『時間よ止まれ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
時間よ止まれ
今まで生きた中で、どれほど思った事だろうか。迫り時に焦りと不安を感じながら、時間よ止まれと思い続ける。
止まらないのはわかっている。ただそれでも、願い続けてしまうのだ。それもまた、人の子であると言うべきか。
時間よ止まれ
「時間よ止まれ」
今、あなたと居る、このとき。
このときで、「時間よ止まれ!」
好きな人とのデートの帰り道とか
友達との飲み会の解散時とか
作品の感動シーンに感激した瞬間とか
楽しくて愛おしくてたまらない時間と
辛く険しく厳しい現実とのギャップを
想像して涙が止まらない
『時間よ止まれ』
「時間よ止まれ」
私が4、5才の頃
人間は今の年齢で生まれてきて今がずっと続くんだと漠然と思っていた。赤ちゃんの時の記憶が一切なく、自分が歳をとっているという感覚がなかった為に生まれた勘違いだ
あの頃はある意味、時が止まっていた
このまま
明日に
ならなければいいのに。
日曜の23時59分。
あぁ、
月曜に
なってしまった。
また
1週間が
始まる。
来週、
いや
もう
今週だけど
これをして
あれもあって
あぁ
嫌だなぁ。
寝たくないなぁ。
#時間よ止まれ
時間よ止まれ
冬の朝
布団の中で
となえる呪文
無意味にスマートフォンから垂れ流していた定番の動画サイトから視線をあげる。
ぐぅ、と腹の虫が鳴いた。時刻を見れば短針が12に近づいている。もう時期、日が変わる。
明日の仕事を考えながら、スマートフォンの電源を落として床の上に放り出す。日が変わらなければ仕事に行かなくてもいいのにとくだらないことを考えた。寝なければ明日が来ないのではないかなどと、無駄なあがきをしながら思考を無意味な時間へと捨てている。
いい加減寝ようと、掛布団を頭から被り直した。目を瞑り、チカチカとした残像を追い出そうとする。ウトウトと眠りが誘う。
ぐぅ、ともう一度腹が鳴った。なったのを自覚すれば空腹がぐるぐると駆け巡って吐き気を誘う。寝入りばなに起こされた体は、もう眠れそうにない。
ひとつため息をついて万年床の布団から抜け出した。狭い台所へと足を進める。引き出しを二、三開け閉して目的のものを取り出すと、電気ケトルの電源を入れた。
蓋を開けて、上手くあかない袋に悪戦苦闘しながらかやくをひっくり返す。
かちり、と電源が切れるのを合図に、電気ケトルを手に取った。注ぎ込めば湯気が立ち上って視界をくもらせる。再び半端に開けた蓋を閉じて、抑えるように箸を上に置いた。
かち、かち、と響く秒針が止まることなく1周をする。見れば長針と短針がかさなろうとしていた。
カップラーメンができる頃には、明日へと変わっていることだろう。
『時間よ止まれ』
生まれて
大きくなって
成長して
大人になって
枯れ老いて
眠りにつく
有限たる生命、その全てが美しく
その全てが素晴らしかったから
全部が永遠であれば良かったのに、と
花を一つ、君に手向けて
‹時間よ止まれ›
朝、目覚まし時計のアラームで目が覚める。
まだ少し眠たくて、意識がぼんやりとしている。
ああ、今日は平日だから仕事にいかなきゃ。
ふかふかの布団が気持ちよくて外に出たくない。
手探りで時計のアラームを止める。
……このまま時間も止まってしまえばずっと寝ていられるのになぁ。
カチ、カチ、と規則正しい秒針の音が心地いい。
…………。
ああ、いけない二度寝するところだった。
気がついたら閉じていた瞼を開いて無理やり布団から出る。
今日は金曜日。
一日頑張って行こうか。
片想いの彼女。クラスの窓際から彼女を眺めていた。皆と仲良く話す姿。真面目に授業を受ける横顔。届かない物と分かっているのに、必死に手を伸ばしてしまう。
彼女に触れたい。話したい。彼女といる時間が卒業しても続けば良いのに。
今だけは...時間よ、止まってくれ。
今この瞬間、時間が止まって何かが変えられるとしたら何を変えるだろう
私にとっての特異点、人生をより良くするための分岐点
いったいそれがなんなのかすら、思いつかなかった
それはきっと、今の現状に不満がないということでもあるのだろうか
それはそれで、何か少し寂しい気もする
『時間よ止まれ』
