『愛情』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
愛情はいろいろあるよね。家族の、友達の、伴侶や恋人、一緒に暮らしてる動物とか、だいじに育てている作物や花、んもう、リストを作ろうとすればありとあらゆる物事に。
「愛し」と書いて
「あいし」
「いとし」
「かなし」
…と読んだりする。
人によって愛情の表現形はさまざまだ。自分の表し方と違うと、わかりにくくなってしまうことも、よくあるようだ。思えば、これほど「テンプレートがアテにならない」のに「相手の愛情を自分の定型メガネで当て嵌めて」しまうものは他に無いかもしれない。ついつい、なんだよね…
愛情には温度がある。
そして多分、私達が観測できる範疇の現実では、それが足りているところと、それを必要としているところの二種類があるだけなのだ。愛し、愛され、受け取り、受け取られることが比較的できるところと、愛が光を当ててくれるのを求めて叫びが発せられているところとが。
いずれの場所でも、わかりやすく温かい愛情の表現は、「いとし」「かなし」の両方を明るく充たす糸口になる可能性を持っている。
ときに辛抱強さが必要だが、それこそは「愛情」の真骨頂だ、と、思う。
あたしはきっと李徴になりえる。
愛されたいという想いは肥大して、
もう手がつけられないところまできてしまった。
愛されたいから、他人を愛するの。
そうしたら、
大きな過ちを犯したの。
結局あたしは、誰も愛することができないのね。
昔、私が小学生のころ、朝顔が水のあげすぎで根が腐ったことがあった。
思いやって育てたつもりだったのに。積み上げることは大変だが、崩れるときは一瞬だ。
つまり、行き過ぎた愛情は哀情に変わる。
最初は好きだったあの人との電話も、毎日2時間がつもりに積もって、プライベートを蝕む。
均衡の取れた潮の満ち引きは、何時しか負の方向へと流れ出し、心の中にドロドロと溜まっていく。
静電気を帯びだしてふと放電し、我に返ると、自然と袖を濡らしていく。
自分の気持ちに対象があったのに、その第3文型は第1文型に代わって、孤独を覚えてしまった。
本末転倒ではないか。うん、そうだ。
嗚呼、何をしているのか。相手だってそんなつもりはなかったろうに被害妄想が過ぎる。
笑いたくなってきた。
ほら、愛情が根を腐らせたのだ。
愛情
愛情って何
僕は愛情が何なのか分からない。
愛情の表し方を知らない。
愛情の受け取り方を知らない。
今、言われている「これ」は愛情表現なのか?
今、言われているこの「助言」は愛情なのか?
今、強制されているのは?
今…
今、怒鳴られているのは?
みんな「あなたの為」「だって愛しているから」って。
愛されてるような気はしない。
怒鳴られているのも、怒られているのも、嫌われているのも、全部、自分自身のため。
僕に愛情をくれた人は唯一彼女だけ。
彼女がいなくなって以来僕は、愛情を感じた事がない。
もう忘れてしまった。
愛情の受け取り方を、知り方を。
「愛情」というのは本当に難しい。
そして僕は人からの愛情を避けてしまう。
もう気持ち悪いんだ。
何を持って「愛」というモノを定義する?
―――
男は少女の髪を梳く。彼女はそれを拒むことなく、むしろ受け入れている。
苦しげに漏れ出す息、背中から伝わる熱、髪を梳く指。
男の全てが温かくて、愛おしくて、自分から求めていた。
「くる、し」
「……すまない」
「ん、いいよ」
壊れ物を扱うようにしていたが、いつの間にか思いの丈が溢れていた。
「嫌じゃないのか、こんな見知らぬ男に抱きつかれて」
遺族の控室で眠り落ちていた彼女を、遠い親戚と偽って家に運んだ。
何故こんなことをしたのかと男自身もわからぬまま、この状況に至った。
「控室で起こさないでくれたし、式ですべきことも教えてくれたから」
そう話す少女に、男は足を絡めた。気付いた彼女の顔が緩む。
「おじさんのこと、もっと知りたいの」
色恋を知らぬ葬儀屋に、天涯孤独の身となった少女。
彼らは密やかに愛を紡ぐ。
誰にも取られたくなくて、このまま二人で溶けてしまいたいから。
『孤を交える』
「愛情」
愛情でよけた未来に確信を置いてきちゃった
歯と目がギンガムチェックの悪魔の列に並べば
合わせた両の手の中に戻るはず…たぶん
でも一旦、石炭袋でシャワーを浴びなきゃ
失礼になっちゃうから
冬の夜空をイカロスの翼で渡ってる道すがら
この手紙を書いています
簡単な話をする。君が私に触れる、私は拒絶しない。以上。これっぽっちの愛の話。泣かないでよ。涙を拭いてもいい?私は君に愛されるに足る?この体で君を抱きしめることは可能?
