日差し』の作文集

Open App

日差し』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

7/3/2024, 8:47:36 AM

新幹線のホームで待つ。
西陽で椅子に座る私の影が伸びる。

聴き慣れた電子音。
定番のD席。

新横浜では降りない。
あなたが待っていない駅を通り過ぎる。

後ろ髪をひかれるように、何も見えない窓を見る。

ただただ、ぼやけた私が映っていた。

題:日差し

7/3/2024, 8:45:14 AM

下駄箱から外に出た瞬間、一人がクシャミをした

「眩しいとクシャミでるんだ、これって4人に一人らしいぜ」

「は、は?オレは冷たいもの食べても頭キーンってならない体質ですけど?」

「え、じゃあオレはゲップが連続で出せるね」

「オレはどの関節でも自由にポキポキできる」

「じゃあオレは、えっとえっと―――」




『日差し』

7/3/2024, 8:45:03 AM

日差しは好きじゃない

朝起きて、目が覚めて

切れている電話を見て悲しくなるから


でもずっと繋がっている日もあって

そんな日は素直に暖かく受け止められる

7/3/2024, 8:39:10 AM

日差しが強くて、日傘をさしていても熱中症になりそうだ。
こんな日でも学校は休みにならないのだから嫌になる。
「…いっそサボってしまおうかな」

7/3/2024, 8:34:56 AM

日差しはあたたかくて好きです
日を防いでいるカーテンや物によって、日差しの形が変わるのが面白いです
日差しによって、物の色が変わるのも面白いです
日差しは人を元気にすることができると思います
このように、日差しはさまざまなことを変えることができると考えました

7/3/2024, 8:31:09 AM

日差しが強かった。
きないほうがいいと言われた上着。
学校で他愛ない会話を交わす友達は本当の友達かな?
悩みを聞くがわだから誰かにいえない。でも聞いてくれる人もいた本当の友達
まだまだいっしょ、
日差し以外、

7/3/2024, 8:23:47 AM

頭上を見上げると、太陽が燦々と輝いている。
蝉の鳴き声がどこか遠くに感じられ、あまりの熱気に視界が歪む

7/3/2024, 8:18:47 AM

日差し…私には無関係だ〜笑笑
アレルギーです♡(自称)
外に出るのが苦痛過ぎて、、
本当まだ小5なのに笑笑

7/3/2024, 7:48:02 AM

アンドロイドの頃から入れていたスマホゲーをいくつか入れて見ました♪

7/3/2024, 7:41:05 AM

今日は薄曇り。
それにもかかわらず暑い。
地面は熱く、水道から出る水も熱い。
湿気のせいか体に熱がこもり、私自身も熱い。
地球がどんどん熱くなる。

みんな熱くなる。

この先を考えて怖くなり、途方に暮れ、最終的に悲しくなる。

日差しは明るく、命を讃える。
日差しをまた、そんな風に好意的に思える時が来ますように。

7/3/2024, 7:21:33 AM

もう夏か…。そろそろ進路を決めなければいけない。頭では分かっている。しかし、自分の将来を想像できない。ここを卒業したら何がしたいのか、よく分からない。
そもそも、なぜ学校に行かなければならないのか。勉強なんて家でもできる。人間関係が苦手な自分にとって、学校は怖いもの…。親に怒られない程度にズル休みをし、通信塾で勉強は補っている。義務教育は終わったのだから、進学しないという手もある。しかし、ニートも仕事をするのも嫌だ…。

知らないうちに外が明るくなっている。将来を考えるだけで1日が終わろうとしている。最終的な結論は、「昼夜逆転している自分に将来なんて存在しない」ということ。約15年生きた自分の人生は終わったも同然。窓から眩しすぎる光が入ってくる。同い年の人は皆、その光のように明るい将来があるのだろう。カーテンを閉め、窓に背を向け、布団に寝転んだ。

