『日差し』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
川の中に足を少し入れてふと考える。今日は日差しが強い。気温は高くてとても暑いし、夏の匂いがするし、蝉の鳴き声は五月蝿いし、汗が止まらなくて少し気持ち悪い。でも、なぜかそれがいい。
カーテンと窓の間にいた君が
いよいよNクールの上で丸くなり
飼い主の寝床を奪う
今日は半夏生
【日差し】
薄暗い牢獄の格子戸から、太陽の光がうっすらと差し込む。この牢獄に囚われてから、もう何度目の夜明けだろうか。こんな場所にまで太陽が差し込むのだと思うと、乾いた笑いが喉の奥から込み上げた。
君を殺した感触が、手のひらにこびりついて離れない。罪を犯したことを後悔するつもりはないけれど、自分の罪を忘れるつもりもなかった。
何度も何度もごめんと謝りながら、殺してほしいと泣いた君の声を、夜が明けるたびに反芻する。死者のことを忘れる時は声から忘れるものだなんて、昔なにかの本で読んだから。
(ああ、馬鹿みたいだ)
もうこの世界のどこにも君はいない。それでも太陽は毎日昇り、夜は明けてしまう。君がいなくなっても、世界の構造は何一つだって変わることはない。それがひどく悔しくて、悲しくて、馬鹿馬鹿しかった。
(君のいない世界に、光なんてあるはずないのに)
柔らかな日差しから逃げるように、牢獄の一番壁際の隅で膝を抱えた。太陽の光なんて、君を殺した僕には相応しくないのだから。
頰を伝った雫が、冷たい牢獄の床を無機質に濡らした。
雲一つない晴天に目を細めカーテンを閉める。僕が外に出られなくなって一年ほど経ったのを、やけに暑い室温で思い出した。暑いとぼやくと君はテーブルにあったリモコンに手を伸ばし、エアコンを付けた。
「...怒ってない?」
何故今聞いたかは分からない。ただ、一年間ずっと文句一つ言わず僕のお守りをする理由がずっと気になっていた。だから無性に聞きたくなった。
僕は心を悪くしたせいで、日差しを浴びると吐き気がするようになった。外にも出られずろくに生活も出来ない僕を、君が何故か甲斐甲斐しく世話するからここまで生き延びているけれど。
「何に怒るの?」
「病気が何時までも治んないこと。外に出られないこと」
「そんなん仕方ないじゃん」
「怒ってるか怒ってないか、どっちか」
「そりゃ怒ってるよ」
君は考える素振りも無く、そう答えた。僕は答えに傷付いている自分を無視して続きの文字を待った。
「一番近くで君を見てきたのに、あたしはいつまでたっても君を助けられない。だから焦ってるし怒ってるんだけどね、それ以上に君に逃げられるのが怖いの。頑張れる理由はね、君とまた外でお花見とかしたいから。だから嫌われたら本末転倒デショ」
ダサいね、なんて言って笑う。それがいつもより何処かぎこちなかった。この違和感は、僕が言葉を素直に受け取れないせいで何を言われても大目玉を食らった気分になるのを知っているからこういう話し方なのだろう。
それでも自虐なんて君らしくないからもやもやして仕方なくて、そんなことない、と言い返そうとした。顔を上げると君と目が合った。僕は怖くて君の目を直視出来たことなんてなかったのに、君の視線はいつも迷いなく僕へ差していた。これは僕の信頼を全て勝ち取った君だから許されること。
久しぶりに君の目を見た。
僕が唯一浴びれる日差しだ、と安心感が増すだけだった。
#日差し
「変な名前」
何が興味を惹いたのか、名前欄に書かれた文字を辿った彼女は露骨に嫌な声を出した。
「そう?」
「女の子の大敵じゃない」
言われ、先程記入したばかりの自身の名前を見る。ありきたりな名字の後に続く自身の名前を見て、ああ、とその端を払った。
「ひさし」
「え」
「僕の名前。『ひざし』じゃなくて『ひさし』」
「…………ごめんなさい」
偽りの濁点を失い女の子の敵から生活の助っ人に変わった僕に、いつもお世話になっております、と彼女は申し訳なさそうに深々と頭を下げた。
/日差し
お題『日差し』
※8月の新刊の締め切り(7月18日)まで寝かせます。
ちょっと開いたカーテンの隙間から柔い日差しが射し込む。照らされた髪がキラキラと輝いて、眠るあなたがまるで天使のように見えた。
「綺麗だなぁ…」あなたが目を覚ました時、その瞬間から幸福感に包まれるように。全ての光があなたに注がれるように、世界があなたに優しくあるように、そう願いながら再び目を閉じた。
『日差し』
木々の間から差し込む光が
眩しすぎて目をくらませた。
手をかざすと今にも掴めそうな気がした
日差しに負けないくらい
君の笑顔はもっと眩しかった。
『日差し』
「日差し、眩しいだろ?」
キャップ帽をぐいっと頭に被せられて
失恋の痛みに涙が溢れた。
どうしていつも
あんたが隣りにいてくれるのかな
泣き顔ばかり見せている。
朝洗濯物を干す時の
東のベランダに降り注ぐ日差しは
とても柔らかく
優しい
そう感じるようになったのはいつからだろう
ずっと朝の日差しなんて来なくていい
夜が続いて欲しい
日差しがわたしを外に誘う
センチメンタルにもさせてくれない
何もかもを洗い出すような
そんな日差しが
本当は、ただただ眩しすぎた
『日差し』
忘れられぬ淡く眩しい朝の追憶
止めどなく溢れでる想い…
永久の常夏…終わらない夏へ…
ENDLESS SEASONS
春の日差しは穏やかで、夏の日差しは狂気に満ち溢れていて、秋の日差しは彩ってくれて、冬の日差しは温もりをより感じた。
四季折々の日差しで、でも日差し自体はなんら変わっていないはずなのに。
その時の感情や、気温や、風景で、人は日差しを感じ取っていた。
あなたの場所には、日差しは届いていますか?
