暗がりの中で』の作文集

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暗がりの中で』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

10/29/2024, 9:21:49 AM

陽に背を向けて暗がりを生きるような、惨めったらしい生だった。


 *


 十階の窓から見える景色はいつも同じだ。
 向かい側に建つビジネスホテルに、真下を走る自動車の群れ。歩道を行き交う人間の姿はとても小さく見えて、朝と夕に制服を着た学生がちらほら通る。

 景色自体は三日で飽きた。でも、時々ここに来る前のことを思い出すと、どろどろとした感情が吹き上がる。
 挙句、窓に反射した自分の首元が見えた時なんかには、何もかも全部ぶっ壊してしまいたくなる。
 なんで、俺ばっかり。そう思ったことは、ここに来てから数え切れないほど多い。

 昔から、人に寄りかかるのも、人に頼るのも苦手だった。
 だから身寄りを失った時、居場所も、友人も、頼れる人も、何も無いことに気がついた。俺が居なくなったところで、気にするやつなんて誰も居ない。
 俺がここに居たって、誰も探しになんて来ない。

 苛立ち混じりに拳を窓に叩きつける。分厚いそれはビクともしない。
 強化ガラスだからね、と薄ら笑いで諭してきた、いつかのあいつが脳裏によぎる。腹が立つ。
 腹が立つ。

 首を触ると、指先に異物が触れた。それがすっかり体温と馴染んでしまっているのが、より一層癪に触った。
 初めの頃は、ここに鎖がついていた。部屋中歩き回れるくらいの長い鎖だ。でも、その一週間後には外れた。あいつの居る時にそれで首を吊る真似事をしたら、慌てて外された。
 いつもの薄ら笑いが引っ込んで、青ざめていく様は傑作だった。
 しかしそれ以上は何も変わることなく、首輪だけがいつまでも、俺の首に居座っている。

 人権は金で買えるらしい。仮にも金で買われた以上、俺に拒否権は無い。
 ここにいる限り、俺はずっと、陽のあたる場所は歩けないんだろう。
 猫よろしく部屋に閉じ込められて、犬のように首輪をつけられ、ペットのように俺を管理しながら、そうしてあいつは笑って言うんだ。

『良かったね。あそこで独り寂しく死なずに済んで』

「……反吐が出るな」

 とことんまで狂ってる。
 そんなにペットがお望みなら、次はその喉笛に噛み付いてやろうか。



 /『暗がりの中で』

10/29/2024, 9:19:53 AM

暗がりの中って、少し怖いけどなんだかワクワクする。非日常で、何が起きるかわからないから。

10/29/2024, 9:17:24 AM

「作戦はこう。おれが正面から突入して派手に相手を殺る。きみはその間にどっかからこっそり入って人質を逃す。これでいいかい?」
「雑な作戦だな。っつーか……囮になるなら俺の方がいいンじゃねェか。オマエ魔法使えねェだろ」

 その台詞にアルコルの目が光る。月明かりだけの路地裏で、その光は刃みたいに鋭かった。
 真っ青な、逆さまの三日月みたいな、鋭い刃。

「あはぁ。この国の例に漏れず、きみも魔法至上主義かぁ。魔法は便利ではあるが万能ではない、だろ? 狭くて暗い室内じゃあ、相手を視認して魔法陣を作って撃つより直接殴る方がずっと早い」
「だが……」
「ま、見てなよ。魔法なんて使えなくても強い奴は強い。お兄さんがそれを教えてあげるよ」




出演:「ライラプス王国記」より アルコル、イル
20241028.NO.87「暗がりの中で」

10/29/2024, 9:17:18 AM

バイト終わり。
「す~し寿司寿司す~し~♪お寿司を食べると~♪」
妙な鼻歌を歌いながらお寿司が入ったビニール袋を片手に帰路につく俺。ご機嫌である。給料が入ったので某寿司店のネット予約のお持ち帰りでお寿司を購入したのだ。
さらに帰り道にスーパーに寄ってお酒も購入してしまう。
「フハハ、今の俺は無敵だ!」
右手にお寿司の入った袋、左手に缶チューハイの入った袋を持ち、背中にはリュックを背負って一人でほざく。
とりあえず、今月も生き延びた自分へのご褒美としての行動の第一段階はクリア。後は家に帰るだけだ。

