『柔らかい雨』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
誰かの声が聴こえる。
真っ暗闇の中で、私を呼ぶ声が…
「…おい、聞こえてんだろマネ女…!テメェがこんな所でへばる訳ねーだろ…」
「勝っちゃん…」
「おい…爆豪」
「うるせぇ!!!…おい、戻ってこいよ…頼むから…」
声だけ鮮明に聞こえて…勝己の声がガンガンに頭を揺さぶるように響く…眠いのに、これじゃ寝てられないじゃないか。
『…っさいなぁ…静かに死なせてもくれないのかよ…ばかつき…』
「…!!!目が覚めた!?轟くん、勝っちゃん!!俺リカバリーガール呼びに行ってくるね!!」
目も完全にあかないし、痛みで今でも気絶しそうだ。
手は…ある、足もある。ただ、全身が鉛のように重たくて顔もまともに動かなかった。
「…無事でよかった」
『…私どうなってんの?』
轟くんに尋ねると、少し悲しそうな顔をしながら
私がヴィランに操られていたことを話した。
ヴィランに関してはすぐ捕まえられたが、操られていた私はオート操縦で、手に負えなかったらしい。
で、身動きを封じるために重症を負わせたとかなんとか。
『まぁそういうことなら…いいんじゃない?』
「おめーは……ほんっとにクソバカだな」
『はぁ??』
「…起きて苦しそうなのにへらへらしてんなバカ」
『すごいバカバカ言うじゃん』
「……生きてて、よかった…ほんと」
『……ごめんね、心配かけて』
「……ん……」
前回の続き
マイケルと一杯飲んで来た
素直にこの前何を話したか覚えてない、
連絡先を交換するのも好きではないのに何でしたのか…?と私
大した話しはしてないよ、
それに連絡先を教えてと言ったのは僕だと彼は言った
年は彼の方が上だった
英語が話せない私は翻訳アプリを使いながら会話した
って言っても分からない単語は遺伝子的何とかと、科学的何とかぐらいだったけど
彼が携帯を使う時に見えた、ふと見えた待受
それは小学生くらいの男の子だった
〝何だ、既婚で子持ちかよー
面倒くせぇなぁ…〟
〝あなたの子ども?〟
〝そうだよ〟
私はそれ以上の事は何も聞かなかった
好きな場所、好きな食べ物がたまたま同じだったから、
話は弾んだ方だと思う
年も違うし、生まれた国も、話す言語も違うのに、
好きな物が同じと言う事で話すのは何とかなるものだなぁ…
彼はよく話してくれた
と、言うかアジアの男性と違って見た目や年の話しは一切しないし、マイケルの国の人はいつも先に私の意見を聞いてくれる人が多い
その点は素直に嬉しい
どう言う流れだったか忘れたけど、
僕たちは離れて暮らしている
子どもは妻といる
もっと正確に言うと離婚して、妻ではなく元妻だと言うマイケルの話しになった
あぁ、だからほとんど休みなく(子どものために)働いてんのかと理解した
他にも聞いたけど、
男女の関係にどちらかだけが悪いと言う事は殆どないと思っているので、全てを信じる事はできないけど
でも聞いた話しだけだと、ひっでー話しだった
何ならマイケルもこう言う結果になった理由が、未だに分かってなさそうだった
マイケルに対して、正直何の感情もない
ただ、楽だ
緊張もしなければ、構える事もない
何なら見た目は全くタイプではない
やっぱり見た目だと、今でも断然一目惚れの彼がいい
彼の前では少し緊張するけど
まぁ飲んだ時間が楽しくなければ、もう連絡はないだろうと思っていたが、普通に連絡は来た
何なら手料理作ってくれるみたい
もう恋を何年もしてないせいか、
恋の始まりも
人を好きになる方法も、
自分の感情も忘れた
柔らかい雨を見つめながら、
マイケルって何で連絡して来るんだろうなぁと思う今日この頃
いつも出会って一カ月で好きになるか、ならないかが決まって来たから、今回は違うのかもなぁ…
「柔らかい雨」
片方の靴が側溝から見つかり
傘立ての傘が折られ
たった一人の友が遠ざかり
野良猫から威嚇され
どういう顔で家のドアをくぐればよいのか
途方に暮れる
ああ どうか 雨よ
あなたさえ優しくあってくれたなら
あなたさえ私の頬の涙をかくして
あなたさえ柔らかく髪を撫で下ろし
私が真っ直ぐに前を向く
その道しるべとなってくれたなら
あなたがそうあってくれるのなら
私は顔を上げて歩けるだろう
「柔らかい雨」
「出来ること、出来ないこと」
失敗しても絶望しないで
やり直しに回数制限は無いんだよ
そう思うのは簡単な事じゃ無い
でも仕方ないんだそう思う以外に人間に出来ることなんてないじゃ無いか
ねえ、失敗した貴方を一番蔑んでるのは誰?
