『星座』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
昨日の続きです。
行きたくない。
けど行かなきゃならない。
私は桜華財閥の一人娘。
周りは
「羨ましい。私もそんな生活してみたい。」とか
「この家に生まれて幸せね。努力しなくてもなんでも手に入るわね〜」とか
「一生チヤホヤされて生きていけるのねぇー」
なんて、勝手なことを言うけど私は普通の家に生まれたかった。
貧乏でも、食べるものがいいものでなくてもいい。
ただ家族みんなで笑って食卓を囲むの。
普通の高校生のように放課後はカフェなんて言って恋バナして、会話に華を咲かせるの。
周りからの視線を気にせずに楽しく外を歩けるの。
想像するだけでも幸せな気分になる。
お嬢様なんて、全然いいことなんてないのに。
小さい頃から、食事のマーナを教えられて。
家族で食べることなんて滅多にない。ただメイドが見てるだけ。
大金持ちのお嬢様学校に通って、帰りの放課後はSPに見守られながら真っ直ぐに家に帰らないといけない。
同級生なんて、自分の家の自慢ばかり。楽しくない。
たまに、周りからの言葉に叫びたくなる。
「変わりたいなら、変わってあげるよ!
わたしは普通に生活したいの!誰か変わってよ!」
って。
実際はそんなこと言えやしないけど。
鏡に映る化粧をして綺麗なドレスに身を包んでいる着飾られた私の姿。
鏡に映る私は笑えるほど酷い表情をしていた。
どこにいても1人でいても息苦しい。
もう全て投げすてたい。
こんな家出てしまいたい。
そう思うけど、すぐに頭の中に浮かぶのはお父様の顔。
「はぁー。」
ため息をつくと、すぐにお手伝いさんが入ってきた。
「麗様。パーティーのお時間です。」
「分かりました。今行きます。」
今すぐにでも帰りたいと願っている自分の重たい腰を上げて、会場へ向かった。
♡ ••┈┈┈┈┈┈┈┈•• ♡♡ ••┈┈┈┈┈┈┈┈••
「この子がわたくし、桜華 利秀の一人娘、桜華 麗です。これからお世話になると思いますのでよろしくお願いいたします。」
「初めまして。桜華 麗です。
これからよろしくお願いいたします。」
子供の頃に身につけた愛想がいい綺麗な微笑みを浮かべて挨拶をする。
お偉い様方の反応は・・・・・・・上出来か。
「ほぅ。綺麗なお嬢ですねぇ。
ぜひ、うちのバカ息子の嫁にきてほしいぐらいだよ。」
「ふふっ。口がお上手で。」
吐き気がする。
こんなジジイ達に笑顔を浮かべて、ご機嫌を取ってる自分にも。
いやらしい笑みで私を見てくるジジイ達にも
そんな気持ちを表に出すことは許されるわけもなく、言葉とともに取り繕う。
そんなふうに笑顔でいれば、一通りの挨拶は終わる。
少し離れたところでお父様と2人きりになる。
「麗。もっと、話さんか。相手は気に入られれば得するお偉い様だぞ。お前ならできるな?あの時のように私は娘にがっかりはしたくないからな。」
お父様の居丈高な様子に少しだけ恐れを感じ、首を縦にふる。
「はい。お父様のご期待に応えられず申し訳ありません。次はもっと必ず完璧に振る舞います。」
「それでこそ私の娘だ。
今日はもういい。私はまだやることがあるから、麗は会場の中にいなさい。多少はゆっくりしてていい。
でも、桜華財閥の娘の威厳を忘れずにな。
誰かから話しかけられたら完璧な態度で振る舞えよ。
私の娘なんだ。それができるな?」
「はい。承知いたしました。」
お父様は私の頷いたのを確認して、私の元を離れた。
苦しい。
どこにいてもどんな時でも。
休んでていいと言われても、後に続く言葉が気を休ませない。
お父様から出る言葉はいつも決まってる。
「どこにいても、桜華財閥の娘だと言うことを忘れるな。」
「常に完璧でいろ。」
「がっかりしたくない。」
そんな言葉ばかり。
気持ちは分かるんだ。
お父様も、ここまで先代が完璧に作り上げてきた桜華財閥を潰してはいけない。娘の私が少し誤った振る舞いをすることで事が大きく変わることだってある。
だから、お父様も必死になる。
私にも完璧な態度を求める。
一度の失敗は許されない。
小さい頃、小学6年生に一度だけ失敗したことがある。
それは小さく事は済んだけど、お父様にはすごく怒られた。
「私をがっかりさせるな!私の娘なんだから、私が絶対に恥をかくことをするな!
