束の間の休息』の作文集

Open App

束の間の休息』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

10/9/2022, 9:58:21 AM

ほんの少しでも休みたい

心に空いた空洞を埋める何かが欲しかった
悲しくないのに涙が出てしまうのは
自分の弱さと思いながら
前だけを見て生きるのはすごく難しくて
私は今日も大きな箱に閉じこもる

その箱は安全で安心で
居心地がいいものであった

周りは皆
楽をしている
逃げている と言うだろう

けれどそんな生き方があってもいいと思う
だから私は"逃げ"も"楽"も全てを愛して
最初で最後の一日を生きていく

10/9/2022, 9:36:56 AM

明日あなたが目覚めるときに
私が隣に居れますように

あなたの穏やかな寝顔を包む
明るい日差しがありますように

目覚めたあなたが最初に見るのが
やさしい世界でありますように

そんなあなたが微笑みかける
相手が私でありますように

10/9/2022, 9:00:45 AM

5時に起きて
準備して
6時半には身支度整って
朝ご飯
子供達起こして
8時に家事
8時半から15分
やっと朝のブレイクタイム

大好きなコーヒーと
ぼーっとタイム

リセットしなきゃ
毎日こんなのやってらんない

コーヒーの香りで
気持ちがホッとする
ほんの少しだけど
必要な時間

さて、仕事に行きますか!

10/9/2022, 8:52:02 AM

もういやだ

休みたい

でも

休めるのは

ほんの少しだけなんだ

何もかも放り出してしまいたい

10/9/2022, 8:47:14 AM

「 …はぁ。 」
何度目だろうか。こうやッて溜息をつき、誰もいない駅のホームで独り静寂を噛み締めているのは。
始まりは、あの会社に入ッたところからだ。最初は上司も優しく、後輩ですらも分からないところを聞けば、丁寧に教えてくれていた。
だが、そんな時間は長くは続かなかッた。
研修生としての研究が終わり、いざその会社に入社して正社員になると、皆の態度が一気に変わッた。
冷たくなる…というより、無視されているという感覚が近いのかもしれない。
誰に何を聞いても「 自分で考えて。 」「 それぐらい分かるだろ。正社員なのにそれも分かんないのかよ。 」「 先輩な分からないことを、私が分かるわけないですよ。 」…。冷たく突き返され、もう二度と聞くなというオーラを醸し出される。
それでも会社は行き続けた。どんなに邪険に扱われても、どんなに冷たくあしらわれても、我慢強く行き続けた。
そんなある日のこと。その日は自分のキャパを遥かに超える膨大な仕事を任せられてしまッたため、残業して帰ッた。家族などはいない。恋愛など、あの会社では許されていなかッた。
電車通勤のため、残業があるとほぼ終電に乗ッて帰ることも少なくない。終電を逃すこともザラにある。
今日はいつもより少し早く終わッたので、終電は乗れるはずだ。久しぶりの帰宅に胸を躍らせながら、改札を通り、ホームへ降りた。
しかし、一歩遅かッたようだ。自分がホームに降り立ッた時、既に電車は発車していた。
私は呆然と電車の尻を見送る。
虚しさと悔しさと疲れで、私はホームの椅子にふらッと腰掛けた。
線路を挟んで向かい側には、高層ビルの立ち並ぶ都会の街並みが広がっている。
こういうビルが立つせいで、空が狭くなッていくという話を、どこかで聞いたことがある気がする。
テレビの情報番組か何かだッただろうか。よく思い出せない。
そういえば、最近テレビを見ていないな。働くのに忙しくて、スマホですら会社用のしか使えていない。
そんなふうに考え始めて、ふと思ッた。
何だか、ここは安心する。
すごく安心できて、落ち着く。
そう気がついた日から、終電を逃した日にはこうやッて駅のホームで自分を仕事から解放し、様々なことに思いを馳せるようにしていた。
今日ここへ来たのも、残業のせいで終電を逃してしまッたからだ。
それにしても、全く家に帰れないと、流石に寂しくなッてくる。
仲良くしていたご近所さんと顔を合わせていないな。隣に住んでいる母娘は元気かな。よくうちのベランダに遊びに来ていた猫のマロンは元気かな。
そんなことを考えていたら、自然と涙が出てきた。
自分はどうしてこんな生活になッてしまッたのだろう。何故あんな会社に入ッてしまッたのだろう。
後悔の念ばかりが、自分に襲いかかッてくる。
もう、死んでしまいたい。
自分がいなくなッたッて、あの会社にはいくらでも優秀な代わりの人間がいる。人一人くらい退社したッて。死んだッて。
その時だッた。
右側から突然強風が吹いてきて、私のジャケットを揺らした。
何だ?と思ッて顔を上げてみると、そこには綺麗な夜空のような色をした車体を持つ電車が停まッていた。
「 電、車…? 」
もう終電はとうの昔に過ぎたはずである。今まではこんな時間に電車なんて来なかッたのに。
すると今度はアナウンスが流れ始めた。
「 この電車は0:00ちょうど発、特急ヨミ行になります。ご乗車になッてお待ちください。 」
私が咄嗟に腕時計を確認すると、今は23:58。もうすぐ発車らしい。
ヨミ…というのはよく分からないが、とりあえず電車が来たのは嬉しいことだ。早速乗ッて家に帰ろう。
頬に張り付いた涙を拭いながら、私は電車に乗り込んだ。
車内は車体と違い、いつものごくごく普通の座席が並んでいた。
私は近くの角席に腰掛けると、窓の外を眺める。
ビル以外は何も見えないが、今思うとビルもネオンな感じで、夜空に華々しく映えている。
少し眠ろうか。
そう思ッて目を瞑ると、丁度電車の扉が閉まり、発車し始めた。
いつも乗ッている電車とは少し違ッて、大きな揺れも少ないし、まるでゆりかごの中で寝ている気分になる。
心地がいい。
私は電車で目的地に着くまでの、束の間の休息を貪るように眠ッた。

