『時を告げる』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
さあ、時は満ちた
後は自分自身が
動くだけ。
女神が微笑んでいる
さあ、私の手をとりなさい、と。
お題 時を告げる
時を告げる
むかし、祖父母の家の仏壇の横。
柱の真ん中に、かけてあった振り子時計。
そんな大きいやつじゃない。
時間が丁度になると、
ごーん、ごーんって鳴りだした。
その時間の回数だけ、音がなる。
一度だけ。
ねじを巻くところを見せてくれたことがあった。
キリキリと回すのが、とても不思議だった。
これをしないと時計がおかしくなるからねって。
今はもう、なくなってしまったけれど。
聞こえないはずの音が、
響いている気がするんだ。
「時を告げる」
もう我慢せずともいいんだよ
茜色の空に沈む夕日が
その時を告げる
日中の哀しみ辛さ全て
我慢せずに泣いてもいいよと
033【時を告げる】2022.09.07
ああ、なんていまわしい。時を告げる鐘!
シンデレラはいまやすっかりみすぼらしいもとの姿にかえった自分をながめまわした。つややかな絹のドレスもなにもかも、一切合切が消失し、ただ、ガラスの靴のみが、彼女に残されていた。しかもそのガラスの靴さえも。彼女の手もとには、片方しかなかったのだ。
せめて靴だけはとりもどしておこう、と彼女は襤褸の身をかくしながらもと来た道を戻っていった。舞踏会とはあまりにもかけ離れた身なりを、中天の満月が容赦なく照らすのにひるみながら、あの大階段へと戻っていったのである。
するとどうだろう、階段の真ん中に、王子がいるではないか。なにかをもって立っている。目をこらさずとも、月光のおかげで、王子の手中のものがなにかきらきらするものであることは容易にみてとれた。まちがいない。階段の途中でつまずいたときに脱げた靴の片方だ。だだっ広い大階段のただなかに、ぽつねんとたちつくしながら、持ち主に見捨てられたほうのガラスの靴を手に取り、王子がしげしげとながめまわしているのだ。そして、王子は、ガラスの靴に、口付けした。まるでそれがいとしい女性の素足であるかのように、おもむろに、深く。
たちまちシンデレラは情熱を感じた。まるで自分の肉体に王子の接吻をうけたかのように。あなたのいとしい私はここです、と名乗りでたかったが、このぼろ着。とてもさきほどのシンデレラとは理解してもらえまい。が、ふと。彼女は気がついた。真夜中の12時の鐘の残響とともに魔法は解け、きらびやかな装いもなにもかもが失われてしまった、とおもいこんでいたが。左右のガラスの靴同様、いまだ消えておらぬものがあったことを。
それは、彼女自身であった。
実態の無かったものは消えたが、実体の有るものは消えなかった。いや、もとより消えるはずがないのだ。
王子はこれでも私と気がつくかしら?
シンデレラは、目鼻立ちには自信があった。声も透き通るような美声であると、かねてより自負していた。だから、彼女は賭けにでることにした。
シンデレラは、素足で一歩前に進み出た。もう片方の足には、ガラスの靴を履いたままで。
月明かりが、彼女のかんばせを照らした。その瞳は、青玉のようであった。
あなたといる時間は何よりも輝いて過ぎるのが早かった……離れるのが寂しかった。いつまでも一緒にいたかった。でもそれは出来なかった……離れたが最後そのまま終わりを告げられてしまった……私はどうするのが正しかったのだろう……
子供達の一時の思い出も、
ひぐらしの朝夕の訪問も、
だんだん聞こえなくなってきた。
時を告げる
この時期になると思い出す
大好きだった貴方の誕生日
もう傍にはいないのだと痛感して
時の流れを知る
朝、目を覚ます。
布団に入ったまま、真っ直ぐ前の壁に掛かった時計を見る。『5時か…』
窓側の方に目をやると、外は少し薄暗い。5月6月なら、景色が隅々まで見える時間なのに…9月ともなると、さすがに、明けるのが遅くなってると感じる。「さて、起きるか」
布団をあげ、パジャマから家着に着替えていると、覚まし時計のアラームが鳴った。5時15分に設定している目覚まし時計。
近頃は、それより早く目が覚める。「年かな…」そう思える今日この頃。『もう要らないか?俺には…』
もの心がついた頃からずっと付き合って来た「時をつげる」目覚まし時計。私は、その見慣れた古時計を、しばらく、ぼーっと眺めていた。
秋の風のにおい
鈴虫やコオロギの鳴き声
木々の色づき
朝のひんやりとした空気
いつも自然が教えてくれる
春夏秋冬のあるこの国に生まれて
私は幸せだ
ほぼ一定で刻まれている。
