『時を告げる』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
#時を告げる
そんな謂われの鳥おったな?
調べたら、
時告げ鳥は鶏。
夜告げ鳥は夜鳴鶯。
昼告げ鳥は…いない?
春告げ鳥は鴬。
夏、秋、冬は…季語はあってもそう呼ばれる鳥はいない?
基本的に時は告げないで欲しい。
寝たら明日が来ちゃうから、
『もう夜中だよ?』
って…知っててダラダラ起きとるんじゃ!
まあ寝なくても明日は来ちゃうけど。
少しの間だけ忘れさせていて。
仕事のこと思い出したら寝れんくなるやろがい!!!!(-_-#)
#時を告げる
春はホトトギスが訪れを告げる。
夏は蝉が訪れを告げる。
冬は雪が訪れを告げる。
秋は?秋は何が訪れを告げるだろうか。
紅葉か、味覚か、はたまた植物か。
ただ、私はいつの間にか訪れて去っていく。そんな秋が四季の中で1番好きだ。
ただ私のことを黙って受け入れ、そのまま突き放す。そんな秋が。
私は幾人の命を看取ってきただろうか。時には追い詰められ自死を決意した者の命を、病床に臥す老体の命を、不運な赤子の命らを私は看取った。しかし、彼の者の行先は知らない。ただ私は時を告げるもの。人が最後の心拍をするとき、私は側にいる。
「まだ死にたくない。」
1人の男が血塗れた胸を手で押さえ、呟いた。彼の手によって失われた命も私は看取ってきた。そして、次は彼を撃った者を私は看取るのだろう。
「お前は悪魔か…」
男は私を見て言った。人は奇妙な存在で、ある者は私を天使と言う。私の姿は、彼らの行く末を知らしているのか願望なのだろうか。私は横になる彼に手を差し出した。
「貴方の時は終わった。行くべき場所に行くだろう。」そう告げると男は身体を置いて飄々と歩いていく。まるで彼だけには分かる道があるようだ。残された亡骸の赤黒くなった軍服には銀色のドックダクが煌めいていた。私はすぐ次の者に呼ばれた。
「まだ死にたくない。」
と男が呟いた。
「時を告げる」
「余命半年」今日がその時かもしれないと思う。最後に、好きな人に会いたい。家族と過ごしたい。ああ、もっとやりたいことがあるのに。みんなに有難うって言いたいし、さようならも言いたいのに。そろそろ時間だから、もう行かなくちゃ。涙がとまらないのはなぜ?もう瞼が閉じてしまう、おやすみなさい。
Episode.19 時を告げる
カチ、カチ、カチ、カチ。
時計の音が静かな部屋中に響きわたる。
この不思議な心地良さと不安感が苦手だ。
高一の夏休み、今日は大雨で僕は部屋に籠っていた。
両親は買い出しに行ったため家には僕一人だけだ。
僕の家にはカチ、カチ、と音が鳴る時計がある。
これが不気味で、心地よくて堪らない。
理由は分からない。
一人だという状況下で物音がするのが怖くて不気味なのか、むしろその怖さを半減してくれる心地良さなのか。
カチ、カチ、カチ、カチ。
ゴーン、ゴーン。
僕はビクッと体を震わせた。
この音は正午を告げる音だ。
いつも聞いているはずなのに、なんだか落ち着かない。
僕は大雨による薄暗さと憂鬱さ、一人でいることの不安のせいにした。
それを塞ぎ込みたくなり、二階の自分の部屋に入った。
布団にくるまり、イヤホンをして音楽を聞きながら両親の帰りを待つ。
しだいにウトウトしてきて、いつの間にか眠っていた。
ガチャッ、という音が聞こえて目が覚めた。
両親が帰ってきた。
しかし今起きたばかりのため眠気が酷い。
二度寝しそうになりながらも少しの安心感を覚える。
コンコン。
「爽明、起きてる?少し遅くなったけど昼食買ってきた
よ、降りておいで。」
ゆっくりと起き上がり体を伸ばす。
「今起きた…おかえり、ありがとう母さん。」
僕は眠気に耐えながら一階に降りていく。
カチ、カチ、カチ、カチ。
時刻は午後一時半、時計は勿論動いている。
しかし先程のような不安は消え去り安心感だけが残る。
「父さんおかえり」
「ただいま。さっ、冷めないうちに皆で食べようか!」
「いただきまーす!」
三人の声が重なった。
時を告げる
久しぶりに二人の時間を取れたね…週末だけの恋人だね、なんて笑って見せる貴女の眼は、淋し気にしているね…付き合い始めて3年目、そろそろ結婚も…と思い始めた頃、突然の異動。貴女に漸く告げた時、大粒の泪を零し乍ら、不安そうに見つめられて、ただただ抱きしめることしかできなかった…それから毎週末に、お互いを確かめ合う時間を過ごしているけれど、また暫しの別れの時が…
〘時を告げる〙
スマホ鳴り母が息呑む繰り返し塾から電話だ約束守れ!