いいか。常に完璧でだ。
泣くな!泣いても何も変わらないし、許されない!
次こそ失敗しないように努力しろ!」
お父様のあんなに怒った顔は見たことがなくて涙が溢れるけど、それさえ許してもらえなかった。
お父様はその日からもっと厳しくなり、稽古やマナーの勉強が寝るまで続いた。
その日から私は知識を頭の中に入れ込み、完璧に振る舞えるように頑張った。
お父様の笑顔はしばらく見ていない。
昔のことを思い出すと頬から笑みが消えそうになるが、必死で取り繕って、端に移動してワインを注ぐ。
すると、急に音が鳴り始めた。
ダンスの時間のようだ。
男女がペアになって踊るらしい。
なら私も踊らなければならない。
そう思って周りを見回すと1人の男性が誘ってきた。
「一生に踊りませんか?」
「もちろん。光栄ですわ。」
笑顔で受け入れて踊り始める。
それからはそれの繰り返しだ。
曲が終わりに近づき、あと1人ぐらいで終わりかなっと思った時、
見る景色が停止した。
周りの踊っている人達はピタリ止まり、動かない。
お父様も動いていなかった。
・・・・・どうなってるの?
不思議すぎる出来事に意味がわからなくなった時
「おねーちゃん。」
声がした。
声の方を向くとそこには、
1人の男の子。
5歳ぐらいの男の子だ。
この大人だらけのパーティーに子供が1人だけいて、その子は動けている。
どう言うことなのだろう?
「びっくりさせてごめんね。おねーちゃん。
ここはね、僕が世界を停止したんだ。
だから、おねーちゃんと僕以外は動かないよ。」
「あなたがしたの?なんで?」
男の子はうーん。と言って笑う。
「だってこのままにしてたらおねーちゃん。壊れちゃうから。だから止めちゃった。今は誰も見てないし、誰もいないから、安心して休んでいいよ?」
壊れちゃう、か。
「おねーちゃんにも休む時間があっていいんだよ。
お嬢様らしくしなくていいの。
ありのままでいていいんだよ。この世界は1時間。
1時間しかあげれないけど、ごめんね。ゆっくり休んで。ご飯もたくさん食べて。なーんにもきにしなくていいよ。」
もう何がなんだかわからないけど、もういいと思った。
「このドレス脱いできていい?」
「いいよ。」
ドレスを脱いで身軽になる。
お腹が空いたなと思って、ご飯をご馳走になる。
「人の目なんて気にしなくていいからね。」
それからは食べ方も気にせずに思い切り食べた。
そして、控え室のベットに横になって好き放題する。
少し羽目を外しすぎかと思ったけど、誰も見てないならいいやってなって、自由に過ごす。
生きてる中で1番楽だったと言ってもおかしくない時間だった。
もうすぐ1時間が経つ。
もうこの時間が終わる。
名残り惜しく思った時、
「楽しめたかな。」
いつの間にか消えていた男の子がまた現れて、そう言ってきた。
「うん。楽しめた。
ありがとう。」
「おねーちゃん。きつい時は休んでもいいんだよ。
例え周りがなんと言おうがおねーちゃんは1人の女の子。
桜華 麗 じゃなくて、普通の女の子の麗でいてもいいんだよ。僕はそっちの方が好きだよ。」
「でもーーーーー「待ってて、もうすぐ迎えにいくから。僕が君を救うから。」
謎の言葉を残して消えた。
それからは普通に世界が動き出した。
なんだったのだろうか。
不思議な男の子。
迎えに行く?ってどう言うことだろう?
