『手を繋いで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『手を繋いで』
小さい頃から手を繋ぐのが当たり前だった。
お互いの両親が笑うのもあったけど、
幼馴染の君が喜んでくれるからずっと手を繋いでいた。
けど思春期と呼ばれる今、
手は繋ぐことは無くなってしまった。
厳密に言えば向こうが断ってきた。
「流石に恥ずかしい。」その一言から幼馴染は
隣すら歩かなくなった。今日も1人で帰っている途中だ。
俺も恥ずかしいのはわかっている。
今まで繋いでいたものが無くなると寂しくなる。
また...
なんて考えていると親から電話がかかってきた。
「もしもs」「幼馴染ちゃんの両親が...!!」
言われた病院まで走り病室まで走る。
肩で息をしながら病室のドアを開けると
俺の両親と幼馴染がそこにいた。
心電図が一定音を立てて医師と看護師が慌てていた。
「貴方たちは一旦外にいなさい。」
何が何だかわからないまま両親に廊下に放り出され
近くの椅子に腰掛ける。
さっきまで暑かった体は一気に冷めてしまった。
背中が騒がしい一方で幼馴染とは静かな空気が流れている。
気になって幼馴染の顔を覗くと、
とても暗い表情をしていた。俺に出来ることは...
はっと思いつき幼馴染の手を優しく包む。
(嫌なら振りほどいてくれ...)
そう思いながら幼馴染の手に触れる。
幼馴染を見ずまっすぐと向かいの病室のドアを見つめていると、隣から鼻をすする音が聞こえてきた。
そっと手を繋ぐと幼馴染が力強く握り返す。
深呼吸して幼馴染の方を見ずに幼馴染に伝えた。
「これからは俺が支える。
また昔みたいに手を取り合っていこう。」
「うん、ありがとう。」
幼馴染の声は鼻声で悲しそうだが、
どこか安心してそうだった。
語り部シルヴァ
『手を繋いで』
真白な時を駆け抜けた
脇目もふらず
ふるえる君の手を
握りしめ
やがて時は過ぎ
でこぼこな街並みへ
戻ってしまうんだ
「どこに向かってるの..」
「なにが待っているの..」
真白に移ろふ頃
さらに真っ白へと
覆われ始めた道
「....泣いちゃ
..いけなぃよ...」
真白の中に
...崩れゆく風景
【手を繋いで】
私は手に病気があって
彼氏とも手を繋げなかった。
ずっと繋ぎたかった。
でもある日、勇気を振り絞って
病状が悪化してもいいから、
「ねぇ……手、つなごう」
「手、大丈夫なんかよ?」
「……うん。大丈夫。」
彼の手は暖かかった。
あれ?
なんか頬がぬれて………
「手を繋いで」
大好きな人と手を繋いで一緒に歩ける。
それだけでいいじゃん。
大きなことを望まないで、
今ある小さな幸せを大切にしようよ。
少女が手を求めたのは、夕暮れの水辺であった。
空は仄赤く、波の影は長い。葦が風にさざめくたび、岸辺の翳が揺らめいた。
――手を、つないで
声は、薄くひび割れていた。
見ると、女の指は雪のように白い。しんと冷えた肌が、ゆるやかにこちらへ伸びてくる。
その指の先にあるのは、花びらか、それとも骨か。
手をつないで
まるで、祈るような声音であった。
指が触れる。ひたり、と濡れていた。
冷ややかに、粘るような感触が、指先に絡みつく。
その瞬間、足元の川面がふいに揺らぎ、水の底に灯が浮かんだ。
世界が凪ぐ。
ひとたび耳を傾ければ、まどろみに溶けゆくごとく、意識はゆるりと手繰られる。
あなたも、沈んで
すっと腕を引かれると、足元がふわりと宙に溶けた。
――ああ、これは、落ちてゆく音 だ。
かすかに嗅ぐは、沈丁花か、はたまた膚に滲む血の香か。
やがて、ひたり と響く水音。
その瞬間、川面の月が紅に染まり、夜は、閉ざされた。
***
翌朝、村人が川のほとりで男の笠を見つけたそうな
けれど、たどるべき影はどこにもなく、ただ、揺るる水面に紅ひとつ、咲きて流るるのみであったという
『手を繋いで』
遠い昔
お願いしたの 覚えてる?
