柔らかい雨』の作文集

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柔らかい雨』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

11/7/2024, 12:02:19 AM

雨が降る中、傘もささずにアイスキャンディを齧る。
 晴れわたる青空と穏やかな降雨は、ちぐはぐで。


「――目を凝らしたら、雫のかたちが見えそうな雨」

 それが、君がこの天気を好む理由。
 初めてそれを聞いたときの、ロマンチストな表情をする君の横顔に伝う、細やかな雫が目に焼き付いている。
 

「…………」

 この雨は、世界から音を取りあげる。
 意気地のない僕が君に愛を囁くには最悪の気候だった。

「…………」

 目の前にいる君の乾いた唇が、ほんのわずか開かれた。
 僕と同じ口の動きをしたのではないかという見立ては、未練がましい僕の妄想かもしれない。


 僕を差し置いて、どこの狐に嫁いだというのだ君は。
 そう文句のひとつでも言ってやりたいような。

 僕の決意が遅かったのか、君の歩みが早かったのか。
 それは未だに分からないままで。


 淡く架かる虹と代わるように、君の輪郭がぼやける。

 困るのだ。君はいつも奔放で、いつの間にか姿を消す。
 まだ伝えたいことが、山ほどあるのに――。


 半分も手つかずのアイスキャンディが、滑り落ちた。
 咄嗟に掴んだ手に伝わる冷ややかな刺激で、我に返る。

 僕の頬を流れるのは、ありふれた涙ではない。
 悲恋にあえぐ雫は、とうに枯れてしまった。

 美しく、そして憎い。
 それはあの日と同じ、柔らかい雨。

  2024/11/06【柔らかい雨】

11/7/2024, 12:01:30 AM

『柔らかい雨』

柔らかい雨が降ると、そこらじゅうから匂いがする。
アスファルトが濡れた匂い、土が濡れた匂い、雑草が濡れた匂い。
家の中にいても、それらの匂いを感ずると「雨が降ってきたんだ。」とわかる。
しかし、最近は柔らかい雨が降らなくなった。
いきなり降る雨は直ぐに豪雨となり、匂いが発する瞬間さえ与えない。
雨の音が怖くなった気さえ、するのである。

11/7/2024, 12:01:05 AM

最後の電車が役目を終え車庫に戻るとき
私も帰路に着く。

時計の短針はてっぺんに上っていた。
重くなった足をなんとか動かし、階段を登る。
一番端にあるかわいい我が家の扉を開け、明かりを着ける。
そこは本当に人が住んでいるのか疑うくらい生活感の無い部屋。
良く言えばモデルルームのような部屋だ。

家へ帰ったら絶対に座らないことにしている。
座ったら体が重りのようになり、立てなくなってしまう。
フラフラになりながらスーツを掛け、風呂場へ直行する。
この季節だと服を脱ぎたくなくなる。

冷えた浴室を温めて自分も温かい雨を浴びる。
身体包む雨。
それは心地よく疲れをとってくれる。
柔らかい雨。





柔らかい雨 2024.11.7

11/6/2024, 11:46:30 PM

お題『柔らかい雨』

 湯船につかるのが面倒な時、シャワーだけですませることがある。
 ただ、寒がりなのでわりと長時間シャワーを体にあてる。自分が心地良いと思う温度に設定して柔らかくてあたたかい雨を自分にあてるのだ。