それは温かいですか? それは痛いですか?
私に取って、日差しは恐怖でしかありません。
私はアルビノ。元より色が白いのです。
少しの日差しで、私の皮膚はただれてしまいます。日焼けではありません、重度の火傷になるのです。
みんなの言う、穏やかで温かな日差しを私も拝んでみたいものです。
【日差し】
ギラギラ光る日差しの下で、元気いっぱい外を駆け回る。
それって、なんだか凄くワクワクするように感じたような気がする。
でも、気付いたら家にひきこもって、必要最低限
外に出ないような生活をしていたんだ。
ねぇ、それって、なんだか凄く寂しい事だと思わない?
お題【 日差し 】
㊳【影歩き】
夏の日差し…クソ暑い…私が溶けそうだ…暑いのは嫌だから久々にアレをやってみた…
それは…影歩き…。
影がある所を踏み歩く…日向は歩かない…しかしそのルールだと、移動がかなりきついので…体が少しでも何かの影に触れていたら動いてOKということにする。
これで電線の影を使って移動可能…しかし結局 交差点で断念…影ないやん(# ゚Д゚) なんでやねん
という事で今から日向歩きをする…。
…卑怯だとか聞こえない(∩゚Д゚) アーアー キコエナーイ
ところで、いま思ったんだけど…
一日、太陽が出てる時間と太陽が沈んだ時間が同じ長さの時に【影歩きチーム】と【日向歩きチーム】に別れて24時間どこまで移動できたか勝負とかしたらどっちが勝つのかな?
【日向歩きチーム】は日中、自由に移動できるが日が沈んだら動けなくなるので自分以外が作った光源が体に当たる所は移動可能というルールにする。
わたしの影が体の一部に当たってたら移動可能の逆バージョンだ。
【影歩きチーム】はさっき私がやってたルールどうりにする…夜は歩きたい放題だね
絶対【影歩きチーム】の方が強いと思うけど鉄腕DASHとかのバラエティ番組でやってくれないだろうかと思いつつ日向歩きをして律儀に夏の日差しを浴びつつ目的地のコンビニにたどり着いた。
今、考えてたら事は…どこかえやら…そんな事よりアイス♪アイスゥ♪(「🍦 ・ω・)「🍦
テーマ【日差し】
厳しい日差しを乗り切って夏を楽しもう!
…とは思えない、今日この頃。
「日差し」
刺すような日差しを避けるように、街路樹の多い道を貴方と並んで歩く。
風がさわさわと木の葉が揺らす。
他愛ない話をしながら、二人で並んで歩く。
この道が永遠に続けばいいのに。
私は密かにそう願う。
そんな願いが叶うはずもなく、道は終わり目的地に着いた。
「おはよう!」
貴方は校門に立つ私の親友の姿を見かけると、私に「それじゃ」と早口で言って彼女の元に駆けていく。
貴方は彼女と手を繋ぐ。彼は私には見せない嬉しそうな笑顔を彼女に贈る。
彼女は私に3人で教室に行こうと誘うが、私は適当な理由をつけてその場に残る。
貴方と彼女は笑い合いながら、校舎へと入っていく。
日差しが立ち尽くす私を刺す。
#日差し
日差しが眩しいくらいで寝起きの重たい頭を持ち上げた。昨日の夜遅くまで起きてたのが悪かったかな。昼間なのに堂々と昼寝してしまった。せっかくの休日を無駄にしてしまったと思うけれど,もう過ぎてしまったから仕方ない。窓を開け放ち日差しを全身に浴びて一声。
”よーし今日も頑張る!〟
途端に響く怒鳴り声。いつもの光景の一部になっている。うわー声出し過ぎちゃったかな。まあいいっか。
お気楽な彼は今日も1日を楽しんでいる。
人の眼差しが怖ろしい。
人の眼差しが怖ろしい。
人の眼差しは、その人の怖ろしい情念を発している。
その情念は人を無差別に刀で切り裂いてゆく。
人に法的罪が無くとも眼差しは人を無差別に切り刻み続ける。
街に過剰に膨れ上がった情念は呪いのように
感のいい奴を疲労させ、見せしめのように殺される。
尽きるまでミンチのように叩き潰し、
飽きたらず次の標的を探し始める。
この連鎖を断つには、ただ、ご機嫌になることだ。
つまり負の感情は、自分だけでなくそれ以上に人を傷つけている事に気付くことだ。それが情念の正体。
幸せな楽しい方を向いて欲しいと思う。
幸せのほうが伝染しやすい世の中になるために。
外に出るのは久しぶり。体調崩してたからさ。体がまだ夏への変化に追い付けてないみたいだった。ジャージを着て外に出ると、日差しが僕を照りつける。
あぁ。空ってこんなに青かったんだ。
あぁ。太陽ってこんなに眩しかったんだ。
あぁ。草ってこんなにも柔らかいんだ。
あぁ。水筒の雫が恋しい。
なにもかもが新鮮だな。
*日差し*最近暑くなっているので体調にはお気を付けて。
日焼けは嫌い
だから、普段は
日焼け止めもバッチリするし
メイクもバッチリするし
露出を控えて日焼け対策バッチリするし
日傘も──
でもね
貴方と一緒の時だけは
違うんだ
日焼け止めもメイクもバッチリだけど
露出を控えたりしないし
日傘も持たない
私の隣で貴方が
日差しから守ってくれるから
くっついて温もりを感じられるから
貴方が隣にいる時だけは
心地よく感じる暖かな光──
(2023.07.02/日差し)