-いと-

Open App

もう夏か…。そろそろ進路を決めなければいけない。頭では分かっている。しかし、自分の将来を想像できない。ここを卒業したら何がしたいのか、よく分からない。
そもそも、なぜ学校に行かなければならないのか。勉強なんて家でもできる。人間関係が苦手な自分にとって、学校は怖いもの…。親に怒られない程度にズル休みをし、通信塾で勉強は補っている。義務教育は終わったのだから、進学しないという手もある。しかし、ニートも仕事をするのも嫌だ…。

知らないうちに外が明るくなっている。将来を考えるだけで1日が終わろうとしている。最終的な結論は、「昼夜逆転している自分に将来なんて存在しない」ということ。約15年生きた自分の人生は終わったも同然。窓から眩しすぎる光が入ってくる。同い年の人は皆、その光のように明るい将来があるのだろう。カーテンを閉め、窓に背を向け、布団に寝転んだ。

※フィクション
【お題:日差し】

7/3/2024, 7:21:33 AM