『快晴』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
春休み
母親からお留守番を頼まれた私は
窓の向こうから聞こえる
鳥のさえずりに誘われて
広いベランダに出た
今日も絶好の日向ぼっこ日和だな
そしていつものように
子供部屋から持ち出した掛布団を2つ折にして
ベランダに敷き、仰向けに寝転んだ
布団のぬくもりと
太陽のあたたかさとの間で
私は地球と一体になった
これでいいと思った
目の前には
画用紙の端っこまでうす水色で染めたような
張り付いた空が広がっている
じっと見ていると
段々と上下が分からなくなってくる
このまま重力が逆さになれば
私は空へ落ちてしまう
高いところから下を覗き込んだような
そわそわした心地が大好きだった
自分だけが知っている世界だった
しばらくすると
母親の「ただいま」の声が聞こえた
私は慌てて布団を戻し
何事もなかったように「おかえり」と出迎えた
𓏸︎︎︎︎𓈒 𓂃快晴
洗濯かごから溢れるぐらいある洗濯物を持ってベランダに出る。
空は眩しすぎる太陽と一面の青。
耳を澄ますと、爽やかな風に乗って遠くから街の喧騒が聞こえる。
日常から非日常へと入った世界が洗濯物の量を視界に入れた事で現実世界へと帰ってきた。
深い溜め息をついて、洗濯物を干す。
まあいいか…。
今日は快晴。
心地よい風と一緒に1日を過ごそうじゃないか。
『暖かい』
本日も快晴。生乾きのワイシャツが風に揺られてにやけてる 二杯目の紅茶 時計は揺らめき 少しだけ時間を忘れる その隙間から覗く光は暖かい ただ暖かい それが奇跡と感じた瞬間 その想いをそっとノートに忍ばせる 今日が色褪せるその前に
雲っこひとつない蒼天はすがすがしい。ちょっと前まで肌寒さに悩まされていたのに日差しはすっかり春になっていた。膝掛けに、毛布、冬にお世話になった暖かな布をしまうべく押し洗いをして次々と物干し竿に掛けていった。
「ハローハロー。こちら冬に大変お世話になった毛布たち、労いも込めてたくさん春の日差しを浴びせてね」
背中に降り注ぐ日を背にして誰が聞くこともない私と毛布と太陽のやり取り。強風や突風もなくそよそよと擽られるような優しい風が洗濯物にあたっていた。曇らなければ午後になる前には乾くかもしれない。
とっても洗濯日和であれもこれもとまとめて洗って干していく。掛けれる箇所は全て埋め洗濯以外にも、こんなに天気がいいのだから…何かしたい。毛布を裏返して乾き具合を確かめていると、掛けられた毛布の下に靴が覗き続いて布越しにくぐもった彼の声。
「お嬢さん、せっかくの『快晴』に俺とピクニックなんてどうだろう?サンドイッチにデザートをお持ちしました。戻る頃にはちょうどいい時間だ」
暖簾のようにめくりあげると彼がバスケットを片手に立っていた。一体どこから現れたのだろう。
「飲み物は?」
「君の好きなフルーツティーを。春の日差しの代わりに俺が労いにきたよ」
私のやり取りを盗み聞いていたらしい。ぽかぽかした日差しは好きだが形を留めることはできないし、少し切ないなとは思っていた。彼という形があってつい甘えてしまう。ピクニックから戻る頃にはちょうど取り込む時間のはず。
「春を満喫できそうな場所に案内してね」
毛布を潜り差し出された手を取ると、春の陽気みたいに彼は笑った。
天気のいい日はお散歩に行きたくなりませんか
私は晴れ渡った田舎道を歩くのが気持ちよくてよく行きます
昨日はお散歩のために外に出たわけではないけれど帰り道に遠回りしてお散歩しました
最近までは雪があったため寒いしあまり行けていなかったのです
久しぶりにるんるんで歩いていると前から高校生が自転車でやってきてるんるんしている私を見て笑っていきました
とても恥ずかしかったです
お散歩は浮かれすぎない程度に楽しむのが良いですね
今日は雲一つなくて、蝉を殺すほどの眩しさだ。少し歩けば脳も首を垂れるほどの気怠さが襲ってくる。
#28快晴
なんといっても外日和
けど布団からでたくない
仕事の悩みや友人の悩みやらでお腹っぱいで
贅沢にうちでゴロゴロ
『快晴』
今日も晴れている。
1か月前は土砂降りだった。
1週間前までには曇りになり、雨は上がった。
そして昨日、久方ぶりに日差しを浴びた。
こんなに気持ちのいいものだったんだ。
もっと早く、出会えていれば良かったな。
澄み渡った空はどこまでも心地よく、気持ちを清々しくしてくれる。
……なんてお話の中の世界で、本当は花粉だったり黄砂だったり日差しだったり気にしなきゃいけないから
晴れもいい日ではないんだな。
‘’ 夏を探しにいこうよ ”
と君は言った。
確かに、桜はもう緑になってしまったし、
気温も以前よりかは暖かくなってきた。
でも ‘’夏” と呼ぶにはまだ早い。
それでも探しにいきたいという君が
僕の手を引いて行く。
ああ、今日は雲ひとつ無い快晴だ。
#快晴
快晴
「サトルおはよう。今朝はいい天気よ。」
「いってきます」
母から見えないように