駅へと向かう道のりを指先だけを繋いで生活の灯りやマンションの通路の規則的な明かり、街灯の下を過ぎながらゆっくりと歩く。楽しかった記憶はあるのに何をしていたかというとなにをするでもなかった時間は君がいたから成り立っていた。また会えるに違いないのだけど、別れに向かうこの時間が名残惜しい。
駅が近づくにつれて列車が行き交う音も聞こえてくる。乗るはずだった列車はゆっくり歩いていたせいでずいぶんと前に駅を発っていた。
「時が止まればいいのにね」
ふたり以外の時が止まれば残るはきっと楽しい時間だけ。列車の時間も明日やってくる仕事の時間も気にせずにふたりだけの時が過ごせたらどれほどよいことだろう。改札を渡る前、列車の時間の迫る頃に想像の中にだけ存在する時間を分かち合ったふたりはじゃあねとまたねに想いの丈を乗せて手を振って別れた。
繋いでいた手のぬくもりは指先からすぐ逃げてしまう。時よ止まれと思いながら指先をそっと握り込んだ。
時間よ止まれ
朝から晩まで忙しい日々。
自分の時間はほとんどない。
これが終わったら、次はあれをやらなきゃいけない。
時間とタスクに追われる毎日。
真夜中のほんの少しの休息が
ずっと続いてくれたらいいのに。
時間よ止まれ。
「原作読んだり観たりしたことないけど、そのネタだけは知ってる。……結構多いと思うんよ」
たとえばそれこそ、「時よ止まれ」の漫画とか。
某所在住物書きはネットで某漫画を検索しながら、今回配信分に何で立ち向かうか画策していた。
時間が止まればどれだけ助かることか。
「『メンテが終わればメンテが始まる』の元ネタも、読んだことは無いが原作の名前も絵も知ってるし。
『だったら漕げばいいだろ!』なんて、語録大量に覚えてるが本編観たことねぇし。……あと他は?」
ところで昔々、20年以上前、海外ゲームの映画化において、「もし時間が止まったら」を簡潔かつ短時間だけ描写した場面があった。
空間内に静止している物体は、力が加わるまで静止し続ける。慣性の法則という。
時間内に静止しているナイフに対して、「同じ『時間の力』が加わるまで静止し続ける」とした。
ひょっとしたら「時間よ止まれ」は「物体よ止まれ」であり、「空間よ凍りつけ」かもしれない。
――――――
時間が止まれば物体の全部も止まるのに、
物体が止まっても、時間の全部は止まらない。
ちょっと不公平な気がします。
つまり、物体としてのわたしがベッドの上でタオルケットにくるまって静止していても、
朝はちっとも待ってくれないし、遅刻スレスレは遅刻スレスレ。時は進むのです。
と、いう理不尽は置いといて、今回のおはなしのはじまり、はじまり。
最近最近のおはなしです。都内某所のおはなしです。某アパートの一室の、部屋の主を藤森といいまして、雪降り花あふれる雪国の出身。
夜に明日の仕事の準備をしておりました。
冷たいお茶のオトモはお米のお菓子。
厳冬の気温と風でさくさく食感に乾燥させたお餅を、食べやすく切り素揚げして、さっと味付けを施した、伝統お餅の美味しいアレンジ。
諸事情により藤森、都内にある故郷のアンテナショップで、先日購入しておったのです。
詳細は過去作、前々回投稿分ですが、スワイプが面倒なので気にしてはならぬのです。
で、
五穀豊穣の稲、米、お餅、餅の加工品
と聞いて今の時期に黙ってないのが、藤森のアパートの近くにある稲荷神社でして。
何故か藤森の部屋に、稲荷神社在住のコンコン子狐が、セキュリティーもロックもどこ吹く風。
おめめ輝かせて、入り込んできておったのです。
非現実的ですね。しゃーない、しゃーない。
「……」
かたかたかた、パチパチパチ。
早めに仕事の準備を終えたい藤森。コンコン非現実を見て見ぬふり。資料作成頑張ります。
その間に非現実な不法侵入者、稲荷神社の子狐は、
尻尾をぶんぶんブン回し、でも静かに小さなあんよで、隠密行動の匍匐前進。
キラキラおめめはガッツリと、藤森のデスクの上にある味付き揚げ餅をロックオンしています。
見ていない。何も、聞こえていない。
背後の尻尾ぶんぶんビタンビタンは空耳だ。
仕事の準備のため、藤森、自分に言い聞かせます。
「ふぅ」
かたかたかた、パチパチパチ。
もうすぐ仕事の準備が終わる藤森。ひと息つきたくて、冷茶をひとくち、喉に通します。
そして揚げ餅をつまむべく、それを入れたガラスの器に指を、すっと伸ばして、
ぎゃあん! と、子狐がいきなり吠えまして、
ここでようやくお題回収。『時間よ止まれ!』
「なんだ、子狐!」
いきなり大きい声を出さないでくれ!
