『桜散る』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「桜散る」
さぁーーと
あっと言う間だった
ピンクのヴェールは
優しさの余韻一つ
残さずに
私の目の前から消えて
あとに残るのは葉のみ
これから実が実るのかしら
この桜の木に
途端に
興味が失せてしまった
やはり咲いてたほうが
美しいのだ
桜も
女も
桜の木に背を向けて
歩きだす
散って
果実を実らせなかった
女は去らなければ
次の春に向けて
歩きださなければ
桜散って
余韻などに浸る間もなく
桜散る
桜は咲き乱れ、そして散っていく。
まるで人間の若さのようだ。
一生懸命に咲いて、あっという間に
青春は過ぎていく。
青春、それは人生の春。
人生の春というからには、
満開になるまで頑張りたい。
でも、思ったように花開かなくても
無駄なんてことはない。
花びらが散ってしまっても、
また次の春を待とうじゃないか。
桜散る
桜が散るのは、一瞬。
いざこざな人間関係も一瞬で終わればいいのに、
そうしたら、自分もみんなも幸せになるに違いない。
#22 桜散る
季節の移ろいに境目はなくて
新しい季節はだんだんと
ひとつずつ明らかになっていく
だけど、桜の季節だけは
そんなふうにはできていない
まだサイズの合わない制服姿で
降りしきる桜の雨に打たれるがままのぼくは
初めて、別れというものを知る
遠くに行ったきみへ
何を言えばよかったのだろう
黒塗りの誘拐犯の後ろ姿を
眼鏡の奥、ただ青に光る瞳に焼き付けて
無力なままに立ちすくんだ
桜の終わりは、季節の終わり
桜の終わりは、きみとの終わり
満開の桜を見に行こうと
毎年思っているのに。
気づいたら散ってる。
まだ、桜で感動するのは先って事?
見るまで死ねないじゃん。
#桜散る
誰もが花の種を持っていると、中学の先生は言っていた。
誰もが可能性の塊であり、桜のつぼみであり。
「君たちだけの花を咲かせることが、これからの人生の課題です」と。
桜の花が咲きかけた卒業式の日、涙ぐみながら私は先生の話を聞いていた。
あれから数年後。
私は、私だけの花を咲かそうと努力した。
美術大学に入るため、何枚絵を描いたかわからない。
私は必ず自分の桜を咲かせるのだと、手を止めることなく描き続けた。
桜が咲きかけた合格発表の日。
私の桜は、散ってしまった。
桜散る
ずっと一緒にいた。
楽しい時も悲しい時も。
当たり前のように続いてた。
しかし、幸せは終わる。
それは、分かってはいた。
桜散る頃、やってきた。
桜は苦手だ
青空に映える桜も
夜空に映える桜も
雪に添う桜も
雨に耐える桜も
散って舞う桜も
水面に浮かぶ桜も
地面に着いた桜も
踏みつけられた桜も
儚いくせに
ずっと綺麗だから
寿命が尽きても
ずっと綺麗だから
その鮮やかな桜色が
私の目には眩しいから
あなたの美しさには
敵わないんだ
見蕩れてしまって
切ないんだよ
桜が散る季節
それは私が
上を向いて歩ける季節。
_ ₂₈
『桜散る』
ひらりひらりと舞う花びらは美しい。
儚いからこその、美しさだと思う。
夜桜になると、その美しさは妖艶になる。
桜散るように、儚く美しい人生にしたいものだ。
(儚さとは無縁に生きてますけど)
桜が咲く時季にだけ現れるあの人に会うために、南から北へ旅をする。「君も難儀な人だね。よりにもよって私だなんて」と笑うだけで決して突き放しはしない、優しくて残酷な人。
「そう思うのなら、連れていってちょうだいよ」
「それは困ったなあ」
彼の通った直後に桜が咲き、彼がその土地から離れると散っていく。
桜の季節しか会えないあなたとの一年に一度の逢瀬。この旅が昨年より一日でも長く続くようにと祈りながら、終わりを知らないふりをして歩いていく。
【桜散る】
【桜散る】
あ、桜。
綺麗だな…
花見、今年はできるかな、できないかな。
もうすぐ散っちゃうな
今度誘ってみようかな
早めに言わなきゃ散っちゃう!
