『懐かしく思うこと』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
今のお気に入りの曲から順番に聞いてたら、ちょっと前失恋していた時にヘビロテしていた曲が流れて、あの時から思っていたより時間が経ってないことに気がついた。
帰宅途中の耳から流れるその曲は、真夏のフェスで流れそうなアップテンポな機械音とハスキーな女性が歌う「私を置いていかないで」というフレーズがチーズとワインのような相性の心地よい洋楽であって。
何度も繰り返すそのフレーズを聴いているうちに、ブワッと全身に鳥肌がたった。
それはまるで振り向き際に荒波に飲み込まれたかのように、一瞬にして過去に時をかけて、今私の目の前に続く道があの時住み込んでいた部屋へ向かう道だと錯覚するほどの威力があった。
一瞬だった。
一定の時が経ったと思っていたのに、気づけばすぐそこにあるのが虚しかった。
一瞬でも"あの時"に飲まれてしまったことが寂しかった。
-懐かしく思うこと-
あの頃は良かった…
あの子がいるだけで底知れぬ万能感があった。
今は半身を失ったように、何をしていても不安感が拭えない。
守りたかった。守れなかった。
私の時はあの頃のまま止まってしまっている。
「あ、」
偶然出てきた“それ”は、数年前に突然いなくなった彼から貰ったものだった。
「こんなところに入れてたのか…。」
好きだったなぁ。今どこで何してるのかな。元気かな。連絡もつかなかったからな。新しい彼女、出来てたりするのかなぁ…?
ああ、もう。なんで涙なんて出てくるんだろう。もう吹っ切れたはずだったのに。
彼が突然いなくなってから2年という月日が流れて、私は新しい彼氏が出来た。優しくて、温かくて、あぁ、この人と一緒に色々な景色を見たい、そう思って付き合い始めた。
だけれど付き合ってから彼氏は豹変した。怒鳴ってきた。手をあげてきた。付き合ってから新しい彼氏に愛情を貰った記憶は無い。親友にこれが普通なのかと、私がおかしいのかと、相談した。親友は、普通じゃないよ。あんたはおかしくないよ、って。もう彼氏に好きなんて気持ちはなくて。そんな彼氏と別れたくて、でも何をされるか分からなくて。怖くて。けど勇気を出して言った「別れよう」に「いいよ」の3文字で返された。
初めて付き合ったのは突然いなくなった彼で。そんな彼は不器用でツンデレだけれど、優しくて、確かな愛情をくれた。
彼がくれた“それ”、ふじが描かれた栞は、私が本を読むのが好きだと知った彼が、私の誕生日にくれたものだった。本当は押し花の栞にしたかった、なんて彼が言って。だけど、大好きなあなたから貰うならなんでも嬉しいよ、そう言って本を読む度に使う私を嬉しそうに見ているあなたが好きだった。
花言葉は調べないでね。栞を貰った2日後に、思い出したように言われたその言葉。だけどどうしても花言葉が気になって、言われたことを無視して花言葉を調べてみると「“ ”」なんて、少し重いけど、嬉しい言葉が出てきて。すぐ彼にくっつきに行って、彼から離れたあともずっとにやにやしていた。彼には怪しまれたけど、なんでもない!そう言って誤魔化した。
「こんな言葉贈っておいて…どこに消えたのさ、、」
あぁ。会いたいな。
数年たった今、こんなことを思うのは、2番目に付き合った彼氏が最悪すぎたから。あとは、、偶然出てきた栞に込められた想いが、栞に収まらないくらい大きいから。
「あぁ…もう、」
好きだよ、
“決して離れない”
あの頃はこうだったと懐かしく良い感情のまま、純粋に懐かしく思えたらどれだけよかったかな。
青春時代をあの時はと笑えても、正気に戻ると時代の変化、時間の流れ、自身の老い、環境の変化、外観の変化に時になんとも言えない心情を抱く。
新しくうつりゆく事は素敵だし、新しいステージに立てる事はいい事だと思う。
だけれどそれとは別にただひたすら懐かしい感情と同じぐらい、寂しい、置いてかれてるような、侘しさがある。
変わっていかないで、時間よ進まないで と懐かしいだけじゃなく懐かしいが故に過去に縋って固執してしまう。
あの日、君がオレに話しかけてくれた日。
今思えば、あれがオレの人生の
スタート地点だったのかもしれない。
人生、なんて格好つけて言ってはみるけど、
そもそも人間じゃないオレは、
「人生」という箱庭にすら存在しない
ただの異物でしかなかった。
そんなオレを、君が引き入れてくれたんだ。
それからのオレは、
少しは人間らしくなれただろうか。
何回も何十回も、
同じ歴史を繰り返して。
変えようとしても、できなくて。
そのたびに巻き戻しして、
また初めてのように君に出会うけど、
オレは、人間の心を持てているだろうか。
長い長い時間の中で、
人ってものを勉強する余裕はあった。
でも、暑い夏の日に食べるアイスクリームの味や、
海岸に足を踏み入れたときの砂の感触、
深い森の中での静けさは
自ら経験しないとわからない。
あらゆるものがありふれていて、でも儚い。
オレを残してみんな消えていってしまうけど、
オレは、それを本当に哀しいと思えているのか?
