『手を繋いで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【手を繋いで】
苦しくてもう歩けない
誰かこの手引いて
連れてってよ
どこまでも遠くへ
手を繋ぎながら
思考に気をつけなさい、それは、いつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい、それは、いつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それは、いつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それは、いつか性格になるから。
性格に気をつけなさい、それは、いつか運命になるから。
「月って自分で光ってないんだぜ」
もう高校生なるのに、当たり前のことを言う先輩に私は呆れた。
「そんなの小学生でも知ってるよ」
「うそ、まじ?」と驚く姿を見て、笑う。そして同時に、もう会えないのかと涙ぐむ。そんな姿を見られたくなくて、空を見上げた。
「卒業式ってさ」とため息混じりに言う先輩。
「いっつも天気悪いよな」
「たしかに。小学校の卒業式は雨だった」
「俺も」
しばらく沈黙が流れ、顔を見合せると「泣いてんの?」と言われ自分の目から涙が溢れていることに気づいた。
先輩は大袈裟に慌ててハンカチを私に渡してくれた。
「手、繋いでもいい?」と言われ、私は戸惑いながらも頷いた。
先輩の手はあたたかくて、もう涙を抑えることはできなかった。
「手繋いだら、寂しくないだろ」
そう言う先輩を横目で見る。
__ああ、やっぱり好きだ。
私はこういうところが、どうしようもなく好きだ。
「手を繋いで笑」「手繋ご笑」「私の手握ってよ笑」
何回こんなようなことを言われたか覚えてない。
僕のクラスの人たちはこんなことを言って僕のことをからかう。僕が人の手を握れないってことを知っていながら。
僕にも両腕が生えてたら無理矢理にでもしてやるのに。
#手を繋いで
新しいママが来て、温かかったおうちは冷たくなった。
新しいママは、パパが居る日は優しいけれど、
単身赴任中のパパが居なくなっちゃうと、とても、
怖くなる。
僕や、弟のりくが、わがままを言うと、
すぐに叩いたり、蹴ったりしてくるんだ。
僕は、りくは叩かないでっていうけれど、
ママは、聞いてくれないの。
きっと、ママは僕とりくのことが嫌いなんだ。
パパに相談しようと思うけど、パパが好きな人だから、
嫌な思いをさせたくないんだ。
パパに悲しい気持ちになって欲しくないから、
りくを守りながら、ずっと、我慢するんだ。
今日はね、学校から帰って長いお昼寝をしちゃって、
ママが帰ってくる前に、洗濯物を畳めなかったの。
悪いのは僕だけなのに、ママは僕とりくのことも
お外のベランダに出したの。
お外は、雪がたくさん積もってて、寒かった。
息を吐くと白くなった。
りくと雪だるまをつくって遊んでいたけれど、
時間が経つとりくの体がどんどん冷たくなったんだ。
上手におしゃべりもできなくなった。
だから、僕の体の温かいのをりくに分けてあげようと
思って手をぎゅーってしたの。
でも、りくは声をかけても返事をしなくなったの。
僕の体も冷たくなってきて、手が握れなくなったんだ。
眠くなって、冷たくなったりくと手を繋いで、
僕は寝ちゃったの。
長いお昼寝をしたのになぁ・・・・・・。
「昨日、○○市の住宅のベランダで、小学2年生の
湊くん8才と弟の莉久くん4才が、凍死しているのが
見つかりました」
「湊くんと莉久くんは、母親から虐待を受けていた
ものと考えられており、この日は雪が降る中、ベランダ
に出されていたということです」
「また、発見時、湊くんと莉久くんは手を繋いでいて、
連日の寒さで2人の繋いでいた手が凍り、未だ離れて
いないため、死亡解剖が進んでいないようです」
「この現状から、兄弟の最後まで相手を思いやる思い
と、事の残酷さが伝わってきました」
「どうか、どうか、このように純真無垢な心を持つ、
輝かしい子供たちの未来を、私たち大人の都合で
奪うことがない、そんな未来を・・・・・・心から、望みたい
と思います」
手をつないで遠くに行こう!
手を離さない
いつまでも一緒に生きよう!
絡んだ指がシーツに埋まる
見上げる君は薄赤く
少し苦しそうに涙を零した
僕が君のものになり
君が僕のものになる
たったそれだけのことで
たったそれだけのことなのだけど
この温かみに永劫二度と
触れられないのは
少しだけ
‹手を繋いで›
君の事が嫌いでした
何でも直ぐ暴力に訴える君が
無くなれば全て解決すると思ってる君が
心から馬鹿だと思いました
便利なだけで心底嫌いでした
でも
君の言葉が言葉通りで
植えられた信念のままに
ただそうあってしまっただけだと
趣味の悪い種明かしを自慢気にされたとき
私は
私はそうあれと願った細腕を
暴力を使えないこの体を
初めて
初めて恨みました
‹ありがとう、ごめんね›
「今日は帰るね」
「えっ!?帰るの…?」
「…帰っちゃダメなの?」
「…」
「だって私がいても絶対勉強しないじゃん!」
「いやー?するつもりだったのに」
「嘘つき笑」
君とまた同じ会話の繰り返し。私だって本当は君と一緒にいたいけど受験生だから私も1人で勉強したいの。6校時目の自習時間。他愛のない会話。
「できた!」
君が描いていた絵が出来上がったらしい。面接の原稿も考えずに本当に呑気な人。
君が今にも寝そうな私の腕を掴む。
「寝たらだめだよ」
そう言って手を握ってくる。いつもは冷たいはずの君の手がすごく温かくて落ち着いた。私は今日もまた君のことが好きだって実感する。抑えなきゃいけないはずなのに気づいたら好きだって叫んじゃいそうなくらい、惚れちゃったんだよ。
今日は一緒に帰れなかったけど、テストが終わったらまた一緒に帰ろうね。その時は手を繋いで…なんてわがままかな?