―――そんなことを言ってる間に桜は散っていった
「葉桜になるくらいに見に行こう」
なんて戯言を信じたせいだろう。
その戯言を思い出して誘った頃には
桜は散り、藤の花が見頃を迎えていた。
あーあ、来年もそうなのかな、
「学校で桜見た?じゃあ花見しなくていい?」
って言うけどさ
ただ桜が見たいだけじゃないんだよ…
一緒に桜を見て話しながら団子とか食べて
笑いたかった、
贅沢、かな…
最後に花見したの、いつだっけ、、
――――忙しいもんね、しょうがない…よね
「桜散る」
儚い淡い桜色
水面に落つる小さな花弁
春一番に舞い散る一時の桜
【桜散る】
桜舞い散る中
花筏と朧月に酔いしれたあの頃を思い出す。
美しい景色とともに閉じ込めた記憶。
季節が巡ればこの景色との再会は叶うのに
君の笑顔を見ることも
君の声を聞くことも、もうできない。
あの頃に僕の魂は置き去りにされていて
もう思い出せない君の温もりと香りに
恋しさが積もり積もって狂いそうだ。
君がいないこと以外何も変わらないはずなのに
それだけで世界が霞んで見えるよ。
『桜散る』4/17→『春爛漫』4/10
雨が降りそうだな、窓の外を見て思う。
灰色に覆われて、青が一切見えない。
そんな、空模様
午後からお花見予定なのに憂鬱
まぁ、私は飲み食い遊べればいいんだけど
「ッそうだ!」
ホウキとチリトリを持ち、外へ駆け出す。
そして、集められるだけ桜の花を回収していく。
次に空き教室に接着剤を塗って────
放課後になり、外からは雨音が聞こえてくる。
それに混じって、廊下から足音が聞こえる。
「今日のお花見だけど───」
教室の扉が開き、
何か喋ろうとしてたけど知らん!
私は、集めた桜を教室一杯に撒き散らす!
「見てよ、桜だよ!」
教室一杯に溢れる桜の花を見て、
君は「綺麗だね」笑って言った。
☆
追記 教室の片付けが大変だったのは、
言うまでもない
あぁ、散っちゃったねぇ。
桜綺麗だったな。
来年もまた見ようね。って君と言ってたのになぁ、、
私の恋も散っちゃったよ。ははっ、、
なんも上手くないこの感じに、空笑いして
頬に流れた涙を拭く。
来年のことはわからないけれど、
桜は見に来よう。
——ふわっ——
(おっ、、)
暖かい春の風が私の背中を押してくれた気がした。
はらはらと舞い散る
桜の花と一緒に
こころの花びらを
一枚
春風に
そっと
運んでもらいましょう
お元気ですか と
あのひとの胸元まで
# 桜散る (109)
桜散る
桜散る頃
本当に好きだった人と桜を見に行った帰りに別れました。
もう昔むかしの事です。
その人に出会うために生まれてきたんだと本気で思っていました。
隣りにいるだけで幸せだった。
こんな私がいたんだって思わせてくれた彼。
別れは悲しい事だったけど、心から好きになった人に出会わせてもらえた事に今一度ありがとうと言いたいです。
桜散る悲しくも温かい思い出です。
#桜散る
マンションから一歩出て僅かに上へ視線を移す。それは毎日の習慣となっていた。視界には艶やかな新緑が広がっている。
「あー、もう葉桜になっちゃった」
一度周囲を見渡して人通りがないことを確認してから足を止め、再び視線を持ち上げた。少し強まった日差しに目を細めながら、青々と茂った葉をじっくりと眺める。光が葉に当たってきらきらと輝いて見えた。ちょっと前まで儚げな花びらがはらはらと舞っていたのが嘘のような光景だった。
人がいないのを良いことに視線を上げたまま、葉桜を眺めて歩き出す。
「さて、今日もお仕事頑張ろうかな」
自分自身に言い聞かせるように口にすると、途端に言葉通りに気合が入ったような気がした。今日の現場は一緒だから、そのときにでも今見ている綺麗な葉桜の話をしよう。そう考えると更に足取りも軽くなった。
言葉に力があるというのは本当のことだよね、と自らの様子に納得して駅へと向かって歩く。ふわりと風が吹き抜け、まだ残っていた淡い紅色が宙を舞いながらその背を見送っていた。
誰もが魅了された
ピンク色のアイドル
夏の風がふけば
誰もが踏みにじって醜くなるのね
桜散る
桜散る
花びらは踏まれ変色し
いつしか雨に流されてゆく
晴れ空を見上げれば新緑の季節へ