「 …ん? 」
ふと目を覚ますと、まだ電車の中だッた。
かたんことんと優しく揺れる、夜空色の電車の中。
「 やッと起きた。 」
その声にばッと顔を上げると、通路を挟んで向かい側の席に女の子が一人、座ッていた。
黒いワンピースに、薄い青のカーディガン。スカートは星が散りばめられた、さしずめ夜空のような色をしている。
「 君は…? 」
私がそう問いかけると、女の子は焦げ茶色の瞳をこちらに向けて、「 ミヨ。ミカノミヨ。 」と名乗る。
漢字を聞くと、彼女は胸元のポケットからメモ帳とペンを取り出すと、「 三ヶ野美代 」と几帳面な字で書いて見せてくれた。
「 おじさんは? 」
私は通勤鞄から名刺を取り出すと、彼女に差し出した。
彼女は私の名刺を見ると、「 じゃあ紺野さんッて呼ぶわね。 」と呼び名を決定した。
「 君は…どこから乗ッてきたの? 」
私の問いに、彼女は愚問だと言いたげにこちらを見る。
「 それを聞いてどうするの? 」
逆に質問されてしまう。私は言葉に詰まッた。
彼女はそんな私を見ると、細い足を組みながら私に問いかけた。
「 紺野さんッて○‪×会社に勤めてるのね。楽しい? 」
思いがけない質問に、私は曖昧な表情をして「 まぁ… 」と答える。
すると、彼女は眉ひとつも動かさずに、再び言葉を重ねた。
「 なら、どうして死にたいの? 」
彼女の問いに、私ははッと目を見開いた。
死にたい。
それは私が先程の駅のホームでぽつりと思ッたことである。
口に出してすらいないのに、どうして。
「 辛いんでしょ?辞めたいんでしょ?苦しいんでしょ?救ッて欲しいんでしょ? 」
彼女の怒涛の言葉責めに、私は少々面食らッた。
だが、彼女の言ッている言葉は私の思ッていることだッた。
辛い。辞めたい。苦しい。助けて。
何度そう思ッただろう。
何度そう願ッただろう。
涙が溢れそうだッた。
「 はい… 」
辛うじてか細い声が出た。彼女が動いて衣擦れする音が微かに聞こえる。
「 この電車は、死にたいという強い思いを持つ者だけが、乗ることの出来る特急黄泉行よ。 」
死にたい、強い思い、特急黄泉行。その言葉が意味するのは、自分は恐らく今一番死に近いということ。
「 そう、ですか…。 」
乾いた返事しか出てこなくて、それを聞いた彼女は眉をひそめた。
「 信じてないでしょ。 」
彼女の拗ねたような言葉に、私は慌てて首を振る。
「 そんなこと…!ただ…何で自分なんだろうッて。 」
私の呟きに、彼女はあからさまにため息をついた。
「 別に貴方のところだけにこの電車が来るわけじゃないのよ。勘違いしないで。 」
ぴしゃッと冷たい声でそう告げられると、私は首を縮めた。
「 それで…。死ぬ?生きる? 」
唐突な究極の質問に、私は動揺する。
「 へ…? 」
「 早く決めて。 」
彼女の急かす声に、私は少し考え込んだ。
今生きていたッてしょうがない。ならば、死一択である。
「 …死にます。 」
私の言葉に、彼女は少し目を開くと、ぎゅッと眉を寄せた。
「 後悔しない? 」
彼女の最終確認に、私は力強く頷く。
後悔しない。絶対に。
それを見ると、彼女は少し目を伏せて私に言葉を投げる。
「 じゃあ、黄泉行ね。いい夜空の旅を。 」
私は彼女にお礼を言うと、ふと上を見上げた。
その瞬間、私の身体は鳥肌に包まれた。
壮大な星々が群青色の空に散ッている。どこまでも永遠に続いているかのような、美しい星空。
思わず見とれてしまッた。
世の中には、こんなに美しい景色があるのか。
「 貴方は、優秀よ。 」
彼女の声のする方に目をやると、彼女も同じく空を見上げていた。
「 あんなブラック企業で働くような珠じゃない。もッと良い会社が必ずある。諦めなければ、見つかるかもしれない。 」
でも、と彼女は空から視線を逸らす。
「 それを綺麗事と捉える人の方が多い。貴方もきッとそう。それでも苦しい。死にたいッて思うはず。だから… 」
彼女の焦げ茶色の瞳が、星色に光ッた。
「 今晩…いえ、今世は、この電車でゆッくりしていて。そして、いつかまた生きてみたいと思うようになるまで、自分を慰めてあげて。 」
自分の視界がぼやけるのが分かる。泣いているのだと咄嗟に思ッた。
そしてぷちん、と耐えきれなくなッた雫が、瞳から零れ落ちる。
そうやッて視界がクリアになッた時、彼女は既にいなくなッていた。
彼女の座ッていた席は、車体と同じ、吸い込まれるような青色に染まッていた。

