『梅雨』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
お題《梅雨》
窓の外を彩る深い青の紫陽花。
しとしと降る雨音。
気怠い身体。
起き上がる気力もなく、ベッドに身を沈める。
傍らに緑茶の湯気揺らぐ。
あと――時間したらごはんを作って、洗濯機を回して。
恋人がプレゼントしてくれた、レモンキャンデーをご褒美に食べよう。
あぁまた梅雨の時期がきた。
雨が降り注ぐ。蒸し暑い。空気が重い。
けど君が隣にいるなら、僕の心は今日も快晴だ。
私の梅雨の思い出は他愛ないもの。
電車のうかない採光の車窓。山間を通った時の雨に濡れた深緑の美しさは、十数年たった今でも目に焼き付いて離れない。
いつかの大雨の日。余りの冷え込みに押入れから冬服を引っ張り出してきたことは、失敗談として胸を離れない。
梅雨。
体感として初夏と夏の間。
寒くて、濡れる深い緑の季節。
傘(かさ:umbrella)
カサ科 カサ属
・雨が降ると見ることができる
人工的に咲く花。
土がなくても咲くことができる。
・特に梅雨の時期に咲く日数が増え
夏にかけて太陽が眩しい時期にも咲くことが多い。
・色とりどりに咲き乱れ、
デザインも様々である。
もう時期たくさんこの花が咲く季節。
私も花を咲かせる一人。
–梅雨–
「今日も雨だ。」
梅雨はなにかと嫌だ。
じめじめ湿気で髪の毛はやられるし
どんよりするし
気持ちもブルー。
でも、、、
プシュー
ピッ
発車しますのでおつかまりください
普段は自転車で通学してるが
雨が降るとバスを使う。
(あ、、)
君だ。
雨の日だけに出会える君に恋してる私は
梅雨、、そんなに嫌いじゃない、
そう思えるんだ。
君に、会えるから。
会社から出てから
尾けられている気配がする。
どこにいるのか
隠れているのか
それともビルの上の階なのか
わからないけれど
確かに ずっと私を見ている
何も言わずに ただ不気味に
じっとわたしをみている。
いつもはコンビニでスナックを買って
電車に乗るが
もしもやつが私に追いついてきたら
店の中では逃げ場がない。
そう思って
今日はそのまま電車に飛び乗った。
いつもならこんな駆け込みはしない。
なぜなら少しでも やつから離れたくて。
車内では規則的な電車の音と
機械的なアナウンス。
辺りに気を配るが、
この車両には どうやらいないらしい。
束の間の安心を他所に
駅につくと再びやつの気配。
私は小走りで改札を通り抜け
ひたすら走った。
人通りの多い道を選び
人混みの中を縫うようにして。
やすやすと捕まってなるものか。
マンションのエントランスを入り
エレベーターへ駆け込む。
急いで「3」のボタンを連打する。
今日に限ってゆっくり閉まる扉に
イライラしながら。
震える手で玄関の鍵を開け、
急いでロックする。チェーンもかけて。
ようやくホッとしてパンプスを脱いで
ビショビショになったストッキングも
脱衣場のランジェリーネットに入れる。
リビングのカーテンを閉めようと
窓のカーテンに手をかけた途端
やつがいた。
そいつは窓に両手を張り付かせ
生唾を飲み込むかのように
白い喉を震わせながら
私に向い ケケケと嘲笑う
きゃあああああ!!!!
大っきらいな
ア マ ガ エ ル!!!
恐怖の季節がやってきた。
「梅雨」
私は雨が嫌い
髪の毛のセットも時間かけてもすぐとれる…
誰が
''梅雨"
なんて喜ぶんだろう
田んぼや畑にはいい影響?
カエルたちも喜んでるかもしれない?