「ぬわぁ、生き返るぅ」

 こういう温かい水を当ててる時間も至福のひと時である。

11/6/2024, 11:46:00 PM

ドアを明けたら
貴方が立ってた

私は思わず
抱きついた

抱きしめてくれる
貴方は凄く冷たくて

粉雪がヒラヒラと
降って
貴方と私を白く
染める

会えた喜び
会えなかった
寂しさで

私は胸の中で
泣いた

11/6/2024, 11:44:56 PM

届かない気持ちに思いを馳せて

この黒い気持ちに対して落ちるのは柔らかい雨

もっといっぱい降ってしまって

この嫌な気持ちごと流してほしいのに

こんなんじゃ何も流れていかない

優しくされる方が涙が止まらないのよ


#柔らかい雨

11/6/2024, 11:41:43 PM

小学生の頃、学校のプールに入っている途中で雨が降ってきたことがあったけれど、水面に波紋を作っていく雨を見て妙に心を惹かれた。それは土とかコンクリートを打ち付けるような獰猛な雨とは違って、水面と雨粒が優しく触れ合うような、どこか柔らかさのある雨だった。

11/6/2024, 11:32:14 PM

柔らかい雨

わかんないよ、先生。
デーンと鍵盤を仰々しく押し込む。ため息が出てきた。

譜読みから1週間、さらっと頭から最後まで弾きこなせるようになってきた所だ。
ショパン前奏曲第15番《雨だれ》
今回言い渡された課題曲だ。
難易度自体は優しめだからね、と先生も笑っていた。
問題点は表現だ。

