récit

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10/14/2025, 2:18:58 PM

僕の名はアビー。イケメンでエレガントなアビシリアン猫さ。仲間はジブリの世界でも貴族猫として登場している。

僕には近所に住む梨のような顔をした茶トラの友達がいる。彼はまん丸なお月さまのようなおとなしい子なんだ。だけど先日、梨を食べたせいでお腹を壊してしまったらしい。

猫たちよ、梨を食べすぎるのは危険だ。思わぬ無邪気さが、僕たちをあっという間に獣医さん通いにさせるからね。

「梨」

10/14/2025, 4:33:08 AM

僕たちは、いつも同じ空の下を、歌を紡ぎながら歩いてきた。
でもね、時間が経つにつれ、少しずつ目指す場所が違ってしまったな。
価値観てやつだよ。
君は少しだけ上を見上げているし、僕はまっすぐ前を見据えている。
だから、こうして歌を口ずさむ。

ラララ〜ここでグッバイさ、ってね。

いつの日か、この世界を二周半巡ったその先で、また再び目を合わせることができるかもしれないね。
その日が来るまでラララ、グッバイ。

「Lalala Goodbye 」

10/9/2025, 3:24:52 PM

金色に染まる季節がやって来た。澄んだ空気が心地よく胸を満たす。
いつも秋になると、僕は君に出会ったあの頃のノスタルジーに包まれるのさ。
近ごろの秋は疾駆に走ってしまうけど、秋の恋だけはその速さを忘れシックに漂っていてほしい。

「秋恋」

9/26/2025, 11:57:05 PM

夏休みの宿題に関して言えば、僕は何一つ手を付けていなかった。気づけば、二学期の始業式まで、あと三日もない。宿題をやっていないという事実は、まさに完璧だった。それでも、やる気はわかず、そのまま寝てしまったほうが良さそうだと考えていた。だって、その宿題は頼んでもいないのに与えられたものだから。宿題をやらなかったところで、何が変わるというのだろう。

驚くべきことに、その晩ベッドで目を閉じると、僕のパジャマを着た熊が僕の横でスヤスヤと眠っているのを発見した。ちょっと動揺したが、すぐに考えが浮かんだ。このパジャマを身にまとった熊が、僕の代わりに学校に行ってくれないかなと。そう思った僕は、家出の計画を立てることにした。コーヒーを飲んで、頭をシャキッとさせて準備を整えた。その日の昼に公園で拾ったドングリを、熊の額の上に乗せて、さあ出発だ。

そして朝が来ると、僕は自分のベッドで目を覚ました。熊の姿はどこにもなく、すべてが夢だったのだろうか。しかし、パジャマはきちんとたたまれ、そこには下手くそな字で書かれた手紙が残されていた。

「パジャマありがとう。森に帰ってドングリ栽培をするつもりだよ。君もこれからでも宿題頑張って」

9/10/2025, 2:01:15 PM

緑色の空を見たことがあるかい?
海辺の町で自転車に乗っていた時のことさ。暑い夕方だった。急に周りの空気がひんやりとして、暗雲が空を覆い尽くした。
尖った稲妻が暗い空を切り裂いて雷が轟き渡った。
叩きつけるように雨が強く降り始めた。
そして、空は徐々に緑色になっていった。生まれて初めて見た緑色の空は、異様で不穏な美しさを湛えていた。まるで異世界に引き込まれたかと思った。

ただの珍しい光学現象なのかもしれない。

だけど僕はこの時、緑色の空に取り囲まれていると同時に、内なる自分自身の世界に引き込まれていた。
青空と夕焼け空が渦巻いて、世界が全く変わってしまうを感じていたんだ。

お題「赤緑青」
☆創作

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