ある男が時間を止めるために、空を舞うフェニックスを弓で捕まえようと試みた。
そんなことをしてもフェニックスは、気高い炎に包まれて逃げ去ってしまう。
無駄な努力にすぎない。
フェニックスは、永遠の命を人に授けることはできない。
しかしその存在がこの世で永遠を司る理由はちゃんとある。
君の中に夢と涙が宿る限り、フェニックスは君に寄り添う。
君が愛を語るときや、幸福の音を聴いている瞬間、さらには大切なものの微かな響きに耳を傾けているとき、フェニックスの方から君に近づいて、その透明な羽の先で、君のうたかたの時を静かに止め、心の中に永遠性を与えてくれるのだ。
「時間よ止まれ」
9/20/2024, 3:05:30 AM