君の雨だれはなんていうか、ゲリラ豪雨だね。と先生はにこやかに切り捨ててくれた。
悔しい。

弾き始めを軽くさらう。
テンポはゆったりと、和音の音が部屋の隅々まで響き渡るように。柔らかい雨が地面に降り注ぐように。

一回だけ、お手本で先生が弾いてくれたのを思い出しながら弾く。
あのぴかぴか光る雨粒のように。
私の弾く雨の音を探す。

11/6/2024, 11:23:25 PM

柔らかい雨が空から舞い降りる

柔らかい雨が大地に降り注ぐ

柔らかい雨が大海に舞い降りる

柔らかい雨が頬を伝う

柔らかい雨があなたにも降り注ぐ

柔らかい雨はぼくらをいつまでもつつみこむ

11/6/2024, 11:23:15 PM

題 柔らかい雨

ポツリ、ポツリ、、

あ、春雨・・・

春に降る雨は柔らかいと思う。

私はさぁぁっと降る細かい、本当に細かい線のような雨を見上げた。

優しい色の淡い空に、細かい白い線が舞い降りる。

髪や顔に当たっても、その感触はソフトで全然嫌じゃない。

優しさを含んで降り注いでいるようで

道の真ん中で雨が降る空をただ見ているなんて、完全に変な人なんだけど。

それでも降ってくる淡い柔らかさを感じたい。

春雨が好きだ。

春は優しい季節だから、降る雨も優しいのかな、とふと思った。

11/6/2024, 11:21:27 PM

あ も、サイテー
い …
あ いっつもそう
い …
あ 私何かしたかな…
い あっても良いよ
あ ?
い こんな時も…ね
あ ……もっと降れ…

『柔らかい雨』

11/6/2024, 11:20:58 PM

天気雨 舞う夕暮れ
金色に染まる山里……

薄雲の切れ間から
光のカーテンが 降り注ぐ
振り向いた東の山麓に
七色の橋が 架かると
神々しい光に包まれた
きつねの嫁入りが
七色の橋を渡りだす

やがて、その行列は
七色の橋と共に
霞んでいった

柔らかい雨が
静かに
里山を 包む……


      
     #柔らかい雨 729

11/6/2024, 11:20:17 PM

気づいたら真っ白な世界に居た。

小さな子供と手を繋いで。

僕の手を引いて小さな子供は歩き出す。

まるでここに何回も来ているような

道案内の人のような。

どこに向かうのか分からないのに

不思議と気分は落ち着いていた。

子供は僕が知っているような知らないような曲の

鼻歌を歌っていた。

僕と子供は言葉を交わさなかった。

それが心地よくて正解だって思った。

歩いていくうちに遠くから聞こえる音に気がついた。

泣き声から始まって笑い声、怒り声と

聞こえてくる音は小さなはずなのに

強いエコーがかかっているようで僕の頭に響いた。

なんだか胸が苦しくなって涙がこみ上げてきて

僕は立ち止まった。

でもそれを子供は許してくれなかった。

「いくよ」と言うように手を引っ張る子供は

さっきよりも強く手を握ってくれていた。

「大丈夫」とでも言うように。


また少し進んでいくと扉に着いた。

扉を開けると今までと変わらない部屋があったが

そこには雨も降っていた。

また子供が先導して歩く。

しとしと降る雨は僕たちを避けているようで

濡れることは無かった。

少し歩くと子供は僕の手を離し走り出した。

ふと前を向くと白いワンピースを着た人が居た。

飛びつく子供を抱きとめる姿に

僕は昔の母を思い重ねた。

その瞬間頭に流れる思い出

「僕がパパの代わりにママの王子様になるよ!!」

「ふふっ、嬉しい。
でもいいのよ貴方は本当に好きな人と結ばれなさい。」

「え〜ママのこと好きなのに?」

「じゃあママよりももっと好きになれた人が現れるまでママの王子様になってくれる?」

「うん!!僕が王子様だよ!!」

懐かしい元気な母と僕の思い出。

最近では体調を崩しがちの母の元気な時の記憶。

最近ではもう長くないかもしれないと言われたのが

僕は悲しくて

母はそんなの分かっていたみたいな顔してて

だから僕の恋人を紹介したんだ。

喜んでくれ笑顔になってくれって思って。

この子供は僕で女の人は僕の母だ。

子供は母に手を振って僕をまた連れて歩く。

また扉を開けた。

今度は僕の背中を押して

子供は僕を真っ直ぐに見て扉を閉めた。

優しくてみんなを好きって顔してたなんて思いながら

ひとり部屋を歩く。

ここも雨が降っていた。

今度は僕も濡れた。

不思議と雨は冷たくなくて

柔らかい雨の中をずっと歩く。

また母に会えたら

沢山の「ありがとう」を伝えないと





─────『柔らかい雨』

11/6/2024, 11:10:37 PM

ポツポツと雨が降ってきた。
そんな激しい雨ではないけど傘をさした。
いつもの道を歩いていると。
クラスの好きな女子が居た。
その子はみんなから良くは言われないけど。
僕はその子に傘を差し出した。
そっと彼女の肩を寄せ傘に入らせた。
好きな子と相合傘して帰った。

柔らかい雨

11/6/2024, 11:10:19 PM

今朝は少し早く家を出たせいか、
柔らかな雨の中、泉のほとりにたたずむ五頭の鹿を見たのでした。



(あの山にあんなに鹿がいて、お山はだいじょうぶかな。と心配になったりもする。)



「柔らかい雨」

11/6/2024, 11:09:38 PM

『柔らかい雨』

晴天‥気持ちいい

ポトン‥雨?天泣?柔らかいぞ

見上げれば鳥さんが‥

運をありがとう

11/6/2024, 11:03:10 PM

柔らかい雨

最近、橋の側にお地蔵様が建てられた。膝下ぐらいの高さのお地蔵様。表面がツルツルしている。石の種類というよりは、研磨具合が理由だろう。表情はにっこり。かわいい。

誰が建てたのかはしらない。町で建てたのか、神社なのか、近所の小金持ちなのか。まあ誰でもいい。たぶん、川の事故がないように、との安全祈願だろう。ありがたや、ありがたや。

お地蔵様に手を合わせてはいけない、という話を聞いた記憶があるので、手は合わせずに軽く会釈して通り過ぎる。


ある日。 スーパーで買い物した帰り道。

お菓子だらけのビニール袋を手にぶら下げ、のんびり歩き出すと、雨が降り出してきた。と言っても細かい雨。シャワーミストみたいな柔らかい雨。空は青々と晴れている。傘の出番はないな。

