愛を叫ぶ。』の作文集

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愛を叫ぶ。』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

5/11/2024, 1:28:21 PM

愛を叫ぶ。



僕の学校には、年に一度、地獄のイベントがやってくる。
屋上から大声で叫ぶイベント。
告白するやつもいれば、家族や兄弟への不満を叫ぶやつもいれば、先生への文句も言うやつもいる。

今年で高校生活も最後、という事で、僕の学年から出る人は結構いるらしい。
まぁ、僕は出ないけどね。
でも彼は出るらしい、彼って?僕の恋人。
結構イケメンだし、人気があるらしい、だから女子はソワソワしてる。

出場する生徒以外が、運動場へ出た。
順番に出場生徒が気持ちを叫んでいった。
告白して成功してるやつもいた。
黄色い歓声が響く中、ついに彼の番が来た。
女子たちはまたもや黄色い歓声。

そんな中、あいつは叫んだ。
「すげぇ変なやつだけど、笑うと綺麗なんだ」
みんなシーンとして、なんの話だ?と混乱の表情を浮かべている。

「すげぇ好きなやつがいるんだ」
シーンとした会場が、一気に盛り上がった。
女子は誰?!と叫んでる、喉大丈夫なの?

「きっと本人は気づいてる、屋上で、キスをした。」
ぶわっと顔に熱がこもった。僕のことだと一瞬で分かった。
見上げると、目が合ったかのように、彼は微笑んだ。
僕も好きだよ。と心の中で叫んだ。

5/11/2024, 1:22:08 PM

『愛を叫ぶ。』

1年前、私は彼に告白された。
特に恋愛感情はなかったけど、付き合ってみることにした。
でも、だんだん付き合っていくうちに、彼の良さや普段見れない一面が見れて、嬉しかった。
私しか知らない、彼の細かい部分。
それを知っているということで優越感があった。

付き合ってから少し経つと、彼がモテていたことを知った。
もう少し経つと、彼の恋愛経験がないことを知った。
だいぶ経つと、彼の優しい内面が見えてきた。
その後しばらくして気づいた。私は彼に恋愛感情を持つようになった。
ちゃんと、両想いで付き合えるようになった。

それなのに、こんなことを告げられた。
──ごめん。急なんだけど、来週から親の事情で海外に引っ越すことになって…、なかなか会えなくなると思う。ほんと、ごめん。

なんで今なんだろう。せっかく、ちゃんと好きになれたのに。
生憎、運が悪かった。
彼の出発当日、他に誰もいない地元の駅で彼を見送ることになった。
寂しさと悔しさで涙が出そうになるのを必死に堪える。
そして、列車は発車する。

私は、お別れの言葉より先に
愛してる 誰よりも、愛してる ───
そう叫んだ。全力で。
少しずつ速くなる電車をできる限り追いかけながら愛してると叫ぶ。
耐えきれず、私の視界はぼやけていたため、彼の顔はよく見えなかった。
けど、きっと笑っていた。

─────────────
今でも、時々彼のことを思い出す。
不慮の事故で帰らぬ人となってしまった、
彼のことを。
今でも、時々彼の名とともに こう心の中で叫ぶ。
愛してる、と
全力で。

5/11/2024, 1:21:16 PM

いくら私が叫んだところで


君には届かない。


〈愛を叫ぶ。〉

5/11/2024, 1:21:15 PM

題名『頭の中心で愛を叫ぶ男』
(裏テーマ・愛を叫ぶ)


「ねぇねぇねぇ、今日のアプリの課題見た?」
「見た見た見た、愛を叫ぶ!だってさ」
「昔、セカチューってあったんじゃない?」
「なにそれ?」
「世界の中心で愛を叫ぶ、知らない?」
「知らない」
「初恋の彼女が白血病で死んじゃうヤツ」
「マジか、」

 私たちの悲しみの始まりはあのLINEのやり取りからだったね。
 本とは違って、男のあなたが白血病になるなんて1グラムも想像していなかった。
 でも、あの日に病院で宣告を受けたあなたが「マジか」って驚いたのは理解できるし、あとから知って悪かったなと思った。