※フィクション
【お題:日差し】

7/3/2024, 7:17:40 AM

★日差し

最近はずっと天気が悪かったけど、やっと晴れた。
梅雨明けってことでいいのかな。まだ雨降ったりする?
暑くてクーラーをつけたら、快適すぎて幸せ。

昨日の夜は、過去がフラッシュバックして病み病みモードに入ってしんどかったけど、今日は天気が良いからか心の調子も割と良いかも。空模様は心模様。

ここ最近動けなかったのは、天気の影響も少なからずあったのかな。天気でその日の調子が左右されるのは、面倒くさいな。

7/3/2024, 7:11:54 AM

眩しくて
まっすぐに見れない

クラクラする
だから間違って
誰かを好きになっちゃうんだよ



「日差し」

7/3/2024, 7:11:31 AM

鬼滅の刃では、鬼は日光を浴びると死んでしまう

鬼にとってのひざしは日刺しである

それは鬼に日輪刀のように刺さり

「死」を意味する

ひざしがあると生きていけない

人間にとってのひざしは日差しである

それは差し入れのようなものであり

「生」を意味する

ひざしがないと生きていけない

鬼と人

対極の存在

7/3/2024, 6:58:44 AM

「あっちぃー!溶ける!」
「まじ今日なんでこんな暑いんだよ!」

学校の帰り道。

今日は7月とは思えないほどの真夏日な上に風もなく、外は地獄のような暑さだった。

制服のシャツを仰いでも、ハンディファンを使っても意味をなさない。

「学校に戻りたい……。全然家つかないんだけど」
「耐えろ光輝。足を止めたら死ぬぞ」

そういう涼太こそ、今にも死にそうな顔をしていて笑えなかった。

「……あっ」
「なんだよ」
「み、水が……」
「みずぅ?」

視線を横にやると、いつも通る小川が流れている。
いつもは水がなくカラカラなのに、昨日雨が降ったからか、少しだけ水が流れていた。

「……なぁ、今同じこと思ってるよな」
「あぁ……!走れ!!」

残った力で2人で小川に向かってダッシュ。
川辺に着くと、荷物を捨て、靴を捨て、靴下も捨てて、狂ったように川に飛び込んだ。

「水きもちー!!」
「涼しすぎる!自然最高!!」

まさにオアシス。
夏の川がこんなに気持ちいなんて、どうして今まで気づかなかったのだろう。

「光輝くらえっ!」
「ぶっ」

突然全身に飛んできた水。
してやったりと言う顔で笑う涼太の宣戦布告。

「やったなぁ!!」
「うわっ!」

間髪入れずに水をかけ返した。

それからはお互い楽しくなって、終わりのない仕返しが続いた。

真夏のようなギラギラの日差しに照らされて、水がキラキラと光っていたのが印象的だった。


お題『日差し』

7/3/2024, 6:54:58 AM

窓越しに見えるのは(番外編)③の続き

日差し(番外編)④

●アイス

じめじめとした肌に張り付く様な日差しが
直接 体に当たり汗を掻きながら
魂狩りを終えた ミーナ ナイト ハイネの三人

バインダー局の扉を開け報告を済ますと
それぞれ解散となりばらける態勢になったのだが帰ろうとした矢先シズクが
テトテトと嬉しそうに三人の元にやって来て三人の前に袋を差し出す。

中に入っていたのはカップアイスと棒付きアイスだった。

「皆....おつかれ....様....」シズクは皆に
配り始める。

「シズクありがとう!」「このタイミングでアイスは神だよ!」ミーナとナイトが
喜び シズクはハロルド局長とマリアにも
配る「私はクーラーの効いた室内仕事なのに良いのかいシズク君」

「シズクちゃんもしかして暑い中買って来てくれたの 仕事が忙しくて手伝え無くて
ごめんね!」シズクはマリアの申し訳ない
返事に首を振り「私....この位の事...しか
出来ないから....お手伝いしたい....」と
にっこりと微笑む

シズクは、ハイネにも差し出す。
ハイネも暑かったので差し出された袋に
手を伸ばすが....袋にはアイスが後1個しか
無かった。

そうしてハイネは気付く
(もしかしてこいつ自分の分買って無いん
じゃないのか....)ハイネの動きにシズク以外の全員が気付く
そうしてミーナが「シズク自分の分は?」とシズクに聞いてみると
「自分......! !」シズクが今気付いたみたいに目を丸くする。