確かに雨が降らなかったら、色々なところに影響が出る…
でも梅雨の時期ほど降る必要なんて何処にもない…
なんなら、梅雨のせいで川の氾濫とかも起きるんだから…
梅雨なんてなければいいのに…
いつものようにそう思いながら歩いていく。
「はぁ、」
今日は体育もあったり、何も無いところでつまづくし、悪いことが続いていてもう全部嫌になってくる
ブロロ-
「えっ、」
バシャッという音が聞こえた時には遅かった…
「はぁ、ホントにありえない」
ずぶ濡れになってしまった。もうここまで濡れたら傘も必要ないだろなんて思いながら、傘を閉じようとすると、
「大丈夫?あれ酷いね、全然スピード緩めなかったし、」
「えっ、あぁ、大丈夫です。」
「良かったらハンカチ使って」
「ありがとうございます。」
どうしてこんなに優しくしてくれるんだろ
なんだろ、めっちゃ顔熱い…
「急なんだけど、君の髪、かわいいね」
「えっ?」
高宮早苗は梅雨が苦手だ。梅雨の時は髪の毛のセットに時間がかかる。
特別すごい癖があるとか、天然パーマとかはない。だが、普段しっかり決まる髪型が、梅雨の時期になるとどことなく決まらなくなるのでやっぱり梅雨は苦手だ。
しかも外へ遊びに行くこともままならず、やることは家の中でおとなしく読書をするか、通信機器を弄って動画配信サイトを見るか、寝るかくらいなものである。大変つまらない。
そんな早苗が、今日に限ってはどういうわけかご機嫌だった。もっというと、学校にいる間はほとんど一緒にいる宮川翔吾と傘をさしてお出かけをしているほどである。
おそらく、傘のおかげなんだろうな。翔吾はスキップしそうな勢いで水たまりに足を踏み入れている早苗の方を見ながら思った。
今日、早苗が指している傘はいわゆる蛇の目というやつで、傘の中央部と縁に赤い紙とその中間に白い紙が張ってある和傘だった。どうも同級生の倉の中から出てきたものを貰い受けたらしい。古典が好きなように古めかしいものが割と好きな早苗はその蛇の目傘をえらく気に入り、日曜日の今日、翔吾にわざわざ学校近くの家にある紫陽花を見に行くという予定を取り付けてまで使おうと思っていたのだ。何というか、こいつらしいなと翔吾は思うが、紫陽花を見るくらいならもっと近場があっただろうと言いたくてしょうがないところがある。
まあ、だが、雨自体は思っていたよりも小ぶりだ。これなら早苗が水たまりに顔ごと突っ込んで全身びしょ濡れにでもならない限り風邪になることはないだろう。そう思いたい。
「雨 雨 降れ降れ 母さんが 蛇の目でお迎え嬉しいな」
早苗は嬉しそうに北原白秋作詞の有名な童謡を口ずさみながら前を行く。パシャ、とまた水たまりに足が突っ込んでいった。長靴ではなく普通のスニーカーでそれをするのは、やめた方がいいのではないか。そう言いたいが早苗はやめてくれそうな気配はない。
むしろゆっくりと歩く翔吾に「遅いぞショーゴくん。早くきたまえ」と宣うくらいである。思わずため息が漏れた。
「雨なのにご機嫌だな」
「ご機嫌に見えるかい? それはいい。なんせ今日は紫陽花を見に行くんだからな。憂いた心で花を見てもつまらないだろう」
「そうかよ。まあ、帰ったらしっかりタオルで体拭けよ」
そんな会話をしながら進む。通りの角を曲がると、学校までまっすぐ続く道に来た。目的地の紫陽花が咲いている家がそろそろ近い。
「そういえば知っているかい? 紫陽花の花は土壌の成分によって色が変わるそうだ。なんでもアントシアニンだか何だかが土壌のアルミニウムと反応するらしい」
「アントシアニン、ねえ。確か紅葉もそれが理由じゃなかったか? 一年のとき数学の先生が熱弁してたな」
「そうなのか。僕はその先生の授業を受けたことはないが、どんな話だったんだい?」
「どんな、つってもな。紅葉が始まる頃は山が少しだけくすむっつー話だったよ。原因はアントシアニンのせいだみたいなこと言ってた」
「ふーん。そうか。それはショーゴくん、きちんと聞いておくべきだったな。しっかり聞いてくれれば今ここで面白おかしく話ができただろうに」
「別にお前に話したくて聞いてたわけじゃねえからな。聞きたかったら自分で聞きに行け。……っと、んな話している間についたな」
紫陽花の花が咲く家の前にくる。この家は生垣がキャラボクやカイツカイブキの代わりに紫陽花が植えてある。五月の終わりから六月にかけて、薄い群青色の装飾花が見事に咲いている姿が見られるのだ。
「うん。やっぱり綺麗だな」
早苗はその紫陽花の花を眺めながら、何度も何度も頷いた。雨粒に濡れた紫陽花は、やや暗めの空の下でも可憐に咲き乱れている。鬱陶しい雨が、そこだけ美しいと感じる程度には、色鮮やかで綺麗だった。
