Omothi

Open App

学校の近くにある小さな公園。

君と隣同士でブランコを漕ぐこの時間が僕は好きだ。
今日はあの先生の機嫌が良かった、とかなんてことない話をしながら、沈んでいく太陽を二人で眺める。

ただなんとなく寄り道をした、あの日の僕の偶然の出逢い。
違うクラスということもあり、学校では顔を合わすことは殆どないのだが、お互いに放課後の公園で話すということがどこか習慣のようになっていた。

よいしょ、と呟いて彼女がブランコの上に立った。
全力でブランコを漕ぐ君は、まるで夕陽に飛び込むかのように見える。

あぁ、もうそんな時間か。
君はいつも、帰る直前にそうやって立ち漕ぎをする。

橙色の光に照らされる君の横顔が、僕らのまたねを告げるんだ。


〝時を告げる〟

9/6/2023, 1:54:23 PM