皆の喜ぶ顔を想像して買っていたシズクは
自分の分をすっかり忘れていた。

「じゃあ半分こしようかシズク」とミーナがシズクにスプーンを差し出す。
「で....でもミーナの分....無くなっちゃう」
「大丈夫よ!ほら先に食べて!」
「....ごめんね....」とシズクが申し訳程度に
ミーナのアイスを食べる。
「もっと食べて良いのよ!シズク」とミーナが促すがシズクは「もう大丈夫....
ありがとうミーナ....」とシズクは遠慮する

「シズク僕のも食べる?棒付きアイスだから
先に齧って良いよ」とナイトがシズクに
棒付きアイスを差し出す。
「大丈夫ナイト....食べて....」シズクは、
これ以上此処にいたら皆に気を遣わせて
しまうと思い寮に帰る事にする。
「私....帰る....ね....」とシズクは踵を返そうとして....「ひゃあっ...」と冷たい物が
シズクの頬に当たる。
見ると棒付きアイスが袋ごとシズクの頬に
当てられる。

「アイスよりコーラが飲みたい寮の近くの
自販機で買って来る ついでだからお前も
送ってってやるよ行くぞシズク」とハイネがシズクに声を掛ける。
シズクは、ハイネの言葉にきょとんとしていたが....「ほら さっさとしろシズク
遅ぇんだよ!」とハイネが怒鳴り
シズクは、びくんと肩を震わせ
「は....い....」とハイネの後を追った。




そうしてハイネとシズク二人で寮までの道を歩いていると....ハイネはシズクが手に
持っている棒付きアイスの袋が気になり
「おい 早くそれ食べろよ溶けるだろ」
「でも....」シズクは、何を迷っているのか
中々食べようとしない
(ったくこいつは本当面倒臭せぇ)
ハイネは自動販売機を見つけ丁度そこに
ベンチがあったので立ち止まっている
シズクを座らせ自分は自販機でコーラを
買う。「シズクさっさと食べろ!」と
ハイネはシズクを苛立ち紛れに促す。
「で....でも....ハイネのだし.....」

「あ~アイスなんて誰が食べても一緒だろ
俺は、コーラが飲みたいんだ!」

それでもまだじっとして食べないシズク
(ったくこいつは何を悩んでやがる本当面倒臭せぇ)シズクの方を見ると日焼けだろうかシズクの白い肌に赤味が差していた。

どうやらアイスを買う為に炎天下の中歩いた為出来た赤味らしい....
(それで自分の分忘れるとか本当どうしようもねえなあこいつは....)ハイネがコーラを
飲みながらそんな事を考えていると.....
やっとシズクが口を開き
「ハイネも....アイス一緒に....食べよう....」 シズクがハイネにそんな事を言う

「はぁ~だから俺は、アイスよりコーラの
方が....」ハイネがそう言い掛けた時
シズクが潤んだ瞳で、ハイネを見上げて

「だって.....皆に喜んで欲しくて....買ったんだもん....このアイスだってハイネに
買ったんだもん....ハイネに喜んで欲しくて
ハイネの為に....買ったんだもん......」と
泣きそうな声で、ハイネの為に買ったと
言われたハイネは.....
「っ・・・・」断れなくなった。
(くそっ 二人っきりの時に俺の為とか
言うなよ!!馬鹿シズク)

シズクの事だから本心で言ったのだろう
そこに下心的な意味も皆無であると
分かっているのに....

「分かったよ食えば良いんだろう食えば」とハイネはやけくそになる。
しかしシズクが嬉しそうに「うん....」と
頷くので鼓動が早くなる。

「じゃあ....ハイネから先に齧って」シズクが嬉しそうにアイスをハイネに差し出す。

(嗚呼せめてこんな事になるなら棒付きアイスじゃなくってカップアイスを選べば
良かったまだスプーンで分け合う方が
こんなに緊張しなくて済んだのに....)

