『愛があれば何でもできる?』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
君への愛に溢れてる俺は君のお願いはなんだって聞いてあげられる、……と言うほど俺は大人でもなく。約束の時間を過ぎても一向に訪れない君を待ちながらため息を吐く。
もう下校の人波も落ち着いて暫く経つ、人気のない玄関。下駄箱に背もたれて座っていたがだんだんと沈んでいく気持ちと共にズルズルと尻が滑っていく、寝そべっていてももう誰の邪魔にもならないだろうそう考えながらもはや仰向けに天井を見上げていた。
忙しいのは勿論分かっている。勝手に待っているのも俺の方。それでも、蔑ろにされているんじゃないかとか、迷惑なのかもしれないとか不安な発想が頭をよぎる。
何度待たされても、不安に思っても、それでも俺がここにいるのは、俺が君を好きだから……というのもほぼ正解なのだが、君を待っている俺を見つけたとき君が嬉しそうな顔をしてくれるのを見るのがとても好きだからだ。
慌てて走ってくる足音が遠くから聞こえてきた。
さて、今日も長い時間待たせたお詫びをどう取って貰おうか?背負って家まで帰ってって言ってみる?君だって案外俺のこと大好きだから、俺への愛があればなんでもできるよね?
なんて、そんな意地悪な発想をしながら目を瞑り寝たふりをするのだった。
目を開けたとき君はどんな表情をしているか楽しみだ。
【愛があればなんでもできる?】
ある古い書物の最初の1ページ目にて。
愛があればなんでもできる。
これは本当である。
だが、愛とは儚いものであり、怖いものであり、あまりにも微弱な存在だ。
しかとかかれ。恐れたらそこで終わりだ。
ー オリジナル小説・ドゥコ作中の書物ノン・ドゥカ・ドゥコから ー
愛があれば何でもできる?
何それ、愛があったて
何だってできるわけないじゃん
そう考えるのが悪いわけではないよ
でもね、それを真に受けて
最終的には心中......なんてことも
あるしね。
愛があって悪いわけだはないよ
そう考えられるのは羨ましいよ
そう考えられるのは君たちの美点だ
でも、僕もそうやって考えられたら
あの子を悲しませずに済んで
一緒にいられたのかな......?
愛があればなんでもできる❓
今の私には愛があればなんでもできることはできない。
まだまた、未熟者だから…
愛があれば好きな人と両思いになれる❓
愛があればイジメがなくなるの❓
愛があれば、その人を助けられる❓
愛があればイジメしてもいいの❓
愛があればその人がイジメにあっている事を
全校生徒に言う❓
愛があればその子が怪我をしたのを、全校生徒に言って
みせびらかす❓
私は未熟者だから優しく手を差し伸べる事はできない
本当に愛があればなんでもできる世の中になって欲しい
学校から帰宅してからは、リビングのソファーで一人ダラダラ過ごすことが多い。
本来は夕飯前のこの時間に、宿題を終わらせておくのが我が家のルール。なのに、スマホをいじってしまう。ゲームのアプリでも探そうかと思っていたら「書いて」という文字が目に止まった。
書く習慣を身につけるためのアプリ。出題テーマが日替わりになっていて、そのテーマに沿って文章を作る、らしい。
ちょっと好奇心が芽生えて、始めて見ることにした。
「愛があれば何でもできる?」
これが今日のお題?うーん、なんか思っていたのと違うなぁ。何でもとかフツーに無理やん。みんなどんな風に書くんかな?「多分無理」とかじゃあ、さすがに初日ではアカン気がするなぁ…ソファーにもたれた背中がズルズル下がる。
頭を悩ませていると、玄関からドアが開く音がした。
「ただいまぁ。」
オカンが仕事から帰ってきた。
「んー…おかえりー。」
「お父さんも、もうすぐ帰ってくるで。」
「うーん。」
「あんた何してんの?宿題もうやったんか?」
「え?あぁ…まだ。」
スマホの画面と睨めっこしながら、オカンの言葉にテキトーに返事する。そんで、ちょっと甘えた考えがよぎる。まぁ、まだ初日やしな。
「なぁ。オカン。オカンは愛があれば何でもできるん?」
「はぁ?あんたどないしたん?熱でもあんのか?」
「へ?ないない。いや…あの、スマホのアプリでな…」
「はぁ。宿題もせんと?熱ないんやったら、はよ宿題しぃやー。今日はあんたの好きな唐揚げやねんで。」
「お?!ほんまに?」
台所のオカンが鶏のもも肉のパックを掲げながら、さらに
「揚げたてがええんやろ?ほな、はよ宿題してきー。」
朗報を聞き、今までの思考が頭から一気に消えた。
オカンはせっかちな人で、いっつも忙しくしてる。止まったら死ぬんちゃうんかな?ってくらい忙しない。保育園の頃とかはさみしいこともあったけど、仕事頑張ってるオカンはちょっと頼もしいって思うし、カッコイイとも思うてる。
そんで、今日みたいに仕事から早く帰って来れる時は、必ず夕飯のメインを僕の好物にしてくれる。
グー。お腹が鳴る。
さっきまでの考え事のせいで、忘れられた空腹感が今蘇ってきた。
「ほな、宿題とっとと終わらせてくるわ。」
スキップ気味でリビングから自室へ向かった。
オカンのいる台所の方からは、パチパチパチジュワジュワと油で揚がる良い音と匂いがしている。
よし!今日の宿題は秒で終わらせてやる!