「時を告げる」
ああ いまわたしの
さいごの呼吸
さいごの瞬き
さいごにあなたをさがして
あなたのてをとって
あなたのなまえをよんで
ありがとう あいしてる
と
いいおえるまで
どうか かみさま
時を告げないで
「時を告げる」
時を告げる鳥と書いて時告げ鳥。朝を知らせてくれるということで昔から鶏のことを指すらしい。
私はその呼び方を知った時、なんだか嬉しく思った。家で飼っている卵用鳥に小さい頃から愛着を持っていたから、そんなかっこいい呼び名があることに感動した。
実際、朝は鶏の鳴き声で起きることが多かった。毎日、挨拶してみんな撫でてから学校に行っているせいで家畜くさいと虐められたこともあったが、今は全く気にしていない。
ある日、いつものように鶏の様子を見に行くとなんだか違和感があった。なんとなく、鶏の数が減っているような気がするのだ。気のせいだろうと思って、あまり考えないようにしていたが、日に日に採れる卵の数が減っていった。
「ねぇ、お母さん。最近、鶏の数減ってない?」
「やっぱりそうよね!? お母さんの気のせいじゃないわよね!?」
やはりそうだ。母といつからなのか、どのくらい減ったのか、話し合ってみたが、全てが一致する。お互いこれは勘違いではないと確信して、防犯のために監視カメラを設置することにした。
数日、変化はなかった。だが、ある日突然不審者が映った。高校生か大学生ぐらいの細身の男性だった。どこから侵入してきたのかまでは、わからない。その人は不自然なほどに慣れた手つきで鶏小屋の鍵を開けた。知らない人が入ってくると、騒ぎ出す鶏たちも静かだった。
やがて、その人は片手に鶏を二匹捕まえた状態で小屋から出てきた。その動画を母と見て絶句していた。そして私は。
「これ、弟じゃないの」
母は黙ったままだったが、そうとしか思えなかった。本人を問い詰めるのは簡単だが、頭が混乱していてどうするべきかわからなかった。
家族同然として育ててきた鶏を、弟が殺している。
15日目
私の中にある時を告げるチャイムはいつも決まった時間に正確に鳴り響いていた。
それが鳴り響くのは私が眠る前。
そのチャイムが鳴らなくなったとき私は永遠の眠りにつくだろう。
毎日夜の12時には時を告げるチャイムが私の胸の中で鳴り響く。
それが鳴り終わるのを聞いて私は眠りにつく。
胸の中には10という数字が刻まれてある。
その数字は1回チャイムが鳴る事に1ずつ減っていく。
つまり、私の死へのカウントダウンだ。
あと10回、あと10日すると私は死ぬ。
あと10日どう生きるのか、私が死ぬ時、周りにどれだけの人がいるのか、想像もできないけど。
残された時間は少ない。
何をして過ごそうか。
集まる視線 抑える腹
下げる視線 止まらぬ音
鳴り止まぬ 昼を告げる音
朝日は、昼の太陽は、夕日は、月は、星は、時をつげるもの。
人生も後半に差し掛かり
残りの年月を数える方が
易くなりました
相変わらず目覚ましで目覚め
仕事場ではチャイムの音
お風呂のお湯もアラームで止め
ピーピー鳴ればご飯が炊ける
様々な音でわたしに時を告げてくれる
わたしの時はいつ告げよう
その時は穏やかに告げよう
皆を不安にさせてはならない
愛する人よ
どうかわたしより先に
時を告げないでおくれ
時を告げる鐘がきみとの時間を邪魔する
いっそのことこのまま時計がないところへ行こう
時を告げるは氷だけのコップ
別れの雰囲気を2人でなぞる