橋の近くまできた。

お地蔵様に屋根は無いので、雨は直接当たっている。

おお。

思わず声が出た。

ツルツルの表面のツルツルおでこ。雨の雫に陽の光が反射して光っている。

ありがたや、ありがたや。

手を合わせる代わりに、ハンカチでおでこを拭いてあげた。

にっこり。

こちらもにっこり。

11/6/2024, 10:56:03 PM

「しね」
朝、学校に登校すると、今日も机に黒く濃く書かれていた。教室の後方からクスクスと嗤い声が聞こえる。嗤い声を聴きながら、劣等感と羞恥心と、よく分からない感情を抱えて、それを消しゴムで消す。
2時間目に外を眺めていると、雨が降ってきた。今日は朝の天気予報を見て、傘を持ってきている。良かった、少しだけ嬉しい気持ちになった。
3時間目までの授業の合間、トイレに行ったため、少しだけ席を外した。教室に戻る時、玄関付近できゃあきゃあと嗤い声がしていた。
昼休み、1人で弁当を食べようとすると、横から伸びてくる手があった。それは弁当などには興味を示さず、机の引き出しに躊躇なく突っ込み、1冊のノートを乱雑に引き出した。「数学」とだけ表紙に書かれているノートを見て、そいつはニヤッと口角を上げ、「これ貰ってくね〜」と言って去っていった。拒否する暇も与えてくれなかった。
私が弁当を食べ終わった頃にそいつらはまた来た。
「プレゼントがあるよぉ〜」不気味な笑みを浮かべながらそいつは言った。中庭の池に行くように言われた。大体予想はついていた。私が池に向かうと、鯉たちが優雅に泳ぐ中に四角い何かが浮いていた。それは私の数学ノートだった。池の中心に浮いていたため、私は地に這いつくばって、袖を池の水で濡らしながらノートを手繰り寄せた。その間中、3階の窓から覗く彼女達の嗤い声が中庭全体に響きわたっていた。そのノートには、「しね」「ブス」「キモい」などの暴言が鉛筆やマジックで大きく書かれていた。それをタオルで包み、鞄に入れた。
学校が終わった。予報通り、外はまだ規則的な雨が降り続けていた。玄関で靴を履き替え、傘立てを見て悟った。朝確かにさしたはずの傘がなかった。数メートル先の雨の中から嗤い声が聞こえる。顔を上げるとやっぱり彼女たちが私の傘をさして歩いていくのが見えた。追う気にもならなかった。私はあらゆる全てのことをとうの昔に諦めていた。今日唯一幸せだった出来事も今、不幸に変化した。家まで20分程、雨に打たれる決意をし、私は帰路へと踏み出した。
雨の中へ入った私は、予想外のことに戸惑い、足を止めた。雨というのはこんなにも柔らかいのだろうか。私は天から落ちる銃弾の雨に当たりに行くような想像をしていたのだ。雨は私に優しかった。優しく伝って流れ落ちていく。視界が揺れて、目に溜まった液体が溢れ、零れる。
この世界は、少なくとも私の生きる世界よりは、優しく生ぬるかった。


11.6 柔らかい雨

11/6/2024, 10:50:41 PM

柔らかい雨

失恋。大好きな先輩に嫌われてしまった。告白した訳では無いのに、先輩の態度でわかってしまったのだ。避けられたり目も合わなかったりと踏んだり蹴ったりの日々が通り過ぎていく。私には柔らかい雨が打ち付けそれがもう私を包み込むのだ。そっと、優しく、

11/6/2024, 10:41:11 PM

〜柔らかい雨〜
私の涙を包み込んでくれるような
柔らかい雨が降ってきた
暖かくて
冷えきった心も温められていく
世界が全員敵なら
今の私はどう生きていくのだろう
優しい雨と差し込んだ光
1番近くに居た仲間
そう全てを受け入れた瞬間
全て間違いではなかったと知った瞬間
私は生きていける
そう思った
敵か味方すら分からない世界でも
自分のことを信じれる
それが何よりの味方で
自分のこと愛してる
それが何よりの勝利なのだ

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