『星座』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
私の星座が現れる頃には、彼の星座は正反対の場所にいる。まるで今の私たちみたい。
空の道標
種蒔き育む人々に暦と方角をもたらし
砂原を海原を草原を氷原を渡り行く人々を支え
営みと物語を刻み伝えている
星を掴めたなら、貴方に想いが届くのかしら?
───『星座』
【星座】
偉業を成した英雄は神の手により天へと召し上げられ、星座として永遠にその存在を刻まれる。夜空に輝く星座の一つ一つには、遠き過去を生きた英雄たちの物語が秘められているのだ。ああ、だけど。
目の前に広がる血の海。私がこの手で葬り去った人たちの骸が山と折り重なる。神は私のこの行為を重罪だと断じるだろうか。それとも戦における英雄として認めるのだろうか。色濃い鉄の香りが神経を麻痺させる。ああ、血の匂いに酔ってしまいそうだ。
「――お疲れ」
耳朶を打った涼やかな声。戦場の熱気に決して飲み込まれぬ高潔なる王。彼の存在を認識した瞬間、脳が冷静さを取り戻した。
背後を振り返り、恭しく膝をつく。私の唯一の王。この命の全てを捧げると誓った方。貴方が認めてくれるならば、私は神の許しなどいらない。星座になど祀られなくとも世界でたった一人、貴方が私の功績を覚えていてくれるならば、それ以外など私は何一つ望まないから。
「やっぱり君は頼りになるね」
微笑んだ王のその言葉が、私にとっては天へと召し上げられるよりもよほど誇らしい栄誉だった。
「星座」
「あ、オリオン」
あなたの指差す方を見上げる。
鼓のような形を作るオリオン座
でも本当は
星と星との距離はとてつもなくあって
線でなんて繋がってもいない。
お互いもまさか
こんな地球のような宇宙の片隅で
小さな小さな人間が夜空を見上げて
星を勝手に線で繋いでいるなんて
思いもしないだろう。
お互いが向かい合って
言葉にできない想いを
何万年も 何十万年も 何百万年も
ずっとずっと心に積み重ねてきたとしても
自分たちでは決して
お互いを繋ぐことはできない哀しさ
だから
私はとなりに立つあなたをみて
静かに微笑むだけ
私達もまた 決して
つながることはできない哀しさ
「星座」
星には興味がありません。
なので星座分かりません。
尖った鼻先も何も、誰かが思い出すたびに変わってしまうのに、曖昧な形を保ったまま、深い藍染めの隅に生き残っている
『星座』
【きっと明日も】
「きっと明日もいい日になるよ」
だから今はお休み。言い聞かせる優しい声に、同じ優しさで髪に触れる手の温度に、安堵が胸を満たす。
忍び寄った眠気のままに目を閉じて少しだけ体を寄せる。吐息で笑ったその人は優しい強さで抱き寄せてくれる。穏やかな歓喜に包まれながら眠りの淵へ沈み込んだ。
あれみろ
どれ
あの星
うん
1りでいるだろ
うん
あれがお前な
は??
でもひとりだけど
すげー輝いてんだよ
それがお前
#星座
久方ぶりに夜空を見上げた。
田舎の夜空ほど、無駄な灯りがなくて星が綺麗に見える。
その日は月が無く、ただ星だけが夜空に瞬いていた。
ふと学生の頃に少しだけ気になって調べたことを思い出した。
夏の大三角やオリオン座などの有名どころやアンドロメダ座にペガスス座など、少し調べれば知ることが出来る星座など。
今も探せば星座はそこにあった。
何年、何十年経とうとも変わらないように見える景色がそこにはあって、僕たちを見ている。
また気が向いたら空を見上げよう。そして、懐かしの友を探すのだ。
星座占い
同じ星座の人ならば
運命共同体
タロット占いならば
自分で選んだもの同志かも
人事を尽くして天命を待つ
ということでしょうか
星座
空を見上げれば心寂しくなる。
元気になるなんて人もいるけれど、俺は違う。
ああ、あの星はあいつが。
あっちは、アイツが話してたっけ。
くそ…あーあ、早く俺もそっちに行きてぇ。
うそうそ、そう言ったらお前達は怒るもんな。
冗談だよ でもさ
もし俺が星座になるなら何の星だろうな
『お題:星座』
とある小洒落たバー。
私はさほど稼いでいるわけではないが、今日はたまたま心の穴がこちらを指差していたので、それを埋めるためにわざとらしく鐘を鳴らすドアを潜って此処へやってきた。
別に気になる異性の常連がいるだとか、そういうことじゃない。ただ、社会の歯車とでも言うべき日常から切り離されたこの穏やかな空気感が、私の疲れを癒してくれる。そんな気がする。気がするだけではあるが、気休めとしては充分である。
私はカウンターの一席に腰掛けると、マスターに「とりあえず、お水もらって良いですか」と話しかけた。
「お水が好きなんですね」
「ええ、お水に心酔しています。床上くらい」
などと、くだらないやりとりをしたところで、四つくらい席を空けて、その隣に一人の男が腰掛けた。