題材「手を繋いで」
手を繋いで
道連れ。
立ち止まりそうになる足を強がりで駆け出す。
明日になったら、どんな世界になるか、分からないから。
君が、同じ気持ちでいてくれれば、と思いながら、
手繋いだまま駆けた横断歩道
信号はいま赤になったね
2024.12.09-手を繋いで
手を繋いで
もし手がなくても
手は繋げるらしい
変な言葉
それこそ言葉狩りみたい
もし手があっても
手なんて繋げない
変なオトナ
恋ってもみじ狩りみたい
怪我をしないように
道に迷わないように
小さい頃は必ず ”手を繋いで” 歩いた
過保護すぎたと反省している
なので、走り回る子供に見向きもせず
用事を済ませて行くお母さんを見ると
その放任っぷりに尊敬までしてしまう
それでも子供はスクスク育つのだ
『ここに、愛と勇気を持って、見守ることを誓います!』
いまさらながら、『解放宣言』
手を繋いで
「ねぇねぇ手繋ご?」
いいよ。
2人でいつも通り手を繋いでいつも通りの道を歩いて帰る。
こんな平和な日常が大好きだ。
私が1人で出かけても、帰ってきた時に玄関で待っていてくれて、ギューってしてくれる。
今度は私が言ってみたい。
いつも通りの道で
「ねぇねぇ手繋がない?」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
親子の話に聞こえましたか?
恋人同士の話に聞こえましたか?
「手を繋いで」
苦しくて
もう歩けないよ
誰か手を繋いで
連れて行ってよ...
びっくりした、ぬるい手だな。
俺たちの体温が同じくらいってことか。
#手を繋いで
【手を繋いで】
おてて繋いで仲良しこよし?馬鹿言うな。そんなもんある訳ねぇだろ。実際、裏切られたし、排斥もされた。無理なもんは無理なんだぜ。俺が悪いとも思うがどうしようもない。辛いかって?忘れたよ。こんな事、延々と考えてたくない。
明日こそはきっと、なんて明日には言えないかも知れない
手を繋いで
お母さんお父さん
祖父母
そのくらいしか手を繋いだ記憶はない
君と手を繋ぎたかったような気がするけれど
過去に戻ったとしても
絶対手汗とか気にしちゃうし
ドキドキしすぎてそんなことできない
そもそもお互いパーソナルスペースが広かったよね
手をつなげる距離に僕たちはいなかったさ
【手を繋いで】
始めての登校日。
小学1年生だから、本当に始めて学校に行く日。
同じ登校班のお姉さんが、手を繋ぎながら
歩幅を合わせて歩いてくれた。
生憎の雨模様寒かったけど、
暖かかったあの手は、今でも覚えている。
すっかりと冷えてきた気温に、ぶるりと全身を震わせながら自転車を漕ぐ。
今は夜勤明けの帰り道で、空はまだ暗い。
手袋もしていない手は冷えきっているが、それに構うことなく、アパートまでの道を走る。
10分ほど漕ぐとアパートが見えてくる。
ラストスパートだとばかりに、白い息を吐きながら進むと、やがて到着した。
キキィィィ……というブレーキ音を響かせた後、鞄から鍵を取り出すと部屋へ続く階段を上る。
そうして、手に握った鍵でドアを開けると、暖かな空気が全身を包んだ。
真っ暗な部屋は静かで、けれど、どこか安心する。
靴を脱ぎ、上着も脱いでハンガーにかけた後、チラりと寝室へと目を向ける。
おそらく、今日もまだ眠っているのだろう。
「ただいま」
そう声をかけて、覗き見たドアの隙間を閉じようとした瞬間、もぞりと布団が動く。
「……ん、おかえり……?」
眠そうに目を擦りながら、上半身を起こし、呟く彼女の視線はまだ定まっておらず、ぼんやりとしている。
起こしちゃったかな、と思いドアを開け、彼女の方へ近づくと、そのままぎゅっと抱き締められた。
「起こしちゃった? ごめんね、まだ寝てていいよ」
「大丈夫だ、問題ある……」
「問題あるじゃん」
うとうとした様子の彼女とそんなやり取りをしつつ、思う。
「あったかい」
「お布団入ってたから……体冷たい」
「外にいたからね」
俺の体が冷たいことに納得がいかないのか、抱きついたまま唸り声をあげる彼女。
「一緒にお布団被る」
言い終わる前に、ぼふっと布団を被せると、そのまま俺の手をとって。
「お仕事お疲れ様、手冷たいからぎゅってして寝る」
「ありがとう」
小さくて温かな彼女の温もりを感じたまま、目を閉じる。
疲れからかすぐに、睡魔が襲ってくる。
意識が遠のく直前まで、繋いだ手にぎゅっと力を込めていた。
【手を繋いで】