文字で学んで理解することと、
感じて理解することは、大きく異なる。
オレの心は、人間になれているのか。
オレが開放される日は、いつになるのだろう。
中学生の頃、部活をサボって本屋に行った。
友達と一緒に自転車で。
汗が染み込んだ体操服、ヘアゴムをはずして髪をなびかせながらペダルを漕いだ。
それは少しの現実逃避だったが、私の人生でもう2度と訪れないであろう煌びやかな時間だった。
わたしの青春はここにあった。
人は忘れてしまう生き物だから。
君の顔も名前も、もう思い出せない。
夢の中の君は何度も僕を呼んでくれるのに、僕は君の名前を呼んであげることすら出来ない。
君の怒った顔も、泣き顔も、膨れ面も、寝顔も、笑顔も、全部、全部見ていた筈なのに。
もう何も思い出せない。
もうこれ以上、忘れたくないよ。
こんなふうに想うほど愛していた君のことを。
テーマ「懐かしく思うこと」
『懐かしく思うこと』
家の近くの公園
君と初めてデートした日の待ち合わせの場所
肌寒い季節になると思い出す
心が締め付けられるような苦しい感情
君は本当に好きでしたか?
彼の言葉を、懐かしく思うことがある。今はもう聞けぬ彼の声。私から聞こえなくした彼の声。こんなに未練がましくなるなら、あの一歩を踏み出さず、彼の元まで行けばよかった。後悔しても、取り返しのつかぬところまで来ているので意味はないが。でもやっぱり、懐かしい
去年の今頃は何をしていたっけ。
カレンダーを眺めて、繁忙期特有の予定表のビッシリ加減に目を細める。
もしかしたら、もしかしなくとも今年も似たような事をして過ごしているかもしれない。
「学生の頃はお菓子持って学校で簡単な交換とかしてたっけ」
随分昔の事も、何となく思い出す。
街中のイルミネーションや子供たちがゼミや習い事から帰る時の服装が、仮装といえる姿になる時期。
横目に見て、帰路を進む。
繁忙期になるまであと数日。
今のうちに少しはのんびり過ごしたい…そう思っていたら電話がかかってくる。
「もしもし?」
『よっすー、実はさっき同中の奴と久々に会ってさー!急で悪いんだけど、アンタもこない?まだ残業デーじゃないっしょ?』
「不躾だな…同中の奴って?」
聞いて、思い出す。
「…ああ、良いよ。今ちょうど駅に向かってるとこだった。」
普段は行き来するだけの通勤退勤の道のり。
今日は急遽飲みの誘い。
たまには子供の頃のことを思い出すのも、花を咲かせるのも良いかもしれない。
お題:懐かしく思うこと
『懐かしく思うこと』
リサイクルショップに行ったら、シルバニアファミリーやリカちゃん人形があった。
小さい頃、従姉妹とリカちゃん人形で遊んだなーって懐かしく思った。
推しは、シルバニアファミリーでダンスのフォーメーションを考えてるってどっかで話してたっけ。
近所の子とシルバニアファミリーで遊んだのも懐かしいな。
懐かしく思うこと
今日友達と話す中で、ジュエルペットとこえだちゃん、しずくちゃんがでてきました。
懐かしく思うこと
何事もない穏やかな午後。
言い換えればそれは何の変哲もないいつもの退屈な時間だ。
異世界に召喚されて冒険に出たり、学校中を揺るがすような大事件に巻き込まれたり、そんな漫画や小説のような特別な出来事は起こりそうになかった。
「ユウちゃん、今日を特別な日にするにはどうしたら良い?」
あまりにも退屈で目の前の親友に解決策を求める。
「何?突然」
「だってもー何もないじゃん」
何かない?何か!
