『月夜』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
昨日、受験勉強がうまくいかなかった塾の帰り道、最寄りの駅には楽しそうに笑う同級生くらいの子たちがたくさんいた。
多分もう進路が確定してるんだと思う。
まだ受験が終わってないことを誰とはなしに言うと、大体珍しいねとか、俺はもう私立の推薦決まってるから春休みくそ長いんだよね笑みたいな聞いてもない、それこそくそしょうもない答えが返ってくる。
渦巻くこのもやもやをうまく形容できる言葉が見つからないけれど私は性格が良くないので、大学受験で辛さを味わうことがなかった人間は後々、大きな苦労をすればいいのになんていうことくらいしか願えなかった。
昨日は満月だったそう。
足元ばかりみていたせいで夜道は歩いたはずなのに月を見ることは無かった。
帰宅後、辛い現実を通り過ぎないと綺麗なものには触れられないのか、なんてまた捻くれながら見上げた月夜は相変わらず綺麗だった。
月夜
夜の帳、静寂の世界に漂う白い月。
反響する私の鼓動、時間の砂。
木霊す生命の幻惑、魂のセッション。
今日が遠く彼方の水平線へと歩いていく。
ゆっくり
ゆっくりと。
まるでまだ今日を終わらせたくないように。
月が輝きを放つのを恐れているように。
アスファルトの水溜まりに映し出された月。
ベランダに誰かの気配を感じる。
きっと私を監視しているのだろう。
窓から吹き込む風に揺られたカーテンの隙間から星が散らばるのが見える。
私は深い眠りの世界へ落ちていく…
そこは廃墟だろうか?
忘却の世界だろうか?
地獄だろうか?
ユートピアだろうか。
そこが悪夢の入り口だとしても。
私は歩いていく。
歩いていく…
愁月
遮る闇に
光放ち
翳る刻に
煌めき
哀しげに嗤い
儚げに覗かせ
美しさと切なさの
混じり合う
美麗の神秘
煌やかせた月宵は
何を見つめ
雫を堕とし
鮮やかに縁取る…?
幾千の刻の中で
幾億の星の中で
触れられそうで
手を翳して掌に
遙か彼方
口付け交わして
刹那風に吹かれ
夢現の終わりを
何時迄も輝かせ
「刻ト共ニ…」
月夜
空を見上げたら、満月だった。
いつも以上に、綺麗に輝いていた。
SNSで見たけど、猫と満月の写真がよかったです!
月夜
「月が綺麗だね」
「え?」
「ん?」
「あ、いやなんでもない」
最近読んだ本でそんな告白言葉を見たからつい勘ぐってしまった…。昔の人はおしゃれな言葉で告白するんだなと印象深く残っている。貴方がそれを知っているかなんて自分にはわからないのに、心の底で少し期待してしまった。
それは自分が貴方に気があるからだろう。いつの間にか抱いたこの気持ち、伝える事もせず自分の中でずっと渦巻いている。
貴方の隣に居たい気持ちと、貴方の隣よりももっと先のどんな時も傍に居たいという気持ち。伝えた事で離れてしまうかもしれないという恐怖。色んな感情が心の中でぐちゃぐちゃになっている。
そんな気持ちを抱えながらも貴方の隣は居心地が良く、全て忘れて笑ったり怒ったりしてしまう。やっぱり貴方が好きだ。
そういえば最近読んだ本は誰に貸してもらったものだっけか…記憶を手繰り寄せる。あれ…?ハッと思い出す、その本を貸してくれたのは目の前にいる貴方だ。読んでみてと渡された…確かに、そう。慌てて貴方を見ると、月を眺めていた。その姿があまりにも綺麗で一瞬声を掛けるのを躊躇うほどだったが、今がチャンスなんだと思うと貴方の手を取っていた。
驚いた貴方の表情に可愛さを思わせながらも、何も言葉を用意をしていなかった自分は咄嗟に
「月が綺麗ですね」
今日が月が綺麗な夜でよかった。
月夜に私の元に現れた兎娘の『月島 餡仔(つきしま あんこ)』という、アルビノ系の美少女。年は、十歳だそう。
「あの。なんて呼べばいいのでしょうか?」
餡仔がいう。
「私は、琴夏。なんて呼んでも良いよ。」
ノリで、家に住まわせてしまった…。
「では、琴夏お姉様とお呼びしてもよろしいでしょうか?」
「……っ?!」
ことなつおねえさま……。
コクリと私は頷いた。
2023/03/07 「月夜」
満月の夜、君に逢いたい
こんばんわ
今日は綺麗な満月だね
この満月のことをなんて言うか君は知っているかい?
