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絡んだ指がシーツに埋まる
見上げる君は薄赤く
少し苦しそうに涙を零した
僕が君のものになり
君が僕のものになる
たったそれだけのことで
たったそれだけのことなのだけど
この温かみに永劫二度と
触れられないのは
少しだけ

‹手を繋いで›


君の事が嫌いでした
何でも直ぐ暴力に訴える君が
無くなれば全て解決すると思ってる君が
心から馬鹿だと思いました
便利なだけで心底嫌いでした
でも
君の言葉が言葉通りで
植えられた信念のままに
ただそうあってしまっただけだと
趣味の悪い種明かしを自慢気にされたとき
私は
私はそうあれと願った細腕を
暴力を使えないこの体を
初めて
初めて恨みました

‹ありがとう、ごめんね›

12/9/2024, 11:26:11 AM