まず、傘を持っていない私は、ただひたすら珈琲をスプーンでかき混ぜながら晴れるのを待つしか無かった。
さすがに、珈琲一杯頼んだだけで数時間も居座るというのは図々しいにも程があるので、途中サンドイッチやオムライス、ケーキなど頼んでみたが、フードファイターでもない20代女性の胃袋にも限界がくる。もう食べ物の入る隙間はどこにもないだろう。
そもそもこの梅雨の時期に、何故傘を持たずに出歩いてしまったのか。
実は、彼女の家はこの喫茶店から徒歩10分圏内にある。
元々喫茶店の隣にある文房具屋に用事があり、済ませて帰ろうとしたところ雨に降られたのだ。
出かける時間に雨は降っておらず、すぐに帰るなら平気だろうと、彼女の油断が招いた結果だった。
小雨にでもなってくれれば走って家に帰るのだが、傘もささずに帰れるほどまだ雨脚も弱まってなかった。
退屈、と。彼女が代わり映えのしない景色に飽きてきた頃、ふと人影がこちらに近づいてくるのを目の端で捉えた。
カチャ。
小さな音。
ガラスの食器がテーブルの上に置かれた音だった。
ウェイターの格好をした、30代前半くらいの男性。
髪は少し長いのか、後ろで括っている。
紙製のマスクをつけているので、顔は上半分しか見れない。
ぱっちりとはっきりした目に、困り眉をした優しそうな顔だった。
彼が置いたガラスの皿には、クッキーが数枚。
『あの、頼んでませんが?』
そもそも、メニュー表の中にクッキーなんてあっただろうかと記憶を遡ろうとする前に、目の前の男性が答えた。
『サービスです。何も無く雨宿りするのも退屈でしょう。随分待たれているようですし。』
見た目とは裏腹に、とても低い声が店内に響く。
しかし、もう私の胃の中にこの数枚のクッキーでさえ入る隙間は全くない。
ご厚意に甘えたいところだが断ろうかと考えていると、再び男性が口を開く。
『ゆっくりでいいので。沢山頼まれていましたし、まだお腹もいっぱいでしょう。残しても構いませんから。』
そこまで言われてしまっては、さすがに断るのも忍びない。「結構です。」という言葉が喉元まで来ていたが、なんとか抑え込み、静かに「頂戴します。」と呟いた。
男性は嬉しそうに目を細め、窓の外に視線を移す。
『昼前からずっと止まないですね。予報だとそろそろなんですが。』
『そうですね……こんなことなら、傘を持ってくれば良かったなぁ。』
苦笑いしながら、クッキーを一枚頬張った。
さくっ。
口の中に広がる、バターの香りと、チョコの甘み。
私は、___この味を知っている。
キョトンと、クッキーを見つめていると、
男性はニッコリとまた笑う。
『美味しいですか?』
『え、あ、はい。とても……』
正直、今の私にとって味の善し悪しは問題では無い。
確かにこの喫茶店に来たことはあるが、そもそもメニューにこのクッキーは存在しなかったはずだ。
とすると、サービスを以前に頂いたことになるが、さっぱり記憶にない。
『お気に召して頂けて何よりです。』
男性は一礼して、スタスタと厨房の方へ戻っていってしまった。
狐につままれたような感覚で、もう一度クッキーを一枚口へ運ぶ。
『……おいしい。』
一枚目と同じ、あたたかく優しい味がした。
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雨は嫌いだ。
雨が降る日は良くないことばかり起こる。
転んだり、交通機関が乱れたり、洗濯物が乾かなかったり。
会社が倒産した時も、雨がザーザー降っていた。
『また雨か…………』
その日も、しとしとと雨が降っていた。
職を失った後、知り合いのツテで小さな喫茶店に就職。まだ働いて一年経ってないといったところだが、ようやく仕事も板についてきた。
雨の日ということもあり、客も少なくゆるやかに時間が流れていった。
店内にいた最後の客の会計を済ませ、あとは閉店時間までゆっくりしようかと思った、その時だった。
『っ……ぐす。』
すすり泣く声が聞こえた。
思わず振り返ると、窓際の席に女性が一人、ポツンと座っていた。
先程会計した客が最後と思っていたが、どうやらまだ残っていたようだ。
(あれ、確かもう一人連れがいたような。)
思い出した。
確か昼頃、男性と二人で入ってきた女性だ。
二人とも暗い顔で入店してきて、珈琲を確か二つ頼んでずっと静かに話していた気がする。
もちろんプライバシーもあるので、あまり話は聞かないようにしていたのだが……。
(喧嘩か……もしくは別れたか?)