男はマスターに何か囁くように言うと、私の方を見て優しく微笑んだ。
どうやら「いつものお酒を、あちらの女性に」的な、よくある流れらしい。
私、今日はさほど酔いたくないんだけどな。でも、それなら何故わざわざバーに来たのか。
自分の中で軽い矛盾みたいなものを感じながら、男に会釈をすると、マスターが私の席に中身の注がれたお洒落なグラスを置いた。
「あちらのお客様からです」
グラスに注がれているのは透明な飲み物。まさか、この空気感でグラスに芋焼酎でも注いだのか、などと自分でもよくわからないことを考え始めてしまう。
すると、男は席を詰めて、私の隣に改まって腰掛けた。
「お水が好きなんですね」
「マスターにも言われました」
「なんか最近、この店でこうして水を飲んで過ごされているのを何度かお見かけしていたので、失礼を承知で追加の水をマスターにお願いしてみました」
「…ふふっ、バーで女を口説くのに、お水はないでしょ」
男のユーモラスな挙動に、初対面ながら久々に心の底からの笑みがこぼれた。口説かれているかどうかはさておくとして、面白い人と出会えたことが少し嬉しかったりする。そんな自分にも笑ってしまいそうだ。
男はそんな私を見て、感慨深そうに一人語りのような話を始めた。
「いや、ね。僕は常々思うんですよ。色恋を求めてバーに来るのも、それはそれとして普通の使い方なんでしょうけど」
「…自分はそうじゃないと?」
「いえ、多少の下心は持ち合わせていますけどね。ただ、此処に来ると、僕は夜空を舞っているような気持ちになれるんです」
「…はあ。と、言いますと?」
「晴れ渡った夜空を見て、星と星を繋げて何かに見立てる…ってのがあるでしょう? 此処で色んな人と出会うことで、星と星を結んでいく感覚を覚えるんです」
「…ふむ、なるほど…?」
つまりは、此処で生まれる人脈を天に広がる星座に見立てて、人との出会いにロマンチシズムを見出しているということらしい。
「ちなみに、私で何人目なんです?」
「夜空にまたたく星の数を数えるのはナンセンスというものです。あなたは紛れもなく一番星ですよ」
まあ、その言葉で私は大体を察した。この男はこの話を幾度となく繰り返して、このバーを楽しんでいるのだろう。
別にこの男を毛嫌いしているわけではないが、気取った言い回しに熱量を感じられなかったので、出された水を居酒屋のノリで飲み干すと、席を立った。
「あれ、帰っちゃうんですか?」
「ええ、面白い話を聞けてお腹いっぱいです」
私は結局自分が何を求めてバーに来たのかを忘れてしまって、そもそも穏やかな空気感とは何なのか、などと小難しいことを考えながら、バーを出た。
ただ、私の去り際に男がマスターと交わしていた言葉は少しだけ面白かった。
「マスター」
「なんでしょう」
「サソリ座から逃げるように動くオリオン座って、こんな感じですかね」
「はあ…いや、むしろ星座が云々より、あの方は流れ星のように映りましたね」
「連絡先、交換できますように! って早く念じておけば良かったよ」
星の出ている夜でした
息が白い夜でした
両手にゴミ袋を引っ提げて、なだらかなAラインを描くシルエットは星を見上げて、月を見上げて言いました
「こんなに地球が壊れてるってのに、星はまだ見えるもんだねえ」
「そりゃ地球が壊れても、星は遠くで関係なしに輝くからね」俺が言うと
「他人顔した星達だな」
『高潔にも見える』
と一人頷いていました。
横顔にある種の幼さがどうしても引き剥がされずに残っていたことを覚えています。
冬は毎年の様に清廉で、彼は冬が好きで夏が嫌いだと言っていました。「モノが腐るので嫌いだと」
冬の間だけ俺と彼の間にある空気は清廉で、においを、粒子を間に挟まず、ソリッドで互いに自分だけで立っている様に錯覚していた。
今年の夏は彼の背中を見送る。
彼と俺の間の空気に何が含まれていたのか知りません。
ただ外れたAラインに、俺はどこかで梯子の様にもたれかかっていたのかもしれない。
空気が、傾くのです。
あれから、世界が片方だけ斜めに傾くのです。
「あいつは馬鹿だね、何もしなくても人間が死ねば地球なんて百年で元通りになるのに」
発狂したテロリスト。正気のままに醒めて踊る。知りつつ間違うハムレット。
彼と俺の間には、本当に媒介する空気があったのでしょうか。
だって今更くらいに何も知らない。
了
10代〜20代の頃は星座占いを気にしていた
朝の今日の占いをテレビで見てたし
雑誌の裏の星座占いも必ず見てた
何があっても一緒に居ると思うパートナーと出会えて
いつのまにか星座占いは気にしなくなった。
私たちの中には、「星座占い」をあてにしているひとがいるかもしれない。「星座占い」は科学的根拠や正確性があるわけではないのは誰にでもわかることだと思う。しかし、人々はそれを簡単に信用してしまう。それはいったいなぜだろうか?