#49「愛があれば何でもできる?」
夢があればなんでも出来る? そんな訳ない、
なんでも出来たら苦労しないよね、皆夢に縋って生きていく
そんなの見たくないなぁ
愛があれば何でもできる?
そんなばかばかしい言葉に僕は、1人くすくす笑っていた。
愛があれば何でもできるわけねーだろ
そんなことを思っているなんてどんだけ少女漫画見てんだよ。
頭がいかれている。
あの時の俺はどんなことを思っていたか今俺は愛があれば何でもできると思っている。
俺があんなお前をするなんて
「愛があればなんでもできると思う?」
僕がそう聞くと、彼は不思議そうな顔をして言うんだ。
「俺たちの関係ってそんなんだったか?」って。
それを言われて、僕はなんて思ったと思う?
「確かに」と思ったんだ。
僕たちの関係は、愛だとか恋だとか名前でくくれるようなものじゃなかった。だから、愛があればなんでもできるかって質問は不適切だった。
じゃあ何が適当な質問かって言ったら、多分これなんだよ。
「僕がお願いしたら、なんでもしてくれる?」
そう聞いたら、彼はため息をついた。
「俺ができるものだけな」
愛があれば何でもできる?
あなたを愛していたから頑張れた
苦手な料理だって、面倒な洗濯だって完璧にこなした
あなたを愛していたから頑張れた
可愛いって思ってもらえるようにメイクも服も勉強した
あなたを愛していたから頑張った
あなたが好きな車のことはたくさん調べたし、苦手なアウトドアにも付き合った
あなたは私を愛していましたか
私はあなたを愛していましたか
今はもうわからない
僕は愛があれば何でも出来ると思う。でも、それ以前に“愛”というものがなくちゃ意味がない。僕にはまず愛が必要だ。
今日も僕は愛を探す。
「……疲れてきた…」
旅に出始めて数日。夜も寝ないせいでそろそろ限界が出てきた。
「…………」
あ、やっぱ…もう……無理……か、も………
慌てて携帯を出したが、力尽きて視界が暗転した。
「…あれ?なんか人倒れてんだけど!」
「ほんとですね。」
「蒼汰?少しは驚こうな?」
「………」
「あっちょっ…白!」
「……大丈夫だ。生きている。」
「よ、よかった…」
「じゃあ雪那先輩はその子持って下さい」
「え?」
「先輩が一番力持ちなんで」
「分かった…」
「…………………ん…」
うっすらと目を開けると、電気が見える。段々と
ベッドの心地よい感触がくる。
「……ここ、は…?」
「あっ起きたか?」
声がして、起きると緑色の目をした男が居た。
「誰?」
「俺?俺は雪那!よろしく!」
「は、はぁ…?よろしく」
ガチャッ
「せんぱ〜………あ。」
扉が開いたと思うと、青い目をした男と白い目をした男がきた。
「俺は蒼汰。よろしく。」
「あ、…よろ、しく。」
「………俺の名前はないが、白って呼ばれてる。………よろしく」
「よろしく。」
名前無いのか…何かありそうだな。
「で、君の名前は?」
「…ごめん。俺の名前は秘密なんだ。」
「えっ…そうか…じゃあさ、突然だけど仲間になってくれない?」
仲間?!
「突然過ぎですよ…」
「で、どうする?」
蒼汰の言葉を無視して雪那が言う。僕は…
「…やめとく。」
「なんで?」
「僕には、探してる物があるんだ。その答えが見つかったらにするよ。電話番号教えとくから。」
「そっか…なら、いつか会おうな。」
「うん。」
いつか、か……
#愛があれば何でも出来る?
愛があればなんでもできる?