アパートの自室に戻った俺は背負っていたリュックをそのへんに放り投げると、流れるような動きでパソコンの電源を入れた。
給料が入って懐が暖かく、寿司と酒がある。やることは決まっていた。宴の始まりだ。
「さて、フィアー・ザ・ウォーキングデッド、シーズン5の続きを見るとしますか!!」
手早く寿司と酒を机の上に並べると、パソコンを操作してサブスクの動画配信サイトを開いて動画を再生する。
そしてブルートゥースイヤホンを耳に装着し、海外ドラマのイントロを聞きつつ、部屋のカーテンを閉め切り、
「甘だれ~♪んんん~♪」
やはり鼻歌を歌いながら冷蔵庫の中からお取り寄せした高級な甘ダレを取り出す。俺は寿司のエビに甘ダレをかける派なのだ。
ちなみに余談ではあるが甘ダレは卵かけご飯にかけても絶品である。
俺が日本かぶれの外国人なら甘ダレの文字を肩辺りにタトゥーで入れたいぐらいだ。

「……はあ」
溜息しか出ない。いつもの疲弊や将来への絶望から出るものではなく、幸せすぎて……
好きなモノを食べて好きなドラマを見ている。俺にとってこれ以上の喜びはない。
「活〆真鯛……180円……フフ……いただきます……!」
むろん、食べる前に食べ物への感謝も欠かさない。
パソコンモニターのブルーライトだけが妖しく輝く『暗がりの中』で、俺の宴は続く。

10/29/2024, 9:15:36 AM

夜の帷が降りた頃、一人青白い光を浴びる。その光は私の瞳を刺してゆく。眼前のあなたに触れれば、冷たくてなんの感情もない熱を感じる。
視界に広がる光景は、まるで額縁に囚われた絵画のように区切られ、切り取られた場所でのみ動き、笑い、言葉を音に変えているあなたがいる。
私は暗がりの中で、失った想い出を探し集めている。


2024/11/02 #暗がりの中で

10/29/2024, 9:11:37 AM

寝る前に本を読んでいてページをめくる手が止まらない時ってあるよね。
今もそうだけれど、昔は今以上に本が好きで、漫画でも小説でも手が止まらなかった。
そんな中「もう遅いから寝なさい」と部屋の電気を消されてしまうなんて事がしょっちゅうだった。
でも、どうしても後2ページだけでも読みたい!と布団をかぶりこっそり携帯のライトや懐中電灯を点ける。
あのバレては怒られる、でも読みたい!の心は子供ならではだと思う。
暗がりの中で何かをする、昔はこっそり何かをすることが多かったからドキドキが凄かったな。

10/29/2024, 9:08:42 AM

暗がりの中で
もう18時
暗い
スマホライトで鍵穴を照らす
少し前まで田んぼ道を
泣きながら自転車をこいでいたっけ
駅前の明るい光にてらされ
肌寒さを感じながらも
私は歩く

10/29/2024, 8:56:54 AM

暗がりの中で

普段は怖いと感じる闇も、この日ばかりは、この時ばかりはそうは思わなかった。それは、闇よりも怖い何かがあったからかもしれないし、私に闇に恐怖を覚える暇がなかったからかもしれない。

闇。それは、心が微妙な暗さを持つとき、恐怖の対象になる。
闇の暗さと、心の暗さ。
似ているようで似ていないそれが同じ場所にある。
私はそれに、恐怖を感じる。

反対に、もう、自分がどうなってもいい。全てがどうでもいい。そんなふうに思っているとき、それは安堵できる場所になる。
自分の心の底のどす黒いものが、闇の色に近づけば近づくほど、完全に溶け込むほど、そこは、どれほどあたたかい場所よりもどれほど優しさに満ちた場所よりも素晴らしい場所になる。

そんな私の救いの場所で、今日も私は何も見えない目を閉じることなく、部屋の壁など感じさせぬひたすらに続く闇を見つめる。
耐え難いほどの明るさが迫るその時に備えて。

10/29/2024, 8:53:48 AM

秘密基地を作ることにした

部屋の中に

僕だけのサンクチュアリ

蚊帳を釣って
シーツを被せて
中には漫画本や僕の子分に見立てた
ぬいぐるみを置いた



暗がりの中で

懐中電灯を灯し

ラジオを聴く

お母さんがココアを持ってきた

ー目が悪くなるわよ

ラジオを聴いてるんだ
大丈夫だよ

ーあら …そう
変なもの作ったのね?