10/9/2022, 8:41:41 AM

束の間の休息

予定のない土曜日。いつもより遅く起きて
布団の柔らかさを堪能する。
朝食をしっかり用意してゆったりと食べる。
仕事頑張らなきゃいけない平日に比べて静かな時間が流れていく。この感覚に身も心も休まる。

10/9/2022, 8:23:00 AM

「束の間の休息」
その渡り鳥の群れが現れたせいで、町はちょっしたパニック状態になった。

時空わたりと呼ばれるその鳥たちは、数十年から数百年に一度やってくる。(この前目撃されたのは49年前だったそうだ。)
鳥たちは、なんの前触れもなく突然、高空から雪が降るように現れ、群れになって数週間あたりを飛び回った後、唐突に姿を消す。

この鳥たちは時間と空間を渡って旅しているのだという。
専門家の計算によれば、今回は6万年ほど過去から渡って来たらしいというのだが、どういう計算でそんなことがわかるのか見当もつかない。

私が住む町は、鳥たちの降下地点に近かったため、マスコミが殺到した。ヘリコプターやドローンが飛び交って一時は騒然としたが、私たちの生活に特に影響があるわけではない。最初のうちは、よく知っている場所がテレビに映ったり、友達がインタビューされたりして興奮したが、それも2、3日すると飽きてしまった。
鳥たちは群れになったり、散り散りになったりしながらただ空を飛び回っているだけだ。1羽がだいたいツバメくらいの大きさだから、キラキラした白いものが空を行きかっているのが時々目に入るくらいで、慣れてしまえば、気にもならない。

