『暗がりの中で』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
暗がりの中で
明日も早いのにと思いながらでも、じーっとスマホの画面をみる。
部屋が暗い中、目が悪くなるのがわかっているのに見続ける。
後五分、後十分でやめて寝ようと心に言い聞かせるが、無駄だっだ。
暗がりの中で、ぼんやりとしたスマホの光が一つ。
ついつい、やってしまう。わかっているのにやめられない。
毒がどろりと流れ込んできて、身動きが取れなくなり、どんどんと底のない依存という沼の中へ堕ちてゆく――
暗がりの中
私は暗いところが苦手だ。
帰るとすぐに電気をつけるが、
今日はつけなかった。
そのまま家に入ると、人がいた。
泥棒だ。
暗がりの中、逃げようとしたが
腰が引けて逃げられない
あなたが眠ってしまって
寝息が聞こえる頃
スキンケアをしてから
遅れてベッドにもぐりこむ
どんなに熟睡していても
わたしがあなたに寄り添うと
腕をまわして抱きしめてくれる
手探りで、真っ暗な中
わたしを抱きしめてくれる
◇暗がりの中で◇
右も左も、それこそ上も下も分からないような環境に自分を放り込んだことがこんなにも自分自信を苦しめることになるとは思いもしなかった。自分を変えたい、変えなければならない、自立しなければならないとの思いをそのまま行動に移したのは十八歳のこと。
病気で自衛官を続けることが出来なくなった私の中に残ったのは、今後どのようにして生きていこう。何を目標に、どんな夢を描けばいいのだろうおいう虚無感だげだった。そんな時に唯一の肉親である母親が倒れ、私は強くショックを受けた。幸いにして母親の症状は軽く、治療を続けることで快方に向かうだろうとのことだった。しかし母が入院して家からいなくなったとき、何をしていいのか、どうすればいいのか分からなかった。結婚して九州に移った姉に連絡を取ると助けに来てくれたが、このときはとても心強く感じた。この経験を機に自立というものを強く考えるようになった。
ずっと憧れ、夢に見ていた自衛官という目標、夢を叶えた私は空挺部隊に入隊するという次なる目標を掲げ、そのために毎日鍛錬に励んだ。第一空挺団の中隊長視察があり、そのときに入隊希望者選考が行われ、口述試験などを受け、その場で採用の返事と励ましの言葉をかけてもらった。ミリタリー雑誌で見た第一空挺団、私はそこに行くことが出来るんだと嬉しくなったと同時に努力が報われた瞬間だった。母の昏倒と入院は、そんな自衛官の道を絶たれ消失感や虚無感が拭えないまま、ダラダラとすごしていた私に母を失うかもしれないと意識させた大きな出来事だった。
宮城県仙台市で初めて迎えた秋、広島県より肌を刺すような寒さを感じていた。仕事に出れば、悪口や暴力を受ける。社宅に帰れば、仕事のミスなどを理由に、車座に座ったみんなの真ん中で社長から見せしめとケジメに殴られ蹴られた。褒められることが増えてきたと思えば、他のメンバーのミスなどで同じようにケジメを付けさせられる。こんなのはおかしいと同僚に声をかければ、「 飯が食えて、温かい風呂に入れる。タバコを吸えて酒も飲める。布団の中で眠れて 仕事にも行けることの何がおかしい?お前の方が おかしいだろ」と反論され、社長にまで話が届く。夜にまた集められて、みんなの前で「お前は頭がおかしい。病気だ。俺らの悪口を口にして楽しいのか」と叱責され蹴り飛ばされた。
入社して暫くした頃、新しく付き合い始めた会社の応援で人夫で入った現場で元請けの親方や番頭に気に入られた。仕事が薄くても呼んで貰えるようになり、現場に出れば一日中を親方たちと過ごし、夜は酔っ払って寂しくなった親方と長電話をした。他の大きな現場が始まった時、真っ先に会社ではなく私に声が掛かった。社長にその話をすると「よくやった!お前は病気で頭のおかしいやつだと思っていたけど違ったな。悪かった」と手のひらを返されて、背中を押されて新しい現場へ送り出された。