 そういえば私が学校の授業のノートを持って行ったとき、ちょうど三階のあなたの病室の下を歩いて玄関に向かっていたら急に、上からあなたの声に呼び止められて、
「はづき、あいしてまーす!」
 突然に大声で告白してきたね。
 私は恥ずかしくて恥ずかしくて思わず逃亡犯みたいに顔を隠してしゃがんじゃったよ。
「こんな僕ですが、彼女になってくださーい!」
 もう、素早く、両腕で大きくマルを作ってから、私は玄関へ向かって走った。

 あのあと大変だったんだよ。看護師さんも病院の先生も会う患者さんまでみんながおめでとうって言ってきたんだよ。
 彼はその日から病院では、愛を叫ぶ男として有名になった。

 見た目は元気だし、お医者さんもあなたのお母さんも元気だと言うから私はすっかりだまされた。あなたがみんなに頼んでいたらしいね。

 航太(こうた)とは家も近くて幼稚園から高校まで同じという腐れ縁ってやつかな。
 小学校の低学年までは結婚も何度も約束した仲だったけれど、男女が仲良いと冷やかすクラスメートもいたから、少し距離をとった時期が続いてた。

 本当に昔みたいに付き合い出したのは高校に入ってからだと思う。同じ高校を目指した頃からなんとなくお互いの気持ちは感じてはいた。それに小学生のとき離れて、めちゃくちゃ後悔していたんだ。あんな思いはしたくなかった。取り戻したかった。
 航太も同じだったから?かな、特に入院してから愛情表現がオーバーになっていったように思う。
 会うたびに叫ぶんだよ、
「愛してまーす!」って。
 本当に愛を叫ぶ男だよ。

 あれは五月だった。暑い日だった。
 学校帰りに病院に行ったら、片づけられた空のベッド。
 ぴんと張ったシーツの白さが怖かった。
 看護師さんに聞くのが怖かった。
 そのとき、ナースステーションから出てきた看護師さんと目が合った。その急に曇る表情を見たら、ずっと怯えていたことだから分かってしまう。わかっちゃうよ。私は絶叫して座り込んで泣き続けた。入院してる患者さんが集まるくらい、泣き続けた。

 どうしても苦しんで死ぬ姿を私に見せたくないと言っていたらしい。あの小説の主人公のように心の傷にはなってほしくなかったらしい。あの小説をあれから読んだんだね。
 でも、わがままかもしれないけど、矛盾するけれど、後悔がないくらい私に愛をぜんぶあげたいって言っていたらしい。
 そして自分を思い出すときは、苦しい悲しい顔じゃなく、明るくて笑顔で愛を叫んでる顔がいいって言っていたらしい。
 そのために会うときは愛を叫び続けるとも言っていたらしい。