日々の暮らしに追われる私はすぐに興味を失ってしまったが、小学生の娘は時空わたりに夢中になった。「けんきゅうノート」に今日は何羽鳥を見かけたかを記録し、鳥の絵をスケッチし、鳥たちの次の行き先を予測する長い長い高エネルギー方程式を書き写した。

「次は250年後の世界に飛んで行くかもしれないんだって」
娘はそう教えてくれた。
「へえ、250年後にこの町がどうなってるか見にいくんだ」
「ちがうってば!」娘はあきれて言った。鳥たちは時間だけでなく空間も移動するから、次もこの町に現れるわけではない。次に行くところが地球である確率はとても低い。

「鳥たちは太陽フレアのような非常に高温な環境や、絶対零度に近い環境にいることがほとんどです。なぜ地球のような場所を時々訪れるのかは謎ですが、もしかしたら、穏やかな環境で束の間の休息を得ているのかもしれません」
娘はインターネットから書き写した文章を得意げに読み上げた。
「なんでわざわざそんな厳しい場所にばっかりいくんだろね」
私がそう言うと娘はまた呆れた顔をした。
「宇宙のほとんどは、すごく暑いかすごく寒いかなんだよ。地球みたいなところは珍しいの! なんにも知らないんだね」
私は、首をすくめながら外を見た。
綺麗な夕焼けの中を、例の渡鳥たちが長い列を作って飛んでいる。
そうか休息に来ているのか。ゆっくりできるといいね、と思った。

私は一度だけ、時空わたりを近くで見た。
朝食をとっていると、娘があっと声をあげて、ベランダに飛び出した。
白い鳥が1羽、ベランダの手すりに乗っている。鳥、と呼ばれているがなんとなく折り紙の鶴のようで生き物という感じがしない。一応頭のようなものはあるが、目やクチバシははっきりわからない。白いが、真っ白というわけではない。少し背景が透けているように思える。角度によって、シャボン玉みたいな光沢が見える。
最初は手すりに止まっていると思ったのだが、正確には手すりの数センチ上の空中に静止している。
私はベランダのガラス戸に手をかけたまま近づく気になれなかったが、娘は足音をたてないようにじりじりと歩みよって行く。蝶でも取るみたいにそっと両手を鳥に伸ばす。どうなるかと眺めていたが、私はあることに気づいてぎょっとした。鳥の近くまで行った娘の足がベランダの床から浮いている。2、3センチ浮いたまま吸い寄せられるように鳥に近づいていく。

「やだ!」
私は叫んで、ベランダに飛び出し、娘を抱えて引き戻した。
抱えた瞬間、全く重さを感じなかったが、一歩下がると急に重くなって、私と娘は部屋の中に転がりこんだ。
したたかに打った腰をさすりながら立ち上がると、鳥はもういなかった。

翌日、渡鳥たちはすっかりいなくなった。
明け方、一ヶ所に集まった鳥たちは、登り出した太陽を背景に巨大な輪をえがいて周りはじめた。どんどんスピードをあげながら回る輪は虹色に輝いて、それは見事だったというが、寝坊をした我が家は、その光景をテレビで見るしかなかった。
光る輪は、やがて本当の虹のように薄くなっていき、やがて見えなくなった。
鳥たちが消えるのと一緒にかなりの数の人間が失踪したとも聞いたが、本当のところはわからない。時空わたりが人を「引いていく」という言い伝えは昔からある。

我が家のベランダに来たあの鳥は、小さな羽のようなものを残していった。羽といっても小さな正三角形のセロファンの破片みたいなものだ。鳥がいたのと同じ場所、ベランダの手すりの3センチほど上に浮いている。棒でつついても手応えがなく、すり抜けてしまう。勇気を出して手でつまもうとしたが、映像のようにただそこにあるだけでさわれない。風が吹いてもピクリともしない。
市役所に連絡してみたが、教育委員会の職員が来て、写真を撮り、何かノートにメモしただけで帰ってしまった。
「これ、どうしましょう?」
「あぁ、ほっといて構いません」
と職員は答えた。あまり珍しいものでもないらしい。

私も最初は気になったが、今では構わず、上から布団を干したりしている。娘は時空わたりが羽を残していったのが自慢で今でも友達が来るたびに見せている。

(この羽が、きっとのちにとんでもない事態を引き起こすのだけれど、何が起きるかはまだ考えつきません、、、)