『手ぐらい 繋いで』って
その言葉が
精一杯で 切なすぎて
惨めな気がした
愛されて 必要とされる人は
いいな・・・思ってみても
私は そうではないから。。
なんだか 自分が
可哀想な気がした
そうよ だから
私を必要としてくれる場所
探したんだもの。。
手を繋いだことは多分ないけれど、
わたしは
きっと社会人で誰かと仲良くなるために
平和にするために
手を繋いで
手を繋いで
手を繋いで
夜に外食してる人達を見るとセレブだなぁって思う。
店の賑わいなんてもう忘れてしまった。他人事。
眩ゆい照明の灯る店を眩しく外から眺める私。
いつからこんなことに。
中古品漁ってお宝発見💡とか思う私も好きだけど笑笑、なんだかね、侘しくも思ってしまう。
僧侶はいいなぁ、非課税で酒池肉林笑
なんてねー
end
地下水路を走る靴音が、嫌味なまでに響き渡る。
まるで見つけてくれと言わんばかりに。
「私に、構わないで。先に、行って」
足をもつれさせ、息を切らせながら彼女が言う。
到底聞き届けるつもりは無い。
やっと、やっと取り戻したんだ。あいつらの手から。
彼女を奪われた時に負った深傷が癒えるまで、煮えたぎった復讐心を育てて。
どれだけ彼女が俺の中で大きい存在になっていたかを、思い知った。
もう二度と、繋いだ手を離さない。
もうこれ以上、何もあいつらに奪わせない。
「 ! !」
俺たちの名を呼ぶ仲間の声が聞こえる。
武器を手にした仲間たちが、水路の向こうから駆けてくる。
「行け!」
彼らは俺たちの脇をすり抜けて、追手に立ち向かってゆく。
最初は互いに信用ならなかった相手が、今はとても頼もしい。
俺たちは、手を繋いで走って。
手を取り合って、戦える。
今なら、それを信じられる。
2025/03/20 手を繋いで
「手を繋ぐ」という行為が一体何を意味するのか。握手、平和、交友……色々と思い浮かぶ。が、やはり一番しっくりとくるのは平和。手を繋いで、認め合ってこの世界を形作っていこう。そんな意思が感じられる。
今年は終戦から八十年の節目。戦争を経験している人は日本にはあまりいないだろう。御歳九十歳の方でさえ終戦当時は十歳なのだ。あと三十年かそこらで、日本から恐ろしい体験をした人はいなくなってしまうかもしれない。そんな時、僕達には何ができるか。当事者の方の話を脚色せずに、ありのままの姿を次世代に伝えていくことではないか。それを世界に発信することではないか。
勿論、それで世界平和が実現してみんなハッピー、などとは微塵も考えない。でもそれが、互いの気持ちを意識して手を繋ぐきっかけになってくれたら、なんて考える2025年。
手を繋いで
順番がメチャメチャ
キスからはじまり
体をかさね
手を繋いで
告白はなし
でも…分かち合えてる
求めていた人に出逢えた
手を繋いで眠りにつこう
後ろから抱きしめるから
君は私の手を握って
そんな君の手を
私は繋ぐから
絶対に離さないから
・・·・・· 手を繋いで ・・·・・·・・· ·・・·・・·・・·・・·・・·・・·・・·・・・・·
·・・·・・·・・·・・·・・· ・ Je suis en train d'écrire. ・·・・· ·・・·・・·・・・・·
手を繋いで
手を繋いで 春の散歩をしよう
いままで気にとめなかったものが
たくさん見えてくるから
手を繋いで てくてくと歩けば
いろんな話しができて
ぽつぽつと話しを聞ける
いろいろな場所に出掛けて
思い出が増える
手を繋ぐっていいね
手を繋いで
離した後に消毒されたらそれは