 葬式の日は、小雨が降っていた。
 クラスメートも全員が来ていた。
 遺影も笑顏だった。

 棺の中の彼を見ても、葬儀の間も、私は泣かなかった。
 なんだか実感がなくて、信じられなくて、泣けなくなっていた。

 1週間後。
 1ヶ月後。
 半年後。
 1年後。

 私は遠い大学に通っていた。
 少しでもあの町から離れたかった。
 あれから、まだ泣けない。
 泣いたら、夢が本当になってしまいそうで怖かった。

 今でもときどき聴こえるの。
 私の頭の中心で、愛を叫んでる男がいるの。
 航太は、生きている。

5/11/2024, 1:20:39 PM

言えない気持ちや愛をずっと叫んでいる手と手という曲が本当に好きです

5/11/2024, 1:18:10 PM

「愛を叫ぶ。」

愛は死の呪文より強い。
守られるヒロインが羨ましいなんて、こんな感情、

5/11/2024, 1:17:35 PM

【愛は叫ぶ。】

愛は止まらない
読み始めたら面白くて
一気にファンになった

作者に ファンレターを送る
ほとばしる思いを 紙にのせて

私は この物語が
今まで読んだ どんな本よりも
大好きです。

5/11/2024, 1:11:22 PM

『あすなろ』
 私の友達に言ったんだ。
雨は、私の味方何〜(*^^*)🎵と話した。
体育は嫌いだったけれどもバスケ🏀は上手くなりたい(。>﹏<。)って、はじめて想ったの。。そしたら、、友達は、
『理解るな〜、バスケ🏀はとても素晴らしいスポーツだと想うョ』と言われたの。
私は、熱くなりそのまま話しを続けた。
川柳教室の先生が私に下さった川柳のプレゼント🎁なんだ(*^^*)🎶
『バスケ🏀の負荷もいとをかしだもん🎶想うようにならないけれど、好き』と、話した。
『あんずは好きなことが多そうだからなりたいな〜がなりたい事がありそうだね。』と、返事が来た。
会話ひていて、ワクワクした〜⭐✨
 これって、先生が教えて下さったあすなろの話しだネ(*^^*)🎶
うん、そうだョ〜。と友達は、言った。夏音ちゃんとも陽葵ちゃんとも木田太一君とも高橋悟君とも違う新しい友達。
 楽しかったなぁ〜(*^^*)🎶なりたいこといっぱいあります(≧▽≦)🎶
でも、時々、周りの負荷があったり、自分で限界を作ったり、周りに反対されたり、川柳教室の先生がプレゼント🎁して下さった川柳のように、
『思うよういかないけれど今が好き(≧▽≦)』と想える私になりたくてーー。
 蒼さんも、言ってはりました。『あんずさんの思うようにならないこともあるし、川柳教室、お休みしたって次に川柳教室へ言った時に私は来ないだの課題頑張ってしたんですョ〜(*^^*)🎶先生、見て下さい(*^^*)🎶』と、言えばイイヨ〜(*^^*)🎵宿題をしたことは無駄じゃないとボクはは想うヨ〜(*^^*)🎶と蒼さんは励まして下さいました『前向きで物事を考え🤔なくちゃ(*^^*)🎵』とも🎵
嬉しくて泪が溢れて止まりませんでした。(´;ω;`)(。>﹏<。)ーーちょうど、パソコンの充電が切れた😱
 一旦、リラックスをしようとお茶を飲んだ🍵フゥ~。
もう一度、ちゃんと蒼さんに、お礼を言ってから寝よう(-_-)zzz🌙と、私は思った。ーーちゃんとお礼も言えた。
蒼さんは、最近、よく悪夢を見られるそうです。何で、アドバイスしたらいいのかな~??月並みに、ハーブティー🌱とか、ホットミルクとかホットココア〜たかかな〜。
 私もホットココアが飲みたくなりました(*^^*)🎶蒼さん、心でからありがとうございます😊🎶
新しい友達とは、次にあった時に何を話そうかな〜(*^^*)🎶ワクワクします。(*^^*)🎶
『アゲハチョウ』素敵な小田井だから、頑張って繋げます。🎵『真夜中のマリア』編に。ありがとうございます😊
終わり

5/11/2024, 1:09:46 PM

自分は一体どこにいるのだろうか

物理的な場所ではなく、精神的に。

やってもやっても上手くいかなくて絶望しているが

結局自分は何を目指しているのだろう

どうなったら正解なんだろう

努力は必ず報われるって誰かは言うけれど

本当に報われたら私は今頃苦労していない。

でももがいているからこそ分かる気持ちもある

どん底の気持ち。泣きたくても涙が出ない気持ち。

きっと私は誰かの痛みが分かる人間になりたいんだと思う。中々難しいけどね。

今日もどこか分からない場所から

どこかで頑張っている貴方へ"愛を叫ぶ。"

5/11/2024, 1:08:57 PM

「愛を叫ぶ」(一行詩/三連行)