10/9/2022, 7:43:25 AM

束の間の休息

朝の散歩から帰って郵便受けを開けると、ダイレクトメールの中に混じって一枚の葉書を見つけた。
差し出し人は見なくたって分かる。
こんなインターネットが普及した時代で、わざわざ手書きで送ってくる人なんて限られてるもの。
相も変わらずこのスタイルを貫いていることに、吐息が漏れた。
あの人が旅立ってからどれくらい経っただろう。

家に入ると、手を洗い、キッチンへ向かう。
水を汲んで、薬を飲んだ。帰宅後のいつものルーティン。もうすっかり習慣になっている。
戸棚から紅茶を入れるためのセットを取り出した。
ティーカップは紅茶が趣味な私にあの人が贈ってくれたものだ。
緑色の線がさりげなく縁取られた先に四つ葉のマークが可愛らしいカップ。
あの人がこんな可愛らしいカップを選んでいるのを想像すると、あまりに似合わなくて笑ってしまう。

ほどよい温度で沸かしたお湯をポットに注ぎ、良い感じになるまでしばらく蒸らす。
そのうちにお茶請けのお菓子を用意だ。
今朝焼いたスコーンとジャムをお皿へ、ポットとカップも一緒お盆に乗せた。
今日はお天気がいいから、庭へ出ようかしら。

ほっとひと息ついて、紅茶を注ぎ入れた。
いい香り。私は味も好きだけれど、紅茶の香りが大好き。
ゆっくりと息を吸うと身体中に暖かみが巡ってゆく。
この瞬間が至福のときだ。
充分に香りを楽しんだ後、ひと口飲んだ。
今日も上手く淹れられた気がする。

テーブルの上に置いた葉書を手に取った。
丁寧とは言えない字で文字が綴られているのをひと文字ひと文字、丁寧に読んでいく。
裏面にはどこかの国だか、地域の風景が写されてるポストカードで、あの人が今ここにいるんだと分かった。

昔から好奇心が旺盛で、興味を持ったらなんでも、どこへでも行ってしまう。自分の好きなことのために、まっすぐに進んで行ける人。
旅人の居場所は分からないから、彼が会いにくるのをいつも待っているだけだったけれど、気まぐれな彼の話しを聞くのが私の楽しみで、いつの間にか私は心惹かれていった。
ふらふらと世界を歩きまわる彼だったから、特別な人はいなかった。
しばられるのが窮屈に感じると言っていて、それが彼らしくて笑ってしまったのをよく覚えている。
特別になれなくても、彼と話せるだけで私のこころは満たさせていたから、充分だった。
そんな彼だから、私たちはお互いの連絡先も知らない。自分から話すわけでもなく、私もあえて聞かなかった。
自由を好む彼が、一度だけ私の住所を聞いてきたことがあった。
それまでは相手に対しても踏み込まなかったのに。
何の気まぐれかだったのか。
私の住所を聞いた次の日、彼はまたふらっと旅に出た。
どこに行ってくるなんて言わなかったけれど、風の知らせとでも言うのかしら、行ったのだろうと不思議とそう感じた。

それからだ、葉書が届くようになったのは。
知らない地名の住所から届く手紙。短い文章と、その土地の美しい景色を一緒に運んできた。
名前は書かれていなかったけれど、すぐに彼だと分かった。
私の住所が変わったらどうするのだろうといつも思う。
でも、私の方がここを離れられないのかもしれない。
どこにいるのか分からない彼を想いながら、不定期に届くその葉書を、私はとても楽しみに待っている。