翔吾はその光景を、早苗の少し離れた位置から見る。
古風な蛇の目傘と紫陽花。それから雨。どことなく絵画のような光景。
翔吾は綺麗だとか趣だとかそういうものには割と疎い方ではある。が、これはまさしく侘び寂びがあると言えるものだ。
そのせいか、ぽつり、と言葉が出た。
「雨の下 紫陽花を見る 蛇の目には いかな思いを 下に潜めば」
出た言葉を耳にしただろう早苗が、ばっと驚いたように勢いよくこちらを見る。猫のように大きく目を見開いたかと思えば、すぐにその瞳をふにゃりと柔らかくして ――
「君が歌を詠むなんて珍しいじゃないか」
でも、下手くそだな。そう言って笑った。
お題 梅雨
自己中で自意識の化身だと嫌われそうだから
口には出さないんだけど、
激しい怒りに震えているときは
雷が鳴って、強風で、大荒れだし
どこまでも行こうぜ、ベイベーっていうときは
晴天で気持ちのいい青空だったり、
だから雨がしとしと降っているときは
あぁ、空まで泣いてくれてるんだなぁとか思って、慰められたりしている。
いや、分かってる。分かってるよ。正気です。
梅雨は推しの子OP聴いて乗り越えよ。
梅雨
傘をわざと忘れた。
彼と一緒に帰る口実が欲しくて。
少し君の肩が濡れるから、ちょっと寂しい。
君の腕を引いて肩を並べた。
嫌いだった梅雨が、君といる間だけは好きでいられた。
TVで梅雨入りのニュースが流れると、リビングにいる者全員で誕生日の歌を合唱するのが、毎年この時期だけの家族のしきたりだ。
(ずっとそれで育ってきたもんで、よその家ではニュースを見ながら急に歌い出さないのが一般的らしいと気付いたときはちょっとビックリした)
Happy birthday to you,
Happy birthday dear こうめちゃん
Happy birthday to you!
うちの小梅ちゃんはもう随分なおばあちゃん犬ながら元気いっぱいにご飯も散歩も毎日満喫してる。ただ、天気の悪い日だけは絶対に散歩拒否で、リビングのクッションに丸まって一歩も動かない。
そんなとき、父はわしわしと小梅を撫でながらいつも「小梅のおうちはここだよ」と優しく話しかける。
昔々。長雨で増水した河川敷からびしょ濡れの子犬を拾ってきたのは母で、「梅雨にやって来たから小梅だ」ってざっくりと命名したのが父。
翌年に、正確な誕生日は分からないから梅雨が来たら祝うことと決めて以来、今、20回目のファミリーミュージカルを小梅ちゃんは尻尾ふりふり鑑賞中というわけだ。
わりと上手な三声合唱をBGMに、我が家の茶色い天使は眠そうな目をしている。最後は露骨に欠伸もしたが、つまりアルファ波が出るほど癒されてくれていると好意的に解釈したい。
今年はあっという間に猛暑が来そうって予報も出てたから、晴れたらまたいっぱいお散歩しようね。
************
梅雨
************
所感:
♪はっぴばーすでー つーゆー
梅雨
ジメジメ…
やだなー。。
それでなくても気分がさえないのに…
梅雨が終わったら大嫌いな夏……
まったくもってテンションあがらんな。。
なんかテンション上がることしないと!
滅入ってしまう。。。
窓の外は、
外に出るにはあまりにも恐ろしい色をしていた。
しかし一体私はこれがどんな色だったら、
外に出るのを許しただろうか。
果てない青が広がっていたとしても、
日差しが私を見透かしていたとしても、
私はすっかり負けてしまって、
きっとこの世界から出なかっただろう。
この雨で、
全て流れて、
全て壊れて、
気付かぬ間に、
私も流れてしまえばいいのに。
気がついたらこんな思いが巡り、
そしてまた私をここに引き止める。
「梅雨」
『梅雨』
ママに買ってもらった
お気に入りの
傘と長靴
雨が降るのを
楽しみにしてたのに
まさか
あんたの
薄汚い血で
汚されるなんてね
でも まあいいわ
天気予報は
梅雨入りだって
運良く 雨も降ってきたし
だいたい あんたみたいな
幸薄そうな女
彼には不似合いなのよ
少し優しくしただけで
親友面して バカじゃない
ようやく彼は私のもの
あんたが着るはずだった
ウェディングドレスは
私が代わりに着てあげる
大丈夫よ バレやしないわ
だって私達
親も見分けがつかないくらい
そっくりな双子でしょ
それじゃ バイバイ
お姉ちゃん
『梅雨』
しとしと降る雨、その色は何色だろうか。
雨って不思議だね。その時の気持ちによって
様々な音に聞こえる。
雨の日は嫌いだけど、
雨の音は好き。
雨は、まるで自然が奏でるオーケストラだ。
そして、地球の涙でもある。
ねぇ。君は何色の雨が好き?