一枚二枚三枚 憎愛沢山の葉書を認めては叫ぶ

増悪増愛込めた カレーライスを召し上がれを叫ぶ

愛し愛し愛しきよは 嫌悪か増悪に叫ぶ

5/11/2024, 1:08:33 PM

叶わない愛を叫ぶ。私の居場所はここだよと、歌いながら叫ぶんだ。

5/11/2024, 1:08:31 PM

唐辛子やら、花椒やら、クミンやら、いろんな香辛料が混ざりあった匂い。威勢のよい話し声がそこかしこから聞こえる。
看板はネオンでぴかぴかと光っていて、夜でも通りは明るい。大学で学んだ北京語と違って、重慶語はなかなか聞き取れない。
タイ、ベトナム、韓国、カザフスタン。アジアの国々の留学生と友達になった。
友達がみんな自分の国に帰ってしまった今、あの頃の重慶には二度と戻れない。

5/11/2024, 1:08:20 PM

愛を叫ぶ。 5/11 (土).

あなたが屋上へ向かう姿を見た時から。
とてつもなく嫌な予感がしていた。全身を纏う悪寒。

あなたに後ろから着いていく。
屋上にあなたが着いた所で、あなたは靴を脱ぎ、フェンスに座った。
予感は的中。

あなたが 何に絶望していて 何が辛くて 何が怖いのか。
私は全然知らなかった。けど……
知っていてほしいことがある。

「私は!!!あなたが!!!大好き!!!!!!」

大声で愛を叫ぶ。

するとあなたは振り向いて、大粒の涙を流しながら
にこり、と笑い返した。

5/11/2024, 1:07:26 PM

初対面で未来がわかる…
そんな不思議な体験がある。
現在、ひとつ屋根の下で共に暮らす旦那を初めて見たのは18歳だった…
名も知らず、どこの誰とも分からない人
もちろん、「愛」なんて欠片もない。
ふと視界に入った彼は、真っ白いオーラで全身を包まれ輝いていた…
次の瞬間…「何だ…ここにいたのね」って
直感で私は感じ取った。
「私…この人と結婚する」って迷いもなく運命に従った私だが、旦那は長い時間たった今も信じていない…
私は確かに、運命を未来を一瞬で感じ取ったのに…魂レベルの出来事だったのに…
この話をすると「またまた…ご冗談を」
くらいなノリで返される。
一方的に運命を受け取ってしまった私は
プロポーズの言葉もないまま結婚し、気がついたらずっと彼と一緒に生きている…
私たちはきっと、生まれ落ちる前に
「愛を叫ぶ」そんな約束を交わしてこの世にやって来たんだね。

5/11/2024, 1:07:19 PM

愛を叫ぶ


夫と結婚して三年

私は高校にもろくに行かない悪ガキで
夜な夜な遊んで歩いていた
今で言うパパ活みたいなこともした
お金が欲しかっただけなんですがね

結局高校は中退して、飲み屋でのバイトを
転々としながらの生活
たまにパパ活をして…
夫とはそんな頃に出会う
会社の人と飲みに来たのだ

至って真面目で普通の人で
面白いわけでもない
服やバックなど買ってくれたらそれでいい
と、たかをくくっていた私
だから適当にデートをしていた

夫は真剣に私に似合う服を探している

だけじゃない
私を真剣に好きでいてくれた

大体の大人の男性はお金としか見なかったし
相手もきっと金さえ渡せば遊べると
思っていただろう
どこか男性を信じられない私がいた

夫は全てが違ったのだ
それからは少しずつ夫に心を開いてゆく
半年後には同棲を始めた
更に半年後には結婚をした
入籍だけ済ませた
翌年には第一子の妊娠、出産
慌ただしい一年だった
夫はイクメンっぷりを発揮していた