【愛情】
愛情って何?
私の自由を奪って危険から私を守ること?
過度な期待を私に押し付けて上手くいかなかった時に怒ること?
私にとってその愛情は私を傷つけるものでしかないのに
助けて
∮愛情
『愛』が燃え上がる蝋燭の火なら
『愛情』はきっと平和を願う灯火
何時までも、消えずにそっと灯り続ける。
そんな関係になれたらいいな
#愛情
愛情とは何だろう?
思わず、辞書を取って調べる。
愛情とは、人や物を心から大切に思うあたたかい気持ち
らしい。
なるほど…。
どうやら愛情と呼ぶものは、
色々なものが対象になるようだ。
私の愛情は何に向けられているだろう…?
美味しいご飯を作ってくれるお母さん。
私の事を大好きな気持ちが隠せていないお父さん。
私に勉強を教えてくれるお兄ちゃん。
大好きな家族に向けられた私の気持ちは
きっと愛情だろう。
学校で仲の良い友達と話す時間。
ちょっと怖いけれど、話すと面白い先生の授業。
金賞目指して部活のみんなと演奏する時間。
一度しかない学生時代。
テストだったり、部活で怒られたり嫌な事もたくさん
あるけれど、毎日楽しんでいるこの時間も
きっと愛情だろう。
振り返れば、私はたくさんのあたたかい気持ちをもって
過ごしているようだ。
そしてまた、私が向けた愛情は
私に返ってきているのだろう。
だって毎日楽しいから。単純だけれど、毎日楽しいってとっても凄い事だと思う。
愛情に溢れた毎日を大切に、大好きな人達に
「ありがとう」を伝えていこうと思う。
愛情
愛情、友情、親愛
それはとても似ていて
けれども違うもの
その境界線を、違いを
いまだにわからないけれど
きっと、綺麗なものばかりではないのだろう
失うことに恐怖し、
共にあることを喜びとする。
悲しみ明け暮れ、
明日を紡ぐことに興奮する
そんな感情を、いまだに知らない。
いまだに理解もできないの
「愛情」
皆それぞれ違う愛情がある
それは人によって違うの
【愛情】
「ハルヒロ。野菜、後回しにしないで、きちんと食べなさいよ」
夜の食卓で。
ハルヒロの前に座っている母が、口を尖らせた。
「うるさいなー。分かってるから」
三角食べは基本である。
マナー、みたいな。確かにそれもあるし、健康にもそちらが良いのだろう。たぶん。
ハルヒロもそれは分かっていた。
けれど、無意識に自分の好きなものばかりを食べてしまう。
分かっているのに指摘されると、なんだか悔しというか、反抗したくなるというか。
「うるさいじゃないでしょ〜。もう」
母は口うるさいが、ハルヒロをよく気にかけていると思う。
頼み事をしたら、渋い顔をしながらもなんだかんだ聞いてくれるし、一番にハルヒロのことを考えている。
もう20歳になるし。
反抗? みたいなのは、流石にないけれど。
やっぱり口うるさいのは嫌だ。
「……」
相変わらず父は無言である。
武士みたいだ。
食うのは早いし、無言だし。
それでも、なんだかんだハルヒロのことが自慢らしい。
親の愛情だろう。
恥ずかしくて、受け止めきれない。
ハルヒロは夕飯を食べ終えると、そそくさ自室にこもった。
* *
大学の食堂はいつ行っても騒がしい。
たぶん、講義が終わるのがだいたいみんなこのくらいの時間だからだろう。
集中するのだ。人口が。
キャンパス内の人間が、一つの箇所に集中すると、とんでもないことになる。
「席取れて良かったぁ」
「メイ、足速すぎだろ」
メイがほっと安堵しながら、昼食をテーブルに置いた。
リュウとハルヒロは肩で息をしているのに対し、メイはケロッとしている。
「元水泳部なめんなよ〜」
メイは講義が終わると一目散にリュウとハルヒロの腕を掴んで走り出す。
おかげでいつもハルヒロたちは食堂の席を獲得することに成功するのだが、命懸けだ。
体力のないリュウとハルヒロは肺が潰れそうになる。
「いただきます」
「「いただきまぁ〜す」」
メイは元気だ。なんというか、元気な小動物? みたいな。そんな感じ。
それもまた愛おしい。
「ハルヒロ〜。野菜を先に食べた方が良いって聞くよ? それに、たまに野菜残すじゃん。良くないよ」
ふと、メイが思い出したように口を尖らせた。
なんだか、前にも同じこと言われた気がする。母に。
「ああ、忘れてた」
「何それ〜」
ハルヒロが答えると、メイは笑った。
ていうか、よく観察してるな。ちょっと恥ずかしい。
それと同時に、嬉しかった。
メイに指摘されると、うるさいとは思わない。それよりも、心が躍る。
メイのこれも、愛情……なのか? いや、友情?