「星座占い」で用いられる星座は12個しかない。星座全体で88個あるのだから、誕生月で12個に分けることがまず間違いだと思う。
夏休みも終わりかけの8月下旬。
先輩の思い付きで、星を見に行くことになった。
先輩のお父さんがワゴン? ミニバン? を出してくれて、行けるメンバーみんな引き連れて、近くの山の上へとやって来た。
「うわぁ……っ!」
思わず声を上げる。
視線の先には零れ落ちそうな程の星達(さすがに言い過ぎかな)。街の中じゃ見えない天の川まで、はっきりと肉眼で見ることができた。
少し離れた場所で、先輩のお父さんが夜空に見える星座について解説をしている。
「どれが夏の大三角かわかるー?」
先輩が近付いてきてそんなことを尋ねてくる。
「そりゃわかりますよ。すごく目立つじゃないですか」
そう答えて、夜空に浮かぶ大きな三角形を指差した。
「あれがデネブ、アルタイル、ベガ」
「大丈夫? それ何かしらの著作権に引っかからない?」
「夏の大三角の星挙げただけですからー!」
先輩が私の言葉に補足をする。
「あれがはくちょう座のデネブ、わし座のアルタイル、こと座のベガ。それで、このアルタイルが彦星、ベガが織姫。ちなみにデネブはカササギと言われているよ」
「カササギ?」
「カササギは織姫と彦星の為に天の川に橋をかけてあげる役だよ。ほら、はくちょう座の翼の部分が天の川を跨がるようにかかっているでしょう」
「でもはくちょうなのにカササギ。しかもデネブというかはくちょう座全体使ってる」
「不思議だね」
「夏の大三角関係というわけじゃないんですね」
「残念ながら……。でも君が望むなら、君が織姫、君の好きな人が彦星、そして私間男デネブで物語を作るよ!」
「何の話してるんですか何の。ていうか間男て、あなた女でしょ」
ちらりと顔を上げ、私にとっての彦星を見る。あくびをしながら眠そうに空を見上げていた。
「あーそうそう。今日ここに来たのは星座や天の川見る為だけじゃないんだ」
先輩がそう言った時だった。
天の川を切り裂くように、一筋の光が流れ落ちたのは。
「あっ! あれ、流れ星!?」
「そー。ペルセウス座流星群。極大の時期からは少しずれちゃってるけど、ここって結構流れ星見えるんだよね」
夏の大三角から意識を逸らしてみれば、あちらこちらで流れ星が流れていた。
「願ってみれば? 彦星といつまでも一緒にいられますように、とか」
「何言ってるんですか……」
先輩の言葉に少し照れながら、祈った。
いつまでもこんな時が続きますように。彦星だけじゃない。これだけたくさんの星があるんだ。みんなといつまでも一緒にいられますように。
「ところで、君がこと座のベガ、君の好きな人がわし座のアルタイル、私がはくちょう座のデネブだとしたら、どの星座の星にみんなを当てはめる?」
「えぇー……? 私そんなに詳しくないですよ」
わいわいと、楽しい夜は更けていく。
『星座』
「星座」
十二支はすらすらと全て言えるが、十二星座は思い出しながらでないと難しい。
ね、うし、とら、う、・・・のように短い呼び方がないからだろう。
ひつじ、うし、ふたご、かに、・・・なんてなんだかリズムが悪くて覚えられそうにない。
(分かる人にしか分からないが、漫画『聖闘士星矢』の黄金聖衣編のストーリーを回想していくと、順番通りに言える。)
星座はギリシャ神話と関連していて、由来などを調べてみるととても面白い。
昔の人たちが、星空を見ながら色々と想像して、様々なストーリーを作っていたことを考えると感心してしまう。
今よりも娯楽が少なかったことも理由であろうが、街灯などもなく星が見えやすかったからだと思う。
何千前年も語り継がれ、まさか日本漫画の題材になるなんて、はたして当時の人たちは想像していただろうか。
横っ腹が痛かった。冷や汗が酷い。
もうお酒なんて飲まん、そう決めた。
……いつのやねんこれ。
テンション的には何杯も行きたい。唐揚げ美味しいし、そやけどいつもサワージュース感覚で飲んですぐ寝る。ほんまにお酒強くなりたい
夜空に浮かぶ光を天と点で結ぶ
そこから私とあなたを結び
小さな愛が生まれる
たくさんの星星がまたたく瞬間に