そしてそれは唐突にやってくる
夫が仕事で会社に戻る途中
事故にあった
あっけなかった 
対面した時には もう冷たくなっていた
それからの数日は記憶にない

49日が過ぎた頃
夫の友人から連絡がきた
「見せたいものがある」と

日程を決め夫の友人達が家へやってきた
友人の一人が言う
「もうすぐ○○ちゃん誕生日でしょ。あいつサプライズで動画撮ってたんだ」

動画の再生が始まる
にっこり笑った夫がいる
日本一高い山を登っている夫
汗をかき、息を切らし
友人達と冗談を交えながら
頂上に着いた夫は
大きく息を吸い込んで
「○○愛してるよー、これからもよろしくねー」
「誕生日おめでとー」

夫は叫んでいた

子供を連れて夫のところへ行こうかとさえ
考えていたけれど
この動画を毎年見て
頑張って生きてみようと思えた



長文失礼しました

5/11/2024, 1:05:57 PM

好きなもの。大好きな、もの。

誰かに分かってもらわなくても、別にいいのだ。
己のこころが受け取るまま、感じるがままに、この想いを守り続けていれば。

それでも、いつか自ら手放すことになる瞬間は、きっと訪れてしまう。
ほどけるように執着も薄れ、どこか遠くへ消えてしまっても。
今こうして焦がれ過ごした時間こそが、大切な宝物であったと言い切れる。

時には、熱く語ろう。
大きく逃した息まで、強く吸い込んだ。

【愛を叫ぶ。】

5/11/2024, 1:05:50 PM

まさに今日、君に愛を叫ぶ。
将来について話し合った、教室の隣の少し狭い準備室。広場で揺蕩って、微睡んで心地良い昼下がり。春の風が、すっかり暖かくなったベンチの上。冬の存在を消すように、枯れた木の葉を飛ばしていった。木漏れ日の優しさとゆったりとした君の声を隣で感じる。目を閉じれば、人々の声、車の走る音、風が空へ舞う感覚、愛しい君の手の温かさ。なんて幸せなのだろう。こんな一時がずっと続けば良いのに。いつも望むのは、君との平穏で愉快な日常。君に愛を伝える度、会えない時間が長く長く感じる。夜が全てを包み込むように、寂しいこの時間もいつか抱きしめられるのかな。君には本当にこの好きと言う気持ちが伝わっているのかな?君は本当に私を愛してる?不安になって、君からの愛が無性に欲しくなって、でも、君に会うとそれだけで満足して、不安だったのが嘘みたいだ。今すぐにでも通話して、君に好意を、愛を伝えたい。優しい君のことだから許して。
私は、声に出して愛を叫ぶなんて出来ないけど、言葉にしたら叫んでることにならないかな。君を抱きしめた時にでも愛を囁くくらいはしたいな。

5/11/2024, 12:56:48 PM

自分の声が嫌いな自分は、叫ぶこと自体が人生で1度2度あったかどうかくらい。
それに加えてシャイだから、自分が純粋に思っていることを素直に相手に伝えるなんて、とても勇気がいる。
いつか愛を叫ぶことがあったとしたら、きっと滝行でもしてる最中かな。
ノイズ混じりの叫びじゃなきゃ、羞恥心に耐えられない。

現実世界で本当に愛を叫べる方を尊敬します。
でも、目立っちゃうんで愛を叫ばれたくはないです。

5/11/2024, 12:55:57 PM

"愛を叫ぶ。"