この会話がひと段落してしまったら…
またしばらく会えないのにな…
私は彼の顔をみつめることしかできない
「時を告げる」
いつの頃だったかよく覚えていない。時間についての物理番組をみた時に「時間は存在しない」という内容だったのを思い出した。今回のテーマは「時を告げる」なので、ふと、時間そのものが存在しないのであれば、そもそも時を告げる事ができるのだろうか?と考えた。
もちろん、世の中には時計があるのだから、現実として時を告げる事は可能である。記憶がはっきりしないのでwikipediaなどで調べてみたけれど、時間の矢についても未解決なので、時間は存在しないというのは、さらにその先の謎となる。
物理学的時間と仏教に関する論文もあった。仏教では空間も時間も物質の概念も般若心経をはじめとする経典で考察されているが、物理学と同様にそこに答えはなく、さらに深い思索に誘われるばかりである。
もし時間が存在しないのであれば、この世界も存在しない事にはならないだろうか?もしかしたら、この自分自身もこの世界も、全て幻なのかもしれない。そう考えて、ふとある俳句を思い出した。
柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺 正岡子規
時間は存在しない事をここまで書いてきたけれど、法隆寺の鐘が鳴った時に柿を食べていた正岡子規は、確かにその瞬間に存在していた、と思う。何とも矛盾したオチである。
今日は君との2回目の旅行。
一人旅と嘘をついて出てきた家。
それもそうだ。
1年も前に別れた君との1泊2日。
嘘以外にどう言えばいいんだ。
夜、ツインベットに潜る。
君が隣にいる。
それだけで、胸が高鳴る。
手を伸ばせば君がいる。
手を伸ばす。
旅行先では寝られないという君。
僕の手と君の手が合わさる。
どうして別れを選んだのだろう。
誰も正解なんて知らない。
手を繋いだまま眠りにつく。
束の間の、前に戻ったように穏やかな時間が流れる。
翌朝、時を告げる音。
僕たちは手を離し、旅行を続けるんだ。
『時計台は笑う』
そっと南を向いて 風は消えそうな蒼だ 年を重ねて煉瓦が朽ちて 鴉がそこに集まって 秘密の会議が毎夜毎に行われる その時間は口が裂けても言えない
時を告げる
ボーンボーン、と低い鐘の音が時を告げる。
あるときは物語の始まりを、またあるときは魔法が解ける時間を、告げるそれは今日という日まで正確に時を刻み続けた。
そして、最後の鐘が鳴って、それは静かに時を刻むのを止めた。
ある人はこう語る。
「新しい物語は始まらないかもしれない。けれど、魔法はきっと永遠に続くでしょう」
学校の近くにある小さな公園。
君と隣同士でブランコを漕ぐこの時間が僕は好きだ。
今日はあの先生の機嫌が良かった、とかなんてことない話をしながら、沈んでいく太陽を二人で眺める。
ただなんとなく寄り道をした、あの日の僕の偶然の出逢い。
違うクラスということもあり、学校では顔を合わすことは殆どないのだが、お互いに放課後の公園で話すということがどこか習慣のようになっていた。
よいしょ、と呟いて彼女がブランコの上に立った。
全力でブランコを漕ぐ君は、まるで夕陽に飛び込むかのように見える。
あぁ、もうそんな時間か。
君はいつも、帰る直前にそうやって立ち漕ぎをする。
橙色の光に照らされる君の横顔が、僕らのまたねを告げるんだ。
〝時を告げる〟