君が嫌われてるか、潔癖症かの2択になる。
しばし休業中
手を繋いであるこう
それだけで楽しくなる
幸せになる
手から何かが伝わってくる
手を繋いでどこまでも行こう。
決してその手を離さないから。
彼の左腕は動かない。
肩から先。自分の意思では動かす事は出来ず、触れる感覚さえないのだと言う。
「小さい頃に、事故にあったみたいでさ」
彼曰く、記憶にはないが雪崩に巻き込まれたらしい。
七つに満たない、幼い頃の出来事。覚えてないのも仕方がないのだろう。
「助からないだろう、って思われてたみたいだぜ。それが腕以外は問題ないってんだから、不思議だよな」
左腕に触れながら、彼はけらけら笑う。
触れている感覚はあるのに、触れられている感覚がない事が楽しいようだ。
「壊死とかじゃないんだってさ。ちゃんと血は巡ってるって。それでも動かないのは、医者でも原因不明」
「それは。まあ、そうだろうね」
「ん?何、原因でも見えた?」
ずい、と彼の顔が近づいて、思わず後退る。
不用意な事を言ってしまったと後悔するも、一度溢した言葉は取り消せない。
きらきらした目をして、それでそれでと答えを急かす彼を、取りあえず宥めて。
言葉を探すように視線を彷徨わせながら、伝えられる一つを口にした。
「手を、繋がれているから」
「手?」
きょとん、と目を瞬かせ、左腕に視線を向ける。
右手で左手を持ち上げ、何か見えはしないかと様々な角度に動かし。指を絡めて軽く揺すり。
だが結局は何も分からなかったのだろう。
手を離して、不満げにこちらを見つめ、ぼやきだした。
「何にも見えないし、感じないんだけどさ。一体誰と手を繋いでんの?」
「誰かの手に、繋がれてるよ」
「だから誰の手?」
誰、と言われても、誰か、としか答えられない。
何せ、手しか見えないのだから。
「もしかして、その手が俺を守ってくれたとか?守護霊とかってやつ?」
「守護霊ではないかな」
「それじゃあ誰の手?知らない奴が俺の事守ってくれてんの?」
どこか納得いかない顔をしながらも、彼はそれ以上は何も言わず。
席に座って、動く事のない左手をしばらく見ていた。
制服の裾を引かれる感覚に、視線を向けて顔を顰める。
左側。小さな手が引き止めるように制服を握り締めていた。
立ち止まる。それに気づいて一度離れた手は左手に移動して、するり、と指を絡め出した。
「やだな。もう」
溜息を一つ吐いて、手を引き剥がす。床に投げ捨て、そのまま踏み潰した。
彼と長く話していたせいで、どうやら着いてきてしまったようだ。
手。動かない、と笑って話していた彼の左腕に絡みついていたもののひとつ。
彼はきっと、左手と指を絡めて繋がれた手ひとつを想像しただろう。けれど現実は非情である。
左肩から先。無数の手が彼の腕を引いていた。
手首から先は見えなかった。断面が認識出来なかった事から、切り離された手が絡んでいるのではなく、どこか別の場所から彼の腕を引いているのだろう。
これからどうするか、と少し悩む。
急な席替えで、後ろの席になってしまった彼。今まで関わりがほとんどなかったが、話す機会が増えた事で面倒事に巻き込まれる予感しかしない。
「やだな」
一度話しただけで着いてきてしまった手を思い出し、気が重くなる。教室に戻るのが酷く億劫だった。
「あれ?こんなとこで何してんの?」
不意に聞こえた声に、僅かに肩が跳ねる。
げ、という言葉を呑み込んで、嫌々ながらも振り返った。
「大丈夫か?体調が悪いなら、保健室着いていこうか?」
心配そうな彼に、大丈夫だと首を振る。