雨のせいで二人とも暗い顔をしていたのだろうと思っていたが、どうやら違ったようだ。
きっと、静かに話していた時に色々話をしたのだろう。
それがどんな内容かは分からないが、良い話では無さそうだ。
『ぐすっ……ひっ……くっ……』
声が店内に響き渡る。
今この空間にいるのは、女性と自分の二人。
きっと客もこの時間から来ることはほとんどないし、しかも雨の日なので閉店時間まで客はこの女性だけ。
しかし、すすり泣く女性を放ったらかして店じまいを進めるのは、何か人として欠けてるような気がした。
一店員と客に過ぎない。
何も考えずに「どうしたのか。」と聞くのも馴れ馴れしいだろうし、喫茶店の店員ができる何か良い励ましはないかと、頭を抱えてしまった。
ふと厨房を見渡した時、おやつ用に作ったクッキーが目に入った。
自分用に作ったお粗末なチョコチップクッキーだったが、そこに一筋の光が見えた気がした。
迷いはあったが、行動あるのみと自身を奮い立たせ、いそいそとお皿を準備し始める。
クッキーを数枚取り、お皿の上へ盛り付けて、そーっと彼女の座る席へと向かう。
カチャン。
クッキーをテーブルに置くと、泣いていた女性は体をビクッと震わせ、俯いていた顔を上げた。
鼻を真っ赤にして、涙でぐしゃぐしゃになっていた。
目を丸くして、見つめてきた。
『サービスです。よろしければどうぞ。』
声が震える。
こんな風にするのは初めてで、正直柄では無い。
もし、断られてしまったらと内心ドキドキしていた。
女性は目をパチパチとさせた後、クッキーに視線を戻す。
一枚慎重にとって、さくっ、と頬張った。
『……』
女性はクッキーを飲み込んだあと、また一枚クッキーを取り口へ運ぶ。
口にあったのだろうか?
声をかけようとすると、女性がこちらを向いた。
『美味しい、です。』
目に涙は浮かんでいたものの、ニッコリと笑いながら女性は言った。
雨は止んだのか雨音は聞こえず、日が差してきたようで、少し明るくなっていた。
女性の顔が日差しに照らされ、不謹慎かもしれないが、
美しい、と、思ってしまった。
#梅雨
「なんでこんなに雨の日って憂鬱になるんだろう。」
そう彼女は行っていた。
私は雨の日が好きだ。だから彼女の言っている意味がわからなかった。
今は言っている意味が分かるほどに成長した。
その彼女はくせっ毛で雨の日は髪型が決まらなくて悩むのだろう。
#梅雨
鬱陶しいはずなのに
なぜかどこかに
みずみずしさを感じさせるのは
梅だからか
水だからか
✳︎梅雨✳︎
雨が多いとテニスも出来ない、する事がない、頭が痛い、やる気が起きない、辛い、、、それでも頑張ろう、寝る前に自分を褒められるよう、そして一日を無駄にしないよう頑張ろう
「お前の声も聞きたないわ!!」
地面を滝の様に勢いよく叩きつける雨。
すっかり鏡に変わり、天井の黒い雲を映している。
今日は何もかもうまくいかない。
色んな人に怒られたし、
途中転んでびちょびちょだし、
彼氏と喧嘩したし。
神様、私は何か悪い事をしてしまったのですか。
特に彼氏とは最悪だった。
所詮すれ違い。ちゃんと話せばあのいつもの優しくてあたたかい日常が戻ってくるって思ってた。
でも、あいつは私が浮気をしてるって勘違いしてどっかに行った。
あー好きだったのになぁ
とか
もう戻ってこないのかな
とか
マイナスな事しか出てこない。