パーティーでは、男の子のことが頭から離れなかった。
♡ ••┈┈┈┈┈┈┈┈•• ♡♡ ••┈┈┈┈┈┈┈┈••
それから2日経った夜
コンコン
誰かがドアを叩く音がした。
「麗様。旦那様がお呼びです。」
お手伝いさんがそう言ってきた。
お父様?
なんのようだろう。
私なんかしてしまったかな?
少しの不安を抱えながら長い廊下を歩いてお父様の部屋の前につく。
すぅーー
深呼吸をしてドアを叩く。
コンコン
「お父様。麗です。」
「麗。入りなさい。」
「はい。」
返事をしてお父様の部屋に入る。
「麗。そこに座りなさい。」
「はい。」
お父様と対面に座る。
「麗。当たり前だかお前には将来、俺が決めた相手と結婚してもらう。」
結婚・・・・・・。
この家に生まれてきた時点で好きに結婚できるわけがない。
だから覚悟はしていた。
まさか、こんな早くに話がくるとは思っていなかったけど。
だって、私はまだ高校1年生だ。
それなのにもうこんな話・・・・・。
「なんだ?その顔は。分かっていたことだろう。」
「はい。分かっています。
ただ少しびっくりしただけで、大丈夫です。」
お父様が少し顔を顰めて言ってきたから慌てて言葉を尽くす。
「そうか。で、お前には今度まず、そのお見合い相手と2人だけで会ってほしい。それからはお互いの親も入れて会うことになる。」
「分かりました。」
そう言ってお父様の部屋を出て自分の部屋に戻る。
部屋から星いっぱいの夜空を見ながらぼんやりと考える。
お見合い・・・か。
したくない。なんて言えないけど。
せめて、相手が優しい人でありますように。
そう祈って眠りについた。
♡ ••┈┈┈┈┈┈┈┈•• ♡••┈┈┈┈┈┈┈┈•• ♡
そしてお見合いの日
家を出る前、お父様に呼び出されていた。
「麗。相手はこれから家の財閥に大きく影響を与える佐々木財閥の息子だ。
失礼のないように。いつも以上に気を張って完璧にいなさい。
桜華財閥がかかっているから失敗は許されないからな。」
「はい。行ってきます。」
そう言ってお手伝いさんと家を出た。
佐々木様とはレストランで会う予定だ。
レストランについて、席に座って佐々木様を待った。
そして待つこと3分
「待たせて申し訳ありません。佐々木財閥、佐々木 剣です。」
そんな声がした。
佐々木様が来たのだ。
緊張しながらも立って挨拶をする。
「はじめ──── っ!」
「初めまして、桜華財閥の桜華 麗です。」と言おうとした。
けど、佐々木様の顔を見た瞬間、パーティーの時の男の子の姿が脳裏によぎった。
似ている。
のんびりとした雰囲気も。
ありのままでいていいと言ってくれたあの微笑みも。
何もかもがあの時の男の子に見えた。
言葉を失ってもう一度、彼の方を見るとにっこり笑ってこっちを見ていた。
いけない。まずは挨拶だ。
挨拶もせずに固まるだなんて、不思議に思われるし、失礼だ。
『完璧でいなさい。』
お父様の声を思い出す。
「失礼致しました。
初めまして。桜華財閥、桜華 麗です。
佐々木様。これからよろしくお願いいたします。」
「うん。よろしく。
ここにいる者達は僕と麗を1人にしてくれないか?」
佐々木様の一言で周りの大人達は全員去っていく。
そして、私達は2人きりだ。
佐々木様を見るとやっぱりあの男の子と重ねてしまう。
じっーーと思わず見てしまう。
「僕の顔に何かついてる?」
「い、いえ。さ、先程から申し訳ありません!」
なぜだろう。こんなに知らず知らずのうちに気が抜けてしまう。
「そんな堅苦しい態度取らないでいいんだよ。
