お題『暗がりの中で』
船星(ふなぼし) 渉(わたる)。彼には長年悩み続けているコンプレックスがある。他人からすれば悩む必要がない寧ろ親に感謝すべき事なんだろう。
小学生の時僕は良く女の人から告白された。それは中学生になっても続いていた。初めは何故か嬉しかった。でも一度も付き合うことはしなかった。だって僕には告って来た人に対して、その感情がまだなかったからだ。そんな事が続いた中学1年のある暑い日、体育祭の準備で体育館倉庫にいたら、1年上の女の先輩が僕に告白してきた。勿論僕はいつものように断った。だって一度も面識ない知らない人だったから……。
そしたら今度は僕に逆恨みした1年上の男の先輩が僕を殴って体育倉庫に閉じ込めたんだ。
暗がりの中で、僕は体育座りをして嘆いた。
船星「どうして殴られなくちゃいけないだ?!僕は……悪くない……悪いのはこの顔のせいだ!!」
船星の顔は目鼻立ちが整っている。幼さが残る所謂子犬系男子だ。
船星は体育倉庫に閉じ込められて以来前髪を伸ばし顔を見せないようになると途端に告白の数は減少をした。
彼が家の人以外の女性と話すのが苦手なのはこれとはまた別の話である。
End
10/29/2024, 8:37:26 AM