もうすぐ梅雨がやってくる。
「梅雨」
どっかのバンドマンが言ってた。
止まない雨は確かにないけど、
曇らない空もないじゃん。と。
からっとしない、
どんよりした日々が続くこの季節は、
大声で笑うことが減った、
たくさんのモヤモヤで溢れる私の心みたい。
しとしと、しとしと。
強がってばかりの私の代わりに
泣いてくれてありがとう。
#7
バトン
降り続く雨が止んだら
そこは夏だ
もうそれだけで。
※梅雨
お題『梅雨』
書庫で一冊読み終えて気がついた。窓を雨粒がノックしている。時計を見れば午後3時を回ろうとしていた。
アフタヌーンティーの用意をするために階段を降り、庭に目を向ければ庭師のアモンが摘んだばかりらしい紫陽花を片手にして小走りに駆けてくるのが見える。
「あ、フェネスさん」
俺に気づいたアモンはヘラっと笑ってみせた。彼はいつも、どの季節でも最高の花を育ててはこの古びた屋敷を彩ってくれる。
「お疲れ様。その紫陽花はもしかしなくても」
「ええ、主様の部屋に飾るっすよ。もちろんシッティングルームと玄関ホールにも」
よく気が利くなぁ。……それに比べて、俺なんて本を読むことぐらいしか取り柄がなくて……。
いつものマイナス思考に陥っていると、玄関の向こうにパカラパカラと馬の蹄の歩む音が聞こえてきた。どうやら主様が街からお戻りになられたらしい。
いけない。俺がしょげていたら主様に心配される——そう思うよりも早く扉が開いた。
「ただいまー!」
軽やかなソプラノが雨空に差し込む光のようにホールに響いた。
「おかえりなさいませ、主様」
タタタっと俺に駆け寄るなり両手を伸ばしてくる。ねだられるがままに腕に抱え上げれば幼い主様はくふくふと笑った。
「フェネス、またへこんでたでしょ?」
「え! いや、そんなこ」
俺の言葉を遮るかのように、唇にふわりと柔らかな感触。
「元気になれるおまじないなんだって。カタツムリを探していたら公園にいたおにいさんとおねえさんが教えてくれたの」
えー、と。俺、今、主様と……!?
「い、いけません! 主様、このおまじないは他の人にはしないでください!」
背後から「ふーん」と何か言いたそうな声がして、そういえばアモンもいたことを思い出した。
「フェネスさんって独占欲が強いタイプだったんっすね」
「えっ? いや、これはそういう意味じゃなくて」
言葉を続けようとすれば、
「それってどういういみ?」
と首を捻る主様。
「主様をひとりじめしたいって意味っすよ」
持っていた紫陽花をひと枝、主様の耳元に挿したついでにその白い頬にキスをする。
「俺はこれで我慢するっす。フェネスさん、これは貸しっすからね」
それじゃ、と言って屋敷の奥に引っ込むアモンに手を振ると主様はまたくふくふ笑う。
「フェネスは私をひとりじめしたいのね。でもね」
口元を手で覆うと俺の耳に寄せてきた。
「私もフェネスをひとりじめしたいから、りょーおもい、なの」
そしてまたくふくふ笑う。それは梅雨空に差し込んだ日差しのように俺の頬を赤くさせた。
『梅雨』
こちらの地域は、明日、梅雨入りの予報らしい。
南の方は、もう梅雨入りしてますね。
雨は嫌いだけど、雨音は好き。
他に何も浮かばないので、詩を作ります。
『あまおと』
真っ暗どんより どこまでも
今にも落ちそな 黒い空
しとしと続くよ いつまでも
静かな雨音 初夏の音
悲しみ纏う雨音は
波紋残して消えてゆく
泣けないあの子のなみだの音を
代わりに奏でる雨の音
悲しむあの子の心に落ちて
笑顔が戻るその日まで
しとしと続くよ いつまでも
静かな雨音 優しい歌よ
少年は泣いた。そうすると、空も泣いた。
この時期になると少年は泣いてばかりいた。
少年の家族が亡くなったのもこの時期だった。
今日も少年は遥か遠い、雲の上で涙を零すのだ。
───そんな少年の雨は、とても悲しい味がした。
お題【 梅雨 】