無理に着飾らなくてもいい。
桜華 麗 じゃなくて、普通の女の子の麗でいてもいいんだよ。僕はそっちの方が好きだよ。」
「っ!」
男の子から言われた言葉だった。
佐々木様は、君は─────
「あの時の男の子。」
信じられない思いで見つめると、
「ピンポーン。」
にっこりと笑って指をオッケーとし指を曲げ
て返してきた。
「僕がこれから君の旦那様になる。
嫌だったら断ってもいいよ。
君が断っても、桜華財閥が不利になるようにはしない。
けど僕は、麗。君が好きだ。1人の女の子として。
僕と一緒にいてくれるのだったら一生愛し抜くと誓おう。」
断ってもいい。
そう言う。
けど、1人の女の子として見てくれる。
そう言ってくれたのは人生で初めてだった。
あの時、安らぎの時間をくれた。
優しい笑顔でそのままでいいと言ってくれた。
愛し抜くと言ってくれた。
だったら─────
「断ることはしません。
これからよろしくお願いします。」
嬉し涙を流しながらそう言うと
君は愛おしいものを見るような温かく柔らかい微笑みで言った。
「麗。愛してる。」
完
読んでくれてありがとうございました。
#星座
私の星座は牡羊座♈
牡羊座って早いですよね
外に出たら星が消えたり、増えたりする。明日もまた星出るかな?お願いです。
空にある星は、亡くなった人の命や、動物の命亡くなった人の皆様、黙祷を捧げます
星座
自分は蟹座です
蟹座でB型
占いでは
芸術家タイプらしい
確かに絵とか
工作とか好きだった
知らないことは
自分で調べる
芸術家タイプって
自己中だと思う
私、自己中なんです
でも障がい者施設で
働き
いつも相手を思いやる
でも
プライベートでは
人は人
自分は自分
ではでは
星の下 線を引く指 時空超え
生まれたらいい 神話と愛が
#短歌 #書く習慣 20231005「星座」
星々は ただそこにあって
それを見つめつづけ
つないでは名づけ
物語を描いていく私たち
この星の上に置かれた私たちは
物語とともに生きている
「星座」
#225
【星座】
「見て、あの星座。すっごい綺麗に見えるね」
「あ、あの星座って…」
君と一緒に来た星空がよく見える、思い出の丘で。
「本当に、星好きなんだね」
「やっぱり大好き」
僕は昨日交通事故に遭った。
「君との約束を守れなくてごめんね。」
君はずっと声をあげて泣き叫んでいた。
僕はオリオン星系と縁がある
オリオン大戦もあったけど
今は穏やかなところ
オリオン座の三つ星
その中の真ん中の星
アルニラム
そこからやってきた
テクタイトを持っている
とても懐かしい
そばにいてくれる
やさしい存在
〜星座〜
星座
星座と聞いて頭に浮かんだのは
宮沢賢治の「星めぐりの歌」。
宮沢賢治の詩で
最近知ったのは
「山の晨明に関する童話風の構想」。
一部引用しますと
「つめたいゼラチンの霧もあるし
桃いろに燃える電気菓子もある
またはひまつの緑茶をつけたカステーラや
なめらかでやにっこい緑や茶いろの蛇紋岩」
いやあ
私には出来ない表現!
宮沢賢治さすが!
かっこいい
と
ほぼ宮沢賢治を紹介したいだけの回
星座
小学校の時星座早見盤で星をしらべた
自分の星座のてんびん座を見つけたかったのに
オリオン座と北斗七星しか見つからなかった
でも今なら見つけられる気がするの!!
私ももう13歳だよ?
いつまでも子供扱いしないで!
なんで笑うの?!
もっとロマンチックな話が書きたかったんですけど思いつかなくて私とお母さんの会話から書きました!