ハイネはシズクが持っている棒付きアイスを齧る。

「半分こ....」とシズクが嬉しそうに
ハイネが齧ったもう半分を食べる。

ハイネは、涼んだはずなのに涼む前より
自分の体温が上がった様な気がするが
考えない様に残りのコーラを流し込んで
自分の気持ちを冷まして誤魔化した。

7/3/2024, 6:28:03 AM

《雨華晴のタイトル》《日差し》
《今日のお題》#ノンフィクションです
日差し差し込む部屋であなたと私は恋に落ちた。
ずっとずっと憧れていてあなたと私が両思いって知った時周りには冷やかされたねでも
あなたは笑って交わしていた。
それでも時がたってしまえば
いつか忘れられてしまうのに
ワンルームに残るあなたのタバコと少しばかりの
香水の残り香が私を強く、そして切なくさせる
きっといつかまた笑って恋ができるよね、
雨なら、大丈夫と言って別れた私たち。
彼は泣き崩れた。私から別れを言ったのに
俺の何がいけなかったの??どうして??
でも私はあなたのいい所も悪いところ
も全部、全部含めて愛してたよ。でもねいつか
この恋は終わりが来るってわかってた。
だからあなたには幸せになって欲しい
私からの最後のお願い、母子家庭で苦労もしたし、
お姉さんとも折り合いつかなくてケンカ三昧の家庭で育ったんだから
もう私のことは忘れて新しい彼女と幸せになってね
私も今とても優しくて時々甘えん坊なかわいい彼氏がいるよ。

7/3/2024, 6:23:16 AM

7月3日水曜日
天気 晴れ
今日の気分 😩

今日暑すぎん!?
日差しヤバいし、日焼け確定だわ...
しかも、宿題多くね!?計ド2つとかマジ先生鬼!
今日、うちの大親友早退したし、先生に怒られたし...
今日、最悪な日だ!!

ちーちゃん戦隊ちえゴンマン!
第1話 ちえゴンマン誕生!
地球から遙か遠くの星に、わたまる星という、小さな星がありました。
わたまる星は、とても綺麗で、美しい星でした。しかし、ある日、大きな怪獣が、この綺麗なわたまる星を奪いにやってきたのです。
怪獣は、口から火を吹いて、どんどんわたまる星を荒らして行きます。
その時です!ある、1匹の白熊が現れました!その名も、ちえゴンマン!
ちえゴンマンは、どんどん怪獣を倒していき、わたまる星は、救われました。
おしまい
第2話へ続く…