新しい現場は、仙台の某高校の仮校舎建築の現場で割と規模の大きな仕事だった。初日は私と先輩三人の四名で入場して、番頭さん からの指示で手元作業をしていたが、私は番頭さんに個別で声をかけてもらった。「〇〇くん、△△の作業ってできる?」と聞かれ「教えていただければ覚えてみせます」と返事をして、一時間みっちりマンツーマンで教えこんでもらった。そして、「今日中には終わらないと思うけど、明日で終わらせてくれたら大丈夫だから怪我だけしないように安全作業で進めてね」と方を叩かれた。一番仲の良かった先輩に声をかけて、先輩にも仕事を教えながら二人で楽しく作業を進めていった。気がつけば夕方早くに全ての作業を終えていた。番頭さんが進捗を確認しに来た時とても喜んでくれて、とても褒めてくれた。それ以来どんどん本職さんの仕事を教えていただいて、入場から二ヶ月たった頃にはただの応援手元作業員では無くなっていた。番頭さんからの評価が上がったことで、私以下作業員の増員ができるようになったことを電話で社長に伝えると、入社以来初めて優しく 声をかけられ、とてもはしゃぎながら喜んでもらえた。
人員が増えるとこれまでのやり方では管理が行き届かなくなる。社宅に帰った時、社長に呼び出された。「電動工具は何を持っていってる?」と訊かれ、会社のインパクトドライバーなどを持ち込んでいると伝えると点検をしたいから持ってきてくれと言われ、車庫に確認をしに行くがどこにもない。車の中を見てもどこにもない。現場に忘れてきたのだと分かった途端二頭をよぎったのは「ケジメ」だった。社長にことの経緯を全て話すと案の定殴られ!蹴られた。その上で「他の奴らも呼んでこい」と凄む。「僕の責任です。ケジメは僕だけで十分です」と返すと、初めての反論に社長が驚いた顔を見せたあとで「分かった、もういい。すまんかった。ただ示しがつかないからみんなの前でもう一度お前だけ軽く締めるけど手加減するから我慢してくれ」と言われた。
皆の前で蹴り飛ばされながら叱責されるが、本当に手加減してくれていたようで全く痛みはなかった。解散になったあと、「今日はこっちで飯を食っていけ。酒も飲んでいけ」と夕飯をご馳走になった。その日を境に社長が暴力を振るうことが無くなった。
暴力と暴言、恐怖による支配のなかでいつの日か自由に外出して、好きな仕事をして、好きなものを食べて、恋愛をして、ゲームをして。そんな明るい日々を夢見ていた。社長の機嫌が良ければある程度のことが許される。それを知ってからは人一倍、現場で仕事を覚えた。元請けや他協力会社からのお褒めの言葉が社長の耳に届く度に、真っ暗でドブ臭い私の環境に光が刺していくのが手に取るように分かった。間違いや失敗をすれば必要以上の叱責やケジメという暴力を受けたが、褒められることが増えていき、暴力はなくなり叱責も無くなったときにはやっと地上に首が届いたような気がした。
どうしようもなく、あてもない毎日。縋るものも人もない状況で、それを変えられるのは自分自身ただひとりなんだと理解した時、私の真っ暗な世界に光明が差したんだ。
いま、広島県で頑張っている。ただただ必死に生きていると言ったほうが正確か。少額とはいえ借金もあるが、返そうと思えば数ヶ月で返せる額ではある。ただ母の治療費や私自身の治療費などに費用が嵩む。生きている、温かいご飯を食べられる。好きなものを買って好きに行動出来るんだ、今、私は世界一の幸せ者だろう。
人生に迷っている人、なにをどあしていいのか分からなくねっているひと、とにかく路頭に迷っている人。人の数だけ悩みがあるが、悩みを解決する方法も人の数だけある。そして、大抵の事はどうにでもなるし、何とかなるものだ。
そして最後に 、幸せの数も形も大きさも人それぞれだ。生きることに不安を感じた時は、広く目を向けてみるといい、暗がりの中で僅かに光るものが人生を導いてくれるだろう。暗がりの中で見出したものがガラクタだと思っても、そこに光が当たれば輝く宝石だったということは良くあること。大切なのは目を開いて、耳を澄まして、嗅覚を研ぎ澄ますことだ。そして、時に野性的であることだ。
理性を超えるほどの野心は人をどこまでも突き動かす。
暗がりの中で
きみに出会った
ここは、どこなのか
どうしてここへ来たのか
……思い出せない
ぼくは、理由も知らないまま、暗がりに立っている
わけもわからず立ちすくんでいると、声がした
やあ、
……だれ?
だれでも、いいじゃない
きみも、 光の扉を、くぐって来たんでしょう?