「星座」
見る人によって変わるのに
どうしてそれに名前をつけたのだろう。
そう見ざるを得ないじゃないか。
そんな見え方を1番気にしているのは、
まぁ私自身なんだけど。
#35
火照った顔にひんやりとした風が当たる
キミといっしょにお酒を飲むと楽しくなって
いつもよりペースが早くなってしまう
俺のことどう思ってる?
卑怯な人
そんなこと聞かれたら好きって言うしかないじゃない
知っている星座が見つかったら部屋に戻ろうかな
星座
夜空に見えたのは幾つかの星。
様々な色に輝いていた。
やがて星は形になり、星座に変わっていく。
星座占いに小さくガッツポーズ
占いに一喜一憂するなんて
ちょっと子供っぽい?
でもいいや
ラッキーカラーとラッキーフードでゲン担ぎして
昨日の0点は今日の100点に
書き換える!
#星座
"星座"
約束より早く着いてしまったので、時間を潰すのにいい場所は無いかと調べていると、近くにプラネタリウムがあるらしい。プラネタリウムかぁ…。時間的に丁度いいか。それに、プラネタリウムって行った事無いし気になる。
てことで今、絶賛初プラネタリウムを満喫中。リクライニングチェアに体を預けて、ドーム型の天井に映し出された星を観ている。
思ったより綺麗だなぁ…。天井いっぱいの星空にうっとりする。秋の星座が次々に映し出され紹介される。
しだいに、周りの薄明かりとゆったりとしたアナウンス、今の自分の態勢とが相まって、うとうとと瞼が上下する。瞼が閉じ切ると瞼をビクリと急上昇させる。そしてまたうとうと…、という繰り返し。…いや聞いてる、ちゃんと聞いてる。今は神話の、アンドロメダが「生贄にして」的な事言ってるところで…。そんな調子で意識が揺蕩う中、天井の星空を眺めていた。
上映が終わり、天井の星空が消え入った時と同じ光量の明かりがつく。ゆっくりと起き上がってプラネタリウムから出る。
「うぅ…」
まだ少し眠気がある。とりあえず近くの自販機で缶珈琲を買って開けて、中の珈琲を少し胃に流し込んで眠気を覚ます。疲れてんのかな…?用事済ませて帰ったら少し仮眠とろ…。
目に映るのは、空一面に広がる、反転した星座だった。
秋の大四辺形は無く、代わりに春の大三角形が見えた。
勿論、形は逆だったけど。
「どこ…ここ」
急に暗闇に包まれたかと思ったら、いつのまにか、この星空の下に立っていた。
辺りに明かりは無く、何処からか変な匂いがする。
例えるなら死臭。そんな匂い
「だ、誰か居ませんかー?」
恐る恐る、暗闇に向かって声をかける。
しかし、帰ってくるのは、無言。
流石に怖くなってきた
「と、取り敢えず歩こう。うん」
自身の恐怖を打ち消すように、声を出す。
人、せめて明かりがある所に向かおうと、何歩か歩くと、遠くから遠吠えが聞こえる。
まるで、自身の縄張りに入ってきた存在を、仲間に知らせるような、そんな音。
「!?お、狼?」
咄嗟に、その場から離れようと走り出す。
運動が出来ない体のせいか、中々スピードが出ない。
スタミナも勿論無いため、どれだけ走れるか分からない。
後ろを見ると、暗闇の中に2つの赤い光が見えた。
さっきの狼だ もう追ってきている
絶対に勝てない。
そんな出来レースに、焦りと恐怖が、足をこわばらせる。
「も、もう無理!」
スタミナが限界になり、声を漏らしたその瞬間。
何かを斬るような音が、後ろから聞こえた。
「え?」
振り返ると、そこには大きな鎌を持った同年代ぐらいの少年が立っていた。
どうやら、鎌で狼を斬ったらしい。
「え、あ、あの」
「すまない」
急な謝罪に驚く
「俺の不注意のせいで、あんたを巻き込んでしまった。」
「責任は取る 俺の後に着いてきてくれ」
そう言って、少年は走って行ってしまう。
「あ、待って!」
やっと見えた希望の明かりを見失わないように、限界になったスタミナに拍車をかけ、着いていく。