変わることのないそれは、とても無機質で。
昨日も今日も。
明日も、きっと。
そう思っていたのに。
淡々と刻まれていたはずの音が、
ひとつ、長く、鳴り響く。
二度と、声が聞けない日々の。
二度と、会うことすらできない日々の。
その始まりを。
苦しそうな、辛そうな姿を見る日々の。
明日が来るのが怖い、そう思う日々の。
その終わりを。
ひとりの人生の、その終わりを。
機械音が、告げる。
時を告げる
時を告げる
朝の収集車の響く音
昼時の鰻屋の香ばしい香り
夕暮れの部屋の点灯
流れるテレビニュースのキャスターの声
時計の針を見ることよりも、漠然とした時の流れの幅を感じることが、日常の告げるリズム
さあ、そろそろおはようのメールを打とう
きっとあいつにとってのひとつの時の刻だから
クールラン
隣で起き上がる
煙草を吸う
咳をする
それが私の、目覚めの合図
「時を告げる」
雲間から日が差せば
鳥はさえずり
羽ばたき飛び立つ
静かな郊外でも
ざわめく街中でも
未開の森でも
山ほどもある言いたいことを
抱え込んだら堕ちてしまうだろう
だから適度に削ぎ落として
フル軽装備で
朝日が洗い流した後の
輪郭鋭い交差点
青に変わる信号
どこへ向かうかなんて
鳥は自由なはずだ
時を告げる
卒業したあとまだ君にはまだ一回も会えていない
君は卒業式に来なかった
ちがうな来れなかったんだよね
色々あったから
また会えたらさ
また3人で遊ぼうよ
その時は「あの頃の私たちはバカだったな」
って笑おうね!
待ちあわせ場所にアキは来ない。
いたのは、鈴虫とコスモスと十五夜で、
爽やかな風が吹いていた。
ああ、そうか、
ぼくが立ち去る時がきたと、
ナツは思った。
最近目覚まし時計を買った。
寝過ごさないようにだ。
スマートフォンで動画を見ながら寝落ちし、朝電源が切れたことが何度か有る。
うっかり寝過ごしたら大変だ。職場になんと言えば良いかわからない。
デジタルよりもアナログの方が良い。
文字盤が見やすい時計が好きだ。きちんと数字が書かれているもの。
結局、ごくシンプルなものを選んだ。
今日も私に、朝が確かに来たことを告げてくれる。
これからもよろしく。
あったまにきた。絶対に許さない。
私はそう思いながらも、その場にしゃがみ今日のノルマを果たした。
「まだ近くに、いるはず」
立ち上がると、周りを見たが、アイツはやはりいない。
くそっ、くそっ。
首を揺らし、忙しく探しまわった。
どこ、どこにいるの?
すると、肩をつつかれた。
「時間だ」
もう? もうそんな時間? 仕方ないわ。
私達は、外へでた。そしてお腹いっぱいに空気を吸うと
「コケコッコー!!」
また、1日が始まる。
_____時を告げる_____
6月におばあちゃんが亡くなりました。
おばあちゃんはもともと入院していました
亡くなった日私はテストで学校を休めませんでした。
家に帰ると、おばあちゃんに行くよと言われ
おばあちゃんが亡くなったことが受け入れられずにいました
おばあちゃんの家に行くと
おばあちゃんはとても冷たく、苦しまずに亡くなったそうです。
今思えばもっと関わっていればなと後から後悔しました
時間が流れていくと共に事は進んでいき
お通夜、お葬式、時間は過ぎていき
火葬場で最後のお別れをしました。
人はいつかは死ぬ
そう言われていましたが、未だに受け入れられていません
おばあちゃんの家に行けば、いるんじゃないかなと時々思ってしまうのです。
先日母と空を見あげると、母はあれおばあちゃんの笑顔にそっくりと言いました。
私はその瞬間涙が止まりませんでした。
もしかしたら、おばあちゃんが様子を見に来てくれたのかな
と思うと余計に涙が止まらず号泣してしまいました。
実は、私おばあちゃんが亡くなる前に一度あっていて
お姉ちゃんと母と病院にいきおばあちゃんに会いに行くと
おばあちゃんは最後
今度は家で会おうね
って言いました
もしかしたら、もう時間だとわかっていたのでしょうか
今でも思い出すと涙が出てきます。
おばあちゃん、元気にしてますか?
2022.9.6
『時を告げる』
おばあちゃんから譲り受けたボンボン時計
毎週月曜日にネジを巻く楽しみ
少し遅れ気味なので5分早めておく
ネジ巻きを定位置に置き扉を閉める
時刻は11時58分あと2分したら
ボ〜ンボ〜ン・・・
巻き終わったあとの音は
元気に時間を教えてくれる
時を告げる
時は、いつも流れていく。朝が来て、また夜が来る。
おはようと声をかけ、また明日ねと手を振る。
いってきますと出かければ、ただいまと同じ場所に帰ってくる。
時と言葉は、同じように始まりがあって終わりを告げる。