ぼくは、声のする方へ恐る恐る進んだ
ようこそ、よく来たね
ここには、痛みも、悲しみもない
ぼくが何も言い返さないでいると、きみは続けた
そういえば……
目の前が真っ白になって、それで……
でも、どうして目の前が真っ白になったのか、思い出せない
暗がりの中で(2023.10.28)
パラ…パラ…
薄暗く、静謐な書庫にページを捲る音だけが響いている。「書庫」とは言ったものの、いくつかの本棚が並んだ、こじんまりとした部屋だ。一つだけある小さな窓からは、盛りを過ぎた柔らかな陽光が薄く差し込んでいる。まるで、そこだけ時間が停滞しているような、穏やかな空間。しかし。
「あ、やっぱりここにいた!」
突然開いた扉と、静かな部屋に不似合いな元気な声。先ほどまでまったりと本を読んでいた少女は、諦念のようなものが混じったため息を吐く。
「……また来たの、柚子葉」
「え、だめだった?…あ、読書の時間を邪魔しちゃったのはごめんね…。でも沙耶香と一緒に帰りたくて…」
先ほどまで本を読んでいた少女、沙耶香は、目の前のもう一人の少女をじっとりと見る。申し訳なさそうに身を縮める少女は柚子葉、沙耶香の幼馴染だ。
「柚子葉、今日は委員会あるから遅くなるって言ってなかった?それに、帰るならあの陽キャたち…じゃなかった、委員会の人たちと一緒に行けばよかったんじゃ…」
「委員会は早めに終わったし、沙耶香はいつも放課後ここで本を読んでるから、今の時間くらいにここに来れば一緒に帰れると思ったの」
なるほど…と、返事になっているのかわからない言葉を返しながら、沙耶香は内心げんなりとした。こんな薄暗い書庫でひっそりと、一人で読書しているところからわかるように、沙耶香は日陰の者、要するに陰キャというやつである。対する柚子葉は明るく社交的で、友人も所謂陽キャが多い。まぁ、本人の性格は少し天然ながら温厚で優しいので、誰しも柚子葉のことは概ね好意的にみているだろうが。
「ねぇ沙耶香、読書なら図書室でもできるのに、どうしていつもここに来てるの?別にそれが悪いとかではないけど、ここ薄暗くて目が悪くなりそうだし…」
居心地の悪そうな柚子葉に対して、私は「やれやれ…」とでも言うように肩をすくめてみせた。ところでやれやれってどういう語源なんだろう。いや、話題が逸れた。
「図書室って、人の出入りが結構あるし、自習してる人も多くてなんだか落ち着かないんだよね。それに、目が悪いのは元々だからもう気にしないし」
「確かに、図書室の雰囲気は私も苦手かも…」
「あと、薄暗いところってなんか安心しない?ほら、布団の中に潜ると安心する、みたいな」
「うーん、それはちょっとわからないかなぁ…」
苦笑いする柚子葉と、私の感性は合わなかったようだが、それでも彼女は私のことを頭ごなしに否定することはない。柚子葉には、陽キャにありがちな(これは偏見でしかないが)真夏の強烈な日差しのような押し付けがましさがなく、同じ「陽」でも、あたたかな「陽だまり」のような性格だ。それが案外、薄暗い自分には心地よい。
気を取り直して色々と話しかけてくる柚子葉におざなりに、しかし気安く返しながら、帰り支度を済ませる。そして、いつまでもこんな関係が続けば良いのにな、なんて思いながら、今日も私は柚子葉と共に家路を辿るのだった。
僕はただ終わるのを待った
僕が寝たフリをしていることに気づかずに
あいつは湿った手で僕の服をめくる
僕の意識は遠くにあり
僕はただそれを眺めていた
真っ暗な部屋の中で
まるでトンネルのような暗がりの中を、途方もなく歩いているような気分だった。
真っ暗で何も見えない、光なんて全然見えてこない。そんな事に嫌気が差していた。
そんな時だった。
貴方君会ったのは。何もかも嫌になっていたときに、手を差しのべてくれた君は、暗がりの中で踠いていた僕のただ一つの光だと思えたんだ。
暗闇の中で姉は変な事をやっていた。
それは何というと...