でも、
それも全てこの梅雨のせいだよね。
なんか頭痛くなってきたなぁ。
全て梅雨のせいだから。
お題:梅雨 2023/06/01
追記:檸檬味です。他の作品も見ていただけると嬉しいです。
梅雨
軒先の向こうを見上げると、真っ黒な雲から、雨がシトシト溢れてくる。予報では、暫く雨が続くと告げている。大きめの傘を差しても、結構びしょ濡れになる。
そういえば、あの日も、こんな梅雨空だった…ふっと溢れる溜息…毎年想出す横顔…傘の波を眺めながら、あの傘を探して仕舞う…
天気予報で梅雨入りが宣言される。ここから頭はフル回転だ。週間天気予報とにらめっこしながら、まるで雨の日の隙間を縫うようにしてときおり現れる晴れマークをチェックする。
明日から五日間ほど雨が続くならば、今朝はできるだけ早起きして、大量の洗濯物を端から並べるようにして、干す。干す。干す。我が家に乾燥機などという高価なものはない。このささやかな恵みのような太陽光を目一杯に活用するのみである。
え? コインランドリーがあるだろうって?
残念ながら我が家があるのはどこぞの片田舎。すぐそこら辺にそんな便利なものが建っているわけではないし、わざわざ車を走らせて遠くのコインランドリーまで向かうのも、ぶっちゃけ面倒である。
はぁー、まったく。
梅雨なんて、何がいいんだろう。
そんなふうに溜息をこぼしながら、洗濯物を洗濯ばさみに留めていく。
ふと見上げれば遠くの空に、薄ぼんやりとした小さな虹がかかっていた。
おっ、綺麗だなぁ。
思わずポケットに入れてあったスマホを構えた。
【梅雨】
梅雨
梅雨になると気分が落ち込む。
でも、雨はすき。
雨は何時でも、変わらない色をしているから
今年も憂鬱な季節がやってきた。
雨自体は嫌いじゃないけど、梅雨特有のジメジメとした感じが苦手だ。
しかも、うちの学校は古い鉄製の脚の机である。
空気が湿った時の、あの鉄のツンとした匂いも私は苦手だ。
…けど。
そんな暗い気持ち、すぐに吹きとんでしまった。
なぜなら…。
私はさっき配られた学校だよりに目を通す。
見出しに『体育祭』と書かれている。ちょうど一ヶ月前に、私の好きな人がリレーのアンカーを務めていた。
その写真が見出しの下に大きく載っていたのだ。
眩しいくらいの笑顔を浮かべている彼。
そんな顔を見ていたら、こっちまで明るい気持ちになって、なんだか梅雨なんてどうでも良くなった。
【2023/06/01 梅雨】
「雨って良いよね」
あの時紫陽花を見ながらそういった彼女。
その時の表情が儚げで消えてしまいそうで、思わず僕は彼女を抱きしめた。
「もぉ〜どしたの?」
「ううん。ただ、、好きだなって」
「何それ〜!もう照れるじゃん、、!」
表情が少し和らぎ耳まで赤くなった彼女は照れ隠しをするかのように傘で顔を隠す。
こんな時間がずっと続くと思っていた。
だけどそうは上手くいかなかった。
「、、花和?」
「、、、、」
「お、い、、?なぁ、嘘、だよな?」
ぐったりと倒れ込む彼女はもう息をしなくて頭が真っ白になる。
「、、なぁ!起きてくれよ花和!」
何度も肩を揺さぶるが彼女の瞳が開くことは二度となかった。
「ぁ、、うぅっ、くっああああ!!!」
彼女を抱きかかえたまま、泣き崩れる。
窓を叩き付ける雨の音が揺れる紫陽花が目にこびりついたまま記憶の1部となった。
そして僕は今日も君を求め彷徨う。
