『桜散る』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
桜散る
ピンク色の花びらがひらひらと舞い落ちる
そのただ中に立ち尽くす君
まるでピンク色の雨を浴びるように
上を見上げて花びらが当たるに任せている
君はただ静かに泣いていた
散っていく桜と同じように
君の想いも散っていったのだろうか
今はただ悲しくて悲しくて苦しい
花は散って後には何も残らない
だけど一年経てばまた花開くよ
散ってしまった君の笑顔も
一年経てばまた満開になるよ
桜の雨が降る。
払うこともせずただ歩き続ければ、体中桜まみれになっていた。
「桜染めですか?」
「いや、面倒なだけ」
「そうでしたか」
適当に腰掛ければ、蜻蛉切が手を止め隣に来た。
結うには短く、梳くにも半端な長さだが、彼には関係ないらしい。
「髪も綺麗だ……黒に薄紅がよく映えますな」
「そう?」
「しかし、掃除するのも大変ですから、ここで梳いておきましょう」
櫛を片手に楽しそうにしている。彼が私に危害を加えることはないから、好きにさせていた。
絡まることもなく通り抜ける感覚。服についた分も落としてもらった。
「主、終わりました」
「ありがと」
いつもの武人らしい顔つきとは違い、穏やかな顔をしていた。
「……じっとしてて」
もみあげに紛れ込んだ花びらを摘む。
突然のことに彼の頬は熱に染まっていた。
目を合わせまいと必死に取り繕う姿が珍しくて、口角が上がった。
「蜻蛉切、大丈夫?」
「は、はい……まさか、主から触れられるとは思わず」
触れられた部分が今更になって熱くなる。
暦の上では春は終わるというが、ここだけは始まる予感がする。
「桜散る」
友達とお花見しようと
思ったのに。
あっという間に
桜が散ってしまった
来年こそは
みんなでお花見しよう
#6『桜散る』
新しい若葉と半分散った桜の木を見て
「桜餅みたいで好き」
そんな君が、やっぱり好き
桜散る
川に浮かぶ桜の花びらが、魚のウロコのようだった。
それが長くなっていくと、龍のように見えだした。
散った後さえも、この花はこうして人の心を動かす。私が喉から手が出るほど欲した才能だ。
まだ空白のページが何枚もあるスケッチブックを持つ手に少し力が入った。
――諦めたはずなのに、夢の残り火が未だに燻って消えてくれない。
日々家
そんな時期に君と出会ったから、僕の中で桜のイメージは君になった。
桜散る
家の前に桜の木がある
とても綺麗だ
ずっと眺めていたい
少し淋しいけどまた来年ね
…と、浸ってもいられない
花びらの掃除だ
頑張らなくては!
春風の中散る桜に雪を想う 花吹雪
冬の青空から舞う雪に花を想う 風花
目前の光景に
遠い季節を恋しく重ねる
「桜散る」
#394
桜散る
桜散る季節
今年もこの季節がやってきた
満開の桜のように
今年も元気に過ごせますように
来年も満開の桜が見られますように
今年も満開の桜みたいに 一年間頑張ろう
『桜散る』
白魚のような腕が桜の木から覗いていた。
その日は気温差のせいか体がだるくて学校を早退した。入学したばかりなのに、と足元に広がる桜のじゅうたんをぼうっと見ながら家に向かった。
「こんな時間に人が通るなんて珍しい」
凛とした声に目線を上げると腕が見えた。
もう熱が出始めたのかと思って目をこする。
「私が見えるなんてもっと珍しい。ねえ、貴方名前は? 暇で退屈なの。お喋りしましょ」
顔色の悪さを指摘され、少し眉をひそめると腕はころころと笑って言った。
「見える子なんて久しぶり。心配するなんてもっと久しぶり。ねえ人の子、目を閉じて。貴方にまとう悪い気はすべて私が連れていってあげる」
腕の近く、桜の根もとまで行っても腕の先は見えなかった。木に寄りかかって座ると大人しく目をつむる。
一際強い風が吹いた。
それから少しの間眠っていたらしい。
目を覚ますと腕は消え、熱っぽさも明日の学校への不安もなくなっていた。
その代わり体じゅうに上から散ってきた桜の花びらがついていた。
あの腕は一体なんだったんだろうか。
『桜散る』💛
憧れの人。
お別れの日に想いを告げた。
結果は…ね、
私の想いは儚く消えてゆく。
”ありがとう”
桜咲く季節。
次会うときは笑顔で会えるように。
幼少期の何気ない体験は
少しずつ倫理観の方位磁針を狂わせていく
そうして、同じ国に産まれながらにも
遣る瀬のない異邦人は増えていく
サクラチル
今年もありがとう
来年もよろしくね
桜散る_____
葉桜は好きですか?
私は嫌いです。
枝から桜が咲く時は「彩られた」、そう感じることができるのに、桜が葉に変わっていく時は「侵食されていく」、そう感じてしまう。
どこかで自分まで葉に埋もれてしまいそうで怖くなる。
桜が散るのは綺麗だとおもう。
好きだ。
でも桜が散り始めれば葉が出るということ。
ならば散らなくていいよ。
あなたと桜を見る最後のチャンスは桜の遅咲きのせいで何事もなく過ぎ去った。
別の場所から見てたのかな、なんて考えたりして。
< yu ・ i >
【桜散る】
桜はね、春からの贈り物なんだ。
だから、桜の花は散るんじゃなくて、降ってくる。春を祝福して降ってくるから、あんなにきれいなんだ。
そうでないと、こんなにも嬉しいのに、泣きたくなる理由が見つからないじゃないか。
桜が散るの早すぎてもっと桜を楽しみたいのにすぐ散って悲しい
どこから飛んできたのかわからない桜の花弁がひとひら
ひらひらふわふわと揺れるそれが視界に入った瞬間
パンッ!「あー!!!またとれなかった…」
この年になっても変わらず桜の花びらを取るのに必死って…
でも、そんな帰り道に胸の辺りがなんかキュッとした
桜は散るから美しい。わびさびの心。東山文化!
ひらひら散る桜の下で今日もわたし達は笑ってる
桜散る姿は美しさと物悲しさがある
それもまた桜の魅力なのだろう
桜を見ながら、また一緒にここに来ようと約束したあの人
今は誰と桜を見ているだろうか?
そんな過去を振り返らせる桜吹雪
朝、綺麗だな、帰りはゆっくり歩いて帰ろうか、と素早くまぶたの裏に納めて通りすぎた桜並木は、夕方、すっかり花びらを落としてしまっていた。こんなことなら、遅刻覚悟でじっくり眺めておけばよかった。雨さえ降らなかったらな。春のいちばん美しい瞬間は、いつだって瞬きするよりもはやく過ぎ去ってしまう。天使がこぼした羽根みたいな、柔らかな桜のじゅうたんを踏みつけながら歩く度、弱くじくん、と心臓が跳ねた。
桜散る
桜が散るのは美しい。
新しい1年が始まる
桜のように美しく生きられますように
そしてまた次の桜が見れますように