制服の背中の汚れをカバンで隠しながら
玄関をでた。
立川さんちと山口さんちのおばちゃんたちが角で立ち話をしている。
「サトルちゃん。おはよう。今から学校?いい天気で気持ちのいい朝ね。」
「おはようございます」
まだ小さい頃から僕のことを知っているおばちゃんたちだ。
一瞬だけ目を合わせて視線を落としながら
そそくさと横を通り過ぎる。
ズボンについたスニーカーの足型を腕で隠しながら。
晴れた日が「いい天気」だなんて
誰が言い出したんだろう。
こんな日は奴等が一層陽気になって
教室の床にうずくまってすすり泣く
僕の声をBGMに
僕の上で高笑いしながら激しく踊る。
校門のところに奴等がニヤニヤしながら
僕を待っているのがみえた。
だから僕はこんな快晴の日が嫌いだ
第3話
草原に横たわり空を見る。
なんで…。
なんで心とは裏腹に、
空は…快晴なんだろぅ。
その時ふと思った。
この快晴の空は…
教えてくれているのかなって。
言葉にした瞬間
そよ風が吹き、頬を伝った。
自分を傷つけなくても良いんだよって。
あの人との、明るい未来があるよって。
頬を伝った風に励まされた気がした。
勇気を貰った気がした。
ねぇ。
人は簡単には変われない。でも、いつか…。
この雲ひとつない空みたいに。
僕や私の心は…晴れるのかな。
今感じたこの気持ち。
感じた未来。
いつか…全てをさらけ出して、
あなたに伝えられるかな。
全てひっくるめたあなたへの言葉。
心から、愛しています…と。
快晴
雲一つない日は、滅多にない。
毎日の天気は、予報ができるが、その通りにはならない。その時々で変化して行く。
人の心のように
異常気象が、増える時は、地球が怒っているのかも知れない。
青一色に映える白い雲さえ見渡しても何処にも見当たらない。そんな分かりやすい快晴の日は、まさに彼のLINEを追加するに相応しい。
…たとえ快晴だろうが雨だろうが台風だろうがそんな勇気はないのだけれど。
#快晴
せっかくの、せっかくの快晴なのに……
ニュースには黄砂だ花粉だと、私のアレルギーを刺激するはなしばかり。
「はぁっくしょいっ!」
かんでもかんでも鼻が出る。
せっかくの快晴なのに、この季節は出かけたくてもこわくて出歩けない。
「春、好きだったんだけどなぁ……。……はっくしょいっ!!」
見上げれば雲一つない空の、夕日にかかる雲一つを見つめているあなたはきっと金曜日のようなひと
『快晴』
快晴くんの顔が晴れない。
理由を聞いたら、ミドルネームが「クラウディ」だと知ったのだそうだ。
どんな空も、わたしは好きだよ。
晴れてると
気分が上がって「またがんばろう」とおもえるでしょ?
と先生に言われた。でも私はそうは思わない。
晴れてると暑くてむしゃくしゃするし、汗でベタベタして乾くと寒くなって、ひやけどめだって塗らないといけない。でもぎゃくに雨の日がいいとも思わない。雨だって湿気で髪の毛が絡まるしたしかに気分が下がるかもしれない。そう考えるとどっちもどっちかもしれないとか。
#7「快晴」
病院の窓から見える夕焼けの空は綺麗だった
満開の桜、遠くに見える虹
今日は大学の入学式に行く予定「だった」
入学式に向かう途中に車との衝突事故に巻き込まれたのだ
医者には命に別状は無いと言われたが、足首に違和感を感じ入院している
明日には退院できるだろうが、今は大人しくしなければならない。
「今日が雨や台風ならば、明日はきっと晴れ…いや、快晴だな」
きっと楽しいことが待ってると信じて
僕は大学生活を楽しみになった
「バカお前!はよ身を守れ!!」
「oh...」
隣の家のよっちゃんは心配性だ。
どれくらい心配性かと言うと、
「えっとね、今オレ、おはよう今日は快晴だね!って挨拶したじゃん?」
「ああ、だから早く身を守れと警告した」
「うん、そこの繋がりが分からん」
「知らんのか!快晴ということは日光を遮るものがほぼ無いんだぞ!光化学スモッグ生成し放題じゃないか!」
「あっふーん」
これくらいである。
マスクに帽子にゴーグルで登校しようとするもんだから、注意報も出てないしスモッグの方は大丈夫だ、それより不審者認定されて職質されるか補導されて遅刻する方がリスクがあるって説得して。
やっと玄関から引っ張り出したよっちゃんの青い顔。
「あんまり遅くまでネットしてたらダメだよ」
「あ、ああ、そうだな。ブルーライトで目をやられて失明しかねないからな」
「うーん」
心配ごとがあるからネットで検索して、関連ワードからさらに検索して……の繰り返し。もう中毒みたいなものだから、無理やり止めさせるのも良くないけど、良くないけど。
「よっちゃんさぁ……うーん」
「なんだ」
「…………空綺麗だよ」
「は?」
「ほら」
新興住宅地を抜けて、町を見下ろす坂の上。
ありきたりだけど、雲ひとつない青空っていいもんだよ。
「ま、まあまあだな」
「まあまあなら、良すぎず悪すぎずで、ちょうどいいでしょ?」
「………………そうかな」
「そうだよ。ほら、がっこ行こ」
「うん」
#快晴