今日の満月のことを“ワームムーン”っていうんだよ
え??可愛くない?
そうだよね
他の月と違って“いもむしの月”って可愛くないよね??
昔の人は雪が溶けて土から虫が出てくる様子を
みてその名前をつけたんだって
何か思い出すことはない??
日本にも似たような言葉があるよね?
そう、“啓蟄(けいちつ)”
日本人も昔その様子を見てこの名前をつけたんだって
遠く離れていて言語も思想も違うのに、同じ月の時に
同じことを思っていたなんて、なんだか不思議だよね
ふふふ、変な顔になってるよ
さてと、今夜のお話はここでお終い
また次も出会えるといいね
『月夜』より
月夜
空を見上げる
きっと
どこかで
あなたもこの月を見上げていますか?
笑顔で
この月の光に
穏やかな気持ちに満ちる
月夜って何ですかね?満月の夜?月がきれいに見える夜のこと?わかりませんが、夜に月がでているとうれしいですよね。私は夜、たまに散歩するのですが、月が出ているというだけで、気持ちがいいです。丁度、一昨日久しぶりに、夜に散歩したのですが、まんまるな月が見られて満足でした。懐中電灯片手に散歩していましたが、月明かりが夜道を照らしてくれたので必要ありませんでした。
「月が綺麗ですね」そんな告白をされてみたかった。なんて言ったら笑われるだろうか。学生の時分は微塵も興味がなかった漱石を、ひょんなことから読む機会があった。そしてそれが、大人になった今、何故だかやたら胸に沁みた。
あの頃の私の感性は、どうやら息をしていなかったらしい。文学も芸術も音楽も、楽しいとも好きとも思えなかった。まったくもったいない学生時代を過ごしたと思う。好きなもののひとつもあれば、あの死んだ魚のような目も、幾分マシであったろうに。
「月が綺麗ですね、なんて言われたら冷めますよね。なんでこれがI love youになるのか、意味分かんないです」
隣から聞こえてきた声に、過去に飛ばしていた意識が、今へと引き戻される。見上げれば、今夜は立派な満月だった。
「……そうだねぇ」
私なら嬉しいけど。反論の声は、透明な音になった。ロマンチストである己の露呈を無意識に恐れたからだ。近頃始めた詩を書く趣味も、誰にも言えない。私の周りの人間は、どうにもリアリストが過ぎる。夢想家を個性として受け入れてやろうという気もまるで感じないので、小心者である私の口数は自然と減った。
明:
窓から
さしこむ僅かな月光という意
暗がりを助けてくれる光
迷わぬよう助けてくれる
青白い月は色のせいか形のせいかヒヤリとした冷たさと鋭さがあった。まるで彼の故郷の雪みたいな色。三日月を背負って立つ彼は私の知らない顔をしているのだと思う。月の魔力が彼の青い瞳をより魅力的に引き出していたら私はその場から凍り付いたように動けない。きっと彼はそんなことないと笑うだろうけど。
私が好きな月は黄色ではなくオレンジ色。満月を過ぎた後の色は、暗い夜空にうっかり夕日が昇って来たみたいで私の目にはとても面白く映る。
今昇っている月がまさにそれなのだ。暗い空に煌々と輝く夕日は冷えた夜をほんの少しだけ暖めてくれる、寂しさを感じた時は特に。
窓から、そんな『月夜』を眺めて想像することが好き。
繋がった空の先にいる彼も、同じ月を見上げているのだと思えば、うっかりな月にも助けられて寂しさも少しは和らいだ。
―月夜―
星々がいつもより遠慮がちに光る月夜
いつもより僅かに大きく感じる満月を
私の隣で眺める彼
「月が綺麗ですね」
ふと呟き声が隣から聞こえた
思わず彼の方を振り向くと
暗くて表情は掴めなかったけれど
彼と目が合った
どちらの意味なんだろう