それはわからない。その時の状況もあるし、
でも、愛や恋が人の原動力となって、物凄い
パワーを産み出すのは事実。
愛されるのも幸せだけど、
思いっきり人を愛して、
「この人の為ならなんでもできる!」
って思える原動力満タンの人はもっと幸せだ。
愛があれば人間おかしくなんて
ならない
お金を手にすると人間は目が繰らんでしまう
何をしても普通でいいんでよ
遅れていても優れていたってかまわない
人間ってこんなもん。
愛していたら恥じらいなどない
愛せば全部分かるから、
人間は愛と金に縛られているのかもね。
愛があれば何でもできる?
物語は愛の力で何でもできちゃう
毒リンゴを食べた白雪姫だって
魔法をかけられたオーロラ姫だって
カエルになった王子さまだって
愛の力でどうにかできちゃった
でも現実はそうはいかない
目の前にある難題は愛の力でどうにかできない
だから愛があるからといって
何でもできるわけではない
愛の力でどうにかできないけど
人に愛は必要ではある
#4
愛があればなんでも出来る?
そんなわけないじゃないか
だって今君は僕を愛しているのに
僕の為に死ぬことを拒んでいるのだから
愛があれば何でもできる?
何でもできるって書いたらただのきれいな言葉
なんでもできるって思う時点でそこに愛はあるのかしら
何も考えずにやれることが、愛だと思う
例え、裏切られても、
消えてしまっても、
悔いてることになっても
未熟な私にはそこまでできるのか
できると言いたいけど
今の私にはまだむずかしい
愛があれば
私は愛してる人のために何でもする
ほんとに何でも
自分が壊れようとも
尽くす
これが気持ち悪いって
言われてるのを気づいているのに
やってしまう
どうにかならないかな…
「愛があれば何でもできると思ってたんです」
ベッドの上でうなだれた彼女は、そう吐露して縮こまった。手櫛で整えた髪からも、その目からも、明らかに疲れが見て取れる。
「残業だって平気でした。会いにいくのにお金がかかるから、そのためだと思って頑張っていました。それに仕事に励むことで、少しでも相応しい自分でいたかっとんです」
「でもそれで倒れたらねぇ」
よくある話だと、私は椅子に腰掛けたまま頷いてみせた。そうして手にしたボードにさらりとだけ、彼女のことを書き記す。
異を唱えられない様子の彼女は、ますます身をすくませた。
働きすぎて倒れる人は、このご時世ではそう珍しくもない。生活のため、誰かのために、もしくは断れなくて無理をしてしまう人は、最後には心身の悲鳴を残してこうやってここにやってくるのだ。
「はい。でも推していられるのは今しかないと思って」
さらに続けられたのは、今流行りの『推し』の話だった。ああ、これも増えたと私は相槌を打つ。
アイドル、アニメのキャラクターなどなど。推しを作るのは健康に良いと言われているけれど、何事も限界というものはある。
「推せる体調であることも大事でしょう」
「はい」
「愛も大事だけどね。元気がないとできないこともたくさんあるの」
なんだか説教くさくなってしまうのは、相手が若いからだろうか。こんな年でこんな場所にやってきて欲しくはない。そんな思いが滲み出てしまっているのかもしれない。
「さあ、わかったら早く現世に戻りなさい」
そうして私は促した。
反省の色が見られるなら、もう一度機会を与える。それが私の仕事だ。間違ってこの世界に迷い込んでしまった人を送り返すのもだ。この場合はどちらでもないけど、まあそこはこの仕事の裁量である。
「……はい!」
顔を上げた彼女の目に光が宿る。その双眸は「いいんですか?」と語っていた。ここがあの世とこの世のあわいだと知って、彼女は半分諦めていたのだろう。
頷いた私は立ち上がると、手にしたボードへと書き込む。迷入者、一名。そうして送還にチェックを入れる。
「さあ早く。その扉から出れば戻れるから。誰にも見つからないようにね」
——私も残業はしたくないから。その一言を飲み込んで、私は笑顔を作った。
愛は美しいもの。綺麗なもの。強いもの。暖かいもの。
けれど、怖いもの。
嫉妬の呪い。狂った愛しさ。愛がある故の、苛烈な憎しみ。
色々な種類の愛が、沢山この世界に渦巻いているから、この世界は日々、嬉しいことや悲しいこと、様々なことが起こっている。
愛があるから何でもできる、というか、愛があるから何でもできてしまう、のかもしれない。
『愛があればなんでもできる?』
愛があっても
どうにもならないこともある
どうにもならないことばかり
多すぎて
心が萎縮して
なにもできなくなる
時に
愛は
扱いにくい
厄介者
だけど
なければ
心が不細工になっていく
正しい取り扱い説明書
どっかに
売ってないですか?
「愛があれば、」魔法少女は目を閉じて君のとなりのあの子を想う