récit

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薄緑色の紫陽花は、日を追うごとに青く変わっていく。梅雨の湿気を含んだ朝、カタツムリが葉の上をゆっくりと歩き回っていた。彼はその湿った葉の一部をちょっぴりかじるのさ。

やがて太陽がオレンジ色の光を放つと、カタツムリは葉の陰へ身を隠す。乾いた世界から逃げ込むように、自分の丸い殻の入り口をしっかりと閉じるんだ。これから訪れる夏眠のためにね。

紫陽花は確かな速度で青く変わり続け、その傍らでカタツムリは青く深い夢を夏の間見続けるのだよ。

「青く深く」

6/29/2025, 11:41:08 PM