 今日は風が強い。通報を受けた場所は港。
 その為風の強さが尋常じゃなく、戦闘中白波の飛沫が何度もかかった。
 それはいいのだが、俺が変身を解いた瞬間に飛沫が上がって、その飛沫がもろにかかった。俺だけ海に近い所に立っていた。
 自然に負けた。俺だけ。
「なんで……」
 レーザーはゲラゲラ笑いながら病院に戻っていった。
──あいつ今度会った時脳天ぶち抜いてやろう。
 潮水でしっとりと濡れ、束となった髪を伝って毛先から雫が落ちる。
 地面を見ると、俺の周りを囲うように斑点模様ができていた。今も一つ、また一つと雫が落ちて地面に滲んでいく。
 海の方へ身体を向けて、息を大きく吸う。
「なんで俺が変身解いたタイミングで上がるんだよー!」
「傍に立ってた俺も俺だけど!……なにもんなタイミングで上がらなくたっていいだろー!」
 思わずやけになって不満を叫んだ。
「レーザーてめぇ後で締めるから覚えてろー!」
 これはついで。
 満足して「はぁ……はぁ……」と肩で息をする。
「え、と……。大丈夫ですか……?」
 エグゼイドがおずおずと聞いてきて、ゆっくり振り向く。
 口ぶりや表情からして、声をかけるタイミングをずっと見計らっていたようだ。
 あと、急に柄にもなく叫びだした俺に気圧されたのもあるだろう。
 息を整えて口を開く。
「あぁ、スッキリした」
 上体を起こし胸を張るように腰に手を当てて、得意げな笑みを見せる。一応質問の答えにはなっていないが。
 怪訝な顔をされるかと思っていたが、ゆっくり口角を上げて「それは良かったです」と、予想とまるで逆な表情を向けてきた。
「大我さんはもっと叫んだほうがいいです」
「はぁ?」
「ずっと前から『いつか病みそうだな』ってヒヤヒヤしてました」
「……」
 昔『いつか心おかしくして壊れそう』と言われた事があったから何も言えずに口を閉ざす。
「だからたまには、周りを気にせず思っている事全力で叫んで下さい」
「……あっそ」
──まさか五つ年下の後輩にそんな事を言われるとは。
 驚きと感心が混ざった短い言葉を吐く。
「ついでですから、ここで愛を叫びません?」
 撤回。感心して損した。
「ほら、もう一回海向いて。動画撮って飛彩さんに送りますんで」
「誰がするかっ!」
 今日一番の大声で反抗する。
 こいつ、たまにこうやって悪ノリみたいな事をする。絶対あいつの影響受けてる。しかも年単位で受けてる。やっぱりあいつ締める。
「てめぇが心配しなくても、そういうのはちゃんと、言葉にして、面と向かって伝えてっから」
 口ごもった言い方になって、後半聞き取れているか微妙。
「安心しました。それじゃあ、戻りますね」
 と身を翻して小走りで離れていった。その背中に「転ぶんじゃねぇぞー」と仕返しで茶化す。すると傍に置いてあった空箱に足を引っ掛けて派手に転んだ。
「あーあ。言ったのに」
 思わず言葉が零れる。
──そういう所は本当いつになっても変わらない。
──さて、早く帰って着替えてシャワーを浴びなくては。
 身を翻し、帰路に着く。
 たまには叫ぶのもいいか、と小さく鼻を鳴らした。

5/11/2024, 12:53:54 PM

愛を叫ぶ

「愛って、どうやったら相手に伝わるんだろうな」
「なんでまたそんな急に……」
また、相棒お得意の唐突な話題だ。
「そんなの、言葉とか行動とか、色々あるでしょ」
「いーや、そうとは限らないぜ?じゃあ、仮に俺がお前に「愛してる」と言ったとして、信じるか?」
「いーや?」
「だろ?つまりそういうことだよ」
「どういうことだよ……」
今回は言っていることがよくわからない。「愛」って、愛し合っている者同士なら伝わっているものなんじゃないのか?
「愛はさ、定義が曖昧だから、伝えるのは至難の技なんだ。例え恋人同士でも、自分自身の気持ち次第で、相手の愛の受け止め方は変わってくる」
「恋人なんていないのによく言うよ……」
「俺にはお前がいる」
夕暮れの中、ふと足を止めた。
相棒の言葉が頭の中を反芻する。
……そうだ。彼は私を認めてくれるじゃないか。
私たちの間で、疑うことなんてない。
「───私にも、ニゼがいるよ」
「はは、ほーらな?伝わった」
前を行く彼は私の方を振り返り、爽やかに笑ってみせる。
「愛なんて、直接言わなくても伝わるもんさ」
「……そうだね」
私も彼に笑い返す。
叫んだって、喉が痛くなるだけだし。
何も必要なかったのか。

────────────────

自創作 To My Imaginary より

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