相変わらず無数の手に絡まれている彼の左腕に先ほど踏み潰したはずの手を認め、さらに気分が降下した。
「顔色悪いぜ。無理すんなよ」
「少し考え事してただけだから。大丈夫」
無理矢理笑顔を貼り付けて、教室に戻るため歩き出す。
隣を歩く彼の左腕を見ないように、さりげなく視線を逸らし、早足で。
「そろそろ授業始まっちゃうから、急がないと」
「まだ大丈夫だと思うけど。まあ、いいか」
ふ、と笑う声。ひとつ遅れて、左手を引かれる感覚。
「え?は?」
突然の事に立ち止まり、手を見る。
彼の右手に、繋がれていた。
「俺の左手が、誰かの手と繋いでるって言ってたから。何かいいなって」
「意味が、分からない」
「おれが手を繋ぎたくなった。それだけ」
振り解こうにも、強い力で繋がれた手は解ける事はなく。
恐る恐る見上げた彼は、獣の眼で上機嫌に笑っていた。
「ずっと気になってたんだ。正しく見えるやつって、今じゃ貴重だから」
「見えてない。正しくは見えてないから。だからっ」
「見えてるだろ?折角仲良くなろうと手を繋いだのに、それを踏み潰そうなんて酷いよな」
口の端が引き攣っていく。
思っていた以上の面倒事に、目眩がしそうだ。
彼に繋がれた左手に、重なるようにしてひとつふたつと手が増えて行く。左手を辿って腕に絡みついた手が楽しげに揺れる。
またひとつ、手が増えて。
耐えきれずに彼の手を振り解き、距離を取った。
「キモい!」
絡みついた手を投げ捨てる。
「そんな酷い事言うなよ。加護はあるぜ?俺を今まで守って来たお墨付きってやつだ」
「こんなキモい加護なんかあるか!視界的によろしくないのは、加護じゃなくて最早呪いだろうが!」
思いの丈を叫ぶ。最後に残った手を彼の顔面めがけて投げつけた。
それを簡単に受け止め、彼は不本意だと言いたげに手を見て首を傾げた。
「おれの眷属の手だぞ。可愛くないか?」
「お前の眷属なんぞ知らん!」
知るわけがない。知ろうとも思わない。
彼の、正確には彼の左腕に絡んだ手の大本が一体何であるのか。面倒事の匂いしかしないそれに、関わるつもりは全くなかった。
「つれないな。末永く俺と仲良くしてもらいたいんだが」
「断る!」
「即答するなよ。俺が悲しむぞ。雪に埋まった時からずっと一人きりだったからな…友達が欲しいって望みに、これでようやく応えられると思ったんだが」
目を伏せる彼に、何も言えなくなる。
それは卑怯だ。騙されるわけにはいかないと思いながらも、否定する気持ちが凪いでいく。
酷いのはどちらだ、と口には出さずに悪態を吐いて。
彼を、見た。
「これ以上変なものを押しつけるようであれば、怒るぞ。あと、軽率に空間を歪めるな。さっさと元に戻せ」
「素直じゃないな。まあ、これから仲良くしてやってくれ」
けたけた笑い、いつの間にか閉じられてしまった空間を戻す彼に、小さく舌打ちして。
「どうした?やっぱり保健室行こうか?」
目を瞬かせ心配そうにこちらに寄る、元に戻った彼を作り笑いで誤魔化す。
「次の授業、面倒だなって」
「そう?俺は結構好きだけどな、科学」
他愛のない話をしながら、教室まで一緒に歩いていく。
彼の左手を繋いでいる手が機嫌良く揺れているのが、ちらりと見えて。
彼に気づかれないように、声には出さず悪態を吐いた。
20241210 『手を繋いで』
手を繋いで
何時でも繋げる距離でいたい、
例え温もりを感じ無くとも、
理解し合えると信じている
手と手を取り合い
共に進めば
怖いものなし
人と手を繋ぐ前に 先ずは自分と手を繋ぐこと
自分に優しく 人に優しく♡