葉書を読み終えると、庭を眺めながらティータイムを楽しんだ。
その後も、読み終えた葉書を手にとって何度も見てしまう。

『会いたいな…』

つい、独り言のように葉書に呟いた。
親しい関係でもないのに、欲張りかしら…。

ガタン。
物音に顔をあげると、そこには私が待ち望んでいた人が立っていた。
 
『やあ、久しぶりだね』

人懐っこい笑顔が全然変わっていない。

『え、どうして…』

驚いて、思わず椅子から立つ。

『ついさっき戻ってきたんだ。久しぶりに会いたいと思ってね』

『そう……上がって!お茶でも飲んでいかない?』

私は慌てて玄関先へ回って彼を迎え入れた。

『座ってて、今、お茶を…』

『そんなに慌てなくても大丈夫だよ。僕がやるから…』

『私がやりたいの、貴方は座ってて!』

飲んでいたポットを手に取り、キッチンへ向かった。
新しい紅茶と、四葉のカップを用意した。

湯を沸かしている間、窓の方を見ると彼がゆったりと何かを読んでいた。
その姿にハッとして私は頭を押さえる。
私ったら、葉書を出しっぱなしにして。
恥ずかしさが込み上げてくる。
でも、なにか暖かいものがこころに広がった。

『ありがとう』

庭に戻ると、彼は紅茶をひと口飲んだ。

『そうだこれ、ちゃんと届いてたんだ』

『うん、いつも読んでるよ』

良かった、と彼は頬を緩めてカップを口に運んだ。

『旅人さん、今度はどこを旅してきたの?』

努めて冷静に私がそう訊ねると、彼はにこにこしながら話し出す。
私はそれを静かに聞く。

きっとまた、どこかへ行ってしまうんでしょう。
それまで、束の間の休息をここで。

10/9/2022, 7:36:38 AM

疲れなのか、ストレスなのか。身体が重い。
身体に行き渡っていない酸素を取り入れるために、大きく息を吸って吐く。ただそれだけのことで、少し身体が軽くなったような気がする。

束の間の休息

キーボードに乗る指を、私は再び動かし始めた。

10/9/2022, 7:20:28 AM

布団の中
閉じ込めた心が 溢れないように
泣かせないように あたためていた
小さな雨音が 僕の代弁者になってくれるような
気がしてた

扉の向こう側とか
線路の向こう側にさ いる君とかさ
分かってない 分かってないのに
どこかなにかを 想って また 忘れていく

気慣れた制服だとか
聞き慣れたチャイムでも
ただ どこか 分からないでいるままで
誰かの声がノイズみたいに
溺れていくミミズの耳鳴りが ずっと聞こえている

もしも、そのまま座っていたとしたら
私は元気でいられたのかな
もしも声を出せたとしたらさ
そこにいて
僕が太陽を嫌うこともなかったって
言えるのかな

蝶蝶結びのやり方 分からなかった時
僕は何も知らない でも笑えてたような気がしたな

縄の結び方 知ってしまった時
誰もいなかったような気がした

夕方で 緑色で 青色で 草臥れた制服はカビていた
それもどこか 私の心を侵食するみたいに
何を問いかけても 誰も、
知らないフリをしていたみたいに

荒事だって 違う誰かがすると和事になる
私が花を掴むと それは直ぐに死に至る
それは誰だって同じだと
気づいたのは生まれた頃からだった。

何かを問題にしていた
何かを問題にして ワークを解いているの
私は ステージを間違えたみたいに
この世界にゲームオーバーもなくて
スタートも求めてはいなかった

嘲笑っても 虐めても 殺しても
お前は 何をしても許されて
称えられていたらしい
なにができるの?
じゃあ あなたにいったい なにができたの?
なにがしたいのか 自分でも分からないんだろう?

それは小さな
それは 所在地、住所、言葉
名前がなければ だれも 覚えてはいなかったから
死角も 嗅覚も 考えることも
小さなあたたかみも
うみだせないことが 苦しくてつまらないって
そんなことも 何もない場所で

10/9/2022, 6:07:20 AM

コーヒーの香りが鼻腔に広がる。頭ではまだ仕事の事を考えている。休むことに罪悪感があるんだろうか。ゴクリと一口飲むと体が温かくなった。
誰かに証明しなくてはいけない。僕が善良で普通の一般市民であることを。
コーヒーはすぐに空になった。
定型文で、コピペしたような言葉が毎日降ってくる。
疲れ眼をトントン、苦しみさえもコピペである。
さあ、午後も頑張りましょう…


[束の間の休息]

10/9/2022, 6:00:28 AM

ビニール風情の破片無しには
歩くことすらままならない
遺伝子に顎で使われた
肉体の末路てところだろうか
彼らを後世にはこぶための
入れ物に過ぎない僕たちだろうか、