バチクソびっくりした藤森が、たまらず子狐の方を振り返ります!防音防振整った藤森の部屋は、静かなので子狐の大音量が大音量なのです。
振り返った先で藤森は、今回のお題の結果として、
稲荷神社の子狐が「揚げ餅」を入れた「ガラスの器」を両手もとい前あんよでしっかり持って、
カリカリカリ、こりこりこり!
中の揚げ餅を一心不乱に食べてるのを見ました。
「頼む。こぎつね」
ため息ひとつ。藤森の時間が、少し止まりました。
「それを食いたいなら、食いたいと、正直に……」
びっくりした心と体が、少しだけ、止まりました。
・時間よ止まれ
時計さん、カレンダーさん、おねがいです。これ以上時間を進めないでください。
もう大きくしないでほしいです。
もうワガママ言わないから。早寝早起きするから。ご飯も残さず食べるから。
だからもう大きくしないでほしいです。
お父さんとお母さんは、大きくなるのはいい事だって言うけど、僕はちっとも嬉しくありません。
時計さん、カレンダーさん、おねがいです。お母さんのお腹をもう大きくしないでください。
僕はお兄ちゃんなんかになりたくないです。
時よ止まれ
時よ止まれ、時よ止まれ、時よ止まれ、私はそう叫ぶ
腹から声を出して叫ぶ
心の底から願う
声が枯れるまで
喉が潰れるまで叫ぶ
こんなに叫ぶのは、初めてだと私は思う
それでも時は止まらない
なぜ、なぜ、時は止まらないの
どうして、どうして
理由はわからない
それでも叫ぶ
叫ぶ事しかできないから
ある男が時間を止めるために、空を舞うフェニックスを弓で捕まえようと試みた。
そんなことをしてもフェニックスは、気高い炎に包まれて逃げ去ってしまう。
無駄な努力にすぎない。
フェニックスは、永遠の命を人に授けることはできない。
しかしその存在がこの世で永遠を司る理由はちゃんとある。
君の中に夢と涙が宿る限り、フェニックスは君に寄り添う。
君が愛を語るときや、幸福の音を聴いている瞬間、さらには大切なものの微かな響きに耳を傾けているとき、フェニックスの方から君に近づいて、その透明な羽の先で、君のうたかたの時を静かに止め、心の中に永遠性を与えてくれるのだ。
「時間よ止まれ」
「時間よ止まれ」
嬉しいとき、焦っているとき。
時を止めても自分が動けなければ現状は変わらない。
時間よ止まれと願った。
過ぎてゆく時の流れを恨んだ。
終わりがくるのが嫌だった。
このままずっと
貴方の隣にいたいと思ったから。
「時間よ止まれ」
「時よ止まれ」
……時が止まればどれだけ良かったことか。
私は、ありもしない幻影をいつまでも追い続けている。
もちろん、叶うことが無いことも知っているし
馬鹿げた事だということも分かっているつもりだった。
だけど、辞めることが出来ない。
僅かな光を求めて足掻いてしまう。
傲慢で、醜い。