そう詰め寄ると親友は呆れたようにため息をつくと、仕方ないなぁ、とでも言うように何か思案を始めた。
外は雲一つない青空が広がっている。
グラウンドから野球部の掛け声が聞こえてくるし、隣の校舎からは吹奏楽部のブォーという楽器の音が聞こえてくる。それらを聞きながらぼんやりと窓の外を眺める。
「そうだねぇ、そうしたら10年待とうか」
「なにそれ」
「今日を特別にする方法。まぁ特別にはならないかもしれないけど10年経ったらきっと今日は好い日になるよ」
そう言って親友は笑った。
私はなんて返したんだっけ?
覚えてない。覚えてないけど、10年以上たった今もふとあの日のことを思い出す。
懐かしく思うこと
初めて来た場所なのに、どこか親近感があって、どこか懐かしいと思う、
なんで忘れられないんだろう。って。
まだ好きな気持ちがどこかにあって
それがちょっと好きとかまだ気になってるとかじゃなくて
ちゃんと。好きなんだと思う。
綺麗な月だったとか、寂しくなったときとか、綺麗に髪巻けた日とか。
そんな時に会いたくなってしまう。
好きって気持ちが残ってるだけじゃなくて、心のどこかで
もしかしたら。なんて思ってるんだと思う。
前に進もうとしてるけど。
「懐かしく思うこと」
先週、学生時代、部活で共に汗を流した友達から連絡があり、15年振りに再会した
最初は学生時代の懐かしい話で盛り上がっていたが話題は現在の話へ
僕は「外資系で時間に追われながら働いてるよ」と言った
友達は数年前に会社を立ち上げて順調に業績を伸ばしてると答えると急にビジネスマンの顔つきになった
…この流れはマズい
僕は慌てて学生時代の話に戻して事なきを得た
食事のあと、友達の買い物に付き合うことに
友達が立ち寄ったのはペルシャ絨毯の専門店
…嘘だろ?30代半ばでペルシャ絨毯にたどり着くか?
友達は屈託のない笑顔で絨毯を見せてくる
うまく笑えない…もちろん前歯が無いのを隠しながらというのもあるが…ここまで差がつくなんて…
別れ際に友達が言った
「お前が俺の会社に配達に来てたのを見かけてさ、あの頃が急に懐かしく思えてな。これからも荷物頼むからよろしくな!でも勝手に置き配するのは勘弁してくれよ!はははっ」
「ふふふっ…」
僕は笑った、おちょぼ口で
子どもの頃道沿いに向日葵があった。
通るたんびに手を振ってた。
まだあそこにあるのかな。
懐かしく思うこと
#89 懐かしく思うこと
ぐちゃぐちゃとした思考回路で生きていた、あの頃。
幸せでもあり苦しみでもあった強烈な感情は、いつの間にか。
ぼんやりとしか思い出せなくなっていて。
もう手を伸ばしても届かないと知った。
ただ、置いてきた過去から繋がる細い細い糸を、
自分でも気づかないくらい長く長く引きずって。
それが、ごくたまに心に触れて、
懐かしいような、そんな気持ちにさせるんだ。
わたしには忘れられない思い出がある。近所の男の子と歩いていたとき、私は自転車を押していた。小学校低学年だったと思う。蛙がいた。緑色のありふれた蛙。雨蛙かな。田んぼの景色が広がっている。のんびりしたそこはすごく平和だったと思う。私はそのありふれた蛙を自転車のタイヤで潰した。前輪だった。隣にいた男の子に唆されたような気がするし、自分で進んでやった可能性も否定はできない。でもどちらにせよ抵抗なく、私は自転車を押した。蛙は簡単に潰れた。記憶によればぐちゃっとした。あの状態は、破裂なのだろうか。これからの人生が何年あって、いつまで私がこのことを覚えているかは定かじゃないけど、私はまだまだこの記憶を忘れない気がする。ひとつには、私は忘れたくない。忘れてはいけないと思うような自分を望んでいる。それに酔っているのかもしれない。きっとそう。
計画なく頑張ってきたことがある。歌や踊り、演奏。やっただけ。それで終わり。
歳を重ねて虚しくなったとき、子供の頃のステージを思い返す。本当はその道に進んだら良かったのかもしれない。その時は思いもしなかったけど。
今、世にあふれる音楽を聴いて、楽しく思う、美しく思う。苦手なのは、すぐに悪く言う人。下手だとか、ビジュアルが悪いとか、うるさいとか。
音楽はありのまま受けられるけど、外野が嫌い。目の前にあるステージに私は想像で参加できる。楽しい。意見する人は、参加する気はないんだろうな。