『月に願いを』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
月に願いを
今夜は月が綺麗ですね。
それは、I love youの意訳らしいけど、
その人は、
たった一人の夜、月を見上げて、
願ったことがあるのかもしれないね。
どうかあなたにこの想いが届きますようにと。
金曜日が満月だったら月を見よう。
月を見ることを言い訳にして、ただ二人でだらだらと夜を過ごす日。
学生時代は毎月の恒例行事だったが、お互い社会に出てしまい平日の夜更かしができなくなったことで、半年に一度開催できるかどうかの頻度になってしまったそれが今日である。
会社からの帰り道、少し良いお酒とおつまみを買って帰宅ラッシュの電車に乗り込む。
人混みでうんざりする心も今日ばかりは手にぶら下がる重みによって少しだけ浮き足立つ。
いつも何をするかは決めていない。本当に月を見る日もあれば適当に映画を見る日、ゲームをする日、お互いが別々に好きなことをする日もある。
ただ決まっているのは空が明るくなって、月が完全に見えなくなるまで起きること、もし相手が寝てしまったら叩き起こすこと、それだけ。
防音性がそこまで優れていない部屋で、月明かりだけを頼りに夜を越す。まるで一日だけの秘密基地だ。
ポケットに入れていたスマホが震える。
メッセージアプリを開いてみれば、どうやら相手も仕事が終わったようだ。
続いていくつかの写真が送られてくる。
お酒とお菓子と何かのアナログゲーム。そういえば最近気になっていると言っていた気がする。
今夜のお供が決まったところで、電車のドアガラスの向こうを見れば東の空に月が掛かっているのが見えた。
まだ低い所にある丸い大きな月に、少しでも長くこの夜が続いてほしいと願わずにはいられなかった。
『すぐにどこかに行ってしまう星よりもずっとそこに在る月の方がよっぽど信用出来る』
いつも月に向かって手を合わせる彼に理由を聞いたらこんな謎の理論が返ってきた。そもそも願いが叶うなんて迷信に信用も何もあるのかと思ったが、やたらと真っ直ぐ目で言われてしまって何も言えなくなった。
『月の形によって願い方を変えるんだよ』
『新月ってのはこれから満ちるだろ?だからこうしたいからこう願うっていう、まあ言わば決意表明みたいなものだよ』
彼の願いは随分と具体的なものらしい。努力家の彼がそんなに神頼みならぬ月頼みしてまでも叶えたい願いとは一体なんだろうか。
『満月は満たされた前提なんだよ、つまりまもなく願いが叶う訳だ。だから願いが叶った前提で月に報告して感謝する』
胡散臭い話だ。
でもそう言って月に祈りを捧げる彼は月光に照らされて綺麗に見えた。色白な肌が透き通って見えるくらいに。
怖くなるくらいに美しかった。
朝目覚めると、彼がいなくなっていた。
ぐしゃぐしゃのシーツはすっかり冷たくなっている。
ベッドサイドには見覚えのない箱が置いてある。
中を開けるとメモとペアリングが入っていたようだった。ようだったというのは、その中の1つが消失していたからだ。
内側には彼と出会った日付が記されている。
メモにはへたくそな字で『君は僕の太陽』なんてらしくないことが書かれていて。
…そうだよ、だからずっとお前を傍で照らしてやりたかった。
だからお前は月なんかじゃなくてずっと隣にいる『お前の太陽』に願えば良かったんだ。そうしたら、毎日願わなくてもたった一言で一生分叶えてやれたのに。
夜になったって俺はあいつを返してくれなんて願わない。
もうそんなものは無いからだ。夜空にぽっかり空いた真白い穴を睨みつけた。
『月は永遠に失われた』
作者の自我コーナー
いつものだけどメルヘンチックな話。
月と太陽なんて言いますが、あの二人はどっちも月で太陽。
『君が太陽で僕が月とかそんな単純じゃない』って言ってますし。
5月の夜
ぼーっと黄色い月を眺める
なーんにも考えないで
誰もいない静かな夜
深呼吸をしてのーんびり
そんな日が続いたらいいね
月に願いを
月に願を捧げたとおり
妾を斬るというのかえ?
坊やが?
その御大層な聖剣とやらで?
ほほほ……おお怖い
その剣先、届けばいいのう?