どう返せばいいのだろう
そう思い悩む2秒間
星々がいつもより遠慮がちに光る月夜
いつもより僅かに明るく感じる満月を
僕の隣で眺める彼女
『月が綺麗ですね』
伝えるなら今しかないと思った
文系の彼女なら意図が分かるだろうと
勝手な期待を込めてみたのだけれど
彼女は何も言わないから思わず盗み見た
どう受け取るのだろう
どう返してくるだろう
1人で赤面する2秒間
美しい光を放つ月夜の夜。
そんな時こそ男女平等に美しくありたいものだ。
月夜こそ美しき誘惑に油断禁物。
付かず離れずその関係
互いに影響しあっているようで
ただ、いることだけがわかる存在
こちらから近寄ることはできても
ずっと傍にはとどまれない
今日のあなたは明るく照って
私はその光に包まれる
それだけで
月夜
今あなた所にも美しい月が見えているだろうか。
たとえ離れていても君も私も見ている空は変わらない。
思わず綺麗な空を彼女と共有したくて電話をかけた。
写真を撮って送るだけでも良かったが
やっぱり私は無意識に彼女を求めているみたいだ。
「もしもし」
彼女の声を聴いた時私は笑顔になった。
私には遠距離恋愛は難しかったみたいだ。
彼女の夢を応援したい気持ちと
彼女のそばに居たい私の気持ち
どちらも私の心の中にあって
いつでもその二択を心の天秤にかけていた。
「ごめん。私の想いだけで離れることになっちゃって」
彼女はいつも私に謝る
きっと彼女は私の想いに気づいているんだろう
「大丈夫」
電話越しだが彼女は優しい顔をしていると思う。
「今日は月が綺麗だよ」
美しい月夜の中
今日も彼らは電話をしている
いつかまた逢えるときが来るまで
そのときまで月は消えないで
─────『月夜』
今宵は満月。美しき月光が、闇に染まった下界を明るく照らしつけていた。春の伊吹を僅かに感じる生暖かな風、近所に家に続々と明かりが灯り始めた。
空が白む。夜が更け始めたのだ。
ぼくは猛然と筆を走らせる。
何度も単語を脳内で反芻させ、頭へと叩き込む。
全身に帯びた熱、忍び寄る不安と焦燥。
ついでにこの場合で最も強敵、睡魔が押し寄せた。
世界が起きる。朝を迎える。
人々が慌しく動き始めた、さあ決戦の刻だ。
「本気でやばい……覚えられなかった!」
ここまで格好よく書いたが、今日はテストなのだ。そして前日から自責と後悔に包まれた徹夜の試験勉強が始まった。一際輝かしい月夜が、朝の認識を鈍らせた。
満月よ。願い事が叶うならどうか前日までのぼくに言って欲しい。「携帯ばかり弄ってないで早く勉強しろ!」と。
これは最も共感出来て、かつ最も共感してはいけない学生自体のほろ苦い思い出である。
『月夜』
月の綺麗な夜にはドビュッシーの「月の光」という曲を思い出します。最初どこでその曲と出会ったのか、私はもう覚えていません。
それでも、思い出そうと思えば、脳内でピアノの静かで感傷的なメロディが流れてくるのです。幼い頃から聴き慣れた音楽のように。
その曲を聴くと、月明かりに照らされる夜の海辺を、裸足で歩いているような。はたまた、月夜のために薄明るくなった寝室のシーツ、それに包まれる横顔が、情景として見えてくるようです。
月の綺麗な夜には、こんな想像をしながら
眠りにつきたいですね。
月明かりが川に映る
水面に揺れる白い光
静かな夜に響く音
虫の声や風のささやき
月明かりが道を照らす
歩く人の影が伸びる
静かな夜に聞こえる声
話す人や笑う人
月明かりが心に触れる
思い出や夢が浮かぶ
静かな夜に感じるもの
寂しさや嬉しさや愛
月夜は色々なものを見せてくれる
美しいものや不思議なものや大切なもの
私は月夜が好きだと思う