7/3/2024, 6:22:29 AM

【日差し】

 山あいに位置するトゥイ村は、冬の訪れよりも一足早く、雪に閉ざされる。
 今年の雪はさらに早かった。うららかな秋晴れの日が続いていると思ったら、天は突然に牙を向き、暴風雪が山を襲った。トゥイ村晩秋の風物詩で、〈精霊の戸締り〉と呼ばれている唐突な気象現象だ。村は一晩で真っ白に染まり、麓につながる唯一の道も、雪に埋もれた。
 たまたま行商で村を訪れていたペトリは、帰途を失った。〈精霊の戸締り〉を知らない年若い行商人には、たまにあることだ。村人たちは、よそ者が冬のあいだじゅう村に留まることを、快く許した。こんな山あいの辺鄙な場所まで、外界の物資を背負って登って来てくれる健脚の若者は、トゥイ村にとっては大事な客だ。村長の家で一晩の歓待を受けていたペトリは、そのまま同じ部屋で、一冬の宿を借りることになった。
 ありがたく逗留させてもらえたまではよかったが、数日も経つと、ペトリは暇をもてあますようになってしまった。村人たちの手伝いをするにしても、農作業や狩りを休む冬は、仕事自体が少ない。村長の代わりに朝の雪かきをして、ついでに鶏小屋の掃除を済ませたら、もうすることがなくなってしまう。気力みなぎる二十歳の若者にとって、退屈な時間というものは、拷問を受けている時間にも等しかった。
 そこで、ペトリは絵を描くことにした。幸い、行商の荷物の中に、大量の絵の具がある。トゥイ村は家の壁を華やかに彩る風習があり、そのおかげで絵の具が喜ばれる、と先輩行商人から聞いて持ってきたのだ。たしかに、トゥイ村の家々は、木の壁を花のような多種多様の紋様で彩り、真っ白な雪景色に負けないほどの華やかさを見せている。紋様は家を守るまじないのようなものらしく、鮮やかであればあるほど家も長持ちする、と信じられている。
 そんな彩り豊かな光景に感化されたのだろう、ペトリはこれまで一度も絵を描いたことがなかったが、自分でもなにか描いてみたくなったのだった。一冬もあれば、いっぱしの美しいものが描けるのでは、という気がしていた。この村の冬は、それほどに長いのだから。
 キャンバスは荷物に入っていなかったが、村長夫人から夏服の端切れをもらえたので、それを木の板に張ってキャンバスの代わりにした。スケッチ用の木炭ももらえたので、まず、村長の家の玄関を彩る紋様を真似てスケッチしてみた。なかなかうまくいったので、気をよくして、ほかの壁の紋様も真似ることにした。村長の家をぐるっと回って、細長い端切れに紋様を写しとっていった。
 ペトリが壁の前に立って花の紋様をスケッチしていると、突然、正面の窓が開いた。上に押し上げて開くタイプの窓だ。一人の女が、窓枠から生えるように身を乗り出す。女とペトリの視線が、ばっちりとかち合った。
「最近鶏小屋の近くで見知らぬ使用人を見かけると思ったら、なーんだ、今年の間抜けな行商人ってわけね」
 女は鼻でせせら笑うように言った。
「あなたは……?」
 ペトリは驚いてまじまじと相手を見た。村長の家の者とは、通いの使用人も含めてすでに全員顔見知りになったと思っていたのに、まだ知らない顔がいたとは。こんな日中にもかかわらず、女は厚手の寝巻きを着ていた。首は折れそうに細く、袖から覗く手首も筋が見えるほどに細かった。つまり、ひどく痩せていた。頬がこけているせいで、年もよくわからない。若い声なので、老人ではなさそうだが。
 そういえば、村長宅には一室だけ、立ち入らないようにと言われている部屋があった。位置的に、この窓の部屋で間違いない。倉庫だろうと推測していたから、まさか人が暮らしているなんて、思いもよらなかった。
「もしかして……もしかしてですが、村長の娘さんですか?」
「そうよ。パパから聞いてなかったの?」
 直接は聞いていなかったが、村人たちの会話を耳に挟んで、村長には病気の娘が“いた”、ということだけは知っていた。つまり、彼女はその「病気の娘」というわけだ。もう死んでいるはずだから、目の前にいる彼女は、幽霊に違いない。
「ご挨拶が遅れて申し訳ありません。僕はペトリと言います。ケヴァットの町から来ました。雪解けまで、こちらでお世話になります」
 ペトリは律儀に挨拶をした。行商人にとって、社交は欠かせないスキルだ。たとえ、相手が幽霊であろうとも。
「ふーん。私はクッカよ」
「花、という意味ですね」
「そう、花みたいに短い命、っていう意味」
 クッカはまた鼻で笑った。
「この本を持ってきたのは、あなた?」
 クッカが右手に持っていた本を振った。ペトリはうなずいた。本は高級な嗜好品なので、あまり買い手はつかない。重いので行商にも向かない。ただ、もしかしたらという期待をこめて、試しに一冊だけ持ってきたのだ。子供向け、とくに女児向けの、お姫様の冒険譚が書かれている。トゥイ村に来た最初の日の夜に、酒に酔った村長が言い値であっさり購入してくれたので、お酒の力は屈強な男性にこんなに可愛い装丁の本を買わせるものなのか、と感じ入っていたのだが、こういう事情だったとは。
「面白かったですか? 僕のおすすめなんです。よければ来年には続きの本を――」
「こんな子供じみたお話、面白いわけないじゃない。バカにしてるの?」
 クッカは急に険しい目つきになって、ツン、とそっぽを向いた。そのままピシャッと窓を下ろしてしまう。さっとカーテンが引かれて、彼女の姿は見えなくなった。ペトリはあっけにとられて、窓を見つめるだけだった。トゥイ村初日の夜の嵐を思い起こさせるような、突然に現れ、突然に過ぎ去った出会いだった。