“月に願いを”
新月のある日、夜空に願い事をした。
「同級生に会えますように。」
数日後、町中を歩いていたら、偶然同級生に会った。自分よりも背が高いが、顔は当時のまま。懐かしい気持ちに浸った。もう2度と会えないのではないか、と思っていた。ずっと話していても時間が足りなかった。また会おう、と約束をしてこの日は別れた。
半月が見える頃、同級生とカフェで待ち合わせをした。このカフェは自分の行きつけの場所だった。彼の行きつけも同じだったことに驚いた。自分はエスプレッソとチュロス、彼はココアとチョコドーナツを頼んだ。彼はココアの中に粉砂糖を入れて飲んだ。流石甘党…いや、甘すぎるだろ。この日はのんびりと話し、次は買い物に行こう、と誘ってくれた。
満月の頃、待ち合わせ場所のお店に行った。だが、時間になっても彼が来ない。しばらく待ってみることにした。どれだけ待っていても来ないので、1人で買い物をして自分は帰った。
何度メールを送っても、彼の既読がつかない。自分は諦めることにした。
「また会えればよかったのに…」
月に向かって呟いた。
※フィクション
【お題:月に願いを】
「子供たちにどう埋め合わせをすべきか」
彼女なら妙案を出してくれるが、起こすのも忍びない。静かな寝息と、耳元の羽が擽ったくも心地良い。滑らかな髪を梳いて見れば、絡まることなく指をすり抜ける。
車窓から望む月は煌々と輝いている。今宵の天体観測は皆で願い事をする予定だったが、私は──
Title「昇華」
Theme「月に願いを」
月に願いを
今日も同じように、月に向かって手を組んで目を瞑る。そして願いを込める。
いつかあの人が戻ってくると信じて、
あの時
キミと
一緒に
夜空を見た。
月は
まんまるだった。
今日も
満月が
見える。
キミの姿は
近くにないけれど。
どこかで
キミが
変わらず
元気で
幸せで
ありますように。
#月に願いを
帰りたい 家にいるのに 帰郷の念 どことも知らず 迎えを待ってる
お題「月に願いを」
月に願いを
今日も綺麗な月が出ている
願いをかけたら叶うかな…
月に願うなら、あなたに笑顔で…幸せでいてほしい
月に願いを
「今日の月なんか赤くない?」
「え〜そうかな?」
「お前、目ぇ悪いんじゃね」
「はぁ?目ぇ悪くねぇ~し、お前って言うな!」
「あはははは、口悪すぎだろ、でも、ホントに赤くね」
「まぁ言われてみれば赤いか、、」
「なんか、願い事とかしたら叶うんじゃね」
「流れ星じゃないんだから、そんな卑猥なこと言わないでよ」
「どこが卑猥なんだよ!笑、じゃあ変なボケをしないようにって願うかぁ〜」
「誰のこと?」
「お前だよ!」
「だからテメェはお前って言うな!」
「あはははは、こりゃ叶いそうにないやぁ」
音楽が聴こえてきますね。
あれは小学1年生の頃だったか
父にもらったお人形は優しい顔をしたピュアホワイトの妖精さんでした。
オルゴール入りの人形で背中のゼンマイを回すと
ゆっくり首を周しながら動くのです。
そのメロディーは星に願いをでした。
月じゃないんかーい!
二人で外飲みなんて久しぶりで、ついつい酒が進んでしまった。酔いの回った彼を連れ、ゆっくり歩いて帰ることにしたのが二十分ほど前。中心街からは既に遠く、夜も深いため周囲に人の気配はない。空に雲一つなければ風も吹かず、不規則な足音が住宅街に小さく響く。眠くないかと振り返って尋ねると、微妙、などと文字通り曖昧な返事。重たげな瞼と緩んだ頬が月明かりでよく見えた。何だか随分と幸せそうだ。このままキスがしたい、なんて思ってしまうあたり自分も大概酔っているのだろう。何事もなく家に辿り着けるよう、少し見張っていてくれないか。月に傍迷惑な依頼をしつつ、その手をとって再び歩き始める。
(題:月に願いを)
満ちては欠ける月に願いを
毎夜姿を変える月に願いを
そしてこの夜に置いていく
想いはこの夜に置いていく
まどろみの中で月に願いを
もう少しこの夢を見させて
月に願いを(お題)
月に願いを
月は神秘的
だから願いを叶えてくれるって思うかもね
でもさ、月は月だよね
願いを叶えてくれるはずがない
月にて願っても
何も変わらない
そう、ただの夢物語
現実を見よう。
今 何ができる?
今 どうしたい?
さあ、できることからやってみようよ。
自分の願いを
自分で叶えよう
大丈夫、現実を見れば 必ずできる
自分を信じる方が
月を信じるよりも
難しくない。。。
黒猫はな
『月に願いを』
届かぬ思いは風へと託し
数多の希望は星と輝く
澄んだ青空に自由を求め
広がる海には優しさを
私は月に願いましょう
君が笑顔でいることを。
お月様、僕の話を聞いてくれる?
「みんな僕の考えてる事を知るとバカにしてくるんだ」
「だから僕は自分を隠しているんだ」
「でも僕は本当は…」
「月に願いを。太陽に祈りを。あなたのためなら私は 何にでもなる。どうかあなただけは幸せでありますように。」
これはフィクションの世界にしかない概念なのだ
いつからかそう言い聞かせるようになった
そんな虚しさや悲しみを忘れる瞬間がある
あなたの心からの笑顔に癒やされたときだ
きっとあなたは永遠に気づかない
そんなあなたの尊さを守りたい
私の恋はいつも実ったら終わってしまうから
今はただあなたの近くにいたい
月に願いをこの言葉を聞いて私は昔の頃を思い出す。なぜなら月にはとてつもない力があると思っていたからだ。その時はまだ純粋で何もかも信じ込んでしまっていた。あの頃に戻りたい、これが今私が思っていることだ。