夏の雨

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僕は愛があれば何でも出来ると思う。でも、それ以前に“愛”というものがなくちゃ意味がない。僕にはまず愛が必要だ。

今日も僕は愛を探す。

「……疲れてきた…」
旅に出始めて数日。夜も寝ないせいでそろそろ限界が出てきた。
「…………」
あ、やっぱ…もう……無理……か、も………
慌てて携帯を出したが、力尽きて視界が暗転した。

「…あれ?なんか人倒れてんだけど!」
「ほんとですね。」
「蒼汰?少しは驚こうな?」
「………」
「あっちょっ…白!」
「……大丈夫だ。生きている。」
「よ、よかった…」
「じゃあ雪那先輩はその子持って下さい」
「え?」
「先輩が一番力持ちなんで」
「分かった…」

「…………………ん…」
うっすらと目を開けると、電気が見える。段々と
ベッドの心地よい感触がくる。
「……ここ、は…?」
「あっ起きたか?」
声がして、起きると緑色の目をした男が居た。
「誰?」
「俺?俺は雪那!よろしく!」
「は、はぁ…?よろしく」
ガチャッ
「せんぱ〜………あ。」
扉が開いたと思うと、青い目をした男と白い目をした男がきた。
「俺は蒼汰。よろしく。」
「あ、…よろ、しく。」
「………俺の名前はないが、白って呼ばれてる。………よろしく」
「よろしく。」
名前無いのか…何かありそうだな。
「で、君の名前は?」
「…ごめん。俺の名前は秘密なんだ。」
「えっ…そうか…じゃあさ、突然だけど仲間になってくれない?」
仲間?!
「突然過ぎですよ…」
「で、どうする?」
蒼汰の言葉を無視して雪那が言う。僕は…
「…やめとく。」
「なんで?」
「僕には、探してる物があるんだ。その答えが見つかったらにするよ。電話番号教えとくから。」
「そっか…なら、いつか会おうな。」
「うん。」

いつか、か……


#愛があれば何でも出来る?

5/16/2023, 11:05:05 AM