 その日の晩餐で、ペトリは昼の出来事を村長夫妻に報告した。
「そうか。君はあの子に会ったのか」
 村長は短い沈黙のあとに、深い声でそう言った。ペトリは身を縮めた。
「すみません。部屋に入ったわけではないのですが……」
「あの子から君を見つけて話しかけたのなら、仕方ない」
 村長は鷹揚に笑った。
「君のような前途揚々たる若者の姿を見せるのは、あの子には酷だと思ってな。それで引き合わせなかったのだ」
「隠しごとなんて、ペトリさんには、悪いことをしたわね」
 村長夫人が、ペトリよりも申し訳なさそうな顔で言う。
「クッカはね、長いこと病に伏せっているの。この土地の若い女性、とくに見目のいい子が稀にかかる風土病でね、精霊の嫉妬、と呼ばれているの。臓腑がじわじわと弱って、だんだんものを食べられなくなって、痩せていく病気なの」
 村長夫人が目頭を押さえる。
「あの子はもう、お粥かスープの汁しか食べられなくなってしまって……」
「で、では、クッカさんはまだ生きていらっしゃる……?」
 ペトリはようやく自分の勘違いに気づいた。
「幽霊だと思ったか? そう思うには、まだすこし早いな」
 村長が寂しげに笑った。
「村の者から、あの子は死んだと聞かされたんだろう。あの子の希望で、昨年葬儀を済ませたからな。そんな事情だから、村の者たちには、あの子が生きていることは秘密にしておいてほしい」
「それはもちろんです。でも、クッカさんはどうして生きているあいだに葬儀なんか……」
 村長夫妻が顔を見合わせる。
「痩せ細った姿を、村人たちに見られたくないと思ったのかしらねぇ」
「本人は、心が死んだから、と言っていた。自分で自分を見送りたかったから、と。たしかに、昨年の春に病が発覚してから、あの子は抜け殻のようだった。だが、例の本を読んですこし気力を取り戻したようだな」
 村長が居住まいを正して、ペトリに頭を下げた。
「君には深く感謝している。君が村に来てくれて、ほんとうによかった」
 ペトリは慌てて手を振った。
「そんな、恐縮です。本の対価はいただいていますし、一冬やっかいになるご恩には、まだまだとうてい及びません。ほかにも、僕にできることがあればなんなりとおっしゃってください」
 村長がようやく顔を上げる。
「その言葉に甘えてもいいかね? これまで君に会わせなかったくせに勝手を言っていると承知の上で、親としての頼みを聞いてほしい。冬のあいだ、あの子の相手をしてやってくれないか」
「僕が? いいんですか?」
 村長夫妻がそろってうなずく。
「今日、夕食のお粥を持っていったとき、クッカの目が輝いていたのよ。きっとあなたに会ったからだと思うの」
「ペトリ君はクッカと年も近い。若者同士、話が合うかもしれないな」
「おいくつなんですか?」
「十七だ」
「僕の妹と同い年ですね……」
 ペトリはその事実に衝撃を受けた。あの痩せこけた顔が、溌剌とした妹と同じ若い娘のものだったとは。
「精霊の嫉妬を受けた者は皆、十八歳になる前に死ぬさだめだ。あの子は長く生きたほうだ。この冬はもう越せないだろう」
 諦めの深い声で、村長は言った。
「あの子が亡くなったら、わたしたち家族だけで、ひっそり山に埋葬するつもりだ。そのとき君がまだ滞在していたなら、君にも手伝ってほしい。酷なことを頼んでいるのは、百も承知だが」
「……わかりました」
 複雑な思いのこもった二つの視線を受けて、ペトリは神妙にうなずいた。