「あ、貴方いったい」
「俺は、鎌森風真。高校2年」
「あ、同い年だ。えっと、出雲雫(いずもしずく)です。」
狂った星空の下で、ぎこちない自己紹介をしながら、2人の少年少女が駆けていく。
お題『星座』
SF
300字小説
闇に願いを
「……昔、インカ帝国ではね、あまりに星が見えすぎて、夜空の星の無い暗い部分を動物とかに見立てて星座を描いていたんだよ」
そう彼が言ったのは遠足に行った宇宙エレベーターの展望台だったか。そこから見る銀河系の中心は無数の星が瞬いていて、確かに、その間の暗黒星雲くらいしか形をたどれるものは無かった。
「いつか、僕もあの星の中に……」
彼はその後、銀河系の中心を探索する調査団に入った。
古のような帰ることの無い探索。無事に目的を果たせるかも解らない危険な調査だ。
「行ってくるよ!」
それでも瞳を煌めかせて船に乗り込み旅立った彼。
煌めく光は宇宙放射線を伴う危険な星域。その隙間の黒い影に彼の姿を描き、私は無事を祈る。
お題「星座」
星座占いが当たってるのかどうかはともかくとして、それでも毎月のように気になるのは確かだ。
だが、参考にしているかというと数分後にはすぐ忘れてしまうので、ほとんど意味は成さないかもしれない。
その時だけの娯楽として楽しめばいいのではないか。
そう思うと気が楽になった。
さて、今月はどうだろうか?
時間やスケジュールがタイトになる…その上で、自分を大事にせよということだ。
では今日も、私は何をしたいかを自問自答しようか。
今夜は厚い雲に覆われて、
星は見えない。
だけども私のベッドは窓辺にあって、
枕の位置から空が見える。
今もそこに横たわって目を閉じた。
音が聞こえる。
向かいの駐車場で誰かが車に鍵を掛けた。 ピッ。虫の鳴く声。
かすかに聞こえるヘリコプターの音。
重なり合う車とバイクとバスのアナウンス。救急車のサイレン。
たくさんの気配、光の移動。
どうかご無事で。
ふと音は遠くなり、視界は深い青。
そして数えきれない星、星、星。。
深呼吸ひとつして目を開けた。
視界に雲に覆われた夜空が飛び込んでくる。
思わず笑みがこぼれてしまう。
目を開けたら見えなくなった。
目を閉じたら苦もなく…雲なく見えた。
無数の星たち。
私は一人、星が綺麗な夜を歩いていました。ふと立ち止まり、花壇に咲いている月下美人を見ながら思いました。
何時もなら、貴方と一緒に、この綺麗な夜道を歩いていたでしょう。ということについて。
ですが、もうそんなことはありません。気づいてしまったのです。
貴方が私の事を嫌っている事を。もう、昔から気づいていたのかもしれません。
ですが、それを考えたくは無かった。そう思うと、胸が苦しくなってきます。
だから私は今の今迄、その事を無いものだと思っていたのかもしれません。
しかし、もう貴方の近くに居ると今まで以上に貴方を苦しめてしまいそうで、
私は貴方から離れました。
すると、綺麗な宙が目に入りました。星々を見ていると、星座のことを考えます。
だけれども、私は正直、星座はよく分かりません。今見えているあの星々は何座かなんて、私には分かりません。
ですが、貴方なら分かるのでしょう。貴方は私より博識です。半年以上も毎日話していれば分かります。
星座のこともよく知っている筈です。だって貴方は星空が好きなのですから。
そう考えると私が今見ているこの景色は貴方の影響なのかもしれません。
本当、貴方に色んな影響を受けましたよ。
なんて言える訳がなく、ただ一人呟くだけ。
──この呟きも、貴方への思いも、貴方からの影響も何もかも、宙の美しい星となって
星座になってしまえばいいのに。
なんて、奇怪で可笑しいことを私は思っていました。
星座
夏の第三角も12星座も知らない自分に
ロマンを感じる資格はあるのか