ただの蚊帳だよ
うるさいなあ
僕の勝手でしょ?

ーはいはーい

僕はココアを飲みながら

少しずつ眠くなって
ココアを飲み干すと

ラジオの音を小さくして
うつらうつらとした

ーー気が付くと
朝だった

あ!今何時!?僕学校…

Am6:00だった

さすが僕のサンクチュアリ

僕を寝坊から守ってくれた

今日も1日
無事で在らんことを!

10/29/2024, 8:53:43 AM

暗がりの中で君の手を掴んだ
もう二度とひとりにしないように

10/29/2024, 8:49:15 AM

『暗がりの中で』

塾の帰り道、君の家の前に4人で集まった。

君の家にバレンタインを受け取りに

1人で行けなかった僕に2人はついてきてくれた。

思えばあれが君との最後だった。

10/29/2024, 8:37:26 AM

お題『暗がりの中で』

 船星(ふなぼし) 渉(わたる)。彼には長年悩み続けているコンプレックスがある。他人からすれば悩む必要がない寧ろ親に感謝すべき事なんだろう。

小学生の時僕は良く女の人から告白された。それは中学生になっても続いていた。初めは何故か嬉しかった。でも一度も付き合うことはしなかった。だって僕には告って来た人に対して、その感情がまだなかったからだ。そんな事が続いた中学1年のある暑い日、体育祭の準備で体育館倉庫にいたら、1年上の女の先輩が僕に告白してきた。勿論僕はいつものように断った。だって一度も面識ない知らない人だったから……。
そしたら今度は僕に逆恨みした1年上の男の先輩が僕を殴って体育倉庫に閉じ込めたんだ。
暗がりの中で、僕は体育座りをして嘆いた。

船星「どうして殴られなくちゃいけないだ?!僕は……悪くない……悪いのはこの顔のせいだ!!」

船星の顔は目鼻立ちが整っている。幼さが残る所謂子犬系男子だ。
船星は体育倉庫に閉じ込められて以来前髪を伸ばし顔を見せないようになると途端に告白の数は減少をした。

彼が家の人以外の女性と話すのが苦手なのはこれとはまた別の話である。

End

10/29/2024, 8:24:19 AM

暗がりの中で…

何年前だったろう
6年前だったかな
深夜に大きな地震が起きた

中三の娘は、修学旅行で居なかった。猫ちゃん一匹と私だけった

そんな時間には、滅多に行く事がないのに何故か私はトイレに居た💦揺れは感じなかったけど突然、真っ暗になり一瞬、驚いたが冷静になり暗がりの中、手探り状態で懐中電灯を探した。

そして娘が心配になり直ぐに娘が宿泊してるホテルに固定電話から状況を聞いた所、安全だと知り一安心、そして朝を迎えた

夕方、娘が帰って来るので学校迄、迎えに行き、無事な姿を見て本当に安心して涙が出そうになった💧私は、心配してホテルに電話した頃、地震に気付かず朝まで熟睡だったようで(笑)ほとんどの子供達は地震に気付いて起きたのに娘だけは、気付かず朝まで爆睡💣️💤これは、逃げ遅れてしまうかもと思った💧

ホテルでは、停電で、ちゃんとした朝ごはんが作れず、お詫びに、お昼ご飯に向けてカレーライスを沢山作ってくれたのに、事情もあり、その前に帰る事が決まり食べれずにホテルを後にしたそうです😢無駄にならなかった事を願い感謝でした🌹

そして娘は、無事に帰宅🏠️👣
けれど、まだ停電中で夕食は、作れず、暗やみの中、ある物で済ませた。

次の日に知ったのですが
停電は、既に前の日に直っていたらしく二人は、何も知らず、ただただ、暗やみの中、過ごしていた(笑)本当は、TVも普通に観れてたのに…
今となれば笑い話しです🤣

停電中の夜空は🌃は、綺麗だったな☺️1日で終わった停電なのに2日も味わっちゃった~☺️

それも娘との思い出の一つになりました。もっともっと娘との思い出、作りかった😔

今は、なかなか会えず
さみしい😣⤵️

会いたい

10/29/2024, 8:21:19 AM

【暗がりの中で】

いくらリストカットやODを繰り返しても、消えない気持ち。
病み曲に共感しても、変わらない気持ち。
声を殺して涙を流しても、溢れる気持ち。
間違っているとわかりきっていても、止まらない。
きっと当てはまる言葉なんてない、言いようのない不安。
自分が何者か、ぼんやりともやがかかる。