「ありがとう。メイ」
「改まって言われると、恥ずかしいじゃん」
メイが頬を赤らめて、そっぽを向いた。
帰ったら母にも、礼を言おうかな。なんて。
もう少し、素直になってもいいかなと、ハルヒロは思った。
ちなみにリュウはいち早く完食すると、スマホに没頭していた。
リュウもまるで、武士みたいだ。
親からの愛情は小さい頃から十分すぎるぐらい貰ってきた。
毎日「大好きだよ」って言ってもらって
ご飯も作ってもらって
やりたいって言ったことも全部やらせてくれた。
そして何より寂しくなったら
「ママ、ぎゅーして」
って言えてた。
いつの間にか母親の背を抜かして、
自分の遊ぶお金くらいは稼げるようになって、
何も変わらないのに18年生きたら
今日から大人ですって切り離されて、
ほんとはあの頃から何も変わってないよ。
だから寂しくなっても夜1人で泣いてたりするの。
親の言うことが全部正しいわけじゃないって
私も大人になってわかるようになったから、
反抗したり、イラッとしたりすることもある。
でもやっぱりあの頃が恋しいよ。
親がいなくなるのが怖いなんて小学生みたいだけど
やっぱり怖いよ。
まだまだずっと長く長く一緒にいてね。
私も両親みたいに大好きな人にたくさんの愛情を届けられる立派な大人になるから。
せめてそれまでは。
愛情
深く深く愛情を注がれ育てられた私。
それを嫌がるかのように曲がった生き方をしてきた私。
今はそれのツケが回ってきたのか。
人生全く上手く行ってない私。
父よ母よ。本当に申し訳ない。
この先、私の人生が全く上手くいかなくてい良い。
自分なんてどうでも良い。父と母に喜んでもらえるような生き方をしたい。
だから私は、父と母が自分にしてくれたように出会う全ての人に好き嫌い関わらず平等に愛情を注ぎ接したい。
それが父と母に対しての愛情。
愛情とは、
そそぎそそがれるものである。
愛情とは、
自然と身体が求めてしまうものである。
愛情とは、
互いを思い合う心である。
様々な形に変化していく。
気持ち 言葉 行動
すべてのものに愛情は存在し、
私の心を満たしてくれる。
#愛情
僕に愛を教えてくれた人がいた。
その人は僕の名前を愛おしそうに呼んでくれた人だった。僕の頭をうりうりと楽しそうにかき混ぜた人だった。
僕が風邪を引けば自分の事のように苦しそうに看病をしてくれた人だった。
その人が今日、亡くなった。
僕に唯一愛を注いでくれた人が居なくなってしまった。
もっともっと僕に愛を教えて欲しかった。
僕はこれから、彼女に貰った愛を他の人に教えることにした。昔の僕のように愛を知らない人に。
今までありがとう。大好きな貴女。
愛情。君たちに分かるのだろうか。
同性愛者を否定する社会のど真ん中に放り出されたゲイの気持ちが。レズビアンの気持ちが。
僕はゲイ。幼なじみはレズビアン。中学校では、同性愛者はキモイヤツ扱いだ。僕らは正体を隠して生きている。それでも僕らを貶す言葉は絶えない。
「ねぇAってゲイなん?」
「いやまじか怖」
「Bに告ったらしいぜ。男同士だぞ?」
「ゲイとか無理だわ〜ww」
「キモイって振ったらしいけどなww」
「最高やんBーw」
僕らを、貶す。それなのに
「ねぇ!○○君とキスしたってほんと?」
「い、いや!まぁ、うん。した。」
「キャーー!すごーい!良かったね」
「それでそれで?」
この愛情の差はなんだ?
僕らのも、愛だ。彼女のも、愛だ。アイツらのも、愛だ。その他にももっともっと、当事者にしか理解できない愛のカタチがたくさんあるのに。
2人ぼっちの幸せを。愛を。関係を。
歪な愛だなんて決め付けるな。
つよく惹かれ
このうえなく大切に思う気持ち
執着から離れ
煩悩だと自らに言い聞かせ
少し遠くから
そっとあたためることができたら
「愛情」
#258
貴方から貰ったたくさんの愛情
私は返せてるかな?