10/9/2022, 5:37:03 AM

2人で、ウィンドウショッピングに出かけた。
そこには、夢が溢れていた。
冬は、家にいたい。きっと、楽しい冬になりそう。
2人には、観光地で記念日を祝うのが主流だったが、まさか、10年後以降の記念日で通用しなくなりそうで。2人で、やりたいこと100枚書いたことがあった。いろんなこと書いてたが、残念にも、プラネタリウムが休館してるし、冬は、物足りない。
2人の趣味は、?スポーツかな?(笑)
悩んでるけど、クリスマスは、お揃いのセーター着て、ケーキが食べたい❤️カラオケも、盛り上がりそう。10年後、2人は、何してるだろう?
素敵な物語書いてるか、やりたいこと見返してるか、あなたの顔が浮かぶ。…温泉に行きたいな🎵
そんな日を夢見て、写真を選んでいた。
オリジナル・ムービー、期待が、膨らむ。
彼と幸せに。

10/9/2022, 4:04:22 AM

ペンを置いて、疲れ気味になっていた目を揉む。
電子化が進んだ現代においても、答案用紙の採点はアナログだ。見渡せば、自分以外にも何人かの先生が採点をしている様子が目に入った。
折角だから周りにもコーヒーを淹れようと立ち上がる。
いつかAIが採点もやってくれると良いのだけど。

10/9/2022, 3:28:57 AM

今日は旦那の弟さんの家に行って来たよ 猫🐱可愛いいなぁ 欲しくなる 動物癒しだよなぁ  癒やしほしい! 何でも話できる友だちほしい

10/9/2022, 3:16:18 AM

嘘だと言ってほしい。
全部私がいけなかったんだよね?
LINE送るのを昨年しなかったから。
相手は追いかけてほしかったんだと想った。
僕を必要としてほしいと言いたかったんだよね?
私はまた恋を諦めなければいけないのかな?(;>_<;)

10/9/2022, 2:32:32 AM

毎日全力疾走して息が切れて
深呼吸して落ち着かせる。
それの繰り返し。

#束の間の休息

10/9/2022, 2:04:16 AM

夏の超繁忙期をなんとか乗りきった

体重は夏前より5キロ減

この3日間は、本格的に忙しくなる前の

束の間の休息

よし、月曜日と火曜日は1人でのんびりするぞ

と思ったのに

月曜日は祭日…家族みんないるじゃないか

ご飯の準備、洗濯物…

あー、火曜日は温泉かな

10/9/2022, 1:59:59 AM

お題では書けそうにないので、今日はお題から離れます。


自分の好きな事、子供の頃に好きだった事が少しずつ見えてきた。

自分が何がやりたいのか?ワクワクすることはなに?
問いかけてみても、全然浮かばなかった。

やりたい事をやるなんて「ワガママ」
母親なら、子供を優先すべき、
いろんな制限の蓋が重りになっていて、どんなに考えても思い浮かばなかった。

それが最近少しだけ重い蓋が動き始めたのか、
あー私、こんな事が好きだったよなーなんて事を思い出すようになった。

何かをじーっと観察するのが好きだった。
子供らしく「なんで?どうして?」とか聞くのではなくで、無言で集中して観察してる。
そんな時間がワクワクしてたなー

植物が、土の中から芽を出す時🌱
芽に押し上げられた土がちょっとだけ割れて、ここから出てくるんだと、ワクワクしたり感動したり。
そんなのを見つけると、わぁ凄いすごいってずっと見ていたかった。


料理をする叔母の様子を毎日毎日じっと見ていたり。
見られてる叔母はやりづらかっただろうなと、今は思うけど…

そんな,ちっぽけなワクワクポイントを思い出せるようになって、私ってそういう子だったんだな、今も結構そういうところあるかも?なんて思ったりしてる今日この頃。

ほんの少しだけ動いた心の蓋の隙間から、ちょっとずつ私の本質が見え隠れしている。

10/9/2022, 1:50:19 AM

眠い。朝日が登っている。
5時半。窓を開ける。
冷たいなあ。
昨日の暗さがよみがえる。
冷たいなあ。
ふと思い返してはあてもなくとめどなく漂う。

冷たいなあ。


-束の間の休息-

Next