そんな夜を乗り越えると、いつも通りの朝が広がっていた。
はしゃいだ小学生の声。
炊きたてのお米とみそ汁のにおい。
急かすような踏切の音。
カーテンの端からこぼれる朝日が明るい。
大丈夫、と小さくつぶやく。
リストカットの跡がじんじん痛んでも、不安は薄らいでいた。
制服に袖を通して、顔を洗う。
リビングのドアを開けると、
「おはよう」
いつもの声が聞こえた。
                       fin.

10/29/2024, 8:15:38 AM

私は○○君の帰りを待ちながら夕飯を作っていた。
19時を過ぎた頃そろそろ帰ってくるかなの思い、テレビを見ながらソファでくつろいでいた。
19時半をすぎても帰ってこない…。残業だったのかな。
そんな事を思いながら私は先にお風呂に入ることにした

30分以上お風呂に入り出てきたらもぉ20時をこしていた
私は彼に一通の連絡をした。
「お仕事お疲れ様!○○君の大好きなシチュー作ったよ!これみたら連絡ちょーだい!気をつけて帰ってきてね!」
彼からの連絡は来なかった。

私はそのままソファで寝てしまった。
目が覚めると日付が変わってちょっとの頃だった。
テレビの笑い声しかしない家にポツンと私がいた。
ソファに座り直してスマホを見た。
連絡が来てない。

それから30分後玄関の開く音がした。
ガチャっと。

彼は「ただいま〜。」とだけ口にした。
そのまま部屋に入ってきて私の顔見るなり、「寝てなかったんだ。何その夜ご飯。」その言葉だけだった。
私は「なんで連絡くれないの?」そぉ言ってしまった。
彼「は?こっちは残業してきたんだよ。お前と違ってスマホ見てる暇ない。」そぉ言いながら彼はお風呂場に向かって行った。
私は彼にバスタオルとパジャマを渡しに行くと同時に今日着てた服を渡された。
その服を持った途端私は一気に力が抜けた。
なんかこの服初めて嗅いだ香水の匂い。しかも白い服には女の人の口紅が付いていた。

私はその場にその服を投げ捨てた。
前からうっすら気づいていた。
彼に他の女の人がいること。
私は見ないふりをしていた。しかし今日確実にわかってしまった。

私は涙を浮かばせながらバルコニーに向かって星空を見ると共に暗がりの中口からタバコの煙を出した。

10/29/2024, 8:15:11 AM

暗がりの中で
君は十月十日すごした!

そして、わたしの中から
でてきたんだよ(笑)

赤ちゃんのときは、天使だったね
ん?いまも、エンジェルかしら?

いつまでも可愛らしい君!

どうかあと2年くらいは
可愛くいてほしいと願う…

10/29/2024, 8:13:21 AM

暗がりの中で
この暗闇の中でどこに行けばいいのかな…

10/29/2024, 8:13:09 AM

暗がりの中で

僕の世界は暗いままだ。
誰も僕の事なんて思ってもくれない。
だけどね。
君が灯りを持って照らしてくれた。
だから。
今度は僕が君を助ける番だ。
待っててね。

10/29/2024, 8:01:18 AM

雨が涙かは分からない
部屋の全てを片付ける
もう何もいらない
今日ひとつの星になる
暗がりの中でこぼす声
―さようなら

10/29/2024, 7:47:14 AM

『暗がりの中で』  

あ、まただ!
今日も仕事で夜道を運転中、車のライトに突然現れた歩行者にドキッとする。免許を取る前は、車が歩く自分を明るく照らしてくれているとばかり思っていた。が、それは大間違いで暗がりの中の歩行者はとにかく見えにくい。

市長選に出る友人に相談すると、この件はこれから考えて行くべき事柄だと言い、公約の一つに加えてくれた。
「夜、歩く際はホタルになりましょう。懐中電灯等身に着け、自身を守りましょう。私は皆様に反射材をお配りすることを約束致します」

見事当選した友人は公約通り反射ベストを全世帯に配布した。市民の意識が変わり、夜の事故が大幅に減った。今では市の取り組みが『ホタルモデル』と呼ばれ、全国からの視察が相次いでいる。

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