 以後、ペトリは毎日クッカの部屋を訪れるようになった。
 彼女の部屋ではいつも、惜しげもなく暖炉が燃え盛っていた。クッカは厚みのある毛布にくるまり、寝ていることが多かった。ペトリは彼女が目覚めるまで傍らの椅子に座って絵を描いたり、枕元の本をぱらぱらとめくってみたりした。本はペトリの姉が書いたものだった。来年には続きが仕上がる予定だが、クッカがそれを読むことはできないだろう。だからペトリが本の続きを話に持ち出したとき、クッカはあんなに怒ったのだ。ペトリはクッカの前で来年の話をしないよう、気をつけることにした。クッカ自身も、とうにわかっているのだ。自分に「来年」がないことを。
 ペトリは本を閉じ、窓に目をやった。今日は冬にしては珍しいほどにあたたかいからか、窓が開放され、午後の光が淡く差し込んでいる。一人娘には似つかわしくない北向きの薄暗い部屋だが、鶏好きのクッカが、いつでも鶏の声を聞けるようにと、この部屋を希望したそうだ。窓枠の中に、鶏小屋の壁が見える。
 鶏の家は人間の家と違って手入れは頻繁にされていないため、壁を彩る草花の紋様は掠れ、消えかかっていた。蔓のような細い線はとっくになくなって、数枚の葉の紋様だけが残されている。それも吹雪のたびにだんだん洗い落とされ、ペトリが初めて見たときよりも、ずいぶん薄くなっているように思えた。
「また来てたの?」
 掠れた声が聞こえた。クッカが目を覚ましたのだ。
「婦女子の部屋によく堂々と立ち入れるわね」
 クッカが上半身を起こす。
「許可は得ていますから」
 ペトリは水差しからコップに水を注ぎ、クッカに手渡す。クッカはいつものようにすんなり受け取り、水を飲み干す。
「今日はどの町の話をしましょうか」
「昨日の町のことをもっと聞かせて」
 クッカは来年の話を嫌う代わりに、外の町のことはやたらと聞きたがった。たとえ自分が元気に生きていようと、この村から出られないことを知っているからか、あるいは次に生まれ変わる町を夢見ているのか。あるいは、冒険譚の途中でいろんな町に立ち寄ったお姫様と自分を重ねているのかもしれない。
 クッカは話の途中で、必ずこう尋ねた。
「その町に鶏はいないの?」
「多くはないですが、飼っている家もいますよ」
「だったら、私、その町をちょっとだけ好きになれるわ」
 クッカはそう言ってころころと笑った。


 そんなほの明るい日々は、一冬のあいだの、さらに短い期間で終わってしまった。
 クッカの体は、ペトリが初めて会ったときからいっそう、痩せ細っていった。せっかく輝きを取り戻した目も光を失い、ほとんど笑わなくなってしまった。笑うとすぐに疲れてしまうらしい。ペトリも町の話をしなくなった。クッカがぼんやりと窓を見つめる傍らで、ペトリが黙々と絵を描くだけの日が続いた。
「私が死んだら、パパは鶏小屋を建て直すつもりみたい」
 ある日、クッカがぽつりと漏らした。空気を入れ替えるために、ペトリが開けた窓の外を見つめて。
「ということは、あの葉っぱが全部消えたら、私もいよいよ死ぬときね」
「そんなこと……」
 いまはなにを言っても彼女には辛辣に聞こえる気がして、ペトリは唇を噛んだ。
 鶏小屋の紋様はいまや、かろうじて小さな緑色の塊が見えるだけで、ほとんど消えていた。村長は小屋を建て直す予定で、まじないの紋様を描くのをやめたのだろう。あの壁には、華やかな彩りの代わりに、この家の諦めが描かれているのだ。
 次の吹雪が来れば、きっとあの緑色もなくなる。目覚めた彼女がそれを見たら、なにを思うだろう。
 ペトリはクッカが話したことを、すぐ村長に伝えた。村長はただ、「そうか」と言った。