変な踊りをしながら変なことを言っている
私はすぐさま頭の病院に行った方がいいのではないか
そう思ったのだけれども
こいつはかなり重症なのだ
とてもいい病院に行っても
この症状は治らないと改めて思ったその日でした
#22『暗がりの中で』
自販機に寄ってから化学室に行く。ドアを開けて入れば三角フラスコを振る白衣を着た彼の後ろ姿が。実験は順調?おー、おかげさまでな。アイス買ってきたからちょっと休憩しない?ああ、隣座れよ。振り返った彼は私の顔を見るなり眉を寄せたけど、気にせずアイスを半分にして渡す。コーヒー味が染ますなー。その間もジーッと見られていたようでどんな顔をすればいいかわからない。頭をガシガシ掻いたかと思えばため息を付いて、
「何があったか知らねーが、テメーのことだから頭ではわかってっけどやりきれねーんだろ?」
「私はそこまで合理的じゃないからさ。ちょっと今はメンテナンス中なの」
「…オーディション落ちたってところか」
わかってるんじゃん。傷口に塩塗り込まないでほしいよ、まったく。
「別に迷惑かけるつもりないし、話聞いてほしかったから来たわけじゃないよ」
アイスのプラスチック容器をプクッと膨らませて拗ねてみれば、不意に頭を撫でられてびっくりする。別に面倒見のいい奴でもないのに。
「まだ整理し切れてねーだけなのにその気持ちごとなかったことにすんなよ。お前の内面が感情的なのも人間味合っていーじゃねーか」
今日だけな、と言って抱きしめられば涙と抑え込んでいた気持ちが溢れる。
高校生活最後の舞台なんだから私も主演を、と願ったっていいじゃないか。でも結果はいつもと同じであの子の引き立て役。劇は誰か1人でも欠けたら成り立たない。特に主人公の相手役なんて物語を支える重要な存在ってことぐらいわかってる。でも、悔しくて悔しくて。自分が惨めでならなかった。彼に主演を務める私を見てもらえたらどれだけ良かったか。
「まァ助演女優賞間違いなしの演技、悪くねーがな」
は。いつか主演になったら観に行ってやってもいいって言ってたはずなのに。
「テメーにしかできない演技カマしてこいよ。少なくとも俺はファンだぜ」
ヤケに優しいからきっと後日、実験に付き合わされるんだろう。でもいいわ。アンタのために演じてあげる。なんだかんだ長い付き合いで、私をよく知るコイツにはいつも助けられてて、どこに迷っても正しい方へ導いてくれる。だいぶ落ち着いた。
下校時刻になって閉められる門をギリギリで抜けて並んで帰る。実験について独り言が聞こえる。
「てか、いっつもおんなじ女優は飽きんだよ。アイツ部長と付き合ってるらしーじゃねーか」
え、待って、そういうこと?ククッ知らなかったみてーだな、恋愛云々疎いお前らしいわ。疎くないもん。どうだか。
好きだと言わせてくれないのはそっちなのに。大きな目標があるから恋愛とかしてる暇はないんでしょ?応援したいし、できるだけ迷惑かけたくない。きっとこれ以上に甘えちゃうから。
また実験手伝いに行くね。ありがてー、頼むぜ助手様。……助手。あ゛ー支え役は嫌だっけか?ううん全然、喜んで。
助手だって。彼の隣にいられる正当な理由じゃないか。どこまでも付いて行くから、私にもっと知らない景色を見せて。
「おい、起きろ」
「んん…?」
「交代だ」
「あ、ロイ、見張りありがとう…」
「俺は寝る。明日も狩りだからな」
まだ少し眠い。そういえば今日はライラと一緒だったんだ。焚き火の前に座っている。
「ミリア、起きたのね」
「うん。大丈夫?」
「今のところ何もないわ」
わたしたちは6人で旅をしている。仲間といるのは楽しいけど大変なことも少しだけあって、そのひとつが野営だ。毎日宿に泊まれるわけではない。野営のときは二人一組で、火のそばで見張りをするのだ。
「ねえライラ」
「なに?」
「あのね、今日ルークがダジャレ言ってたとき、シオンたちはくだらないって言ってたけどわたしはちょっと笑っちゃった」
「あはは!実は私もよ。あの3人のツボには入らなかったみたいだけどねえ」
暗い森の中、この火のそばだけは明るくてライラの顔がよく見える。わたしが大好きな笑顔。一緒に見張りをするとき、ライラはいつもわたしの話をニコニコしながら聞いてくれる。リヒトは空を指さして星座の名前や神話を教えてくれるし、ロイは黙って弓の手入れをしているけど、わたしが寒そうにしてたら何も言わないで薪をくべてくれる。シオンの故郷のことを聞いたり、ルークと一緒に明日は何を食べるか考えたりする時間も大好き。みんなすごく優しい。わたしが一番年下なんだけど、お兄ちゃんやお姉ちゃんがいたらこんな感じなのかな。そんなことを考えるころには、東の空が白みはじめていた。朝焼けを見ることができるのは、この時間帯に見張りをする人の特権だ。