「今、会いに行くからね」
そして僕は飛び降りた。
ENDお題「梅雨」
きらい、、。
「そうだよ‼︎6月なんてきらい‼︎」
「だって、、だって6月は祝日がないんだもん!!」
「また、そんなこと言って、。はぁ、学校に行きたくないだけだろ笑」
「ちっちがうよお父さん‼︎ただ、休みがほしーなぁーなんて??、」
「そうかそうか、、。なら、良いこと教えてあげよう。」
「確かに6月には祝日がない。でもな、それで良いんだ。それが、良いんだ。6月は幸運の月だから。」
「幸運の、、月?、。」
「そうだ。幸運の月だぞ6月は。だから、願え、自分の思考が現実となるから。引き寄せの法則が最も働くのは、梅雨である6月なんだ。」
〜梅雨〜
⚠︎フィクションです。
梅雨は意外と好き。
辛い時、人目を気にせず泣くことが出来る
きっと誰も気づかない
そんな私の傘の中に友達は入ってきてくれた
気づかれないようにしていた事に気づいてくれた
梅雨は好き
だって、友達の優しさに気づけたから
雨が降る。季節が巡る。あの頃を思い出す。
少し大きなセーラー服に身を包んだあの頃を。
君の学ラン姿が好きだった。進学してブレザーになった時、いつもと違うむず痒さに少し浮き足立った。
好きだと。一言。喉からつっかえて出てこない。
私がうじうじしている間に。君はふわふわした可愛い女の子と幸せそうに笑ってた。
紹介してくれてどうもありがとう。
そっかぁ、君は背が低くて胸が大きくてふわふわした、私と正反対の子が好きだったのね。
心の雨を洗い流すかの様に。雨が降る。
梅雨は好きでは無い。髪が言う事を聞かないから。でも今は、私の心も言う事を聞かない。
また巡る。巡り巡って季節が変わる。
左手に光る指輪に触れ、梅雨に出会った貴方のお陰で、今度は、梅雨を好きになる。
#梅雨
右腕を頬につけながら、外をみた。グラウンドは黒色に染められ、空も黒い。
ふと朝の天気予報を思い出した。
テレビに映るのは、美人な天気予報士が「例年よりも梅雨が来るのが早いです。休日まで降り続けるので・・・」とか言っていた。
私は、天気のなかでは、雨は好きな方だ。くもりより雪よりも好きな方だ。
農家の方も好きだな、雨はとよく分からないことを考えていると、授業が終わる音が鳴った。
先生が教科書を閉じ、今日の号令係に挨拶をするよう促した。数分後には、担任が来た。担任の先生は前の席に座る生徒に用紙を渡している。
用紙が届くと同時に、担任から「来週のこの曜日に回収するから、書いてこいよ。自分の将来だからよく考えてこいよ」と言って、担任は帰りの挨拶をして教室から出で行った。
その用紙は、進路調査表の紙だった。
私は、クリアファイルに挟み、鞄にしまい教室をでた。
【梅雨】
雨が降ると陰気になるの。暗いと気分が曇るから。私は外で泣きたくない。雨は隠してくれないけれど。誤魔化してくれるから。梅雨は嫌いで雨も嫌い。けれど、私を助けてくれる。誤魔化しきかぬ君の前まで。いかなきゃいけない何度でも。これで何度目、もう飽きた。
「君が泣くから僕は救われない。」
6月。
紫陽花が雫を髪飾りにして揺れはじめる。
そこに雨粒シャワーでご機嫌なカタツムリが登場だ。
水たまりのステージではカエルの合唱コンクールが大盛況!
てるてる坊主たちもドレスアップして踊る踊る。
さぁ!パーティーは始まったばかり!