 折しもその晩、吹雪が訪れた。ガタガタと揺さぶられる家の中、村長と夫人は、娘の部屋で夜を過ごした。ペトリは気を遣ってか、姿を見せなかった。夫人は娘の手を握りしめ、一晩じゅう離さなかった。風は明け方になって、ようやく止んだ。
「ねぇ、窓を開けて」
 いつのまに目を覚ましていたのか、クッカがぽつりとつぶやいた。
 窓際の椅子でうとうとしていた村長は、はっと目を覚ました。驚いて娘を見る。薄く開いたクッカの目が、ぼんやりと、窓の外に向けられていた。
 村長は夫人と目を合わせた。夫人は真っ赤に染まった目でうなずいた。村長は立ち上がり、震える手でカーテンを押し開いた。続いて、窓枠を押し上げる。
 そして、言葉を失った。
 よろめくように、窓枠からあとずさる。
 そのときちょうど、窓の右から朝の光が差し込んだ。日差しはまっすぐに、鶏小屋の壁を照らした。
「あ……」
 クッカが微かな声を漏らした。それから、がばりと身を起こした。勢いのままにベッドを転がり降り、履き物も履かずに窓に駆け寄る。
「花だわ! 花が咲いてる!」
 クッカが指さした先で、大輪の花が朝日とともにきらめいていた。たった一輪、だが、どんな景色よりも鮮やかな黄色の花が、鶏小屋の壁を彩っている。花の下には、ぶかっこうな鶏の絵も描き添えられていた。
 部屋にいる誰もが、しばし言葉を失った。
「……彼が、やってくれたのか……あの吹雪の中で……」
 村長が目元を覆った。
「わかったわ」
 クッカは泣き笑いの顔でうなずいた。窓の外の花から目を離さずに。
「もうちょっとだけ、長生きしてみる。あなたと過ごす時間を、すこしでも長く楽しみたいから」


 トゥイ村の長い冬がついに過ぎ去って、道は再び外界へと通じるようになった。しかし、ペトリは風邪を引いて寝込んでいたため、まだ村を出ることはできなかった。
 ペトリはクッカと同じ部屋に寝かされたので、二人がそろって起きているあいだは、他愛もない会話を楽しんだ。ペトリが行商で訪れた町のこと。クッカと同い年の、春に結婚を控えている妹のこと。作家をしている姉のこと。そして、冒険譚の続きのこと。
 会話のあいだ、横になっているペトリの代わりに、クッカが身を起こして絵を描くようになっていた。弱々しい手つきで、十日かけて、クッカは鶏小屋の花と、鶏を描いた。
 そして春の花々が咲き始めたころ、クッカはついに息を引き取った。
 風邪からすっかり回復して体力を取り戻したペトリは、約束どおり、村長とともに彼女の埋葬を手伝った。トゥイ村で亡くなった者は、村を見下ろす山頂付近に埋葬される。本来は精霊を描いた石を抱いて埋められるのだが、クッカは石の代わりに、自分が描いた絵と、それからペトリが描いたいくつかのスケッチを抱いて埋められた。
 最後にかけた土をスコップで叩いて固め、ペトリは村長と顔を見合わせた。それから、もう一度足元に目を落とした。
 盛り上がった場所に日が当たり、雪混じりの土をきらきらと輝かせている。土を彩る雪は春のあたたかな日差しを受けて、周囲を染めながらじわじわと溶けだしている。ペトリの長い冬も、ようやく終わろうとしていた。


------------
オー・ヘンリーの『最後の一葉』オマージュです。結末は逆ですが……。お題の日差しどこ行った。

7/3/2024, 6:11:59 AM

夏のギラギラした日差し。

プールに海、夏祭り、花火、楽しみが沢山。

独身時代までは毎年ワクワクして楽しかった。

今ではこの日差しが老化した肌を痛めつけてくる。

日焼け止めは必須。
ダサい帽子にダサいアームウォーマーはおばさんぽさを強調する。

自分の中の美意識がやめてと叫ぶ。

大好きだったギラギラの夏が
憂鬱なだけの夏に変わってしまった。

Next