暗がりの中で寝ようとしてるけど、なかなか眠れない。あの日の出来事が、声が、頭から離れない。いつかふたり、結ばれる日が来るのかな。何で好きになったのかはよくわからない。でも、初めてきみを見かけた日、不思議な気持ちになったのを覚えている。ずっと、この人を探していた気がする、って心のどこかで感じた。それからきみを見かけるたび、どんな人なんだろうってすごく気になった。ねぇ、知らないでしょ?運命を信じているのは、自分だけなのかな。でも、待ってる。ずっと待ってる。きみが振り向いてくれる日を、待ってる。待ってる間は自分を磨くよ。相応しい人になれる、その日まで。
あなたの名前を呼ぶ。
きっと助けてくれると信じて。
きっと気づいてくれると信じて。
希望を持って。
あなたの姿を探す。
きっと来てくれると信じて。
きっと手を取ってくれると信じて。
あなたの優しい声が耳に響く。
手を伸ばすと、あたたかい感触が伝わる。
あなたの香り。
いつだって希望を与えてくれる。
そう、信じている。
暗がりの中でも。
信じるものがある、私は強い。
暗がりの中で
最も暗い闇のなかにいるときこそ、光を見い出すことに集中しなければならない。
アリストテレス
すごくしんどかった時に、一日中聴いていたある歌手について、「この人の歌は暗いんじゃなくて、闇の中から光を求めてるように思う」というファンのコメントを見つけ、それがとても私の気持ちにぴたりと合っていました。ずっと心にかかっていたところ、この言葉に出会いました。
あきらめてないからこそ苦しい、それでいいから。と言ってもらった気がしました。
#71
暗がりの中で。そういえば寝るときに電気をつけたまま寝る人もいるらしいな。
まぁ寝ようと思えば電気ついてようがカーテン開いてようが寝れるだろうけどやっぱ暗いほうが睡眠の質が高まると思う。
結構前に遮光カーテンを買って部屋の暗さを高めて寝るようにしたら少し眠りの質が良くなった気がする。
でも遮光カーテン買う前のことあんま覚えてないからやっぱり気がするだけかもしれない。
でもいわしの頭も信心からって言うしな。プラシーボ効果とかあるしこういうのは自分がいいと思えればいいんだきっと。
そういえばこれも結構前だけど部屋の電気も紐で引っ張るタイプからリモコンでオンオフするタイプに買い換えた。
以前から電気のひもが天井からたれてて邪魔だと思っていた。だけど昭和生まれの貧乏人だからひも電気に慣れてたからそれを買い換えるという発想がなかった。
でも最近生活環境を整えようと色々便利グッズとか買ってた。その一つとしてひも電気を買い換えた。
こういうのってちょっとしたストレスだからまぁいいかってなるんだけどなくしてみると思った以上のストレスだったみたいだ。めっちゃすっきりした。
どうでもいいけどひもで引っ張る電気って今の人には通じなそう。ひもボクシングとか昭和の貧乏人くらいしか知らないんだろうな。
―暗がりの中で―
1日目
蝋燭のようなぼやけた明かりが小さく灯り
私の目の前でゆらゆらと揺れていた
ほら…こっちへおいで…と
もう何も怖くないから…と
私を手招きして
秘密の場所に誘い出すかのように
私は明かりに導かれるままに歩き始めた
2日目
暗がりの中で響く足音
コツコツ…コツコツ…と
石畳の上を歩くような音だけが
規則正しく木霊する
ここがどこなのかも分からないが
私の足は明かりを目指して動いていた
思考だけはおかしなくらいに冴えていた
5日目
辺りは相も変わらず静まり返っている
私の足音だけが絶えず木霊する
どれほど歩き続けただろう
時間も分からなくなってきていた
飲まず食わずで歩き続けているのに
足の疲れは全くなく
足に止まる気は更々ないようだった
君が現れたせいで
ここが陰だと気づいてしまった
『暗がりの中で』2023/10/29
暗がりの中で
暗がりの中で見つける小さな光
針の穴ほどの光で良い
見つけられたら
誰かが照らしてくれたら
暗がりの中から抜け出せる
その光を信じて
『暗がりの中で』 180
『もう目が慣れた』とあなたが言うから、照らす理由が無くなった。
『照らさなくても見える』と言うから、照らす苦労も無くなった。
窺い知れないあなたの表情。
……わざわざ照らす理由は如何に。
誰かに理由を伺い立てる。
……己の責務と矜恃は何処に?
猫が鳴く。
虫が鳴く。
風が鳴く。
後悔しても時は戻らず。
自業自得と──が泣く。
暗がりの中で
部屋を暗くして布団をかぶっても、意識がなくなるまで会いたい、もう考えないようにしよう、でも、、を繰り返してる。恋、片想い難航中