鏡に映る貴方
貴方を乗り越えるのは簡単じゃ無い
でも出来ない事じゃ無いんだ
「これでいいんだ。」
そう自分に言い聞かせて俺は姿を消した。
知っている。
本気で向かいあってくれていたことを。
わかっている。
その事実に甘んじて自身が逃げていたことも。
慰めなのかなんなのか、
柔らかい雨が自身を濡らしていた。
231106 柔らかい雨
果たしてトタンかプラスチックかの屋根がついた縁側からの音を寝起きに聞けた日はどうしてかあったかくて溶けてしまいそうです。
柔らかい雨
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空から鳥の羽のような
ふわふわとした雨が降っていた
当たっても痛くないし
当たった感覚もあまりないくらい
柔らかな雨だった
とても珍しい雨
僕は目を光らせて
無我夢中で空を眺めていた
干していた部屋着のことなんて頭の中から吹き飛んでいた
雨が柔らかいなんて一度も思ったことがない。
ただ柔らかい雨と聞いて思いついたのは、雨は人のようだと言うことだ。
人を輝かせる雨もあれば、人を殺す雨もある、
いずれも何粒の雨が束になって。広い宇宙から見れば、私達は雨と同じなのかもしれない。
柔らかな雨
タンポポの綿毛のような雨が
ゆっくりと音もなく舞い降り
そっと地面に雨布団をかけた
楽しい時
雨が降ったら
ちょっと
残念。
せっかくの
予定
変更かな。
ちょっと行くの
面倒になってきたな。
悲しい時
雨が降ったら
ちょっと
心強い。
空だって
泣いちゃう時が
あるんだよ。
このまま
一緒に
泣いちゃお。
#柔らかい雨
お日様の照った日が続いている。地面はカラカラで、風が吹けば砂埃が舞い上がった。
細やかな雨が柔くさわさわと降り出した。力ない雨粒も後から後から重なれば、やがて乾いた地面を湿らせてゆく。
おお、やっときた。恵の雨っていうやつね。
結構喉も体もカラカラだったのよ。
のっそりと殻の中から身を出して、葉っぱの屋根から外へ出た。
うん、このくらいが丁度いい。
うっとりと久しぶりの雨に浸っていたら、ドシンドシンと地面が揺れた。
ワンと鳴く毛むくじゃらのイヌと、ぎゃーと泣くふにゃっとしたニンゲンが飛び跳ねている。
「ワン!ワン!」
「あめ!あめ!」
雨が嬉しいのは同じみたいだけど、跳ねるのは勘弁して欲しい。
しっとりと雨を愛でる情緒というものはないのかしら。まったく、踏み潰されそうで留まってもいられやしない。
仕方なくまた葉っぱの屋根へ戻っていく。
「でーんでん?」
「ワン!ワン!」
ニンゲンの指が殻を掴んで持ち上げた。
ああ、折角の雨だというのに。
ため息をついて、再び殻の中に閉じこもった。
#5 2023/11/6 『柔らかい雨』
ぼくは昨日きみにいちばんすきな映画をみせた、きみが何も言わずにただ泣いてくれて、ただよかった。あらゆるひかりに照らし出されて、きみのほおの雨が、朝をため込んだ川面のようにまたたき、きみを存在させる輪郭が危うくなる神秘的な瞬間が、またよかった。
柔らかい雨
いつからか、降り出したそれは止む気配もなく.
サアァッと静かに音をたてた。
小さく透明な粒が優しく弾けて消えていく。
…あぁ、このまま消えてしまいたい。
この身体ごと絵の具みたいに溶けてしまえたら。
そんなことを思うのは、虹になりぞこなった、僕たちだけかもしれないな。
春雨は、柔らかい雨だと思う。
秋雨は冷たい雨。
猫のひたいに
ひとしずく
小春日和の天気雨
#柔らかい雨
雨が降る中、今日も部活の練習に励む君。君を見ているだけでどんなに強い雨でも、柔らかい雨になるんだなぁ……
過去の私を
その雨で遥か未来へ運んでおくれ
いつかの私に会うその日へ
柔らかい雨じゃ力不足だ
君を引き止める理由になり得ない
僕はいつだって何かのせいにして
枕を濡らしてきた
水溜まりを避けたはずが泥はね
今じゃみっともないこんな様
やっぱり
やっぱり僕じゃ君の隣は役不足だ
触れたら、温かいのかな。
きっと、穏やかなんだろうな。
たぶん、困ってるかもしれない。
もしくは、嬉しいのかな?
”柔らかい雨”って、何となく浮かぶのは、
大好きな人の涙だったりするんだよね。
柔らかい雨